サイトの構築(サイトおよびサーバグループの構築)手順について説明します。
サイトは、以下の手順で構築します。
管理サーバの構築
サーバグループまたは単体運用の管理対象サーバの構築(運用するシステム/業務にあわせたサーバ構成の準備)
Interstageの各サービスおよび業務の設定(サイト上で運用するInterstage業務の準備)
サイトを構築する場合、最初に管理サーバを作成します。管理サーバを作成した時点でサイトも作成されます。管理サーバは、Interstageのインストール時に管理サーバ機能をインストールすることによって作成します。インストールの詳細については、“インストールガイド”を参照してください。
管理サーバをクラスタシステム上で運用する場合は、“高信頼性システム運用ガイド”の“クラスタサービスの環境設定手順”を参照してください。
クラスタシステム上で運用する場合は、以下の製品で使用できます。
Interstage Application Server Enterprise Edition
管理LANおよび業務LANのIPアドレスには、DHCPなど起動ごとに変動する値を設定しないでください。
サイト上でInterstageを運用する場合、業務をサーバグループまたは単体運用のいずれかのサーバ構成で運用します。各サーバ構成を準備するための手順について説明します。
■ サーバグループの運用環境の構築
サーバグループとして業務を運用する場合のサーバ構成の構築手順を説明します。
[手順]
スタンドアロンサーバの準備
サーバグループに所属する管理対象サーバとして運用する予定のサーバに対してInterstageのサーバ機能をインストールします。インストールが完了すると、当該サーバはスタンドアロンサーバとなります。
サイトへのサーバ追加
スタンドアロンサーバを、リザーブサーバとしてサイトに追加します。サイトへのサーバ追加の詳細な手順については、“3.4.2.1 サイトへのサーバ追加”を参照してください。
管理サーバより上位のバージョンのサーバは、サイトに参加できません。
管理サーバのバージョンを含めて、5世代古いバージョンの管理対象サーバまでがサイトに参加できます(管理サーバのバージョンがV12.0の場合は、バージョンがV8.0以上のサーバ)。
サーバグループに所属する管理対象サーバとするサーバは、以下の構成を合わせてください。
Interstageを運用するOS
運用するInterstageの製品種別およびバージョン・レベル(注)
Interstageのインストールディレクトリ
Interstageの各サービスの資源(定義情報やアプリケーションなど)
注)以下の条件を除きます。
バージョン・レベルV7.0L10とV7.0L11は、同一サーバグループに所属できます。
バージョン・レベル7.0と7.0.1は同一サーバグループに所属できます。
サーバグループの作成
サーバグループを作成します。サーバグループ作成の詳細な手順については、“3.4.2.2 サーバグループの作成”を参照してください。
サーバグループへのサーバ追加
サーバグループにリザーブサーバを追加します。
サーバグループに対して最初に追加したサーバのInterstage環境の構成情報が、そのサーバグループで運用するInterstageの構成情報(各サービスの定義やワークユニットの定義など)となります。サーバグループへのサーバ追加の詳細な手順については、“3.4.2.3 サーバグループへのサーバ追加”を参照してください。
サーバグループに追加する2台目以降のサーバは、すでにサーバグループに追加されたサーバと同一構成(Interstageの各種定義情報など)にしてください。
構成が異なる場合は、サイトに追加する前、またはリザーブサーバの時に、Interstage資源の移入機能を使用して構成を一致させてください。詳細については、“第4章 メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)”を参照してください。
推奨構築方法
サーバグループを初期構築する場合、以下の方法を推奨します。
サーバグループに追加する予定のすべてのサーバに、Interstageのサーバ機能をインストールします。
設定変更およびアプリケーションの配置を行わずに、リザーブサーバとしてサイトに追加します。
サーバグループに追加します。
一括操作機能を使用して各管理対象サーバのInterstageのサービスの環境設定およびアプリケーションの配置を行います。
■ 単体運用の管理対象サーバの運用環境の構築
単体運用の管理対象サーバとして業務を運用する場合のサーバ構成の構築手順を説明します。
[手順]
スタンドアロンサーバの準備
単体運用の管理対象サーバにする予定のサーバに対してInterstageのサーバ機能をインストールします。インストールが完了すると、当該サーバはスタンドアロンサーバとなります。
サイトへのサーバ追加
スタンドアロンサーバを、単体運用の管理対象サーバとしてサイトに追加します。サイトへのサーバ追加の手順については、“3.4.2.1 サイトへのサーバ追加”を参照してください。
■ IJServerを使用する場合の注意事項
スタンドアロンサーバにIJServerが存在する場合、サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはサーバグループの1台目として追加するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
スタンドアロンサーバのInterstage管理コンソールで、[システム] > [環境設定] > [Servletサービス詳細設定]の“Webサーバコネクタとワークユニットを同一マシンで運用する”が“運用する”に設定されている場合は、以下の条件を満たす場合に追加することができます。
