クローニングによるサーバ導入をする場合、クローニングマスタを採取してください。
エージェントの登録が完了している管理対象サーバから、クローニングマスタを採取できます。
エージェントの登録については、「6.2.3 ソフトウェアのインストールとエージェントの登録」を参照してください。
VMホストとVMゲストからはクローニングマスタを採取できません。
事前準備
クローニングマスタを採取する管理対象サーバに、導入時に必要なOS、アプリケーションのインストールを行います。
必要に応じて、設定変更やパッチの適用を行ってください。
終了したあと、管理対象サーバが正しく動作することを確認してください。
クローニングマスタを採取する管理対象サーバでDHCPクライアントが有効になっているか確認してください。
同じ名前のクローニングマスタは、クローニングマスタの保存世代数まで保持できます。
すでに保存世代数以上に採取されている状態で、新たにクローニングマスタの採取を行う場合は、削除するクローニングマスタを選択してください。
クローニングマスタの保存世代数はデフォルトで3世代です。
クローニングマスタの保存世代数の変更方法については、「6.3.1.4 クローニングマスタの保存世代数の変更」を参照してください。
クローニングマスタの配付時、一時的に採取元のサーバ名、または物理サーバ名をサーバ名として配付先のサーバを起動します。異なるサーバ名で起動すると問題が発生するプログラムをインストールしている場合、クローニングマスタ採取前にそのプログラムのサービスが自動起動しないように設定してください。
ネットワークパラメタ自動設定機能を利用する場合は、採取前に動作確認を行ってください。
詳細については、「8.6.1 動作確認と準備」を参照してください。
【Windows】
NetBIOS over TCP/IPを有効にしてください。
ボリュームライセンスが必要です。また、本製品のエージェントをインストールする際に、ボリュームライセンスの情報を入力しておく必要があります。
詳細については、「ServerView Resource Coordinator VE インストールガイド」の「2.2.1.2 必要な情報の収集と確認」と「2.2.2 インストール【Windows/Hyper-V】」を参照してください。
エージェントをインストールする際にボリュームライセンスの情報を入力しなかった場合や、インストールしたあとに修正する場合は、利用するWindowsの種類に応じて、管理対象サーバ上で以下のライセンス情報定義ファイルを編集してください。
Windows Server 2003の場合
インストールフォルダ\Agent\scw\SeparateSetting\sysprep\sysprep.inf
定義ファイルは、以下の1行で構成されます。プロダクトキーを修正してください。
ProductID=Windowsのプロダクトキー (*1) |
*1: 5桁の値をハイフン("-")で5つつないだもの
例
ProductID=11111-22222-33333-44444-55555 |
注意
プロダクトキーの値や形式に誤りがあった場合は、採取したクローニングマスタの配付がエラーになります。定義ファイルを編集した際は、値に誤りがないことを十分に確認してください。
Windows Server 2008の場合
インストールフォルダ\Agent\scw\SeparateSetting\ipadj\activation.dat
定義ファイルの[ActivationInfo]セクションに1行ごとに"パラメタ=値"という形式で記述してください。
パラメタについては、以下の表を参照してください。
方式 | パラメタ | 値 |
---|---|---|
KMS | .cmd.remotescript.1.params.kmscheck (必須) | KMSホストの検索方法。以下のどちらかの値を選択。
"MANUAL"を選択した場合は、.cmd.remotescript.1.params.kmsnameを必ず設定してください。 |
.cmd.remotescript.1.params.kmsname | KMSホストのホスト名(FQDN)、コンピュータ名、またはIP アドレス。 | |
.cmd.remotescript.1.params.kmsport | KMSホストのポート番号。省略時は1688。 | |
MAK | .cmd.remotescript.1.params.makkey (必須) | MAKキー。 |
共通 | .cmd.remotescript.1.params.ieproxy | プロキシサーバのホスト名(FQDN)とポート番号をコロン(":")でつないだもの。 |
.cmd.remotescript.1.params.password | Administratorのパスワード。 | |
encrypted | Administratorのパスワードの暗号化状態。 |
例
KMS(自動探索)の場合
[ActivationInfo]
.cmd.remotescript.1.params.kmscheck=AUTO
.cmd.remotescript.1.params.ieproxy=proxy.activation.com:8080
.cmd.remotescript.1.params.password=PASSWORD
KMS(手動設定)の場合
[ActivationInfo]
.cmd.remotescript.1.params.kmscheck=MANUAL
.cmd.remotescript.1.params.kmsname=fujitsu.activation.com
.cmd.remotescript.1.params.kmsport=4971
.cmd.remotescript.1.params.ieproxy=proxy.activation.com:8080
.cmd.remotescript.1.params.password=PASSWORD
MAKの場合
[ActivationInfo]
.cmd.remotescript.1.params.makkey=11111-22222-33333-44444-55555
.cmd.remotescript.1.params.ieproxy=proxy.activation.com:8080
.cmd.remotescript.1.params.password=PASSWORD
Administratorのパスワードを変更した場合は、以下のコマンドを実行してください。定義ファイルの.cmd.remotescript.1.params.passwordパラメタに記述されているパスワードが暗号化された文字列に変更され、暗号化したことを示す"encrypted=yes"の行が追加されます。
