レプリケーション管理の運用系コマンドについて説明します。
名前
swsrpstartsync - 同期型レプリケーション処理の開始
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [-y [-a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [-y [ -a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [-y [-a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [-y [-a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
機能説明
同期型レプリケーション処理(EC/RECによるディスク間のコピー)を開始します。
指定された複写先/複写元ボリュームの全面コピー(同期処理の開始)、または更新(差分)コピー(同期処理の再開)をします。運用の開始時、または、複製確立状態からの更新(差分)データの反映を行う場合に使用します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
同期処理を同期Writeモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
-y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
筐体内レプリケーションの同期処理は、常に同期Writeモードで実施されます。
筐体間同期処理のSplitモードをAutomatic Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
-y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。
筐体間同期処理のSplitモードをManual Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
-y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。
Automatic Splitモードがサポートされていない筐体で、同期モード(-yオプション)を指定する場合、本オプションの指定が必須です。
筐体間同期処理の転送モードをStackモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
-y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
-y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
筐体間同期処理のリカバリモードをManual Recoveryモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
本オプションを指定しない場合は、Automatic Recoveryモードになります。
サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのコピー先ボリュームに対するボリューム状態確認処理、前処理は行われません。
本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。
コピー先ボリュームへの前処理を実行しないことを指定します。
本オプションは以下のいずれかの条件に該当する場合に使用してください。
複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合
複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)
強制サスペンド後の筐体間同期処理(REC)を再開する場合
グループ単位で同期処理を開始することを指定します。
逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の同期処理を開始することを指定します。
初期コピースキップ機能を使用して同期処理をサスペンド状態にすることを指定します。
本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
同期処理の再開時に、複製確立状態中にコピー先に対して行った更新データを有効にします。
本オプションは、筐体間のレプリケーションの再開時のみ有効です。
本オプションは、-Xskipオプション指定で同期処理を開始し、テープ媒体上のバックアップデータを複写先ボリュームにコピーした後に、複写元ボリュームの更新部分のみを複写先ボリュームに反映したい場合に使用します。
オペランド
複写元ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
複写先ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0から/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SVへの複製開始をします。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0 /dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV FROM=/dev/dsk/c1t2d0@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV swsrpstartsync completed #
グループGRP1の複製開始をします。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -Xgroup GRP1 GROUP=GRP1 swsrpstartsync completed #
注意事項
次のような場合は複製開始を実行する事ができません。
指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。
複製ボリュームのコピー属性として一方向コピーを設定している場合に、複製元ボリュームを複写先ボリューム、複製先ボリュームを複写元ボリュームに指定したとき。
運用開始後にボリューム情報(媒体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)が変更されているとき。この場合は当該ボリュームに対する運用は継続できなくなります。いったん、該当ボリュームに対するレプリケーション運用を停止してから、複製ボリューム情報の削除・設定をしてください。
サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。
サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。
先行するアドバンスト・コピー機能が原因で実行できないとき。
筐体間レプリケーションでないときに-gオプションを指定したとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。
複写元/複写先ボリュームのいずれかがSnap Data Volumeのとき。
-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。
実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームのアンマウントを実行してください。
異なるOS間でレプリケーションを行う場合
複製元/複製先ボリュームのサイズが異なる場合
