ここでは、管理サーバのリストアの方法について説明します。
以下の流れで、管理サーバをリストアします。
図E.1 管理サーバのリストアの流れ
注意
マネージャーをクラスタで運用している場合、復元するフォルダーは共有ディスクでのフォルダー名に置き換えてください。
共有ディスクでのフォルダー名については、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「付録B マネージャのクラスタ運用設定・削除」を参照してください。
以下の手順で、管理サーバをリストアします。
マネージャーの再インストール、証明書とセッション暗号キーのリストア
マネージャーがファイル破損などで正常に動作しない場合は、マネージャーをアンインストールしたあと再インストールします。
注意
HBA address renameを利用している場合、リストア時のアンインストール手順が異なります。
「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「3.1.1 事前準備」の「アンインストールする前の注意事項」に記載されている「1. サーバの削除」は行わないでください。
証明書とセッション暗号キーのリストアを行います。
マネージャーの再インストール時には、イメージファイル格納フォルダーにバックアップで確認したパスを指定してください。
証明書のリストアについては、「4.1 マネージャーのインストール」と「4.3 マネージャーのアンインストール」を参照してください。
セッション暗号キーのリストアは、rcxloginコマンドの-saveオプションを利用してパスワードを保存している場合だけ必要です。パスワードを保存していない場合や、再度、パスワードを保存し直す場合は、リストアする必要はありません。
rcxloginコマンドは、「ServerView Resource Coordinator VE コマンドリファレンス」の「2.1 rcxlogin」を参照してください。
セッション暗号キーをリストアする場合は、バックアップ時に退避した以下のファイルを復元します。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\rails\config\rcx_secret.key
【Linux】
/opt/FJSVrcvmr/rails/config/rcx_secret.key
なお、保存したパスワードは、パスワード保存を実行したOSのユーザーアカウントのホームディレクトリに格納されています。ホームディレクトリの内容が破損している場合は、併せてリストアするか、再度、rcxloginコマンドでパスワードを保存してください。
注意
マネージャーをアンインストールするとダッシュボード連携もアンインストールされるため、マネージャーを再インストールする場合は、ダッシュボード連携も再インストールしてください。
ダッシュボード連携の再インストールについては、「H.2.1 ダッシュボード連携スクリプトのセットアップ」を参照してください。
マネージャーの停止
マネージャーを停止します。
停止方法は、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.1 マネージャ」を参照してください。
システムイメージ、クローニングマスタのリストア
システムイメージとクローニングマスタのリストアを行います。
注意
システムイメージ、クローニングマスタのリストアについては、「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「B.3 リストア」の「2. システムイメージ、クローニングマスタのリストア」を参照してください。
VM管理製品の仮想マシンのリストア
リストアについては、VM管理製品のマニュアルを参照してください。
SystemcastWizardに関連する情報の復元
【Windows】
任意のフォルダーへ退避した情報を以下へ復元してください。
ファイルまたはデータベースはコピー、レジストリーはレジストリエディタを用いてバックアップしておいたレジストリーファイルのデータをインポートしてください。
No | 概要 | 退避・復元対象 |
---|---|---|
1 | レジストリー (*1) | HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Fujitsu\SystemcastWizard(32bitOS) |
2 | データベース | インストールフォルダー\ScwPro\scwdb\scwdb1.mdb |
3 | DHCP設定情報ファイル | インストールフォルダー\ScwPro\bin\ipTable.dat |
4 | IPアドレス設定ファイル | インストールフォルダー\ScwPro\bin\localipaddress.txt |
5 | AWWN定義ファイル (*2) | インストールフォルダー\ScwPro\tftp\rcbootimg\awwn_XXX.XXX.XXX.XXX.cfg (*3) |
6 | クライアント接続要求用BROADCAST設定ファイル | インストールフォルダー\ScwPro\bin\bcastaddress.txt |
*1: 64ビットOS上では、Wow6432Nodeにリダイレクトします。
*2: VIOM環境では、必要ありません。
*3: XXX.XXX.XXX.XXXにはIPアドレスが入ります。
【Linux】
任意のディレクトリへ退避していた情報を以下へ復元してください。
No | 概要 | 退避・復元対象 |
---|---|---|
1 | 設定ファイル | /etc/opt/FJSVscw-common/scwconf.reg |
2 | データベース | /var/opt/FJSVscw-deploysv/scwdb/scwdb1.db |
3 | DHCP設定情報ファイル | /var/opt/FJSVscw-pxesv/ipTable.dat |
4 | Bootcfg設定ファイル (*1) | /etc/opt/FJSVscw-pxesv/ClientBoot/* |
5 | AWWN定義ファイル (*2) | /var/opt/FJSVscw-tftpsv/tftproot/rcbootimg/awwn_XXX.XXX.XXX.XXX.cfg (*3) |
