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Interstage Information StorageV10.0.0 運用ガイド

3.2.5 パーティションの追加

この節では、DSS ファイルシステムのファイルシステム構成変更であるファイルデータパーティションの追加について説明します。


図3.5 パーティションの追加の操作の流れ


3.2.5.1 アンマウント

共用ノード情報を変更するためには DSS ファイルシステムをすべてのノードでアンマウントします。


参照

アンマウントの詳細については、本書の“3.2.4.1 アンマウント”を参照してください。


3.2.5.2 共用ディスク設定

DSS ファイルシステムは、すべての DSS サーバおよび DSS クライアントから使用できる、共用デバイス上の共用ディスクに作成します。

DSS ファイルシステムは、udev 機能により生成される by-id 名を使用します。

by-id 名は、ハードディスクに設定されている個別識別情報から生成されるデバイス名です。

各ノードは、by-id名を使用することにより、常に同じデバイス名で特定のディスクにアクセスできます。

従来の互換デバイス名から by-id 名を特定するには、udevinfo(8) を使用します。


by-id 名の確認例を、以下の環境を例に示します。

・追加するパーティションのデバイス名

:/dev/sdc

# udevinfo -q symlink -n /dev/sdc <Enter>
disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107

注意

udevinfo(8) で確認した by-id 名を使用するには、先頭に "/dev/" を追加する必要があります。


注意

fdisk(8) や parted(8) などのコマンドで共用ディスクのパーティション情報を変更した場合は、"解説書"の"付録C.18 共用ディスクのパーティションを操作した場合の注意事項"を参照して、すべてのノードでパーティション情報を最新にしてください。


3.2.5.3 パーティションの追加

DSS ファイルシステムの空き領域を増やすために sfcadd(8) で新規にパーティションを追加します。sfcadd(8) は、DSS サーバで実行します。


参照

sfcadd(8) の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


注意

正しく停止しなかったファイルシステムに対してパーティション追加を行う場合には、事前に sfcfsck(8) によりファイルシステム状態を修復してください。


以下に sfcadd(8) で、既存の DSS ファイルシステム (/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106) に対して、ファイルデータ領域としてパーティション (/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107) を追加する方法を示します。


  1. 現在のファイルシステムの構成を確認します。

    # sfcinfo /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID special                                                  size  Type  mount
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)        14422  META  -----
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)         5116  LOG   -----
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)        95112  DATA  -----

  2. ファイルデータ領域としてパーティション /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107 の追加をします。

    # sfcadd -D /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  3. パーティションが追加されたことを確認します。

    # sfcinfo /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106:
    FSID special                                                  size  Type  mount
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)        14422  META  -----
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)         5116  LOG   -----
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 (864)        95112  DATA  -----
       1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107 (880)        65512  DATA  -----

注意

ファイルデータパーティションの追加には、以下の注意事項があります。

  • ファイルシステム作成時に sfcmkfs(8) で指定したファイルシステムの最大構成パーティション数 (-o maxvol=n) を超える場合、パーティションを追加することができません。

  • パーティション追加後のファイルシステムのファイルデータ領域のサイズが、ファイルシステム作成時に sfcmkfs(8) で指定した最大ファイルデータ領域サイズ (-o maxdsz=n) を超える場合は、管理領域不足によりファイルデータ領域の空き領域の一部を使用できなくなる場合があります。


参考

ファイルシステムの現在のファイルデータ領域のサイズとデータブロックサイズは、sfcinfo(8) で確認できます。

  • ファイルデータ領域のサイズを確認する方法は、前述の手順 1. または 3. のファイルシステムの構成を確認する方法と同じです。Type フィールドが "DATA" であるエントリの size フィールドの合計が、ファイルシステムのファイルデータ領域のサイズです。単位はキロバイトです。

  • データブロックサイズを確認する方法を、以下に示します。単位はバイトです。

    # sfcinfo -b /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 : 8192

3.2.5.4 マウント

DSS ファイルシステムの変更が完了した後、対象ファイルシステムをマウントしてください。


参照

DSSサーバでのファイルシステムのマウント方法の詳細については、“導入ガイド”の“6.3.2.6 DSSファイルシステムのマウント” を参照してください。

また、DSSクライアントでのファイルシステムのマウント方法の詳細については、“導入ガイド”の“6.6.1.2 DSSファイルシステムのマウント” を参照してください。