L-Server作成は、以下の手順で行います。
L-Serverテンプレートを利用してのL-Server作成
クローニングマスタが存在しない場合、またはすでに存在するクローニングマスタを利用しない場合
「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」を参照してL-Serverを作成してください。この場合、イメージは"指定なし"を選択してください。
このとき、作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなることがあります。詳細については、「注意 作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなる場合」を参照してください。
また、作成されたVMゲストやクローニングマスタの詳細については、「参考 L-Server作成時に付随して作成される情報」を参照してください。
「手動OSインストール」を参照してOSをインストールしてください。
L-Server作成後にクローニングマスタを採取すると、イメージプールにクローニングマスタが格納されます。クローニングマスタ採取にあたっては、「クローニングマスタの採取」を参照してください。
すでに存在するクローニングマスタを利用する場合
「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」を参照して、L-Serverを作成してください。この場合、イメージとして利用したいクローニングマスタを指定してください。
個々の仕様を指定したL-Server作成
「付録D L-Serverのパラメーター詳細」を参照してください。
[OS]タブの設定については、「G.2.6 [OS]タブ設定」を参照してください。
注意
作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなる場合
作成したL-Serverに対応するVMに対してSCVMMの以下の機能を使用すると、それ以降L-Serverとして認識されずオーケストレーションツリーに表示されなくなり、L-Serverに対する処理が行えなくなります。
ライブラリへ保管、ライブラリからの展開
新しいテンプレート
本製品の管理外のクラスタノードへの移行
また"複製"を行うと複製されたVMは、L-Serverとして認識されません。
イメージを指定してL-Serverを作成すると、OSの[地域と言語のオプション]の設定が英語になる場合
SCVMMの障害(KB978336)により、Hyper-V環境でイメージを指定してL-Serverを作成すると、作成されたL-ServerのOSの[地域と言語のオプション]の設定が英語になります。
この問題を回避し、任意の言語設定で、イメージを指定してL-Serverを作成する方法については、「任意の言語の[地域と言語のオプション]設定で、イメージを指定したL-Serverの作成」を参照してください。
SCVMMの障害(KB978336)については、Microsoft社の以下のURLを参照してください。
Microsoft社のKB978336解説ページ
http://support.microsoft.com/kb/978336/ (2011年7月時点) |
参考
L-Server作成時に付随して作成される情報
L-Serverとして作成されるVMゲストは、以下の構成になります。
IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続
データディスクとしてSCSIアダプターに接続(*1)
IDEデバイスのセカンダリチャネル(0)に接続
*1: 統合サービスが提供されていないゲストOSでは利用できません。IDEアダプターに接続された起動ディスクだけ利用できます。
Hyper-VがサポートしているゲストOSでは、統合ネットワークアダプターを利用します。それ以外の場合は、エミュレートされたネットワークアダプターが追加されます。
Hyper-VがサポートするゲストOSは、以下のMicrosoft社のウェブサイトを参照してください。
Microsoft社のウェブサイト
URL: http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/technologies/hyperv-guest-os.mspx (2011年7月時点) |
"1.00GHz Pentium III Xeon"(SCVMMのデフォルト値)が指定されます。
この情報はSCVMMの内部で使用されるもので、実際のCPU性能ではありません。
また、ゲストOS内のコンピュータの情報などに表示される情報とは異なります。
クローニングマスタは、システムボリュームだけを採取/配付します。
SCVMMで作成したテンプレートを本製品のイメージプールに登録する場合、システムボリューム(IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続されたディスク)が存在するVMゲストから作成したテンプレートを利用してください。
その他の構成の場合は、本製品で配付するとシステムボリュームがないVMゲストになります。
手動OSインストール
SCVMMの管理画面からDVDの接続設定を行ったあと、OSを手動でインストールしてください。
Microsoft社がHyper-V上でサポートするゲストOSを利用するには、ゲストOSに仮想ゲストサービスのインストールが必要です。
仮想ゲストサービスのインストールについては、SCVMMのヘルプを参照してください。
クローニングマスタの採取
以下の手順で、クローニングマスタの採取を行います。
