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ETERNUS SF Storage Cruiser 15.0/ AdvancedCopy Manager 15.0 クラスタ適用ガイド

D.2.2 カスタマイズ作業詳細

以下の手順で、管理対象サーバ業務(Storageサーバ業務)をセットアップします。

ポイント

本項で説明する<実行例>は、以下の場合を例に記載しています。

  • <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント> : /acmdata01

  • 論理ノード名 : acmnode1

  1. システムを再起動します。

    管理対象サーバ業務を作成する、プライマリノードとセカンダリノードをすべて再起動します。

  2. 事前準備を確認します。

    設定するクラスタ業務について、「D.1.1 Linux版/HP-UX版クラスタで必要なリソース」の各項目を確認します。

  3. 管理対象サーバ業務を既存のクラスタ業務に対して設定する場合、そのクラスタ業務を停止します。

    クラスタ業務を停止する手順は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  4. プライマリノードで、「プライマリノードのカスタマイズ手順」を実施します。

  5. セカンダリノードAで、「セカンダリノードのカスタマイズ手順」を実施します。

    カスケード運用または移動待機運用の場合は、セカンダリノードBでも「セカンダリノードのカスタマイズ手順」を実施してください。

  6. プライマリノードで、クラスタ業務とリソースを作成します。

    詳細は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  7. プライマリノードで、クラスタソフトウェアにAdvancedCopy Managerのサービスを登録します。

    詳細は、「D.3 AdvancedCopy Managerのサービス登録」を参照してください。

  8. プライマリノードで、クラスタソフトウェアに登録したAdvancedCopy Managerのサービスを起動します。

  9. プライマリノードで、環境をバックアップします。

    不測の事態に備え、AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク上のデータの環境をバックアップします。
    OSのcpコマンドなどを使用して、AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク上の以下のディレクトリをバックアップしてください。

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント/etc

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント/var

プライマリノードのカスタマイズ手順

  1. 管理対象サーバ業務の場合は、共有ディスクをマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、プライマリノードでマウントしてください。

  2. ポート番号を登録します。

    事前に準備した業務用通信デーモンのポート番号を、/etc/servicesに以下のサービス名で登録します。OSのviコマンドなどを使用して/etc/servicesに登録してください。

    • 業務用通信デーモン:stgxfws_論理ノード名

    注意

    プライマリノードとすべてのセカンダリノードで、同じポート番号を登録してください。

  3. AdvancedCopy Managerの設定ファイル(/opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.ini)を編集します。編集方法の詳細は、「swcluster.ini」を参照してください。

  4. AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクに、ディレクトリを作成します。

    以下の構成になるよう、各ディレクトリを作成してください。

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>
    +---/etc
    |   ---/opt
    |       ---/swstorage
    +---/var
        ---/opt
            ---/swstorage

    <実行例>

    [root@m40001]# mkdir -p /acmdata01/etc/opt/swstorage
    [root@m40001]# chmod -R 755 /acmdata01/etc
    [root@m40001]# chown -R root:root /acmdata01/etc
    [root@m40001]# mkdir -p /acmdata01/var/opt/swstorage
    [root@m40001]# chmod -R 755 /acmdata01/var
    [root@m40001]# chown -R root:root /acmdata01/var
  5. AdvancedCopy Managerの設定ファイル(<AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini)を作成します。編集方法の詳細は、「clsetup.ini」を参照してください。

  6. AdvancedCopy Managerの設定ファイル(/etc/opt/swstorage/swstg.ini)をコピーします。

    swstg.iniをAdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント配下のディレクトリにコピーしてください。

    コピー元ディレクトリ

    コピー先ディレクトリ

    /etc/opt/swstorage

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage

  7. AdvancedCopy Managerの設定ファイル(<AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini)を編集します。編集方法の詳細は、「swstg.ini」を参照してください。

  8. 運用管理サーバ業務の場合、AdvancedCopy Managerの設定ファイル(/etc/opt/swstorage/swstg.ini)を編集します。編集方法の詳細は、「swstg.ini」を参照してください。

  9. AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクに、シンボリックリンクを作成します。

    表D.2 etc領域データのシンボリックリンク

    リンク元ディレクトリ

    リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル)

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage

    /etc/opt/swstorage/<論理ノード名>

    表D.3 var領域データのシンボリックリンク

    リンク元ディレクトリ

    リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル)

