採取したクローニングマスタを指定した1台または複数のサーバに配付できます。
クローニングマスタの配付は、以下の条件を満たす管理対象サーバで行えます。
サーバの状態が、正常(normal)、警告(warning)、不明(unknown)、または停止(stop)であること。
保守モードに設定されていること。
クローニングマスタを採取したサーバとモデル名が一致すること。
予備サーバに設定されていないこと。
VMホストとVMゲストが動作している管理対象サーバには、クローニングマスタを配付できません。
事前準備
クローニングマスタの内容に誤りがあった場合の復旧作業を簡単にするため、クローニングマスタを配付する前に管理対象サーバのバックアップを行うことをお勧めします。
バックアップについては、「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「8.2 バックアップ」を参照してください。
注意
他の管理対象サーバの予備サーバに設定されているサーバにはクローニングマスタを配付できません。予備サーバの設定を解除したあと、配付してください。
クローニングではLANスイッチのVLAN設定の情報は配付されません。クローニングマスタを配付する前にLANスイッチのVLAN設定を行ってください。
LANスイッチのVLAN設定については、「6.2.1 LANスイッチブレードのVLAN設定」を参照してください。
クローニングマスタの採取元と配付先が同じ場合、クローニングマスタを配付する前に管理対象サーバのバックアップを行ってください。
バックアップについては、「ServerView Resource Coordinator VE 運用ガイド」の「8.2 バックアップ」を参照してください。
クローニングマスタの配付でエラーが発生し、クローニングマスタの再採取が必要になった場合は、以下の手順で再採取を行ってください。
クローニングマスタを配付する前に採取したシステムイメージをリストアします。
必要に応じて、管理対象サーバの設定や構成などを変更します。
クローニングマスタを再採取します。
配付に失敗したクローニングマスタを削除します。
クローニングマスタの配付
以下の手順で、クローニングマスタを配付します。
管理対象サーバを保守モードに設定します(エージェント登録されている場合だけ)。
RCコンソールのリソースツリーで、保守モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[設定]を選択します。
[保守モードの設定]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
管理対象サーバが保守モードに設定されます。
クローニングマスタを配付します。
1台のサーバにクローニングマスタを配付する場合
RCコンソールのリソースツリーで、クローニングマスタを配付するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[配付]を選択します。
[クローニングマスタの配付]ダイアログが表示されます。
[クローニングマスタの配付]ダイアログには、配付可能なクローニングマスタが表示されます。
配付可能なクローニングマスタは、配付するサーバとモデル名が一致しているサーバから採取したクローニングマスタです。
[クローニングマスタの配付]ダイアログで配付するクローニングマスタを選択し、以下の項目を設定します。
配付後のサーバ名
クローニングマスタを配付したサーバを識別する名前を入力します。
デフォルトは、物理OSを登録している場合は物理OS名、登録していない場合は物理サーバ名が入力されています。
【Windows】
半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
数字だけの文字列は使用できません。
【Linux】
半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。
"%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"
参考
入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。
- 半角英数字
- ハイフン("-")
- ピリオド(".")【Linux】
"配付後に保守モードを解除"チェックボックス
クローニングマスタを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合は、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合は、クローニングマスタを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタが配付されます。
複数台のサーバに同じクローニングマスタを配付する場合
RCコンソールで、[イメージ一覧]タブを選択します。
クローニングマスタ一覧が表示されます。
クローニングマスタ一覧で配付するクローニングマスタを右クリックし、表示されたメニューで[配付]を選択します。
[クローニングマスタの配付]ダイアログが表示されます。
[クローニングマスタの配付]ダイアログには、配付可能なサーバが表示されます。
[クローニングマスタの配付]ダイアログで、クローニングマスタを配付するサーバのチェックボックスにチェックを入れ、以下の項目を設定します。
"配付後に保守モードを解除"チェックボックス
クローニングマスタを配付したあとに、管理対象サーバの保守モードを解除する場合は、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合は、クローニングマスタを配付したあとに手動で保守モードを解除してください。
リストに表示されている"サーバ名"は、クローニングマスタを配付したサーバを識別する名前です。
デフォルトは物理サーバ名またはサーバ名が表示されます。
指定した名前は、管理対象サーバのコンピュータ名【Windows】またはシステムノード名【Linux】としても設定されます。
配付したあとにサーバ名を変更する場合は、以下の手順で行います。
1. 変更したいサーバの"配付後のサーバ名"のセルをダブルクリックします。
"配付後のサーバ名"のセルが編集可能状態になります。
2. 配付後に変更したいサーバ名を入力します。
【Windows】
