Interstage Application Server 運用ガイド
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第2章 マルチサーバ管理機能> 2.8 バックアップ/リストア> 2.8.2 管理対象サーバのバックアップ/リストア

2.8.2.1 サーバグループへのサーバ追加

 サーバグループへの管理対象サーバ追加時には、事前に追加する管理対象サーバとサーバグループ内の管理対象サーバのInterstage資源を一致させる必要があります。そのため、バックアップ/移入機能を使用してInterstage資源を一致させます。
 以下に、作業手順について説明します。

■ 事前操作(Interstage資源のバックアップ)

 バックアップ機能を用いて、サーバグループに所属する管理対象サーバの資源をバックアップします。
 バックアップ手順は、“管理対象サーバのInterstage資源のバックアップ手順”を参照してください。


 Interstage資源のバックアップを行う場合、サーバグループに所属するサーバのうちの1台でInterstageを停止し、バックアップを行います。
 一定期間、当該サーバにおける運用を停止する必要があるため、バックアップ契機を考慮しておく必要があります。
 また、バックアップ契機を考慮し、サーバグループ内のサーバ数に余裕を持たせた設計を行うという方法もあります。

■ サーバグループへのサーバ追加

 サーバグループへのサーバ追加時には、追加対象の管理対象サーバ(リザーブサーバ)に対して、サーバグループに所属する管理対象サーバの資源(事前操作で取得)を移入した上でサーバ追加操作を行います。
 以下に、サーバグループへのサーバ追加操作の手順を説明します。

  1. サーバグループに所属する管理対象サーバの資源の移入
    サーバグループに追加する予定のリザーブサーバに、事前操作でバックアップした資源を移入します。移入手順は、“管理対象サーバのInterstage資源の移入手順”を参照してください。
  2. サーバグループへの管理対象サーバ追加
    Interstage管理コンソールを使用し、Interstage資源の移入が完了した管理対象サーバ(リザーブサーバ)を、サーバグループへ追加します。

■ 管理対象サーバのInterstage資源のバックアップ手順

 Interstageでは、Interstage資源のバックアップを、一括して行うためのバッチファイル(Windows (R))およびシェルスクリプト(Solaris)、バックアップ・リストア対象定義ファイル(Linux)のサンプルを提供しており、本サンプルをカストマイズすることで、バックアップを一括して行えます。
 Interstage資源のバックアップ手順の詳細は、“メンテナンス(資源のバックアップ)”に記載されています。また、本サンプルの詳細については、“メンテナンスの一括実行”を参照してください。
 ここでは、本サンプルを使用してInterstage資源をバックアップする場合の手順を説明します。

●サンプルのカストマイズ

  1. サンプルの取得
    以下のサンプルを作業用ディレクトリへコピーします。以降、Windows版およびLinux版では本ファイルを、バックアップ用のバッチファイル/シェルスクリプトとしてカストマイズします。Solaris版では、バックアップ・リストア対象定義ファイルをカストマイズします。

     C:\Interstage\sample\backup_restore\isbackup.bat


    # シェルスクリプト
     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup
    # バックアップ・リストア対象定義ファイル
     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/sample.def

     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup

  2. 基本情報の指定
    Interstageのインストールディレクトリ(Windows版のみ)やバックアップ資源の格納先を指定します。これらの項目は、以下のように指定します。


    バックアップ用のバッチファイルのINST_DIRにInterstageのインストールディレクトリを、COMMON_PATHにバックアップ資源の格納先を設定します。以下は、記入例です。

    rem [Common]
    set INST_DIR=C:\INTERSTAGE
    set COMMON_PATH=C:\temp\backup


    バックアップ・リストア対象定義ファイルのpathにバックアップ資源の格納先を設定します。以下は、記入例です。

    [Common]
    path = /tmp/backup


    バックアップ用のシェルスクリプトのCOMMON_PATHにバックアップ資源の格納先を設定します。以下は記入例です。

    #[Common]
    set COMMON_PATH=/tmp/backup

  3. バックアップ対象資源の確認と指定
    バックアップ対象とするサービス資源を確認します。isprintbackuprscコマンドを実行し、表示されたサービス資源が、バックアップ対象となるサービス資源です。
    以下の手順で編集してください。


    バックアップ用バッチファイル/シェルスクリプトの“セクション名_TARGET”の定義項目で、そのサービスをバックアップ対象とするかを指定します。“on”を指定するとバックアップ対象となり、“off”を指定するとバックアップ対象となりません。なお、isprintbackuprscコマンドの出力結果は、セクション名と対応しています。