複製元/複製先ボリュームのファイルシステムが異なる場合
上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。
同期処理再開時に同期処理のモードを変更することはできません。
同期処理再開時は、-y、-a、-v、-k、-i、-gオプションは次のどちらかにする必要があります。
再開しようとする同期処理のモードと同一となるようなオプションの組合せを指定する。
どのオプションも指定しない。
指定した複写元/複写先ボリュームの同期処理の状態により、本コマンドの処理内容が異なります。
同期処理の状態 | 処理 |
---|---|
未実施状態 | 全面コピー開始 |
全面/差分コピー中状態 | 通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了 |
等価性維持状態 | 通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了 |
複製確立状態(一時停止状態) | 差分コピー開始 |
複製開始を実行する前に、複写先ボリュームに対してレプリケーション前処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、「付録B レプリケーションの前後処理」を参照してください。また、-tオプションを使用することにより、前処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。
なお、-Xgroupオプションを指定して複製開始を行う場合は、複写先ボリュームに対するレプリケーション前処理スクリプトは実行されないため、グループ内の全ての複写先ボリュームに対して、本コマンド実行前に前処理を実行する必要があります。
本コマンドでは、複写先ボリュームにアクセスしているプロセスを保護するために、複写先ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製開始を実行します。そのために、複写先ボリュームのアンマウントを実行します。複写先ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。
マウントポイントの配下にさらに他のボリュームをマウントするディレクトリがある場合。
ボリューム内に使用中のファイルがある。また、本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから複写先ボリュームが使用されている場合、レプリケーション運用の管理者の責任において複写先ボリュームを共有設定の解除やアンマウント等によりアクセス禁止状態にしてください。
複数論理ディスクから構成されているボリュームグループを複製元にした場合、それを複製する場合は、全ての論理デバイスをレプリケーション運用の管理者責任でアンマウント/マウントするようにしてください。
複写先ボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvgchange(1M)コマンドで複写先ボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中に複写先ボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の一時停止(swsrpmake(複製作成コマンド))および停止(swsrpcancel(複製解除コマンド))等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUS Web GUI等を使用して同期処理を強制停止した後、複写先ボリュームをアクティブにしてください。
複製開始時に注意する点として、「10.1.1 全般的な注意事項」をご理解ください。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swsrpmake - 複製ボリュームの作成
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-m][-f][-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
機能説明
同期処理(EC)が行われていない場合は、スナップショット処理(OPC/QuickOPC/SnapOPC/SnapOPC+)を起動して複製ボリュームを作成します。
同期処理が行われている場合は、等価性維持状態かどうかを確認し、等価性維持状態の場合は同期処理をサスペンドすることによって、複製ボリュームを作成します。同期処理がサスペンドされている状態を複製確立状態と呼びます。本コマンドを実行後、複製ボリューム(複写先ボリューム)へのアクセスが可能となります。
本コマンドでは、複製作成を行う前にレプリケーション前後処理スクリプトを実行します。これらのスクリプトの詳細については、「付録B レプリケーションの前後処理」を参照してください。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。
複写先サーバからコマンドを実行する場合、かつ、-Xconcurオプションを指定した場合は、本オプションを指定することはできません。
本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。
複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。
複写先ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。
筐体間の同期型レプリケーションにおいて、コピーの実行状態が「sync:全面コピー、または差分コピー中」もしくは「halt:ハードサスペンド状態」であってもコピー処理を強制的に一時停止(サスペンド)します。本オプションは、筐体間レプリケーションの場合のみ使用可能です。筐体間でない場合はエラーとなります。
本オプションを指定した場合、複写先ボリュームのデータは保証されません。
また、本オプションを指定した場合、複写元ボリュームへの前後処理および、複写先ボリュームへの前後処理は実行されません。筐体間同期処理(REC)を再開する際は、-tオプションを指定してswsrpstartsync (複製開始コマンド)を実施してください。
差分スナップショット処理を起動することを指定します。
同期処理が行われている場合は本オプションを指定することはできません。
本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがQuickOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。
本オプションを指定しないスナップショット型レプリケーションの場合、通常のスナップショット処理(QuickOPC機能を利用しないOPC)が起動されます。差分スナップショットを利用したレプリケーション運用を行う場合は常に本オプションを指定する必要があります。
グループ単位で複製の作成を行うことを指定します。
逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の複製の作成を行うことを指定します。
コンカレントサスペンド機能を使用して複製の作成を行うことを指定します。
本オプションを使用する場合は、複写先ボリュームのサイズは複写元ボリュームのサイズ以上である必要があります。
SnapOPCを起動することを指定します。
本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがSnapOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。