詳細については、「ServerView Resource Coordinator VE コマンドリファレンス」の「5.3 rcxadm deployctl」を参照してください。
> "インストールフォルダ\Agent\bin\rcxadm" deployctl passwd -encrypt <RETURN> |
MAKの場合(暗号文)
[ActivationInfo]
.cmd.remotescript.1.params.makkey=11111-22222-33333-44444-55555
.cmd.remotescript.1.params.ieproxy=proxy.activation.com:8080
.cmd.remotescript.1.params.password=xyz123456
encrypted=yes
クローニングマスタの採取
以下の手順で、クローニングマスタを採取します。
管理対象サーバを保守モードに設定します。
RCコンソールのリソースツリーで、保守モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[設定]を選択します。
[保守モードの設定]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
管理対象サーバが保守モードに設定されます。
管理対象サーバ上の業務を停止します。
クローニングマスタを採取する場合は、管理対象サーバが自動的に再起動されるため、事前に管理対象サーバ上の業務を停止してください。
管理LANと業務LANの冗長化を設定している場合は解除してください。
ただし、ネットワークパラメタ自動設定機能を使用して業務LANの冗長化設定を行っている場合は、解除する必要はありません。
クローニングマスタの採取中は以下の固有情報が無効化されます。管理対象サーバ起動時に以下の情報を参照するサービスは、起動しないように設定してください。
ホスト名
管理LANのIPアドレスとサブネットマスク
管理LANのデフォルトゲートウェイ
クローニングマスタを採取します。
RCコンソールのリソースツリーで、クローニングマスタを採取する物理OSを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択します。
[クローニングマスタの採取]ダイアログが表示されます。
[クローニングマスタの採取]ダイアログで以下の項目を設定します。
採取したクローニングマスタを識別する名前を入力します。
新規作成
新規に名前を入力する場合に選択し、クローニングマスタ名を入力します。
クローニングマスタ名は、先頭文字を英字とし、半角英数字とアンダースコア("_")で構成された32文字以内の文字列を入力します。
更新
採取してあるクローニングマスタと同じ名前を指定する場合に選択し、リストからクローニングマスタを選択します。
同じ名前のクローニングマスタは、クローニングマスタの保存世代数まで保持できます。
すでに保存世代数以上に採取されているクローニングマスタを選択した場合、採取したクローニングマスタの一覧で、削除するクローニングマスタのチェックボックスにチェックを入れてください。
クローニングマスタの採取が完了した時点で削除が行われます。
クローニングマスタの保存世代数はデフォルトで3世代です。
クローニングマスタの保存世代数の変更方法については、「6.3.1.4 クローニングマスタの保存世代数の変更」を参照してください。
クローニングマスタを識別するためのコメントを入力します。
パーセント("%")、円マーク("\")、ダブルクォーテーション( " )、および改行以外の文字で日本語、半角文字に関係なく128文字以内の文字列を指定できます。
"クローニングマスタ名"で"更新"を選択した場合、選択したクローニングマスタの最新世代のコメントが表示されます。
コメントを入力しない場合、RCコンソールにハイフン("-")が表示されます。
コメントには、ハードウェア構成(サーバのモデル名、ディスクサイズ、NIC数など)、ソフトウェア構成(インストールされているソフトウェア名、適用しているパッチなど)、およびネットワークパラメタ自動設定機能の状態などを入力することをお勧めします。
クローニングマスタを採取したあとに保守作業を終了し、自動的に管理対象サーバの保守モードを解除する場合は、チェックボックスにチェックを入れます。
チェックボックスにチェックを入れない場合は、クローニングマスタを採取したあとに手動で保守モードを解除してください。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタが採取されます。
業務を再開します。
手順2.で自動起動しないように設定したサービスがあれば設定を戻し、起動してください。
管理LANと業務LANの冗長化の設定を解除した場合は、設定を戻してください。
動作確認を行い、業務が正常に開始されているか確認してください。
保守モードを解除します。
[クローニングマスタの採取]ダイアログで、"採取後に保守モードを解除"チェックボックスにチェックを入れた場合は、本手順を行う必要はありません。
RCコンソールのリソースツリーで、運用モードに設定するサーバ(またはサーバ上の物理OS)を右クリックし、表示されたメニューで[保守モード]-[解除]を選択します。
[保守モードの解除]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
管理対象サーバの保守モードが解除されます。
クローニングマスタを採取中に、採取しているクローニングマスタ、および同じ名前のクローニングマスタに対する操作は同時に行えません。
本操作を行ったあと、管理サーバと管理対象サーバに通信障害が発生し、クローニングマスタの採取に失敗、または管理対象サーバの状態が"unknown"になった場合は、「8.6 クローニングマスタに定義できるネットワークパラメタ自動設定機能」を利用し、誤って以下の自動設定が行われた可能性があります。
管理LANに対する自動設定
業務LANに対する管理LANと同一サブネットの自動設定
クローニングマスタの採取が失敗した管理対象サーバにログインし、上記の誤った自動設定が行われていないか、ネットワークパラメタ自動設定機能の定義ファイルを確認してください。
自動設定が行われていた場合は、以下の方法で再度操作を行ってください。
失敗した管理対象サーバの状態の復旧
「8.6.3 設定の解除」のrcxadm lanctl unsetコマンドを実行し、自動設定を解除してください。
管理対象サーバ上の管理LANのIPアドレスが設定されていない場合は、手動で設定し、管理サーバと管理対象サーバの通信を復旧させてください。
クローニングマスタの再採取
ネットワークパラメタ自動設定機能の定義ファイルの誤りを修正して、再度クローニングマスタの採取を行ってください。
採取に失敗したクローニングマスタがある場合は削除してください。