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Interstage Job Workload Server V9.2.0 バッチ開発ガイド

2.2.2 ジョブステップ定義

ジョブステップ定義は、バッチアプリケーション単位に定義します。ジョブステップ定義の構造を以下に示します。

ジョブステップ義の基情報

ジョブステップ全体に関する情報を設定します。

ジョブステップ定行条件定義

先行ジョブステップの実行結果に応じて、ジョブステップを実行する条件を指定する場合に設定します。

バッチアプリケショ定義

実行するバッチアプリケーションに関する情報を設定します。

資源

ジョブステップで使用するファイル資源を設定します。

カスケードジョブステップ定義

マルチジョブコントローラのカスケードモードを使用するための情報を設定します。


2.2.2.1 ジョブステップ定義の基本情報

ジョブステップの基本情報として以下を設定します。

ジョブステップ名

ジョブステップを識別する名前です。
ジョブステップ名は、同一ジョブ定義内で一意の値を設定します。


“ジョブ定義名+ジョブステップ名(プロシジャ呼出しステップ名を含む)”の長さが、“255-(インストールディレクトリ名の長さ+ホスト名の長さ+60)”以下になるように設定してください。


コメント

ジョブステップ定義に関するコメントを記述します。
コメントをステップ情報として、ジョブログに出力できます。


ステップ情報については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ステップ情報の出力形式”を参照してください。


2.2.2.2 ジョブステップ定義の実行条件定義

ジョブステップの実行条件定義として以下を設定します。

ジョブステップの実行条件

先行ジョブステップの終了状態によって、ジョブステップを実行するか設定します。実行条件として以下の設定ができます。

ジョブステップの迂回条件

先行ジョブステップの終了状態によってジョブステップを迂回するか設定します。

ジョブステップの迂回条件に指定できる先行ジョブステップ名

先行ジョブステップ名には、以下が指定できます。

先行ジョブステップの終了状態

実行条件の設定

迂回条件の設定あり

迂回条件の設定なし

一致

不一致

すべて正常終了

先行ジョブステップがすべて正常終了した場合のみ実行する

×

先行ジョブステップが1つでも異常終了した場合のみ実行する

×

×

×

先行ジョブステップの終了状態にかかわらず実行する

×

1つ以上が異常終了

先行ジョブステップがすべて正常終了した場合のみ実行する

×

×

×

先行ジョブステップが1つでも異常終了した場合のみ実行する

×

先行ジョブステップの終了状態にかかわらず実行する

×

○:実行する    ×:実行しない


2.2.2.3 バッチアプリケーション定義

バッチアプリケーション定義では以下を設定します。


バッチアプリケーションの種別

ジョブステップから呼び出すアプリケーションの種別を指定します。

サーバアプリケーション名(バッチアプリケーション名)

バッチ実行基盤から呼び出すプログラム名(または関数名)に対応した任意の名前を設定します。この名前を“バッチアプリケーション名”と呼びます。
バッチアプリケーションの種別がCOBOLアプリケーションまたはC言語アプリケーションの場合に、設定します。
ここで設定したバッチアプリケーション名は、バッチアプリケーションの配備時に“アプリケーション情報入力ファイル”に設定することで、実際に呼び出すバッチアプリケーションのライブラリ名、プログラム名(または関数名)が決定されます。


バッチ実行基盤の予約語として以下がありますので、使用しないでください。

実行ファイル名

実行ファイル名は、バッチアプリケーションの種別がユーティリティの場合に設定します。
実行ファイル名には、ユーティリティとして実行できるファイル名を設定します。設定するファイルのパスは、バッチワークユニットのPATH環境変数で設定します。

実行ファイル名とユーティリティの関係については、“2.7.3 バッチジョブ定義とコマンド/スクリプトの関係”を参照してください。


実行するときに、実行ファイル名で設定したファイルのパスを、バッチワークユニットのPATH環境変数で指定していない場合はエラーとなります。また、相対パスでの指定はできません。


バッチアプリケーションに渡すパラメタ

バッチアプリケーションの種別に応じて、以下のようにパラメタを設定します。


バッチアプリケーションの種別に、“資源の獲得・回収のみ”を指定している場合は、パラメタの設定は不要です。


バッチアプリケーションに渡す環境変数

アプリケーションへ渡す環境変数を設定します。
環境変数の優先度は、以下のとおりです。

資源定義の資源名 > バッチアプリケーション定義の環境変数定義 > ジョブ定義の環境変数定義 > バッチワークユニットの環境変数


バッチアプリケーションの種別に、“資源の獲得・回収のみ”を指定している場合は、環境変数の設定は不要です。


2.2.2.4 資源定義

ジョブステップで使用するファイルの資源を設定します。なお、業務用データベースの資源に関する情報の設定は不要です。

資源名

資源を識別する名前です。
資源名は、同一ジョブステップ定義内で一意の値を設定します。
なお、ファイルのNetCOBOL連携機能を利用してファイルを連結する場合は、連結するファイルの資源定義に同一の資源名を指定します。