半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された63文字以内の文字列を入力します。
数字だけの文字列は使用できません。
【Linux】
半角英数字、および以下の半角記号で構成された64文字以内の文字列を入力します。
"%"、"+"、","、"-"、"."、"/"、":"、"="、"@"、"_"、"~"
参考
入力したサーバ名は管理対象サーバのホスト名としても使用するため、RFC(Request For Comment)952で規定されている以下の文字で構成することをお勧めします。
- 半角英数字
- ハイフン("-")
- ピリオド(".")【Linux】
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタが配付されます。
業務を再開します。
必要に応じて管理LANと業務LANの冗長化を設定してください。
配付したあとにはデフォルトゲートウェイが管理サーバに設定されているので、必要に応じて変更してください。
動作確認を行い、業務が正常に開始されているか確認してください。
管理対象サーバ上で動作するアプリケーションが、ホスト名とIPアドレス情報を保持している場合、配付したあとに手動で設定変更してください。
注意
管理対象サーバがPRIMERGYパーティションモデルの場合、配付後にPSA-MMB間のIPアドレスを設定してください。設定方法については該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。
保守モードを解除します。
[クローニングマスタの配付]ダイアログで、"配付後に保守モードを解除"チェックボックスにチェックを入れた場合は、本手順を行う必要はありません。
RCコンソールのリソースツリーで、運用モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[解除]を選択します。
[保守モードの解除]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
管理対象サーバの保守モードが解除されます。
注意
Windowsが動作する管理対象サーバで採取したクローニングマスタの配付では、Microsoft社の提供するSysprepを利用して管理対象サーバごとに以下の情報が初期化されます。
必要に応じて、クローニングマスタを配付したあとに以下の情報を設定してください。
デスクトップのアイコンとショートカット
ドライブマッピングの設定
[システムのプロパティ]画面にある、[詳細設定]タブの"起動と回復"の各種設定
仮想メモリの設定
TCP/IPに関する設定
モデムの[所在地情報]画面にある"国名/地域名(W)"の設定
ディスククォータの設定
Storage Providerの設定
Microsoft Internet Explorerの設定(購読の情報、オートコンプリートで入力した情報、パスワード保存)
Microsoft Outlook Expressの設定(メールサーバ、ディレクトリサーバのパスワード)
ネットワークカードのドライバの設定(デジタル署名のないドライバは、デジタル署名の存在する最新版のドライバに置き換わる)
\Documents and Settings\Default Userフォルダのアクセス権の設定
クローニングマスタを配付中に、配付しているクローニングマスタ、および同じ名前のクローニングマスタを指定した採取、削除は同時に行えません。
クローニングマスタの必要ディスクサイズよりも、大きいディスク容量を持つシステムへ配付を行った場合、クローニングマスタの必要ディスクサイズを超える容量は未使用領域になります。この未使用領域は他の用途に利用できます。
クローニングマスタの配付中、管理対象サーバは複数回再起動されます。配付完了を確認したあと、業務の再開や設定を行ってください。
HBA address renameを利用している場合、利用していない場合よりも配付中の再起動の回数が増加します。
本操作を行ったあと、管理サーバと管理対象サーバに通信障害が発生し、クローニングマスタの配付に失敗、または管理対象サーバの状態が"unknown"になった場合は、「8.6 クローニングマスタに定義できるネットワークパラメタ自動設定機能」を利用し、誤って以下の自動設定を行った可能性があります。
管理LANに対する自動設定
業務LANに対する管理LANと同一サブネットの自動設定
クローニングマスタ配付が失敗した管理対象サーバにログインし、上記の誤った自動設定が行われていないか、ネットワークパラメタ自動設定機能の定義ファイルを確認してください。
自動設定が行われていた場合は、以下の方法で再度操作を行ってください。
失敗した管理対象サーバの状態の復旧
クローニングマスタの採取元と配付先が同じ管理対象サーバの場合
クローニングマスタ配付前にバックアップしたシステムイメージをリストアします。
クローニングマスタの採取元と配付先が異なる管理対象サーバの場合
「8.6.3 設定の解除」のrcxadm lanctl unsetコマンドを実行し、自動設定を解除してください。
管理対象サーバ上の管理LANのIPアドレスが設定されていない場合は、手動で設定し、管理サーバと管理対象サーバの通信を復旧させてください。
クローニングマスタの再採取
クローニングマスタを採取する管理対象サーバで、ネットワークパラメタ自動設定機能の定義ファイルの誤りを修正して、再度クローニングマスタの採取を行ってください。
採取のあと、失敗した管理対象サーバにクローニングマスタの再配付を行ってください。
配付に失敗したクローニングマスタは削除してください。
本操作でWindows Server 2008のアクティベーションが失敗した場合は、「メッセージ番号 47233」のメッセージが表示されます。
このメッセージが表示された場合は、Windows Server 2008の配付は完了し、アクティベーションだけが失敗した状態です。
詳細については、「ServerView Resource Coordinator VE メッセージ集」の「メッセージ番号 47233」に記載されている対処を行ってください。
クローニングで、複数台のサーバに同じクローニングマスタを配付する場合、管理LANのスイッチにIGMP Snooping機能の設定が必要になる場合があります。IGMP Snooping機能を設定しなかった際は、同一ネットワーク内に速度の異なるポートがある場合、または同時にイメージ操作を実行している場合に、転送性能が低下することがあります。