    例えば、“Interstage管理コンソールおよび運用操作ツールの資源”(GUI)をバックアップ対象とする場合、以下のように指定します。
    set GUI_TARGET=on


    バックアップ・リストア対象定義ファイルの各セクション内の“target”の定義項目で、そのセクションに対応したサービスをバックアップ対象とするか指定します。“on”を指定するとバックアップ対象となり、“off”を指定するとバックアップ対象となりません。なお、isprintbackuprscコマンドの出力結果は、セクション名と対応しています。
    例えば、“Interstage管理コンソールおよび運用操作ツールの資源”(GUI)をバックアップ対象とする場合、以下のように指定します。
    [GUI]
    target = on

    なお、以下のサービス資源については、上記に示したon/off以外のカストマイズが必要な項目がある場合があります。詳細は、“バックアップ・リストア対象資源の定義方法”を確認してください。

    サービス名

    項目名

    説明

    IHS

    IHS_TARGET

    Interstage HTTP Serverのバックアップ操作を行う場合には、“on”を設定します。

    IHS_OPTION

    操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。
     1:環境定義情報
     2:環境定義情報およびパスワードファイル
     3:環境定義情報、パスワードファイルおよびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

    その他の項目

    使用しません。

※isprintbackuprscコマンドの出力結果に、上記以外のサービス(“IPP”、“JS2”、“EJB”、“InfoDir”、“SOAP”、“UDDI”)が表示された場合、“バックアップ・リストア対象資源の定義方法”の“■定義項目一覧”に記載の定義項目の表を参照して、各定義項目に指定すべき情報を確認してください(isprintbackuprscコマンドの出力結果は、表中の“セクション名”に対応しています)。
なお、これらサービスを使用していない場合には、バックアップの必要は有りません。

●サンプルの実行

  1. Interstage各サービスの停止
     Interstageの各サービスを停止します。停止操作の詳細については、“サービスの停止”を参照してください。
  2. サンプルの実行
     カストマイズの完了したサンプルを実行します。
     本操作によりバックアップ資源が作成されます。
     なお、サンプル実行時の注意事項に関しては、“資源のバックアップ/移出”に記載されている注意事項を参照してください。
  3. Interstage各サービスの起動
     サンプルの実行前に停止したInterstageの各サービスを起動します。起動操作の詳細については、“サービスの起動”を参照してください。

■ 管理対象サーバのInterstage資源の移入手順

 資源の移入を一括して行うためのバッチファイル(Windows (R))およびシェルスクリプト(Solaris)、バックアップ・リストア対象定義ファイル(Linux)のサンプルを提供しており、本サンプルをカストマイズすることで、移入を一括して行えます。
 Interstage資源の移入の詳細は、“メンテナンス(資源のバックアップ)”に記載されている移入(他サーバへの資源移行)手順を参照してください。また、本サンプルの詳細については、“メンテナンスの一括実行”を参照してください。
 ここでは、本サンプルを使用してInterstage資源を移入する場合の手順を説明します。

●サンプルのカストマイズ

  1. サンプルの取得
    以下のサンプルを作業用ディレクトリへコピーします。以降、Windows版およびLinux版では本ファイルを、バックアップ用のバッチファイル/シェルスクリプトとしてカストマイズします。Solaris版では、バックアップ・リストア対象定義ファイルをカストマイズします。

     C:\Interstage\sample\backup_restore\isimport.bat

    # シェルスクリプト
     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isrestore
    # バックアップ・リストア対象定義ファイル
     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/sample.def

     /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isimport


     -s オプションを指定してください。管理対象サーバと管理サーバを共存させている場合も -s オプションを指定してください。

  2. 基本情報の指定
    移入先サーバのホスト名やInterstageのインストールディレクトリ(Windows版のみ)、バックアップ資源の格納先などを指定します。これらの項目は、以下のように指定します。


    移入用のバッチファイルのHOSTに移入先ホスト名を、INST_DIRにInterstageのインストールディレクトリを、COMMON_PATHにバックアップ資源の格納先を、設定します。以下は、記入例です。

    rem [Common]
    set HOST=import_host
    set INST_DIR=C:\INTERSTAGE
    set COMMON_PATH=C:\temp\backup


    バックアップ・リストア対象定義ファイルのhostに移入先ホスト名を、pathにバックアップ資源の格納先を、移入であることをtarget_serverに設定します。以下は、記入例です。

