マルチサーバ管理機能では、原則として管理サーバと管理対象サーバのバックアップを同時に行う必要があります。これは、バックアップ資源からサイト環境を復旧するためには、管理サーバの業務構成管理に登録されている情報と、管理対象サーバの定義情報の同期が取れている必要があるためです。
管理サーバと管理対象サーバのいずれかのバックアップを取得し、Interstageの定義情報を変更したあと、サーバの故障などにより最新のバックアップを取得できなくなった場合、通常の手順でサイト環境を復旧することはできません。この場合、管理対象サーバの定義情報をもとに、以下の手順でサイト環境を復旧します。
管理サーバの再インストール
管理対象サーバ資源のリストア
管理対象サーバをサイトから削除
サイト環境の再構築
IJServerの結合
Webサーバコネクタの分離
管理サーバの再インストール
管理サーバの業務構成管理の情報を初期化するため、いったんInterstage Application Serverをアンインストールし、再度Interstage Application Serverをインストールします。
管理対象サーバが多階層IJServerの配置先の場合は、それぞれの管理対象サーバがどの多階層IJServerの配置先であったかを記録しておいてください。
管理対象サーバがサーバグループに所属している場合は、それぞれの管理対象サーバのサーバグループ内通番を記録しておいてください。
管理対象サーバ資源のリストア
復旧対象の管理対象サーバだけ、バックアップ資源をリストアします。
管理対象サーバをサイトから削除
管理コンソールからの操作、またはisleavesiteコマンドを実行することにより、サイトからすべての管理対象サーバを削除します。手順の詳細については、“3.4.2.6 サイトからのサーバ削除”を参照してください。
サイト環境の再構築
管理対象サーバをサイトに追加します。また、サーバグループを作成し、管理対象サーバを追加します。手順の詳細については、“3.4.1.2 サーバグループ/単体運用の管理対象サーバを運用する環境の構築”を参照してください。
移行前の環境において、多階層IJServerを構成していたサーバで、WebサーバとIJServerを同一のサーバで運用していなかった場合は、サーバグループへのサーバ追加に失敗します。この場合、スタンドアロンサーバの状態で、Webサーバコネクタを操作してください。手順の詳細については、“3.4.1.2 サーバグループ/単体運用の管理対象サーバを運用する環境の構築”-“IJServerを使用する場合の注意事項”を参照してください。
移行前の環境において、多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとEJBコンテナを同一のサーバで運用していなかった場合は、EJBコンテナのサーバグループから先にサーバを追加してください。詳細については“サーバグループに所属する管理対象サーバについての前提条件と注意事項”-“Interstage”および“IJServer”を参照してください。
サーバグループ内のサーバグループ内通番は、サーバグループにサーバが追加された順番で付与されます。しかし、サーバグループに複数の管理対象サーバを一度に追加すると、サーバグループ内通番は自動的に名前のアルファベット順に決定されます。
移行前の環境でサーバグループ間のリレーションがラインだった場合、移行前と同じリレーションを復元するためには、復旧前と同じサーバグループ内通番とする必要があります。そのためには、サーバグループにサーバを1台ずつ追加し、復旧前と同じサーバグループ内通番にするようにしてください。
IJServerの結合
上記までの手順では、多階層IJServerは復元できません。上記までの手順が完了した段階では、サイト内のIJServerは、すべて単階層のIJServerとなっています。移行前の環境で多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとEJBコンテナを同一のサーバで運用していなかった場合は、移行後の環境でIJServerを結合し、多階層IJServerを復元してください。手順の詳細については、“3.5.3 IJServerの結合”を参照してください。
Webサーバコネクタの分離
移行前の環境において、多階層IJServerを構成していたサーバで、ServletコンテナとWebサーバコネクタを同一のサーバで運用していなかった場合は、移行後の環境でWebサーバコネクタを移動し、多階層IJServerを復元してください。手順の詳細については、“3.5.4 Webサーバコネクタの移動”を参照してください。