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ETERNUS SF Storage Cruiser 14.0 ユーザーズガイド

6.3.2 アクセスパス表示(サーバノードとストレージの論理関係表示)

各装置からの情報を集結し、サーバノードからアクセスできるパスまたは設定されている論理的なアクセスパスの状況を表示します。この機能で、複雑なSAN環境において論理関係を容易に把握でき、システム構成設定の妥当性検証や、リソースの問題発生時の影響認識などに有効に利用できます。

なお、FC-AL接続時のアクセスパス表示は、Solaris OS 版はPW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12F、Windows 版は富士通 GP5-FC102,PG-FC102,PG-FCD101,PG-FCD102 か Qlogic 製 HBA だけ可能です。また、サーバノードが Solaris OS 環境でストレージがライブラリ、テープ、ブリッジ装置の場合にアクセスパス表示が可能な Tape 系ドライバは、以下のとおりです。

st,ftla,fsct,IBMtape,mt,lb,sg


6.3.2.1 サーバノード,ストレージビューでのアクセスパス表示

B.1 リソース管理画面の構成」の「サーバノードビュー」または「ストレージビュー」で確認できます。各ビューのメニューで[表示]-[表示/非表示]-[アクセスパス]にチェックをつけ、アクセスパスの表示を有効にしてください。物理パス(黒線)と緑または青、黄、赤の色がついたアクセスパスが表示されます。


6.3.2.2 サーバノードからのアクセスパス表示

HBA を左クリックすると、その HBA が管理している全アクセスパスとストレージのこのHBAに割り当てられている領域(ETERNUS DX60/DX80、ETERNUS2000、ETERNUS3000、ETERNUS4000、ETERNUS6000、ETERNUS8000、GR シリーズの場合 AffinityGroup(ゾーン)番号まで表示します)を水色で表示します。

また、このアクセスパスがサーバノード側のどのデバイスファイルとして見えるのかは、HBA のプロパティ、または下図のようにリスト表示の『アクセスパス情報』でアクセスパスウィンドウを表示し、確認できます。

例えば、Solaris OS のデバイスファイル cxtyd*s* 場合は、HBA プロパティのコントローラ番号が x、HBA プロパティ内のアクセスパス情報のターゲット ID が y になります(ただし、HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF,SG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z の場合はコントローラ番号、ターゲット ID、および LUN を表示できません)。下図では、選択された HBA のコントローラ番号2で、ターゲット ID が 0、LUN が 0-15 ということが認識できるため、c2t0d0 から c2t0d15 のデバイスファイルが関連付けられていることを認識できます。

以下の図のようにアクセスパスを左クリックで選択し、その後右クリックし、ポップアップメニューからプロパティを選択して、ターゲット ID、LUN を認識することもできます(ただし、HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF,SG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z の場合はターゲット ID および LUN を表示できません)。このプロパティでは『障害内容』も表示できます。この障害内容にはアクセスパスが正常以外である場合にその理由が記述されています(一部記述されない場合もあります)。

また、アクセスパスを選択して、左クリックを実行すると下図のように、アクセスパスを形成している物理パスの経路が水色で表示されます。ただし、アクセスパスの経路において複数のファイバチャネルスイッチがカスケードで接続されている場合の各ファイバチャネルスイッチ間の中間経路は表示できません。

Solaris OS、Windows、Linux 環境で、富士通製マルチパスディスク制御機構または msdsm(Windows Server 2008 以降の Windows operating system に標準で組み込まれているマルチパスドライバ)を利用している場合は、マルチパスディスク制御機構のデバイスファイル名がサーバノード側に表示されます。また、Solaris OS、Windows(SSC エージェントの場合は QLOGIC 社製 HBA 使用時だけ)、Linux(PG-FC105(ドライバ版数:V4.20q-1),PG-FC106(ドライバ版数:V4.20q-1),PG-FCD101,PG-FCD102 以外の HBA 使用時だけ)環境で、このデバイスファイル名を左クリックで選択することで、デバイスファイルを構成するアクセスパス、ストレージの領域の情報を水色で表示できます。この機能で、視覚的にストレージメディアとサーバノードのデバイスファイルとの関連を認識でき、ストレージシステム運用管理の効率化を実現します。