OSのインストール後に、対象のL-Serverを停止してください。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択して<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタは同じ名前で世代管理できます。
VM管理製品でクローニングマスタを作成している場合は、そのまま利用できます。
注意
L-Server作成時にWindowsのイメージを指定した場合、イメージ配付時に、Microsoft社の提供するSysprepを利用して、サーバ固有の情報が再設定されます。また、Sysprepを実行すると、ユーザー情報やOSの設定情報が初期化されます。
Sysprepについては、Microsoft社から提供されている情報を参照してください。
処理実行中にマネージャーの停止や再起動を行った場合は、マネージャーの起動後に、実行中の処理が再実行されます。
再実行中の処理が完了するまでは、実行対象のリソースを操作しないようにしてください。
イメージのOSがWindows Server 2008など、アクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、Sysprepの実行回数は累積で3回までに制限されます。Sysprepはイメージ指定のL-Server作成時、またはクローニングマスタ採取時に実行されるため、クローニングマスタの採取とイメージ指定のL-Server作成を4回以上行えません。そのためクローニングマスタを配付したL-Serverからクローニングマスタを採取せず、専用のマスタサーバからを採取することをお勧めします。なお、SCVMMでテンプレート作成を行った場合にもSysprepは実行され累積回数に含まれます。
Windows 2000 ServerおよびWindows 2000 Advanced Serverがインストールされているクローニングマスタを指定してのL-Server作成は、サポートされていません。
ポイント
イメージは、SCVMMのライブラリに格納されます。
採取したイメージが格納可能な空き容量を持つライブラリを指定してください。
[クローニングマスタの採取]ダイアログで、イメージ格納先に"自動選択"を指定した場合、SCVMMに登録されているライブラリから任意に選択されますが、SCVMMではライブラリの空き容量の管理をしていないので、イメージ採取に失敗する可能性があります。
本製品のイメージ採取は、SCVMMのテンプレートを利用しています。
L-Serverのイメージ採取を行うと本製品のイメージ名に世代番号が付加された名前でテンプレートが作成されます。また、ユーザー作成のテンプレートをイメージとして取込みを指示した場合、そのテンプレートはイメージとして取り扱われます。
L-Serverのイメージ採取を行うには、L-Server作成先のディスクに、対象になるL-Serverと同じ大きさ(システムボリュームとすべてのデータディスク、スナップショットおよび構成定義ファイル)の作業領域が必要です。この作業領域は、イメージ採取が完了すると解放されます。
イメージ採取では、システムボリューム以外のデータディスクはイメージ採取時に削除されます。
本製品では、IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
IDEのセカンダリチャネル(0)以外のDVDドライブは削除されます。イメージにDVDドライブがない場合でもL-Server作成時にIDEのセカンダリチャネル(0)にDVDドライブが追加されます。また、それ以外のDVDドライブがイメージに存在していても削除されます。
イメージ採取は、スナップショットが存在すると行えません。スナップショットを削除してから実行してください。またSCVMMの管理コンソールからチェックポイントを作成したり、Hyper-Vマネージャーからスナップショットを作成したりするとイメージ採取は失敗します。
ユーザーがSCVMMを利用して作成したSCVMMのテンプレートを本製品のイメージとして取り込んだ場合、以下のように取り扱います。
テンプレート名がイメージ名になります。
IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
システムボリューム以外のデータディスクが存在しているテンプレートを取り込んだイメージからL-Serverを作成すると、システムボリューム以外のデータディスクは削除されます。
システムボリュームが存在しないイメージからL-Serverを作成すると、システムボリュームが存在しないL-Serverが作成されます。
IDEのセカンダリ チャネル(0)以外にDVDドライブが接続されていたテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、それらのDVDドライブは削除されます。
DVDドライブが接続されていない構成のテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、IDEのセカンダリ チャネル(0)にDVDドライブが追加されます。
イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルについて
事前に、イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルに使用できないライブラリ共有パス名を指定することで、ユーザーグループごとにクローニングマスタの格納先を制限できます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
