ページの先頭行へ戻る
Interstage Information StorageV10.0.0 運用ガイド

3.2.6 ノード情報の変更

DSS ファイルシステムの共用ノード情報変更である、共用ノード範囲へのノード追加および削除について説明します。


図3.6 ノード情報の変更の操作の流れ


注意

DSS ファイルシステムの制限値を超えてノード追加はできません。制限値については、“解説書”の“B.1 定量制限”を参照してください。

すべての DSS サーバを削除する場合は、事前に、すべての DSS クライアントを削除してください。


3.2.6.1 アンマウント

共用ノード情報を変更するためには DSS ファイルシステムをすべてのノードでアンマウントします。


参照

アンマウントの詳細については、本書の“3.2.4.1 アンマウント”を参照してください。


3.2.6.2 共用ディスク設定 (追加時)

対象ファイルシステムの共用ノードに新規ノードを追加する場合、追加するノードが共用ディスクを参照できるように、共用ディスクを設定する必要があります。

また、DSS サーバを追加する場合は、以下の注意事項があります。


注意

PRIMECLUSTER をインストールして、既存および追加するすべての DSS サーバにクラスタシステムを構築する必要があります。
追加する DSS サーバは、管理パーティションに情報登録する必要があります。


参照

クラスタへ新規ノードを追加する方法の詳細については、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書 (Linux版)”の“CF に新規ノードを追加する”を参照してください。
管理パーティションに情報登録を行う場合は、本書の“3.2.1.3 管理パーティションへのDSS サーバ情報の追加”を参照してください。


3.2.6.3 ノード情報の変更

DSS ファイルシステムは、ファイルシステムを共用するノード以外からのアクセスを制限するため、ファイルシステムを共用するノードに関する情報を保持しています。


ここでは、ファイルシステムに対するノード情報の追加・削除について説明します。


ノード情報の追加

DSS サーバの追加

ファイルシステムに対する DSS サーバの追加には、sfcnode(8) を使用します。

sfcnode(8) を使用して、既存のファイルシステムに、DSS サーバを追加する例を、以下に示します。sfcnode(8) は、DSS サーバで実行します。


DSS サーバの追加手順を、以下の環境を例に説明します。

代表パーティション

:/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

追加する DSS サーバ

:moony


  1. 対象ファイルシステムの共用ノード範囲にあるすべてのノードで、ファイルシステムがアンマウント状態であることを確認します。
    sfcinfo(8) の出力の status 欄がすべて“STOP”と表示されていることで確認できます。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny

  2. ノード情報を追加します。

    # sfcnode -a moony /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  3. ノード情報が追加されたことを確認します。
    moony の欄が新たに表示されることで確認できます。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny
       1  80960096  STOP    moony

  4. MDS の配置状態を確認します。
    moony が MDS(S) として表示されないことで確認できます。

    # sfcrscinfo -m /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  MDS/AC  STATE  S-STATE   RID-1   RID-2   RID-N  hostname
       1  MDS(P)  stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  moony

  5. 追加したノード情報のノードをセカンダリ DSS サーバに追加します。

    # sfcadm -g ,moony /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  6. DSS サーバに追加されたことを確認します。
    moony が MDS(S) として新たに表示されることで確認できます。

    # sfcrscinfo -m /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  MDS/AC  STATE  S-STATE   RID-1   RID-2   RID-N  hostname
       1  MDS(P)  stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  sunny
       1  MDS(S)  stop   -             0       0       0  moony
       1  AC      stop   -             0       0       0  moony

  7. 追加した DSS サーバに接続許可リストファイルを配付します。

    # cd /etc/sfcfs <Enter>
    # scp ./server.conf.1 root@moony:/etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>

  8. sfcmkconf(8) で対象ファイルシステムのファイルシステム構成情報を生成し、すべての DSS クライアントに配付します。
    配付対象となる構成情報ファイルは、ファイルシステム ID で特定してください。


参照

DSS クライアントへの構成情報ファイルの配付は、"導入ガイド"の"6.3.2.4 ファイルシステム構成情報の配付"を参照してください。

sfcnode(8) のオプションの詳細は“コマンドリファレンス”を参照してください。


DSS クライアントの追加

DSS クライアントを追加する方法として、以下の 2種類があります。


  • DSS ファイルシステムがアンマウント状態での DSS クライアントの追加

  • DSS ファイルシステムがマウント状態での DSS クライアントのオンライン追加


参照

DSS ファイルシステムがマウント状態での DSS クライアントのオンライン追加は、本書の“3.2.7 DSS クライアントのオンライン追加”を参照してください。