サイドビューが表示されただけでは、FcHba-FcHba(またはFcCa-FcCa)間のアクセスパスは表示されません。FcHba-FcHba(またはFcCa-FcCa)間のアクセスパスを持っている FcHba(またはFcCa)をクリックした時に、アクセスパス先 FcHba(またはFcCa)が光輝し、そのアクセスパスが光輝状態で表示されます。


6.3.2.3 ストレージからアクセスパス表示

アクセスパスが生成されているストレージのチャネルアダプタ(FCポート)を左クリックすると、その CA が管理している全アクセスパス、HBA を水色で表示します。

また、ストレージの領域(図上の円柱、AffinityGroup(ゾーン))を左クリックするとそれに関係する CA が管理している全アクセスパス、HBA を水色で表示します。 また、Solaris OS、Windows(SSC エージェントの場合は QLOGIC 社製 HBA 使用時だけ)、Linux(PG-FC105(ドライバ版数:V4.20q-1),PG-FC106(ドライバ版数:V4.20q-1),PG-FCD101,PG-FCD102 以外の HBA 使用時だけ)環境で富士通製マルチパスディスク制御機構または msdsm が設定されていた場合は、対応するデバイスファイル名も水色で表示されます。


6.3.2.4 アクセスパスの状態表示

表6.6 アクセスパスの状態

アクセスパス状態

状態の説明

対応

正常

(WWPNBINDING)

アクセスパスは正常状態です。

  • サーバノードの OS が Solaris OS の場合
    HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF,SG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z 以外の場合、サーバノード側にストレージアフィニティ(WWPNバインディング)が設定され、LUN が OS に認識されていることを示します。

  • サーバノードの OS がその他の場合
    HBA のバインディング種別が WWPN バインディングであることを示します。

なし

(ANOTHERBINDING)

アクセスパスは正常状態です。

  • サーバノードの OS が Solaris OS の場合
    HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF,SG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z 以外の場合、サーバノード側にはストレージアフィニティ(LUN マッピング)が設定されていないが、アクセスパスはファイバチャネルスイッチのゾーニング情報か、ストレージのホストアフィニティ情報から設定されていることを示します。
    (HBA がPW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12F であり、ファイバチャネルスイッチ環境の場合は、当該設定だけではストレージにアクセスはできません。当該パスに対してアクセスパスの設定が必要です。Loop 接続の場合は問題ありません。)
    HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF,SG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z、かつアクセスパス状態が正常な場合は、アクセスパスの色は常に青になります。アクセスパスはファイバチャネルスイッチのゾーニング情報か、ストレージのホストアフィニティ情報から設定されていることを示します。

  • サーバノードの OS がその他の場合
    アクセスパスはファイバチャネルスイッチのゾーニング情報か、ストレージのホストアフィニティ情報から設定されており、かつ HBA のバインディング種別が WWPN バインディング以外であることを示します。

なし

ただし、ファイバチャネルスイッチ環境かつ以下に示す HBA の場合は LUN にアクセスできません。以下の対処を実施してください。

a)PW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12F の場合

1) HBA の N ポート設定を実施する。

4.1.1.2 Nポートの設定」を参照し、N ポート設定を確認してください。 正しく設定されていない場合は、N ポート設定を実施してください。 なお、N ポート設定は ETERNUS マルチパスドライバのパス減設コマンドで削除される場合があります。

2) アクセスパス設定する。

N ポート設定後もパス状態が緑に変わらない場合は、「6.3.3 アクセスパスの設定」を参照し、当該パスを選択してアクセスパスの設定を実施してください。

HBA がXSEFC401AF,XSEFC402AF の場合、LUN を OS に認識させるには以下の対処が必要です。

1) HBA の N ポート設定を実施する(ファイバチャネルスイッチ環境だけ必要)。

4.1.1.2 Nポートの設定」を参照し、N ポート設定を確認してください。 正しく設定されていない場合は、N ポート設定を実施してください。

2) LUN を OS に認識させる。

cfgadm -al コマンドによってストレージの Ap_id を確認し、cfgadm -c configure Ap_id コマンドによって、LUN を OS に認識させます。コマンドの詳細は man コマンドで確認してください。