SnapOPCを実行するためには、複写先ボリュームがSnap Data Volumeである必要があります。
SnapOPC+を起動することを指定します。
本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがSnapOPC+機能をサポートしている場合のみ有効です。
SnapOPC+を実行するためには、複写先ボリュームがSnap Data Volumeでなければなりません。
以下の場合、エラーとなります。
複写元ボリュームと複写先ボリュームで、同じSnapOPC+セッションが存在する場合
複写元ボリュームのSnapOPC+セッションの合計が8セッションを超えた場合
オペランド
複写元ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
複写先ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0の複製を/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SVに作成することを指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0 /dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV FROM=/dev/dsk/c1t2d0@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV swsrpmake completed #
グループGRP1の複製を作成します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup GRP1 GROUP=GRP1 swsrpmake completed #
注意事項
次のような場合は複製を作成できません。
指定した複写元/複写先ボリュームが、複製ボリュームとして設定されていないとき。
指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が等価性維持状態になっていないとき。
運用開始後に物理ボリューム情報(媒体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)が変更されているとき。この場合は当該ボリュームに対する運用は継続できなくなります。いったん、該当ボリュームに対するレプリケーション運用を停止してから、複製ボリューム情報の削除と設定を行ってください。
複写元ボリュームまたは複写先ボリュームが複数マウントポイントを持っているとき。
サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。
サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
複写先ボリュームをロックできなかったとき。
複写先ボリュームロック動作指定ファイルの内容が不当なとき。
指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。
-Xgroupオプションを使用している場合、処理対象の複製ボリュームの運用状態にスナップショット型レプリケーションと同期型レプリケーションが混在している場合は、複製作成を行わずに処理を中断します。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。
実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームのアンマウントを実行してください。
異なるOS間でレプリケーションを行う場合
複製元/複製先ボリュームのサイズが異なる場合
複製元/複製先ボリュームのファイルシステムが異なる場合
上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。
複製を作成する前に、複写元ボリュームに対してレプリケーション前後処理スクリプトを実行し(ただし、同期型レプリケーションの場合は後処理スクリプトのみを実行)、複製を作成した後に、複写元/複写先ボリュームに対してレプリケーション後処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、「付録B レプリケーションの前後処理」を参照してください。また、-fや-tオプションを使用することにより、前後処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。
なお、-Xgroupオプションを指定して複製作成を行う場合は、複写元ボリューム/複写先ボリュームに対するレプリケーション前後処理スクリプトは実行されないため、グループ内の全ての複写元ボリューム/複写先ボリュームに対して、本コマンド実行前に前処理を実行します。
(ただし、同期型レプリケーションの場合は、複写先ボリュームに対する前処理は、複製開始時に実行済みであるため実行不要です。)
また、本コマンド実行後に後処理を実行する必要があります。
スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、実行中のコピーを停止し、新たにスナップショット処理を起動します。
本コマンドでは、データを保証するために、複写元ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製を作成します。そのために、複写元ボリュームのアンマウントを実行します。複写元ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。
マウントポイントの配下にさらに他のボリュームをマウントするディレクトリがある場合。
ボリューム内に使用中のファイルがある。また、本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから複写元ボリュームが使用されている場合、レプリケーションの管理者の責任において複写元ボリュームをアンマウント等によりアクセス禁止状態にしてください。都合により複写元ボリュームのアンマウント等をしたくない場合は、「付録B レプリケーションの前後処理」を参考にして以下を実施してください。
ボリュームグループを複製元にした場合、それを複製する場合は、全ての論理デバイスをレプリケーション運用の管理者責任でアンマウント/マウントするようにしてください。
レプリケーション前処理では、ボリュームとファイルシステムとの同期をとるためにsyncコマンドを実行してください。
レプリケーション後処理では、複写先のファイルシステムの確認を行うために、fsckコマンドを実行してください。
複写元ボリュームがバックアップ管理によって使用されている場合、アンマウントできないことがあります。この場合、「swsrp2613 複製作成時の前処理スクリプトで、異常が発生しました。 エラーコード=2」が出力されます。
スナップショット型レプリケーションを実施する場合、本コマンドでは、複写先ボリュームにアクセスしているプロセスを保護するために、複写先ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製作成を実行します。そのために、複写先ボリュームのロック、または、アンマウントを実行します。複写先ボリュームのロック、または、アンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。
マウントポイントの配下にさらに他のボリュームをマウントするディレクトリがある
ボリューム内に使用中のファイルがある
