ここでは、管理サーバをバックアップしたあとにL-Serverを作成し、管理サーバのリストアでL-Serverの管理情報が失われた状態からL-Serverを復旧する方法について説明します。
注意
管理対象サーバがVMware環境およびHyper-V環境の構成についてサポートします。
本製品の管理サーバをバックアップしてからリストアするまでの間にL-Serverを作成すると、管理サーバをリストアしたあと、作成したL-Serverの実体だけ残り、本製品上のL-Serverの情報が失われます。
図E.2 管理サーバのリストアで、L-Serverの情報の復旧が必要になる例
以下の流れで、本製品のL-Serverの情報を復旧します。
事前準備
L-Server復旧ログの記録を開始するために、L-Server復旧ログの出力先を事前に定義します。
以下のチューニングパラメーターを設定してください。なお、L-Server復旧ログは、マネージャーの異常が発生した際に使用するため、ネットワークで接続されたディスクなど、ほかの記録媒体に保存することをお勧めします。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcxmr/customize_data
manager_backup.rcxprop
チューニングパラメーターファイルに以下のパラメーターを設定します。
apilog_enable=true |
apilog_enable
L-Server復旧ログを採取する場合に指定します。
"true"を指定した場合、L-Server復旧ログが採取されます。
"false"を指定した場合、採取されません。
省略した場合、L-Server復旧ログは採取されません。
apilog_dir
本パラメーターを指定しない場合、以下のディレクトリに保存されます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\var\lserver_repair\apilog
【Linux】
/var/opt/FJSVrcrmr/lserver_repair\apilog
L-Server復旧ログは、以下の形式で保存されます。
最新のL-Server復旧ログ
api.log
過去のL-Server復旧ログ
api_日時.log
日時には、L-Server復旧ログを最新のログから切り替えた時刻が設定されます。
ファイルサイズが一定量を超えると、自動的にファイルを切り替えてL-Server復旧ログの採取を継続します。
注意
ここで設定するL-Server復旧ログ格納域にログを記録できなかった場合、構成定義情報が正しく復元できません。
該当するディレクトリにアクセスできるか確認してください。
L-Server復旧ログにアクセスできない場合、アクセスできない原因を排除したあと、以下の手順を実行してください。
マネージャーを停止します。
構成定義情報をバックアップします。
マネージャーを再起動します。
マネージャー起動後に所定の場所に正しくL-Server復旧ログを採取されているか確認する場合、以下のようにリソースフォルダーを作成、削除してL-Serverの復旧ログの更新日付が更新されることを確認してください。
>rcxadm folder create -name test <RETURN> |
以下の場合L-Server復旧ログを採取してください。
L-Serverの作成、登録、変更、削除、移動
リソースフォルダーの作成、変更、削除(*1)、移動
*1: 構成定義情報をバックアップしたあとにフォルダーを削除しても、復旧作業で削除されません。復旧が完了したあとに削除してください。
以下の運用を行った際には、マネージャーを停止し、バックアップを採取しL-Server復旧ログ出力先フォルダーをフォルダーごと削除してください。
マネージャーのOSの、ホスト名の変更
Disaster Recovery後
運用中にL-Server復旧ログの出力に失敗した場合
"FJSVrcx:ERROR:62559:external script apilog execution error detail"が出力されます。
ネットワークドライブには、L-Server復旧ログを直接書き込めません。ファイバーチャネルまたはiSCSIのLUNを作成して、採取してください。
運用中の操作
異常発生に備えて、運用中に以下の操作を行ってください。
本製品のマネージャーをバックアップ
環境構築完了後やリソースの登録、変更、削除後に、本製品のマネージャーをバックアップします。また、運用状態に近い環境に復元するために、定期的に本製品のマネージャーをバックアップします。
以下のコマンドを実行し、本製品のマネージャーをバックアップします。
rcxbackupコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.1 rcxbackup」を参照してください。
>rcxbackup [-dir dirname] [[-immediate]|[-timeout value]] <RETURN> |
不要なL-Server復旧ログの削除
本製品のマネージャーをバックアップしたあとに作成したL-Serverを復旧するために必要な情報は、L-Server復旧ログとして自動的に記録されます。L-Server復旧ログは構成定義情報を更新する際に自動的に記録されます。手順1.のバックアップを行う以前の情報は必要ありませんので、以下のコマンドを実行して定期的に不要なL-Server復旧ログを削除します。
rcxlogtruncateコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.3 rcxlogtruncate」を参照してください。
>rcxlogtruncate -dir L-Server復旧ログディレクトリ -date yyyymmdd_hhmm <RETURN> |
例
>rcxbackup -dir dir1 <RETURN> |
dir1にマネージャーのバックアップファイルhostname_20110630_1000.tar.gzが格納された場合
>rcxlogtruncate -dir dir2 -date 20110630_1000 <RETURN> |
バックアップを行った2011/06/30 10:00以前のL-Sever復旧ログを削除します。
ポイント
L-Server復旧ログは、本製品がインストールされたハードディスクが破損した場合に備えて、ほかの記録媒体に保存してください。
管理サーバのリストア時の操作
管理サーバ上でファイル破損などの問題が発生し、本製品のマネージャーが正しく動作できなくなった場合、バックアップした本製品のマネージャーをリストアします。
詳細は、「E.3 リストア」を参照してください。
注意
L-Server復旧ログが破損された場合、以下の手順で復旧してください。
rcxchkmismatch -diffコマンドを実行します。
rcxchkmismatch -diffコマンドを実行すると、VM管理製品の定期更新情報と構成定義情報と比較して差分を表示できます。
比較した結果、構成定義情報を反映しても問題ない場合、rcxchkmismatch -allow delコマンドを実行して、VM管理製品の定期更新情報と構成定義情報を比較した差分情報を削除します。
構成定義情報を反映できない場合、VM管理製品の定期更新情報に合わせて構成定義情報を手動で更新します。
L-Serverの復旧操作
作成したL-Serverの情報が失われていた場合、以下の手順で復旧してください。
L-Serverの復旧に必要な情報の出力
L-Server復旧ログと構成定義情報を比較し、復旧が必要な構成定義情報を確認します。
復旧が必要な構成定義情報がある場合、復旧するためのインポートファイル(XML形式)を作成します。
本製品のマネージャーを起動した状態で、rcxrepairコマンドを実行します。
rcxrepairコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.6 rcxrepair」を参照してください。
>rcxrepair -logdir L-Server復旧ログ -dryrun <RETURN> |
注意
rcxrepairコマンドで異常が発生した場合、rcxrestoreコマンドを再実行してください。
rcxrestoreコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.8.2 rcxrestore」を参照してください。
テナントの再作成
手順1.で確認した、復旧が必要な構成定義情報にテナントが含まれていた場合、テナントを再作成してください。
構成定義情報の復旧
手順1.で確認した、復旧が必要な構成定義情報に手順2.で再作成したテナント以外の構成定義情報が出力された場合、以下のコマンドを実行して構成定義情報を復旧してください。
rcxadm configコマンドは、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。
>rcxadm config import -dir 復旧する構成定義情報を格納するディレクトリ <RETURN> |
不要なフォルダーの削除
バックアップしたあとフォルダーを削除した場合、復旧したシステムではフォルダーが削除されません。不要なフォルダーは、以下のコマンドを使用して削除してください。
>rcxadm folder delete -name folder1 <RETURN> |
注意
ここで設定するL-Server復旧ログ格納域にログを記録できなかった場合、構成定義情報が正しく復元できません。
該当するディレクトリにアクセスできるか確認してください。