6 | クライアント接続要求用BROADCAST設定ファイル | /opt/FJSVscw-deploysv/sys/bcastaddress.txt |
*1: ディレクトリ配下のすべてのファイルが対象です。
*2: VIOM環境では、必要ありません。
*3: XXX.XXX.XXX.XXXにはIPアドレスが入ります。
構成定義情報のリストア
「E.2.2 構成定義情報のバックアップ」で書き出した構成定義情報のリストアを行います。
以下のコマンドを実行します。
rcxrestoreコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.2 rcxrestore」を参照してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\bin\rcxrestore
【Linux】
/opt/FJSVrcvmr/bin/rcxrestore
>rcxrestore -file filename <RETURN> |
注意
コマンドは絶対パスで指定してください。
L-Serverの復旧の必要性確認
L-Server復旧ログを採取する運用を行っているかで手順が異なります。
L-Server復旧ログを採取する運用を行っている場合
「E.4 リストアしたあとのL-Serverの復旧」が行えるように、L-Serverの復旧の必要性を確認します。
最新のL-Server復旧ログのファイルの更新時刻とバックアップファイルの構成定義情報のバックアップ時刻を比較して、L-Server復旧ログのファイルの更新時刻の方が新しい場合、復旧が必要な場合があります。
その場合、リソースIDの予約を実行してください。
L-Server復旧ログのファイルの更新時刻の方が古い場合、復旧の必要はありません。
リソースIDの予約
管理サーバの異常が発生する前に使用していたリソースIDと重複しないように、以下のコマンドを実行してリソースIDを予約します。
>rcxreserveid -logdir L-Server復旧ログ <RETURN> |
注意
リソースIDの予約
リソースIDの予約は、リストアを行ったあと、マネージャーを初めて起動する前に必ず1回だけ行ってください。
手順6.を行ったあと、リソースIDの予約を行う前に誤ってマネージャーを起動してしまった場合、手順6.からやり直してください。
rcxreserveidコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.4 rcxreserveid」を参照してください。
L-Server復旧ログを採取する運用を行っていない場合
以降の手順に進んでください。
マネージャーの起動
マネージャーを起動します。
起動方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.1 マネージャ」を参照してください。
各種定義ファイルの復元
各種定義ファイルを復元します。
任意のフォルダーへ退避した情報を、以下に復元してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
インストールフォルダー\Manager\etc\vm
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
/etc/opt/FJSVrcvmr/vm
イメージ管理情報の設定
バックアップ時に以下のイメージ管理情報が変更されていた場合、バックアップ時に保存していたイメージ管理情報の値に設定します。
システムイメージの保存世代数
クローニングマスタの保存世代数
イメージ管理情報は、rcxadm imagemgr setコマンドを実行し、設定します。
rcxadm imagemgr setコマンドは、「ServerView Resource Coordinator VE コマンドリファレンス」の「5.5 rcxadm imagemgr」を参照してください。
注意
システムイメージの保存世代数変更については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「6.3.1.3 システムイメージの保存世代数の変更」を参照してください。
クローニングマスタの保存世代数変更については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「6.3.1.4 クローニングマスタの保存世代数の変更」を参照してください。
VM管理製品を利用してVMの最新情報を本製品に反映します。
L-Serverの復旧の必要性を確認します。
L-Serverの復旧の必要性については、手順7.を参照してください。
L-Serverの復旧が不要な場合、手順14.に進んでください。
L-Serverの復旧が必要な場合、以降の手順に進んでください。
rcxadm vmmgr refreshコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.3 rcxadm vmmgr」を参照してください。
>rcxadm vmmgr refresh <RETURN> |
60秒以上間隔をおきます。
>rcxadm vmmgr refresh <RETURN> |
注意
2回目のrcxadm vmmgr refreshコマンドを実行する際は、必ず60秒以上の間隔をおいてください。VMの最新情報が正しく反映されない場合があります。
リソースフォルダーとL-Serverの削除
管理サーバの異常が発生する前に削除したリソースフォルダーとL-Serverを一覧で確認したあと、削除します。
以下のコマンドを実行して、削除するリソースを確認したあと、削除してください。
rcxchkmismatchコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.5 rcxchkmismatch」を参照してください。
>rcxchkmismatch -logdir L-Server復旧ログ <RETURN> |
注意
以下のL-Serverは、rcxrepairコマンド実行時に構成定義情報から一度解除され、インポートする際に再登録されます。