HBA がSG-XPCI1FC-QF2,SG-XPCI2FC-QF2,SG-XPCI1FC-QL2,SG-XPCI2FC-QF2-Z の場合、LUN を OS に認識させるには以下の対処が必要です。

1) LUN を OS に認識させる。

cfgadm -al コマンドによってストレージの Ap_id を確認し、cfgadm -c configure Ap_id コマンドによって、LUN を OS に認識させます。コマンドの詳細は man コマンドで確認してください。

アクセスパス異常

アクセスパスが障害によって切り離されています。(マルチパス制御機構搭載時だけ)

または

他の部品の障害で、アクセスパスにエラーが発生しています。または可能性があります。(アクセスパス上のデバイスが故障している場合この状態になります。)

また、経路のファイバチャネルケーブルが切断されている時もこの状態になります

故障部品の交換とリカバリー処理を行ってください。

->「8.1 障害発生時の画面と対処方法

アクセスパス定義矛盾

および

アクセスパス継承が必要

アクセスパスの色『黄色』は、『アクセスパス定義矛盾』と『アクセスパス継承が必要』の2種類あります。アクセスパスを右クリックし、ポップアップメニューでプロパティを表示させます。アクセスパス状態を確認してください。


『アクセスパス定義矛盾』の場合

アクセスパスの設定が間違っています。(例:サーバノード側に WWPN バインディングが設定されているが、ファイバチャネルスイッチ側にゾーニング設定がされていない。)

または、ファイバチャネルスイッチの装置登録がされていないためアクセスパスが確認できません。例えば不用意なゾーニング情報がファイバチャネルスイッチに存在するなどが原因として考えられます。

ファイバチャネルスイッチの登録がされていない場合は、ファイバチャネルスイッチを登録してください。

アクセスパスを右クリックし、ポップアップメニューでプロパティを表示させ『障害内容』を確認し、必要に応じてアクセスパスの設定または削除を行ってください。

『アクセスパス継承が必要』の場合

HBA が交換され、アクセスパス継承が必要な状態です。

6.3.5 アクセスパスの継承」を実施してください

"アクセスパス異常"や"アクセスパス定義矛盾"になった原因は、「B.7.5 アクセスパスプロパティ」で確認できます。

注意

Solaris OS サーバノードでの WWPN バインディング情報確保は、/dev/rdsk/cXtX,/dev/rmt の特殊ファイルを利用しているため、WWPN バインディング認識をするにはこの特殊ファイル(デバイスファイル)が作成されていることが必要です。また、/dev/rdsk/,/dev/rmt 配下に使用されていない特殊ファイルが存在する場合は、アクセスパス誤表示の原因となります。したがって、本製品のアクセスパスの表示が実機と異なる場合は、以下の作業で定義されている特殊ファイルを明確にしてください。

  • Solaris 2.6 OSの場合

    # touch /reconfigure
    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 (サーバノード再起動処理)
  • Solaris 7,8,9,10 OS でハードディスクドライバ(HDDV)を使用し、マルチパス制御(ETERNUS/GR マルチパスドライバ、MPLB、MPHD)を使用していない環境の場合

    # touch /reconfigure
    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 (サーバノード再起動処理)

    サーバノード再起動後

    # format (HDDVドライバのカーネルへのローディング処理)
    # disks -C
  • Solaris 7,8,9,10 OS でハードディスクドライバ(HDDV)とマルチパス制御(ETERNUS/GR マルチパスドライバ、MPLB、MPHD)の両方を使用しているか、マルチパス制御だけを使用しているか、または、両方とも使用していない環境の場合

    # touch /reconfigure
    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 (サーバノード再起動処理)

    サーバノード再起動後

    # disks -C