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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

10.1.1 全般的な注意事項

バックアップ運用/レプリケーション運用における全般的な注意事項について説明します。

Storageサーバのロケールについて

すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

Storage管理サーバとStorageサーバの間で、言語環境(LANG)が異なる場合に対処が必要となります。以下にその組み合わせと対処方法を示します。

表10.1 言語環境(LANG)が異なる場合の対処方法

Storage管理サーバ

Storageサーバ

対処方法

Windows (SJIS)

Windows (SJIS)

必要なし

Solaris (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

HP-UX (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

必要なし

AIX (EUC)

StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris (EUC)

必要なし(同じコードの場合)
管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

HP-UX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)
管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

必要なし(同じLANGの場合)
管理サーバがEUCの場合、StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)
管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris (EUC)

必要なし

HP-UX (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Windows (SJIS)

必要なし

Solaris (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

HP-UX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

バックアップ、レプリケーション対象について

以下のデバイスは、バックアップ対象、レプリケーション対象としないでください。

サーバ間レプリケーションについて

HP-UX11iv3からサポートされる新しいデバイスファイル名(/dev/disk/diskN)を用いたサーバ間レプリケーションを行う場合、相手サーバのAdvancedCopy Managerのバージョンは、13.4以降である必要があります。

ボリューム上のデータとデータの整合性について

表10.2 データの整合性確保

業務ボリューム上のデータ

データの整合性確保

運用方法

ファイルシステム

AdvancedCopy Managerのコマンドがファイルシステムをアンマウントして整合性を確保します。

付録A バックアップ/リストアの前後処理」および「付録B レプリケーションの前後処理」を参照してください。

上記以外

運用でデータの整合性を確保する必要があります。

バックアップ、レプリケーションの実行時に業務を停止するなどの対処を行ってください。

デバイス情報の取り込みについて

バックアップ運用/レプリケーション運用を開始する前に、AdvancedCopy ManagerのGUIクライアントを使用して、全Storageサーバが管理するデバイス情報の取り込みを行います。デバイス情報の取り込みについては、「4.4.5 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。

目安として、負荷のない状態で、1デバイス(ディスク)あたり約0.5秒かかりますので、参考としてください。

マルチパス運用時の注意事項

デバイスをマルチパス構成にしている場合、片パスが閉塞されても自動的にパス交替しません。

片パスが閉塞された場合は、以下の対処実施後、バックアップ/レプリケーションを再実行してください。

  1. 以下のコマンドを実施し、パスを切り換える。正常なデバイスに対して以下のコマンドを実行してください。

    (異常となっているデバイスに対して実行するとシステムがハングするため、注意してください)

    /usr/sbin/pvchange -s /dev/dsk/c*t*d*
  2. バックアップ/レプリケーションのコマンドを再度実行する。

ディスクへの他サーバからのマウントについて

複数のサーバからマウントできる状態のボリュームに対してバックアップ/リストア、レプリケーションを行う場合は、他サーバからのマウントを事前に解除してください。

また、他サーバからのマウントが必要ないディスクには、ETERNUS ディスクアレイやファイバーチャネルスイッチ等のハードウェアの設定により、複数のサーバから同じ論理ディスクを検出したり、アクセスしたりできないように設定してください。

ファイルシステムを対象としたコピー処理を実行する場合の注意事項

ファイルシステムを対象とする場合、データへのアクセス抑止とデータの整合性を保証するためにボリュームのアンマウントを行います。

そのため、ボリュームが使用中の場合はアンマウントができないため、バックアップ/リストアおよびレプリケーション処理の実行はエラーとなります。

以下の点などに注意して、アンマウントができる状態で処理を実行するようにしてください。

アンマウントが必要な時間はコマンドの実行中のみです。コマンドの終了後は運用を再開することができます。

異なるOS間でコピーを実施する場合の注意事項

異なるOS間でのコピーは、レプリケーション運用で利用できます。

異なるOS間でのコピーを実施する場合は、次の組み合わせで実施してください。

表10.3 異なるOS間でのコピーを実施する場合の組み合わせ

  

複製先

スライス

Logical Unit(ディスク)

複製元

スライス

×

Logical Unit(ディスク)

×

  ○:可能、×:不可

-mオプション使用時の注意事項

サーバ間レプリケーションの場合、以下のコマンドにおいて、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定するために-mオプションを指定することができます。

-mオプションを指定する場合は、非操作サーバでのボリューム前後処理が行われなくても問題がないように、以下のいずれかの条件が満たされる必要があります。

  1. 非操作サーバがシャットダウンされている。

  2. 非操作サーバのボリュームに対する前後処理を手動で別途実施する

  3. 対象ボリュームがファイルシステムではなく、(前後処理が不要な)RAWデバイスである(Oracle等)

アドバンスト・コピーのコピー処理性能について

アドバンスト・コピーのコピー処理はETERNUS ディスクアレイによって行われるため、コピー処理性能に関するお問い合わせはETERNUS ディスクアレイのサポート部門までお願いいたします。

同期処理実行中の再起動について

コピー先がボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中に再起動を行うと、ボリュームが非アクティブになります。

同期処理実行中にコピー先ボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなり、さらに同期処理の停止等の操作が実行不可能な状態になります。

もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUS Web GUI等を使用して同期処理を強制停止した後、コピー先ボリュームをアクティブにしてください。