本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから複写先ボリュームが使用されている
レプリケーション運用の管理者の責任において複写先ボリュームを共有設定の解除やアンマウント等によりアクセス禁止状態にしてください。
Snap Data Volumeに対して実行可能なものはSnapOPC/SnapOPC+だけです。
また、Snap Data Volumeからデータをリストアする際は、複製元ボリュームと複製先ボリューム(Snap Data Volume)との間にSnapOPCセッションが存在している必要があります。
複製作成時に注意する点として、「10.1.1 全般的な注意事項」をご理解ください。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、新たにスナップショット処理を起動します。コピー動作の詳細については、以下の表を参照してください。
運用状態 | -Tオプションの指定 | コピー動作 |
---|---|---|
コピー未実施 | なし | 通常のスナップショット処理を起動(開始)します。 |
コピー未実施 | あり | 差分スナップショット処理を起動(開始)します。 |
スナップショット処理実行中 | なし | 実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。 |
スナップショット処理実行中 | あり | 実行中のコピーを停止し、新たに差分スナップショット処理を起動(開始)します。 |
スナップショット処理実行中 | なし | 実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。 |
スナップショット処理実行中 | あり | 差分スナップショット処理を起動(再開)します。 |
トラッキング処理実行中 | なし | トラッキング処理を停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。 |
トラッキング処理実行中 | あり | 差分スナップショット処理を起動(再開)します。 |
名前
swsrpstat - 運用状況の表示
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] [-H] [-O] [Original-Volume-Name]
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] [-H] [-O] [Original-Volume-Name]
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] [-O] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] [-O] -Xgroup Group-Name
機能説明
指定ボリュームの運用状況を表示します。
表示される情報は以下のとおりです。
タイトル | 説明 |
---|---|
Server | Storageサーバ名を表示します。 |
Original-Volume | 複製元ボリューム名を表示します。 |
Replica-Volume | 複製先ボリューム名を表示します。 |
Direction | コピー方向を表示します。 regular:複製元から複製先へのコピー中です。 |
Status | 実行状態を表示します。 ----:複製未実施です。 |
Execute | 複製進行率をパーセントで表示します。複製未実施またはSnapOPC中の場合は“----”を表示します。 |
Trk | トラッキング処理の有無を表示します。 on:トラッキング処理中です。 |
Update | 以下のいずれかに該当する場合、前回の複製作成後の更新済みデータ量をパーセンテージで表示します。
上記以外の場合は、“----”で表示します。 |
Rcv | 筐体間同期処理のRecoveryモードを表示します。 auto:Automatic Recoveryモードです。 |
Split | 筐体間同期処理のSplitモードを表示します。 auto:Automatic Splitモードです。 |
Xfer | 筐体間同期処理の転送モードを表示します。 sync:同期モードです。 |
Snap-Gen | SnapOPC+を行っている場合、スナップ世代番号(1~8)を表示します。 |
オプション
Storageサーバ名を指定します。
本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。
拡張形式で表示することを指定します。
本オプション指定時に表示される項目については実行例の表を参照してください。
なお、本オプション指定時に表示される項目は、今後のリリースで変更される可能性があります。
逆方向(複製先から複製元)の運用状況のみを表示することを指定します。
本オプションを指定しない場合、双方向のOPC物理コピーが動作しているときは常に順方向(複製元から複製先)の運用状況が表示されます。
本オプションを指定した場合、順方向の運用状況を表示せず、逆方向の運用状況のみを表示します。
本オプションは、順方向のQuickOPC/SnapOPCセッションが存在している状態で逆方向のOPCを行う場合の運用状況の確認に使用することができます。
グループ名を指定します。
本オプションを指定した場合、指定されたグループに関するすべての運用状況を表示します。
RECがハードサスペンド(halt)状態になった場合のStatus欄の表示方法を変更します。
本オプションを指定した場合、全面コピー中または差分コピー中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(sync)”、等価性維持状態中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(equivalent)”と表示されます。
エラーサスペンド(faild)状態のStatus欄の表示方法を変更します。
本オプションを指定した場合、以下のように表示されます。
不良セクタがある場合:"failed(badsector)"
Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足の場合:"failed(overflow)"
それ以外の場合:"failed(other)"
オペランド
複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。
指定された複製元ボリュームに関する全ての運用状況を表示します。
省略した場合は、本コマンドを実行したStorageサーバに関する全ての運用状況を表示します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV regular replicated ---- SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1@TARG-SV ---- ---- ---- SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2@TARG-SV reverse snap 45% #