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/swstorage

    /var/opt/swstorage/<論理ノード名>

    <実行例>

    [root@m40001]# ln -s /acmdata01/etc/opt/swstorage /etc/opt/swstorage/acmnode1
    [root@m40001]# ln -s /acmdata01/var/opt/swstorage /var/opt/swstorage/acmnode1
  10. 以下のコマンドを順番に実行します。

    実行順

    コマンド

    コマンドの実行が必要なサーバ種別

    1

    clset_FJSVswstf(フレームワークの環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    2

    clset_FJSVswsts(バックアップ機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    3

    clset_FJSVswsrp(レプリケーション機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    4

    StgDbSetup(リポジトリ機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務

    注意

    運用管理サーバ業務の場合、運用管理サーバ(Storage管理サーバ)導入時に指定したロケールで実行してください。
    ただし、事前にSymfowareが導入されている場合は、Symfoware導入時のロケールで実行してください。

    <実行例>

    運用管理サーバ業務の場合

    [root@m40001]# /opt/FJSVswstf/bin/clset_FJSVswstf -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswstf completed
    [root@m40001]# /opt/FJSVswsts/bin/clset_FJSVswsts -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswsts completed
    [root@m40001]# /opt/FJSVswsrp/bin/clset_FJSVswsrp -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswsrp completed
    [root@m40001]# /opt/FJSVswstf/bin/StgDbSetup -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary

    StgDbSetupコマンドを実行すると、共通環境の構築が開始されます。

    1. 表示された内容を確認し、“y”を入力してEnterキーを押します。

        +----------------------------------------------------------------+
        | AdvancedCopy Manager Storage管理サーバ共通環境を作成します。   |
        |                                                                |
        | [注意]                                                         |
        |    処理を開始する前に以下のディレクトリを用意して下さい。      |
        | ============================================================== |
        |                                                                |
        |    1) DBファイル用ディレクトリ                                 |
        |    2) RDBディクショナリ用ディレクトリ                          |
        |    3) RDBログファイル用ディレクトリ                            |
        |    4) リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ             |
        |                                                                |
        +----------------------------------------------------------------+
      
                処理を続けますか? [y/n] ==> y
    2. DB用ディレクトリを設定します。
      以下の画面が表示されます。DBファイル用ディレクトリ名を入力後、Enterキーを押します。

        -----------------------< DB用デバイス設定 >-----------------------
      
                  DBファイル用ディレクトリ名を入力してください。
      
                  [注意]
                     ディレクトリ名は絶対パスで入力してください。
      
                         Enter ==> /ACMMnt/Vol202/DBFile

      同様に、以下のディレクトリ名とデータ容量を入力してください。

      • RDBディクショナリ用ディレクトリ名

      • RDBログファイル用ディレクトリ名

      • リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ名

      • リポジトリデータ容量

    3. DB用ディレクトリの設定を確認します。
      設定した4つのディレクトリ名とリポジトリデータ容量が表示されます。表示された内容を確認し、“y”を入力してEnterキーを押します。

      ====================================================================
      
       DBファイル用ディレクトリ名 ...................../ACMMnt/Vol202/DBFile
       RDBディクショナリ用ディレクトリ名 ............../ACMMnt/Vol203/DBDic
       RDBログファイル用ディレクトリ名 ................/ACMMnt/Vol204/DBLog
       リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ名 ./ACMMnt/Vol205/DBSpa
       リポジトリデータ容量 ...........................65MB
      
       ====================================================================
      
                これでよろしいですか? [y/n] ==> y
    4. 処理の継続を確認します。
      処理の継続確認の画面が表示されるので、“y”を入力してEnterキーを押します。

        +----------------------------------------------------------------+
        | AdvancedCopy Manager Storage管理サーバ環境作成を開始します。   |
        |                                                                |
        | ============================================================== |
        |                                                                |
        |  処理を開始すると、システム情報の書き換えも行います。          |
        |  実行可能な環境にあることを十分確認して続行して下さい。        |
        |                                                                |
        +----------------------------------------------------------------+
      
                処理を続けますか? [y/n] ==> y

      ポイント

      リポジトリアクセスユーザーには、「3.2 Solaris版、Linux版のインストール」で設定したユーザーが設定されます。
      リポジトリアクセスユーザーのユーザー名およびパスワードを変更する場合は、クラスタ環境を構築した後、「15.2.4 リポジトリアクセスユーザーに指定したユーザーの削除/パスワードの変更」を参照し、再設定してください。