    [Common]
    host=import_host
    path = /tmp/backup
    target_server=others


    移入用のシェルスクリプトのHOSTに移入先ホスト名を、COMMON_PATHにバックアップ資源の格納先を設定します。以下は記入例です。

    #[Common]
    set HOST=import_host
    set COMMON_PATH=/tmp/backup

  3. 移入対象資源の確認と指定
    移入対象とするサービス資源は、バックアップ時と同様です。
    以下の手順で編集してください。


    バックアップ用バッチファイル/シェルスクリプトの“セクション名_TARGET”の定義項目で、そのサービスを移入対象とするかを指定します。“on”を指定すると移入対象となり、“off”を指定すると移入対象となりません。バックアップ時に使用したバックアップ用バッチファイル/シェルスクリプトを参考に修正してください。

    例えば、“Interstage管理コンソールおよび運用操作ツールの資源”(GUI)を移入対象とする場合、以下のように指定します。
    set GUI_TARGET=on


    バックアップ・リストア対象定義ファイルの各セクション内の“target”の定義項目で、そのセクションに対応したサービスをリストア対象とするか指定します。“on”を指定するとリストア対象となり、“off”を指定するとリストア対象となりません。バックアップ時に使用したバックアップ・リストア対象定義ファイルを参考に修正してください。
    例えば、“Interstage管理コンソールおよび運用操作ツールの資源”(GUI)をリストア対象とする場合、以下のように指定します。
    [GUI]
    target = on

    なお、以下のサービス資源については、上記に示したon/off以外に、マシン固有情報(Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスなど)のカストマイズが必要な項目がある場合があります。詳細は、“バックアップ・リストア対象資源の定義方法”を確認してください。

サービス名

項目名

説明

GUI

GUI_TARGET

Interstage管理コンソールおよび運用操作ツールの移入操作を行う場合には、“on”を設定します。

GUI_MODE

"mode1"(Interstage初期化済み環境へのリストア)を指定します。


JMX_IPADDRESS

Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細は、“バックアップ対象資源の定義方法"の本項目の説明を参照してください。


JMX

JMX_TARGET

Interstage JMXサービス資源の移入操作を行う場合には、“on”を設定します。

JMX_IPADDRESS

Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細は、“バックアップ対象資源の定義方法"の本項目の説明を参照してください。

OD

OD_TARGET

CORBAサービス資源の移入操作を行う場合には、“on”を設定します。

OD_PORT

CORBA通信に使用するポート番号を指定します。

OD_DBPATH

インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。

IHS

IHS_TARGET

Interstage HTTP Serverのリストア操作を行う場合には、“on”を設定します。

IHS_HOST_TABLE

サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。

IHS_OPTION

操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。
 1:環境手儀情報
 2:環境定義情報およびパスワードファイル
 3:環境定義情報、パスワードファイルおよびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

その他の項目

使用しません。

IJServer

IJSERVER_TARGET

IJServer資源の移入操作を行う場合には、“on”を設定します。

IJSERVER_HOST_TABLE

サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。

ISSCS

ISSCS_TARGET

Interstage証明書環境資源の移入操作を行う場合には、“on”を設定します。

ISSCS_OPTION

操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。
 1:SSL定義ファイル
 2:Interstage証明書環境の資源(SSL定義ファイルと証明書環境のファイル)
なお、必ず“Interstage証明書環境資源の移入”を参照してから選択してください。

※上記以外のサービス(“IPP”、“JS2”、“EJB”、“InfoDir”、“SOAP”、“UDDI”)を移入する場合には、“バックアップ・リストア対象資源の定義方法”の“■定義項目一覧”に記載の定義項目の表を参照して、各定義項目に指定すべき情報を確認してください。

●サンプルの実行

  1. Interstage各サービスの停止
     Interstageの各サービスを停止します。停止操作の詳細については、“サービスの停止”を参照してください。
  2. サンプルの実行
     カストマイズの完了したサンプルを、-sオプションを指定して実行します。
     本操作により移入が行われます。
     なお、サンプル実行時の注意事項に関しては、“資源のバックアップ/移出”に記載されている注意事項を参照してください。
  3. Interstage各サービスの起動
     サンプルの実行前に停止したInterstageの各サービスを起動します。起動操作の詳細については、“サービスの起動”を参照してください。


 サンプル実行時には、-s オプションを指定してください。管理対象サーバと管理サーバを共存させている場合も -s オプションを指定してください。


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