ファイルのNetCOBOL連携機能については“2.4 ファイル管理機能”を参照してください。


使用する資源

使用する資源の種別として以下のいずれかを指定します。

ファイルを連結する

ファイルの連結を行う場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。

連結番号

ファイルの連結を行う場合にファイルの連結順序を指定します。
指定可能な範囲は、1~9999です。小さい値から昇順でファイルを連結します。
連結番号は、連続している必要はありません。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。

ダミーファイルを使用する

ダミーファイルを使用する場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。

nullデバイスを使用する

ファイルとしてnullデバイスを使用する場合に指定します。
C言語アプリケーションおよびコマンド/スクリプトの場合にのみ指定できます。


ディレクトリ名

ジョブステップで使用するファイルが存在するディレクトリ名を、以下のいずれかの方法で指定します。


世代ファイルを使用する場合は、btfwaddgenfileinfコマンドで指定した、ディレクトリ名または論理ディレクトリ名を指定します。

btfwaddgenfileinfコマンドの詳細は、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。


ファイル名

ジョブステップで使用するファイル名を設定します。

世代ファイルを使用する場合は、世代ファイル名を指定します。


世代番号

世代ファイルを使用する場合に指定します。

相対世代番号

世代ファイルを使用する場合に、世代ファイルの相対世代番号を指定します。
最新の世代の相対世代番号は0、古い世代の相対世代番号は負の整数、新しく登録する世代の相対世代番号は’+’を付加した正の整数を指定します。
指定可能な範囲は、-99~+99です。


絶対世代番号

各世代のファイル名を直接指定して世代ファイルを使用する場合に、世代ファイルの絶対世代番号を指定します。
絶対世代番号は、各世代のファイル名のうち、世代ファイル名の後ろに付加されている数値(“G”と0のパディングを除く数値)を指定します。
指定可能な範囲は、0~9999です。


世代番号の指定について、以下の注意事項があります。

  • 相対世代番号を指定して、複数のジョブで同時に同じ世代ファイルにアクセスした場合の動作は保証できません。
    先行のジョブで世代を作成していた場合、後続のジョブが参照する世代にずれが生じる可能性があります。

上記の問題を回避するためには、複数のジョブで同時に同じ世代ファイルを使用する場合には絶対世代番号で世代ファイルを指定してください。


先行ステップの資源

先行ステップの資源を使用する場合に、先行ジョブステップ名と資源名を指定します。ジョブステップの実行時に、参照する資源が存在しない場合は、エラーとなります。


資源の割当て方法と割当て解除方法

ファイルの割当て方法と割当て解除方法を指定します。

ファイルの割当て方法
  • ファイルを新規作成
    ファイルを新規作成して使用しますが、すでにファイルが存在した場合はエラーとするか、そのまま使用するか選択します。

  • 既存ファイルを排他モードで使用
    既存ファイルを排他モードで使用します。指定したファイルが存在しない場合は、エラーになります。

  • 既存ファイルを共用モードで使用
    既存ファイルを共用モードで使用します。既存ファイルをほかのジョブと共用して使用できます。
    指定したファイルが存在しない場合は、エラーになります。


排他モードおよび共用モードについては、“2.4.1.1 ファイルの排他の種類”を参照してください。


COBOLアプリケーションでファイルを連結してレコードを参照する場合は、以下のファイルの割当て方法を指定します。

  • 既存ファイルを参照する

COBOLアプリケーションでファイルの追加書きを行う場合は、以下のファイルの割当て方法を指定します。

  • 新規にファイルを作成する

  • 既存のファイルを更新する


ファイルの割当て解除方法

バッチアプリケーションが使用した資源の後処理を指定します。

  • バッチアプリケーションが正常終了した場合は、以下のいずれかを選択します。
    削除、保持、後続ステップへ渡す

  • バッチアプリケーションが異常終了した場合は、以下のいずれかを選択します。
    削除、保持

NetCOBOL固有のファイル機能

NetCOBOL連携機能を使用する場合に指定します。
COBOLアプリケーションの場合にのみ指定できます。


ファイルのNetCOBOL連携機能については“2.4 ファイル管理機能”を参照してください。

ファイルの追加書きを行う

COBOLアプリケーションで、ファイルの追加書きを行う場合に指定します。

ファイルの高速処理を使用する

COBOLアプリケーションで、ファイルの高速処理を使用する場合に指定します。

資源の使用量

ファイルを新しく作成する場合または既存ファイルを更新する場合に、ジョブステップが使用するファイルの容量を指定します。
ファイルの容量は、数値と単位を組み合わせて指定します。


ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合、運用中に書込みを行うファイルに対して、ファイルの論理的なサイズを設定してください。ファイルのサイズは、アプリケーションが動作する際に必要となる最大サイズを見積もります。


アプリケーションが動作する際に必要となる最大サイズには、ファイルシステムが“ファイルの制御情報として使用する領域のサイズ”を考慮してください。
ファイルの制御情報として使用する領域のサイズは、以下を目安に見積もってください。

実際のファイルサイズ

ファイルの制御情報として使用する領域のサイズ

16メガバイトまで

20キロバイト程度

100メガバイトまで

100キロバイト程度

100メガバイトより大きい


実際のファイルサイズの0.05~0.06%程度

実際のファイルサイズの0.1%程度


[使用容量]は、置換えパラメタで指定することができます。
[使用容量]を置換えパラメタで指定すると、ジョブで使用するファイルの容量を、実行するジョブで処理するデータ量に応じて変更できるため、バッチジョブ定義を、より汎用的に使用できます。

コメント

資源定義に関するコメントを記述します。
コメントは、ステップ情報として、ジョブログに出力できます。


ステップ情報については、“Interstage Job Workload Server 運用ガイド”の“ステップ情報の出力形式”を参照してください。

2.2.2.5 カスケードジョブステップ定義

カスケードジョブステップ定義は、マルチジョブコントローラのカスケードモードを使用するための定義です。以下の2つがあります。


マルチジョブコントローラおよびカスケードモードについては、“2.3 マルチジョブコントローラ”を参照してください。

カスケード開始節

カスケードモードを開始するジョブステップです。

カスケード終了節

カスケードモードを終了するジョブステップです。

カスケードジョブステップ定義の指定形式

カスケードジョブステップ定義の指定形式について説明します。


ジョブステップ定義での指定形式
  • 1つのジョブ内に指定可能なカスケード節は1つです。

  • カスケード開始節に対するカスケード終了節を指定してください。

  • カスケード終了節は、カスケード開始節の後に指定してください。

  • カスケードジョブステップは2つ以上指定してください。

  • データの引継ぎは連続したジョブステップ間で行ってください。

終了条件定義との関係について
  • カスケードジョブに、終了条件定義は指定できません。

実行条件定義との関係について
  • カスケードジョブステップに、実行条件定義(実行条件)は指定できません。

  • カスケードジョブステップに、実行条件定義(迂回条件)は指定できません。

  • 先行ステップにカスケードジョブステップが含まれる場合、[直前終了コード]は指定できません。

  • 先行ステップにカスケードジョブステップが含まれる場合、[全終了コード]は指定できません。

  • 迂回条件定義の先行ステップ名にカスケードジョブステップは指定できません。

プロシジャ定義との関係について
  • カスケードジョブステップに、プロシジャ呼出しステップ定義は指定できません。

  • プロシジャステップに、カスケード節は指定できません。


資源定義指定について

カスケードジョブステップの資源定義は、以下のとおりに定義する必要があります。


カスケードジョブステップ定義での資源定義について、上記を表にまとめると以下のとおりです。

指定項目

先頭のカスケード
ジョブステップ

中間のカスケード
ジョブステップ

最終のカスケード
ジョブステップ

入力ファイル

出力ファイル

入力ファイル

出力ファイル

入力ファイル

出力ファイル

使用する資源

先行ステップの資源

×

×

ファイル

×

×

ファイルを連結する

×

×

×

×

×

ダミーファイルを使用する
nullデバイスを使用する

×

×

×

×

×

世代ファイルを使用する

新規にファイルを作成する

×

×

既存ファイルを更新する

×

×

×

×

既存のファイルを参照する

×

×

  

ファイルを排他的に使用する

×

×

資源の使用量

使用容量

×

×

正常終了
した場合

削除

×

×

保持

×

×

後続ステップへ渡す

異常終了
した場合

削除

保持

ファイルの追加書きを行う

×

×

×

×

ファイルの高速処理を使用する

×

×

×

×

(◎:指定必須 ○:指定可 △:指定無視 ×:指定不可)