    管理対象サーバ業務の場合

    [root@m40001]# /opt/FJSVswstf/bin/clset_FJSVswstf -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswstf completed
    [root@m40001]# /opt/FJSVswsts/bin/clset_FJSVswsts -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswsts completed
    [root@m40001]# /opt/FJSVswsrp/bin/clset_FJSVswsrp -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Primary
    clset_FJSVswsrp completed
  11. 管理対象サーバ業務の場合は、共有ディスクをアンマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、プライマリノードでアンマウントしてください。


カンダリノードのカスタマイズ手順

  1. 管理対象サーバ業務の場合は、共有ディスクをマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、セカンダリノードでマウントしてください。

  2. ポート番号を登録します。

    事前に準備した業務用通信デーモンのポート番号を、/etc/servicesに以下のサービス名で登録します。OSのviコマンドなどを使用して/etc/servicesに登録してください。

    • 業務用通信デーモン:stgxfws_論理ノード名

    注意

    プライマリノードとすべてのセカンダリノードで、同じポート番号を登録してください。

  3. AdvancedCopy Managerの設定ファイル(/opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.ini)を編集します。編集方法の詳細は、「swcluster.ini」を参照してください。

  4. 運用管理サーバ業務の場合、AdvancedCopy Managerの設定ファイル(/etc/opt/swstorage/swstg.ini)を編集します。編集方法の詳細は、「swstg.ini」を参照してください。

  5. AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクに、シンボリックリンクを作成します。

    表D.4 etc領域データのシンボリックリンク

    リンク元ディレクトリ

    リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル)

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage

    /etc/opt/swstorage/<論理ノード名>

    表D.5 var領域データのシンボリックリンク

    リンク元ディレクトリ

    リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル)

    <AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/swstorage

    /var/opt/swstorage/<論理ノード名>

    <実行例>

    [root@m40002]# ln -s /acmdata01/etc/opt/swstorage /etc/opt/swstorage/acmnode1
    [root@m40002]# ln -s /acmdata01/var/opt/swstorage /var/opt/swstorage/acmnode1
  6. 以下のコマンドを順番に実行します。

    実行順

    コマンド

    コマンドの実行が必要なサーバ種別

    1

    clset_FJSVswstf(フレームワークの環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    2

    clset_FJSVswsts(バックアップ機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    3

    clset_FJSVswsrp(レプリケーション機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務
    管理対象サーバ業務

    4

    StgDbSetup(リポジトリ機能の環境設定/環境解除コマンド)

    運用管理サーバ業務

    注意

    運用管理サーバ業務の場合、運用管理サーバ(Storage管理サーバ)導入時に指定したロケールで実行してください。
    ただし、事前にSymfowareが導入されている場合は、Symfoware導入時のロケールで実行してください。

    <実行例>

    • 運用管理サーバ業務の場合

      [root@m40002]# /opt/FJSVswstf/bin/clset_FJSVswstf -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswstf completed
      [root@m40002]# /opt/FJSVswsts/bin/clset_FJSVswsts -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswsts completed
      [root@m40002]# /opt/FJSVswsrp/bin/clset_FJSVswsrp -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswsrp completed
      [root@m40002]# /opt/FJSVswstf/bin/StgDbSetup -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary

      StgDbSetupコマンドを実行すると、共通環境の構築が開始されます。

      処理の継続確認の画面が表示されるので、“y”を入力してEnterキーを押します。

        +----------------------------------------------------------------+
        | AdvancedCopy Manager Storage管理サーバ環境作成を開始します。   |
        |                                                                |
        | ============================================================== |
        |                                                                |
        |  処理を開始すると、システム情報の書き換えも行います。          |
        |  実行可能な環境にあることを十分確認して続行して下さい。        |
        |                                                                |
        +----------------------------------------------------------------+
      
                処理を続けますか? [y/n] ==> y
    • 管理対象サーバ業務の場合

      [root@m40002]# /opt/FJSVswstf/bin/clset_FJSVswstf -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswstf completed
      [root@m40002]# /opt/FJSVswsts/bin/clset_FJSVswsts -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswsts completed
      [root@m40002]# /opt/FJSVswsrp/bin/clset_FJSVswsrp -f /acmdata01/etc/opt/swstorage/clsetup.ini -t Secondary
      clset_FJSVswsrp completed
  7. 管理対象サーバ業務の場合は、共有ディスクをアンマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、セカンダリノードでアンマウントしてください。