rcxchkmismatchコマンド実行時に、構成定義情報に不整合と表示されたL-Server
リソースフォルダーを移動するL-Server
L-Server復旧ログが破損している場合、-diffオプションを指定してrcxchkmismatchコマンドを実行すると、VM管理製品で管理しているVMゲストの実体に合わせてL-Serverを削除できます。
L-Server復旧ログにアクセスできない場合、以下の手順を実行してください。
rcxchkmismatch -diffコマンドを実行します。
VM管理製品の定期更新情報と構成定義情報を比較した差分が表示されます。
構成定義情報と比較した結果、構成定義情報を反映できる場合、rcxchkmismatch -allow delコマンドを実行して、VM管理製品の定期更新情報と構成定義情報を比較した差分情報を削除します。
構成定義情報を反映できない場合、VM管理製品の定期更新情報に合わせて構成定義情報を手動で更新します。
L-Serverを削除する場合、操作ログが採取されている途中で失敗しても、復旧を行うとそのL-Serverは正常に削除されます。
L-Server復旧ログを採取中にマネージャーが異常終了した場合、L-Server復旧ログは採取できませんが、VM管理製品による操作は完了している場合があります。
VM管理製品の管理下に仮想マシンが存在しないL-Serverは、-diffオプションを指定してrcxchkmismatchコマンドを実行すると、確認および削除できます。
L-Serverの復旧操作
「E.4 リストアしたあとのL-Serverの復旧」のL-Server復旧操作を実行します。
ディレクトリサービスのリストア
ディレクトリサービスによるユーザー管理を行っている場合、ディレクトリサービスのリストアを行ってください。
リストアについては、ディレクトリサービスのマニュアルを参照してください。
注意
マネージャーをクラスタで運用している場合、復元するフォルダーは共有ディスクでのフォルダー名に置き換えてください。
共有ディスクでのフォルダー名については、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「付録B マネージャのクラスタ運用設定・削除」を参照してください。
VMホストを予備サーバとして設定する場合、該当する物理サーバの"SpareServer"セクションの"operation"はハイフン("-")のままにしてください。リストア完了後、RCコンソールから該当する物理サーバの予備サーバを設定してください。
以下の場合は、リストアを行わないでください。
L-Serverの作成、登録、変更、解除、削除
リソースの作成、変更、削除
サーバ切替え、切戻し
システムイメージのバックアップ・リストア
クローニングマスタの採取、配付中
証明書、構成定義情報、システムイメージ、およびクローニングマスタは、同じ時期にバックアップしたものをリストアしてください。
バックアップ後に、以下に示すハードウェアの設定および構成定義情報の変更を行うと復旧できません。必ずバックアップし直してください。
管理情報全体のバックアップが必要な場合
シャーシ、LANスイッチブレード、管理対象サーバ、電力監視デバイスのハードウェア交換
管理対象サーバのNIC交換
管理対象サーバとLANスイッチブレード間のLAN結線
スナップショットの採取 (*1)
サーバ切替え、継続 (*2)
構成定義情報のバックアップの再実行が必要な場合
物理L-Serverの作成、削除、変更 (*3)
物理L-Serverのディスク増設と削減
L-Serverの解除
リソースのリソースプールへの登録、解除、移動
リソースプールの移動、変更
*1: 管理サーバをバックアップしてからリストアする間にL-Serverのスナップショットを採取した場合、L-Serverを復旧しても採取したスナップショットは表示されません。
スナップショットのリストアや削除が必要な場合、VM管理製品から操作してください。
*2: サーバ切替え後に切戻しを行っている状態の場合は、リストアできます。
*3: 管理サーバのバックアップ後に仮想L-Serverの操作をした場合でも、管理サーバのリストア後に復旧できます。詳細は、「E.4 リストアしたあとのL-Serverの復旧」を参照してください。
バックアップ後の物理L-Serverの操作は復旧できないため、再度バックアップしてください。
管理サーバのリストアを実行している間、以下の操作は実行しないでください。
VMホスト間でのVMゲストの移動
VM管理製品上でVMゲストの登録、解除
HBA address renameを利用する管理対象サーバをリストアした場合は、リストア完了後、管理対象サーバを再起動してください。
リストア後に保守モードの設定は復旧されません。バックアップ時に記録した情報に従って、保守モードを設定してください。
管理対象サーバのエージェントを登録している場合で、かつシステムイメージのバックアップ、およびクローニングマスタの採取を使用する場合は、管理サーバをリストアしたあとに、以下のどちらかを行ってください。
管理対象サーバの再起動
「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「5.2 エージェント」に記載されているサービスの再起動
LANスイッチとネットワークマップの結線情報は、バックアップできません。「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「12.2 事前準備」を参照し、LANスイッチの登録および結線情報を取得してください。
VIOM連携のユーザー名とパスワードは、バックアップできません。リストアを行う前にVIOM連携を登録してください。
操作方法については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「6.1.1 VIOM連携の登録」を参照してください。
EMC CLARiXストレージを利用している場合、Navisphere CLIを発行する際に利用するセキュリティ・ファイルを再作成してください。
作成方法は、「F.3.3 EMC CLARiXストレージを利用する場合」を参照してください。