設定ファイル名には、ユーザーグループごととシステム共通の設定を分けて使用できます。両方のファイルが存在する場合は、両方の制限が有効になります。
ユーザーグループごと
library_share_ユーザーグループ名_deny.conf
システム共通
library_share_deny.conf
設定ファイルは、1行ごとにライブラリ共有パス名を記述します。
ライブラリ共有パス名 |
例
設定ファイルの例を以下に示します。
\\rcxvmm1.rcxvmmshv.local\MSSCVMMLibrary |
クローニングマスタの削除
以下の手順でクローニングマスタの削除を行います。
オーケストレーションツリーで対象のイメージプールを選択します。
[リソース一覧]タブが表示されます。
削除するクローニングマスタを右クリックし、表示されたメニューで[削除]を選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタが削除されます。
本製品以外から構成が変更された場合など、SCVMMでのテンプレート作成要件が満たされない場合、イメージ採取処理は失敗する可能性があります。
クローニングマスタの削除を行った場合、SCVMMのライブラリ内にある対応するテンプレートは削除されます。
このテンプレート削除処理では、SCVMM管理コンソールからのテンプレート削除処理と同様に、テンプレート定義ファイルだけをSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイル(.vhd、.vfdなど)は削除されずライブラリに残ります。
関連ファイルが不要の場合、SCVMMから個別に削除してください。
参考
以下の設定ファイルを事前に作成しておくことで、クローニングマスタ削除時にほかのテンプレートと依存関係がない関連ファイルを同時に削除できます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\vm
delete_image_all_files_scvmm
設定ファイルに内容を記述する必要はありません。
SCVMM管理コンソールからの関連ファイルの削除と同様に、関連ファイルだけSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイルが格納されていたフォルダーについては削除されません。
任意の言語の[地域と言語のオプション]設定で、イメージを指定したL-Serverの作成
KB978336の障害を回避してL-Serverを作成する手順を以下に示します。
Microsoft社のKB978336解説ページを参照し、Sysprep用応答ファイルを作成します。
SCVMM管理者コンソールからVMのテンプレート化を行います。
詳細は、SCVMMのヘルプを参照してください。
作成したテンプレートを本製品のイメージプールに登録します。
詳細は、「5.3.6 仮想イメージリソース」を参照してください。
SCVMM管理者コンソールから、本製品のイメージに対してSCVMMテンプレートのプロパティを開いて、手順1.で作成した応答ファイルを設定します。
KB978336の障害を回避するための定義ファイルを作成します。
KB978336の障害を回避するためのイメージを格納するイメージプール名および[地域と言語のオプション]ダイアログに設定する言語を以下の定義ファイルに記述します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
kb978336_scvmm.rcxprop
定義ファイルは、1行ごとに以下のように記述します。
イメージプール名 = 言語指定文字列 |
言語指定文字列には、以下のページに記載されている言語パックの"カルチャ"を指定してください。
利用可能な言語パック
URL: http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc722435(WS.10).aspx (2011年7月時点) |
KB978336の障害を回避して日本語を設定する場合、"ja-JP"を指定します。
例
"/test/ImagePool1"と"/test/ImagePool2"のイメージプールに格納されたイメージを指定して日本語表記のL-Server作成を行う場合の、定義ファイルの例は以下のとおりです。
/test/ImagePool1=ja-JP |
イコール("=")の前後に空白があっても無視されます。
イメージプール名は、フルパスで指定します。
使用できる文字列は半角英数字(大文字/小文字)、アンダースコア("_")、スラッシュ("/")およびハイフン("-")です。
ファイルは、文字コードをUTF-8にして保存してください。
同じイメージプール名の行が複数あった場合、最後の行の指定が有効になります。
定義ファイルで指定した言語指定文字列は、応答ファイル内の以下の設定にも適用されます。
InputLocale
SystemLocale
UILanguage
これらの設定に対して個別に異なる言語を指定できません。
L-Serverを作成します。
「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」または「付録D L-Serverのパラメーター詳細」を参照して、L-Serverを作成してください。
このとき、イメージとして利用したいクローニングマスタに、手順3.で登録したイメージを指定してください。
注意
以下のL-Serverを作成する場合、手順1.~4.を行ってください。
NICがないL-Server
DHCPを利用してIPアドレスを割り当てたL-Server