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します(-Lオプションを指定した場合)。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -L Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute Trk Update Rcv Split Xfer Snap-Gen SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV regular replicated ---- ---- ---- auto ---- async ---- SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1@TARG-SV ---- ---- ---- on 6% ---- ---- ---- ---- SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2@TARG-SV reverse snap 45% off ---- ---- ---- ---- ---- SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d1@TARG-SV regular copy-on-write(inactive) ---- off 0% ---- ---- ---- 1 SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d2@TARG-SV regular copy-on-write(inactive) ---- off 5% ---- ---- ---- 2 SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d3@TARG-SV regular copy-on-write(active) ---- off 6% ---- ---- ---- 3 #
注意事項
実行状態(“Status”欄に表示される状態)が"failed"、"halt"、"?????"の場合
「8.4 レプリケーション中に発生したハードウェア障害等の対処方法」を参照して対処してください。
次のような場合は、運用状況を表示できません。
指定したボリュームが複製元ボリュームとして設定されていないとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swsrpcancel - 複製処理の停止
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xreverse] -Xgroup Group-Namee
機能説明
指定された複製ボリュームのスナップショット処理(OPC/QuickOPC/SnapOPC/SnapOPC+)、同期処理(EC)を停止します。レプリケーション運用中に何らかの異常を検出した場合や、複製処理を停止したい場合に使用します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
本オプションはStorage管理サーバでのみ有効です。
システムダウンなど操作サーバが使用不可能な場合、操作サーバでないサーバからコピー処理の強制停止を行うことを指定します。本オプションを使用した場合、前後処理を実施せずコピー処理を停止させます。
本オプションは、操作サーバでは指定できません。
サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。
本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。
等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。
等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写先ボリュームへの後処理を実行しないことを指定します。
複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。
halt状態の筐体間コピー処理を停止することを指定します。
サーバ内レプリケーションの場合、両筐体に対して筐体間コピー停止処理を行います。
サーバ間レプリケーションの場合、本コマンドを実行したサーバに接続されている筐体にのみ、コピー停止処理を行います。
コピー処理がhalt状態で、その復旧が見込めない場合にのみ使用してください。
本オプションはコピー処理がhalt状態の時のみ使用できます。
本オプションは非操作サーバでも使用できます。
-Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のhalt状態のセッションのみコピー処理を停止します。
差分スナップショットのトラッキング処理を停止することを指定します。
本オプションを指定した場合、トラッキング処理のみが停止され、実行中のスナップショット処理(OPC物理コピー)は停止されません。スナップショット処理(OPC物理コピー)が完了している場合はOPCセッションが解除されます。
本オプションは差分スナップショットのトラッキング処理中でない場合は使用できません。
-Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のトラッキング処理のみ停止します。
グループ単位でコピー処理を停止することを指定します。
逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されているコピー処理を停止することを指定します。
本オプションを指定することで、強制的にSnapOPC+のセッションを停止することができます。
SnapOPC+の強制停止は、停止を指定したスナップ世代とそれ以前のスナップ世代がすべて停止されます。
本オプションは、1つのスナップ世代しかない場合でも指定できます。
本オプションは、SnapOPC+固有のオプションです。
-Xgroupオプションを同時に指定した場合、グループ内のSnapOPC+のセッションが停止され、グループ内のスナップ世代とそれ以前のスナップ世代もすべて停止されます。
オペランド
複写元ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
複写先ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0から/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SVへのコピー処理を停止することを指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0 /dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV FROM=/dev/dsk/c1t2d0@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0@TARG-SV swsrpcancel completed #
グループGRP1のコピー処理を停止します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -Xgroup GRP1 GROUP=GRP1 swsrpcancel completed #
注意事項
サーバ内レプリケーションでbオプションを指定し実行した場合、どちらか一方の筐体のコピー停止処理に成功すれば本コマンドは正常終了します。
次のような場合はコピー処理を停止する事ができません。
指定した複写元/複写先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。
指定した複写元/複写先ボリュームに対して、複写処理が実行されていないとき。
サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。
サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。