ここでは、DSS ファイルシステムがアンマウント状態での DSS クライアントの追加の操作を説明します。

DSS クライアントの追加には、以下の作業が必要です。

  • 追加する DSS クライアントに、ファイルシステム構成情報を配布

  • DSS サーバの接続許可リストファイルに対して、DSS クライアントのホスト名を追加登録


DSS クライアントの追加手順を、以下の環境を例に説明します。

代表パーティション

:/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

追加する DSS クライアント

:rainy2


  1. 対象ファイルシステムの共用ノード範囲にあるすべてのノードで、ファイルシステムがアンマウント状態であることを確認します。
    sfcinfo(8) の出力の status 欄がすべて“STOP”と表示されていることで、アンマウント状態であることが確認できます。
    この際、対象ファイルシステムのファイルシステム ID を FSID 欄で確認します。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny

  2. 対象ファイルシステムの接続許可リストファイルに、追加する DSS クライアントの CLIENT フィールドを追加します。
    追加対象となる接続許可リストファイルは、ファイルシステム ID で確認できます。

    # cat /etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>
    #
    # Copyright (c) 2009 FUJITSU LIMITED. All rights reserved.
    #
    #
    # Dynamic Store Services  MDS node configuration file.
    #   /etc/sfcfs/server.conf.<FSID>
    #
    # Client host-name list of this file system.
    #
    # Notes:
    #   Do not describe the host name of MDS itself.
    #
    # example:
    #CLIENT nodeac1
    #CLIENT nodeac2
    #CLIENT nodeac3
    #CLIENT nodeac4
    #CLIENT nodeac5
    CLIENT rainy1
    CLIENT rainy2

  3. 接続許可リストファイルを各 DSS サーバに配付します。
    DSS サーバを冗長化している場合は、他の DSS サーバに配付します。

    # cd /etc/sfcfs <Enter>
    # scp ./server.conf.1 root@moony:/etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>

  4. sfcmkconf(8) で対象ファイルシステムのファイルシステム構成情報を生成し、追加する DSS クライアントに配付します。
    配付対象となる構成情報ファイルは、ファイルシステム ID で特定してください。

    参照

    DSS クライアントへの構成情報ファイルの配布は、“導入ガイド”の“6.3.2.4 ファイルシステム構成情報の配布”を参照してください。


参照

DSS クライアント情報を接続許可リストファイルに追加を行うには、“導入ガイド”の“6.3.2.3 DSSクライアント情報の登録”を参照してください。


ノード情報の削除

DSS サーバの削除

ファイルシステムに対するDSS サーバの削除には、sfcnode(8) を使用します。

sfcnode(8) を使用して、既存のファイルシステムから、DSS サーバを削除する方法を示します。sfcnode(8) は、DSS サーバで実行します。


DSS サーバの削除手順を、以下の環境を例に説明します。

代表パーティション

:/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

削除する DSS サーバ

:moony

ファイルシステム ID

:1


  1. 現在のファイルシステムの構成、および、ファイルシステムの共用ノード範囲にあるすべてのノードで、ファイルシステムがアンマウント状態であることを確認します。
    sfcinfo(8) の出力の status 欄がすべて“STOP”と表示されていることで確認できます。この際、対象ファイルシステムのファイルシステム ID を FSID 欄で確認します。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny
       1  80960096  STOP    moony

  2. 削除するノード情報のノードが DSS サーバであるかを確認します。
    moony が MDS(S) として表示されることで確認できます。

    # sfcrscinfo -m /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  MDS/AC  STATE  S-STATE   RID-1   RID-2   RID-N  hostname
       1  MDS(P)  stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  sunny
       1  MDS(S)  stop   -             0       0       0  moony
       1  AC      stop   -             0       0       0  moony

  3. DSS サーバから削除します。

    # sfcadm -g sunny /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  4. DSS サーバから削除されたことを確認します。
    moony が MDS(S) として表示されないことで確認できます。

    # sfcrscinfo -m /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  MDS/AC  STATE  S-STATE   RID-1   RID-2   RID-N  hostname
       1  MDS(P)  stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  sunny
       1  AC      stop   -             0       0       0  moony

  5. ノード情報を削除します。

    # sfcnode -d -h moony /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  6. ノード情報が削除されたことを確認します。
    sfcinfo(8) の出力に moony の欄が表示されないことで確認できます。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny

  7. ノード情報を削除した DSS サーバ で接続許可リストファイルを削除します。
    削除対象となる接続許可リストファイルは、ファイルシステム ID で確認できます。

    # cd /etc/sfcfs <Enter>
    # rm ./server.conf.1 <Enter>

  8. 残った DSS サーバでsfcmkconf(8) で対象ファイルシステムのファイルシステム構成情報を生成し、すべての DSS クライアントに配付します。
    配付対象となる構成情報ファイルは、ファイルシステム ID で特定してください。


参照

DSS クライアントへの構成情報ファイルの配布は、“導入ガイド”の“6.3.2.4 ファイルシステム構成情報の配布”を参照してください。

sfcnode(8) のオプションの詳細は“コマンドリファレンス”を参照してください。


DSS クライアントの削除

DSS クライアントの削除には、以下の作業が必要です。

  • 削除する DSS クライアントで、ファイルシステムの構成情報を削除

  • DSS サーバの接続許可リストファイルに対して、DSS クライアントのホスト名を削除


DSS クライアントの削除手順を、以下の環境を例に説明します。

代表パーティション

:/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

論理ファイルシステム名

:dss1

削除するDSS クライアント

:rainy2

ファイルシステム ID

:1


  1. 対象ファイルシステムの共用ノード範囲にあるすべてのノードで、ファイルシステムがアンマウント状態であることを確認します。
    sfcinfo(8) の出力の status 欄がすべて“STOP”と表示されていることでアンマウント状態であることが確認できます。
    この際、対象ファイルシステムのファイルシステム ID を FSID 欄で確認します。

    # sfcinfo -n /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID  hostID    status  hostname
       1  80a4f75b  STOP    sunny
       1  80960096  STOP    moony

    注意

    sfcinfo(8) は、DSS サーバで実行してください。


  2. 削除する DSS クライアントで、ファイルシステムの構成情報を削除します。

    # cd /etc/sfcfs <Enter>
    # rm ./client.conf.dss1 <Enter>

  3. 対象ファイルシステムの接続許可リストファイルから、削除する DSS クライアントの CLIENT フィールドを削除します。
    削除対象となる接続許可リストファイルは、ファイルシステム ID で確認できます。

    DSS クライアント rainy2 を削除した接続許可リストファイル

    # cat /etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>
    #
    # Copyright (c) 2009 FUJITSU LIMITED. All rights reserved.
    #
    #
    # Dynamic Store Services  MDS node configuration file.
    #   /etc/sfcfs/server.conf.<FSID>
    #
    # Client host-name list of this file system.
    #
    # Notes:
    #   Do not describe the host name of MDS itself.
    #
    # example:
    #CLIENT nodeac1
    #CLIENT nodeac2
    #CLIENT nodeac3
    #CLIENT nodeac4
    #CLIENT nodeac5
    CLIENT rainy1

  4. 接続許可リストファイルを各 DSS サーバに配付します。
    DSS サーバを冗長化している場合は、他の DSS サーバに配付します。

    # cd /etc/sfcfs <Enter>
    # scp ./server.conf.1 root@moony:/etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>

3.2.6.4 fstab の設定

DSS ファイルシステムでは、ファイルシステムを共用するすべての DSS サーバの /etc/fstab にマウントするエントリを書く必要があります。また、DSS クライアントおよびファイルシステムを共用していないノードにも、エントリを書くことを推奨します。エントリを書くことで、誤って他のファイルシステムとして使用されるのを防ぐことができます。


追加したノードの /etc/fstab に、対象の DSS ファイルシステムのエントリを追加してください。

削除したノードでは、対象の DSS ファイルシステムのエントリをマウントしない設定に変更してください。


参照

DSSサーバの/etc/fstab の設定の詳細については、“導入ガイド”の“6.3.2.5 fstab の設定”を参照してください。

また、DSSクライアントの/etc/fstab の設定の詳細については、“導入ガイド”の“6.6.1.1 DSSクライアントの fstab 設定”を参照してください。


3.2.6.5 マウント

ノード情報の変更が完了した後、対象ファイルシステムをマウントします。

参照

DSSサーバでのファイルシステムのマウント方法の詳細については、“導入ガイド”の“6.3.2.6 DSSファイルシステムのマウント” を参照してください。

また、DSSクライアントでのファイルシステムのマウント方法の詳細については、“導入ガイド”の“6.6.1.2 DSSファイルシステムのマウント” を参照してください。