ここでは、クローニングマスタに定義できるネットワークパラメタ自動設定機能について説明します。
事前に管理対象サーバ分の、業務LANのネットワークパラメタの定義を行い、クローニングマスタの採取を行うことで、クローニングマスタを配付する際に管理対象サーバの、業務LANのネットワークパラメタの設定を自動的に行います。
このため、クローニングマスタの配付による複数の管理対象サーバの導入で、個別に業務LANのIPアドレスを設定する手間を省けるため、短時間で導入できます。
以下の項目を設定します。
LAN冗長化無
IPアドレス
サブネットマスク
LAN冗長化有【Linux】
PRIMECLUSTER Global Link Servicesの"NIC切替え方式の物理IP引継ぎ"
図8.2 ネットワークパラメタ自動設定機能の導入手順
注意
【Windows/Linux】
ネットワークパラメタ自動設定機能は管理LANには利用できません。管理LANに対してネットワークパラメタ自動設定機能を利用した場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することや、クローニングマスタの採取時または配付時に通信異常が発生することがあります。
【Linux】
LAN冗長化の設定を行う場合は、導入作業を行う管理対象サーバに手動で設定したPRIMECLUSTER Global Link Servicesの冗長化設定を、すべて解除してから導入作業を行ってください。
解除していない場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することがあります。なお、手動で設定した冗長化設定は導入作業中に自動で解除されます。解除された場合、コマンドの実行中またはクローニングマスタの採取時に通信異常が発生することがあります。
導入作業が完了したあと、本機能を利用せずに冗長化設定を行うLAN(管理LANなど)があれば、手動で設定してください。
設定手順
以下の順序で、業務LANのネットワークパラメタの設定を行います。
ポイント
クローニングマスタを採取する管理対象サーバを1台決めて、定義ファイルを更新する場合、その管理対象サーバ上の定義ファイルを更新し、一元管理することをお勧めします。
定義ファイルの設定
以下の定義ファイルの設定方法について説明します。
FJSVrcx.conf
ipaddr.conf
管理対象サーバ上で、以下のフォルダ(ディレクトリ)配下に定義ファイルを作成してください。
【Windows】
インストールフォルダ\Agent\etc\FJSVrcx.conf
インストールフォルダ\Agent\etc\ipaddr.conf
【Linux】
/etc/FJSVrcx.conf
/etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.conf
admin_LAN=192.168.1.11 |
admin_LAN
管理対象サーバの管理LANのIPアドレスを設定します。
hostname
管理対象サーバの物理サーバ名を設定します。
定義ファイルは、以下のエントリで構成されます。
1つ以上のノードエントリ
ノードエントリ配下に1つ以上のインタフェースエントリ(冗長化無/有)
図8.3 定義ファイル(ipaddr.conf)の設定例
定義ファイル(ipaddr.conf)の設定方法は、以下のサンプルファイルを参考にしてください。
【Windows】
インストールフォルダ\Agent\etc\ipaddr.sample
【Linux】
/etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.sample
注意
空白(" ")とコメント記号("#")が先頭にある行(コメント行)は、無効とみなされます。
以下に、各エントリについて説明します。
ノードエントリ
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
管理対象サーバ名 | NODE_NAME | 物理サーバ名 | 管理対象サーバ登録時に設定した物理サーバ名です。 |
注意
ここでは、将来、追加する可能性があるサーバ名を、サーバ1台ごとに1エントリずつ、すべて記述してください。
インタフェースエントリ(冗長化無)
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
インタフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。
注意
必ず0から昇順の値を使用してください。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
インタフェース名 | IF_NAME | インタフェース名 | OSが表示するインタフェース名を指定します。 (*1) |
IPアドレス | IF_IPAD | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | - |
サブネットマスク | IF_MASK | xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク | - |
*1: Windowsはインタフェース名を変更できるので、設定内容に合わせてください。
インタフェースエントリ(冗長化有)【Linux】
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
インタフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。
本設定ではPRIMECLUSTER Global Link Servicesの"NIC切替え方式の物理IP引継ぎ"を使用するため、仮想インタフェースに設定するIPアドレスが必要です。
同一ノードエントリ内でインタフェース名が重複しないインタフェースエントリ(冗長化無)と混在して定義できます。
注意
各定義キーワードの末尾に付ける数字は、必ず0から昇順の値を使用してください。
冗長化無しのインタフェースと混在する場合は、冗長化無しのインタフェースを併せて昇順に値を使用してください。
冗長化有りのインタフェースエントリは、Linuxの場合だけ有効です。Windowsの場合は無効となり設定されません。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
PRIMECLUSTER GLSの仮想インタフェース名 | VIF_NAME | shaX | Xは0~255の整数。 |
仮想インタフェースに設定するIPアドレス | VIF_IPAD | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | - |
サブネットマスク | VIF_MASK | xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク | - |
プライマリインタフェース名 | PRI_NAME | インタフェース名(ethX) | Xは0以上の整数。 |
セカンダリインタフェース名 | SCD_NAME | インタフェース名(ethY) | Yは0以上の整数。 |
監視先IPアドレス | POL_ADDR | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | カンマ(",")区切りで2つまで指定可能。 |
待機パトロール用の仮想インタフェース名 | PAT_NAME | shaY | Yは0~255の整数。 |
HUB-HUB間監視の有無 | POL_HUBS | ON/OFF | HUB-HUB間監視を行う場合はONを、行わない場合はOFFを指定します。 |
各設定値については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
ネットワークパラメタ自動設定機能の有効化
以下のコマンドを実行し、ネットワークパラメタ自動設定機能を有効にします。
本コマンドは管理対象サーバ上で実行します。
【Windows】
>"インストールフォルダ\Agent\bin\rcxadm" lanctl enable <RETURN> |
【Linux】
# /opt/FJSVrcxat/bin/rcxadm lanctl enable <RETURN> |
コマンドについては、「ServerView Resource Coordinator VE コマンドリファレンス」の「5.5 rcxadm lanctl」を参照してください。