-Xgroupオプションを使用している場合は、運用中の複製ボリュームについてのみ処理を行いますが、以下の場合は複製解除を行わずに処理を中断します。
全ての複製ボリュームがコピー未実施だった場合。
グループ内にhalt状態のコピー処理が存在しないときに、-bオプションを指定して実行した場合。
グループ内のQuickOPCのトラッキング処理が存在しないときに、-Tオプションを指定して実行した場合。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。
SnapOPC+のセッションを停止する場合は、最も古いスナップ世代から停止する必要があります。
2世代目以降のスナップ世代を強制的に停止する場合は、-Xforceオプションを指定してください。ただし、この場合、指定したスナップ世代とそれ以前のスナップ世代がすべて停止されます。
-Xforceオプションと-Xgroupオプションを同時に指定した場合、グループ内のSnapOPC+のセッションが停止され、グループ内のスナップ世代とそれ以前のスナップ世代もすべて停止されます。
指定したボリュームのボリューム情報はチェックしません(管理簿のボリューム情報と実際の物理情報との一致確認)。管理簿のボリューム情報を使用して無条件で運用を解除します。
指定した複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。
運用状態 | 処理 |
---|---|
逆方向コピー | 処理を中断します。 |
未運用 | 処理を中断します。 |
全面/差分コピー中 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。 |
等価性維持状態 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
複製確立状態 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
スナップショット処理中 | スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。 |
複写元/複写先ボリュームへの前後処理は、同期処理が等価性維持状態のときのみ実施されます。
また、等価性維持状態になる前に複製解除を行うと、複写先ボリュームは不完全な状態になるため、ファイルシステムの場合は複写先ボリュームをマウントできなくなります。
対象がボリュームグループで、複写先の前後処理スクリプトでマウント・アンマウントを実施するようにカスタマイズしている場合、正しく前後処理スクリプトを実行するために、等価維持状態になってから複製解除を行ってください。等価維持状態になる前に複製解除を行った場合は、swsrpstartsync(複製開始コマンド)に-tオプションを指定して実行し、等価維持状態にしてから複製解除を行ってください。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
-Tオプションを指定しない場合
複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。
運用状態 | 処理 |
---|---|
逆方向コピー | 処理を中断します。 |
未運用 | 処理を中断します。 |
全面/差分コピー中 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。 |
等価性維持状態 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
複製確立状態 | 同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
スナップショット処理中 | スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。 トラッキング処理中の場合はトラッキング処理も停止します。 |
スナップショット処理完了状態 | トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
-Tオプションを指定した場合
複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。
運用状態 | 処理 |
---|---|
逆方向コピー | 処理を中断します。 |
未運用 | 処理を中断します。 |
全面/差分コピー中 | 処理を中断します。 |
等価性維持状態 | 処理を中断します。 |
複製確立状態 | 処理を中断します。 |
スナップショット処理中 | 処理を中断します。 |
スナップショット処理中 | トラッキング処理のみを停止します。スナップショット処理(物理コピー)は継続されます。 複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
スナップショット処理完了状態 | トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。 |
名前
swsrpchsync - 同期処理モードの変更
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
機能説明
筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
転送モードを変更します。
オペランドには以下のいずれかを指定します。
Sync:同期モードに変更します。
Async:非同期(逐次転送)モードに変更します。
Stack:Stackモードに変更します。
Consist:Consistencyモードに変更します。
本オプションを省略した場合は転送モードは変更されません。
-Sオプションと同時に指定できるのは-F Syncオプションのみです。
-F Syncオプションを指定して同期モード以外の転送モードから同期モードへ変更する際に、-Sオプションが指定されなかった場合のSplitモードは、Automatic Splitモードとなります。
Recoveryモードを変更します。
オペランドには以下のいずれかを指定します。
Auto:Automatic Recoveryモードに変更します。
Manual:Manual Recoveryモードに変更します。
本オプションを省略した場合はRecoveryモードは変更されません。
Splitモードを変更します。
オペランドには以下のいずれかを指定します。
Auto:Automatic Splitモードに変更します。
Manual:Manual Splitモードに変更します。
本オプションを省略した場合、Splitモードは変更されません。
-F Syncを指定しない、かつ、現在の同期処理の転送モードが同期モードでない場合は、本オプションを指定することはできません。
グループ単位の筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。
逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理の動作モードを変更することを指定します。
オペランド
複写元ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