Webサーバ名が“FJapache”であるWebサーバが1つだけ存在する場合、かつ、
すべてのIJServerがWebサーバを使用している場合(IJServerのタイプが“EJBアプリケーションのみ運用”は除く)
“運用しない”に設定されている場合は、以下の条件を満たす場合に追加することができます。
Webサーバ名が“FJapache”であるWebサーバが1つだけ存在する場合、かつ、
WebサーバとIJServerが同一のサーバで運用されている場合、かつ、
WebサーバコネクタとIJServerの構成が同じ場合、かつ、
ServletコンテナのIPアドレスが指定されていない場合、かつ、
接続を許可するWebサーバのIPアドレスが指定されていない場合(127.0.0.1は、指定されていても追加可能です。)
Webサーバコネクタの定義が他のサーバのIJServerに接続するように定義されている場合、または以下のようにWebサーバコネクタの1つのワークユニットの定義が複数のIJServerに接続するように定義されている場合は、エラーとなります。
■Webサーバコネクタ
1.ワークユニットA ・接続先IP:ポート番号 127.0.0.1:9000 127.0.0.1:9001
■ワークユニット
1.ワークユニットA ・ServletコンテナのIP:ポート番号 127.0.0.1:9000 2.ワークユニットB ・ServletコンテナのIP:ポート番号 127.0.0.1:9001
上記の条件を満たさない場合はDEP4184が表示され、サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはサーバグループの1台目として追加できません。追加できない場合は、以下の対処を行ったあと、再度実行してください。
なお、サーバグループの1台目の追加に失敗した場合は、対象となるリザーブサーバをサイトから削除したあと、以下の対処を行ってください。
Webサーバ名が“FJapache”であるWebサーバが存在しない場合は、Webサーバを1つ作成します。Webサーバが複数存在する場合は、すべてのWebサーバを削除したあと、Webサーバ名が“FJapache”であるWebサーバを1つ作成します。
次に、スタンドアロンサーバのInterstage管理コンソールで、[システム] > [環境設定] > [Servletサービス詳細設定]の“Webサーバコネクタとワークユニットを同一マシンで運用する”を“運用する”に変更します。
この場合、Webサーバコネクタの定義はIJServerの定義を元に再作成されます。他のサーバに接続しているWebサーバコネクタの定義は、削除されます。
この場合、サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはサーバグループの1台目として追加したあと、管理サーバからWebサーバを再構築し、Webサーバコネクタを移動する必要があります。
Webサーバコネクタの移動については、“3.5.4 Webサーバコネクタの移動”を参照してください。
スタンドアロンサーバのInterstage管理コンソールで、[システム] > [ワークユニット] > [状態]からIJServerワークユニットをすべて削除します(IJServerのタイプが“EJBアプリケーションのみ運用”の場合は、削除する必要はありません)。さらに、[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > “Webサーバ名” > [Webサーバコネクタ] > [一覧]から接続先ワークユニットをすべて削除します。
この場合、サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはサーバグループの1台目として追加したあと、管理サーバからIJServerを再作成する必要があります。
また、Webサーバコネクタのワークユニット名とIJServerのワークユニット名は、同じである必要があります。異なる場合、is20899が出力され操作に失敗します。
スタンドアロンサーバのInterstage管理コンソールの操作は、以下のコマンドを使用して行うこともできます。
isj2eeadmin
ihsdelete
ihscreate
■Interstage HTTP Serverを使用する場合の注意事項
サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはリザーブサーバに追加するためには、以下の条件を満たす必要があります。
Webサーバ名が“FJapache”であるWebサーバが1つだけ存在する場合
注)Windows(R)の場合、Webサーバ名の英字の大文字と小文字は区別されません。
上記の条件を満たさない場合は、サイトに単体運用の管理対象サーバとして追加、またはリザーブサーバに追加することができません。
追加する場合は、以下の手順で上記の条件を満たしたあと、再度実行してください。
スタンドアロンサーバのInterstage管理コンソールを使用する場合
[システム] > [サービス] > [Webサーバ]の画面で、Webサーバの数、およびWebサーバ名を確認します。
1.の画面でWebサーバの作成/削除を行います。
Interstage HTTP Server運用コマンドを使用する場合
ihsdispコマンドでWebサーバの数、およびWebサーバ名を確認します。
ihscreateコマンドおよびihsdeleteコマンドでWebサーバの作成/削除を行います。
サイトの構築後、必要に応じてInterstageの各サービスおよび業務を設定します。
Interstageの環境設定は、サーバグループや管理対象サーバ(単体運用の管理対象サーバ)の単位で行います。詳細については、“3.5 Interstageの環境構築”を参照してください。