複写先ボリューム名を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d3@SRC-SVと/dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV間の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute Trk Rcv Split Xfer Snap-Gen SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV regular sync 99% ---- auto ---- consist ---- : # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h SRC-SV -F Async /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV FROM=/dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV, TO=/dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV swsrpchsync completed : # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute Trk Rcv Split Xfer Snap-Gen SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV regular equivalent 100% ---- auto ---- async ---- #
グループGRP1の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -F Async -Xgroup GRP1 GROUP=GRP1 swsrpchsync completed #
注意事項
次のような場合、筐体間同期処理の動作モードを変更することができません。
指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。
-F、-R、-Sのいずれのオプションも指定されていないとき。
サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。
指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が行われていないとき。
指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理がエラーサスペンド状態(swsrpstat(運用状況表示コマンド)のStatusが“failed”)またはハードサスペンド状態(swsrpstat(運用状況表示コマンド)のStatusが“halt”)になっているとき。
指定した複製元/複製先ボリュームが配置されているETERNUS ディスクアレイが動作モード変更機能をサポートしていないとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて同じ動作モードに変更しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理の動作モードを変更することはできません。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。
等価性維持状態のRECの動作モード変更を行った場合は、動作モード変更後に再度、等価性維持状態になるのを待ち合わせる必要があります。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。
名前
swsrprevsync - 同期処理の反転
形式
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -h Server-Name From-Volume-Name To-Volume-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
/opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -h Server-Name [-Xreverse] -Xgroup Group-Name
機能説明
サスペンド状態の同期処理のコピー方向を反転します。
オプション
Storageサーバ名を指定します。
Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。
グループ単位の同期処理を反転します。
逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理を反転することを指定します。
オペランド
複写元ボリューム名(反転後の複写先となるボリューム名)を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
複写先ボリューム名(反転後の複写元となるボリューム名)を指定します。
swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
使用例
Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d3@SRC-SVと/dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV間の同期処理のコピー方向を反転することを指示します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV reverse replicated ---- # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV FROM=/dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV swsrprevsync completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d3@TARG-SV regular replicated ---- #
グループGRP1の同期処理を反転します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -Xgroup GRP1 GROUP=GRP1 swsrprevsync completed #
注意事項
次のような場合は同期処理を反転できません。
指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。
複製ボリュームのコピー属性として一方向コピーを設定しているとき。
サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。
指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が複製確立状態でないとき。
指定した複製元/複製先ボリュームが配置されているETERNUS ディスクアレイが反転機能をサポートしていないとき。
AdvancedCopy Managerがサポートできない論理ディスク構成に変更されたとき。
ボリュームグループ指定でボリュームグループが非アクティブ状態であったとき。
-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて反転しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理を反転することはできません。
また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。
-Xgroupオプションを使用している場合に、グループ内の既に反転済みのセッションに対しては処理を行いません。
次のコマンドが実行しているときは、本コマンドを実行することができません。