ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.3 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(R) 2003/Microsoft(R) Windows Server(R) 2008-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX- |
目次 索引 |
第13章 テープを利用した災対リストア機能 | > 13.8 データ復旧手順 |
スライス単位/LU単位でバックアップされたデータの復旧について説明します。
「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」をテープサーバ上で実行し、表示された情報を元にETERNUS ディスクアレイ装置上へデータを復旧するデバイスを選択します。
なお、災対サイトに用意したETERNUS ディスクアレイ装置のディスク容量を考慮に入れ、データを復旧するデバイスを選択してください。
「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」の詳細は、「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」を参照してください。
「復旧データの表示と選択」で選択した復旧したいデータの復旧先デバイスをデータ復旧処理前にETERNUS ディスクアレイ装置上に対しパーティション(スライス)、またはLUを定義しておく必要があります。
「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」実行結果の復旧したいデータに対する「Platform」情報と同一のプラットフォームのStorageサーバを用意し、パーティション(スライス)、またはLUを定義します。
復旧先デバイスを定義するために用意したStorageサーバを準備します。
次に、以下の手順でStorageサーバを構築します。
エージェントのインストール
AdvancedCopy Managerのエージェントをインストールします。
インストール方法の詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「エージェントのインストール」を参照してください。
Storageサーバのカスタマイズ
Storageサーバをカスタマイズします。
Storageサーバのカスタマイズの詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「Storageサーバのカスタマイズ」を参照してください。
以下に復旧先デバイスの定義手順を説明します。
本処理を、「復旧データの表示と選択」で選択したデバイス数分実施してください。
Symfowareデータベースデータを復旧する場合、「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」実行結果を参照し該当するロググループに属した全てのデバイスに対し、本処理をデータ復旧前に実施してください。
定義するために必要な情報を入手
復旧したいデバイスとして選択したデバイスの「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」実行結果から「Platform」情報、「Capacity(MB)」情報を取得します。
Storageサーバでデバイス定義
用意したStorageサーバにて、上記、1.の情報を元に復旧先デバイスとしてパーティション(スライス)、またはLUを定義します。
復旧先デバイス構成情報定義ファイル作成
上記、2.の処理で定義したデバイスの構成情報を定義ファイルに記録します。
[ファイル名]
servername.cnf
servername
リストア先の災対サイトのStorageサーバ名を指定します。
[ファイル配置場所]
テープサーバ上
[ファイルの説明]
本ファイルはStorageサーバ毎に作成します。
ファイルの書式は以下です。
<Blockdevice name> <BoxID> <LU number> <Start extent> <Size> |
以下に定義情報の詳細を説明します。
項目 |
説明 |
---|---|
Blockdevice name |
Blockデバイス名 |
BoxID |
BOXID 16進表記 |
LU number |
LU番号 16進表記"h"を付ける。 |
Start extent |
開始位置 16進表記"h"を付ける。 |
Size |
サイズ 16進表記"h"を付ける。 |
先頭カラムが'#'の行はコメント行を意味します。
各カラムの区切りは空白もしくはタブです。
入力できる文字は英数字と特殊文字だけです。また、言語依存の文字は入力できません。
改行コードはUNIXです。
以下に例を示します。
# Volume BOXID LUN EXTENT SIZE /dev/dsk/c1t1d1s3 30304752373430232323232323234752373443303123232323234341343723232323232323232323 ceh fc000h 64000h |
このファイルに記述誤りがあった場合、「テープを利用した災対用リストアコマンド(tbodrrestore)」コマンドがエラーとなります。
[作成方法]
以下の手順で、Storageサーバにてservername.cnfファイルを作成します。
Storageサーバのプラットフォームに応じて、以下の環境変数を設定します。
プラットフォーム |
環境変数 |
設定値 |
---|---|---|
Solaris 8 オペレーティングシステム |
LD_LIBRARY_PATH |
/opt/FJSVgrapi/64/lib |
Red Hat Enterprise Linux AS(v.3 for x86) |
LD_LIBRARY_PATH |
/opt/FJSVgrapi/32/lib |
Red Hat Enterprise Linux AS(v.4 for Itanium) |
LD_LIBRARY_PATH |
/opt/FJSVgrapi/64/lib |
HP-UX 11.0, 11i v1, 11i v2(PA-RISC) |
SHLIB_PATH |
/opt/FJSVgrapi/lib |
AIX 5L 5.1, 5.2, 5.3 |
LIBPATH |
/opt/FJSVgrapi/lib |
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server SP4以降 |
PATH |
AdvancedCopy Managerのプログラムディレクトリ\bin |
servername.cnfファイルに設定する情報を、STXGetVolコマンドに業務ボリューム(rawデバイス)を指定して実行し、採取します。STXGetVolコマンドのパスは以下の表を参照してください。
StorageサーバがWindowsの場合は、業務ボリュームとして「\\.\ドライブレター(例:\\.\E:)」と言う形で指定します。
プラットフォーム |
コマンドパス |
---|---|
Solaris 8 オペレーティングシステム |
/opt/FJSVgrapi/64/bin/STXGetVol |
Red Hat Enterprise Linux AS(v.3 for x86) |
/opt/FJSVgrapi/32/bin/STXGetVol |
Red Hat Enterprise Linux AS(v.4 for Itanium) |
/opt/FJSVgrapi/64/bin/STXGetVol |
HP-UX 11.0, 11i v1, 11i v2(PA-RISC) |
/opt/FJSVgrapi/bin/STXGetVol |
AIX 5L 5.1, 5.2, 5.3 |
/opt/FJSVgrapi/bin/STXGetVol |
Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server SP4以降 |
AdvancedCopy Managerのプログラムディレクトリ\bin\STXGetVol |
以下はSolarisの例になります。
【例】
# LD_LIBRARY_PATH=/opt/FJSVgrapi/64/lib # export LD_LIBRARY_PATH # /opt/FJSVgrapi/64/bin/STXGetVol /dev/rdsk/c1t1d1s3 BoxID OLU EXTENT SIZE 30304752373430232323232323234752373443303123232323234341343723232323232323232323 ceh fc000h 64000h Device information Dump 0000 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0010 : 00080100 00010100 00080100 00010100 0020 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0030 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0040 : 00000000 00000007 00000000 00000003 0050 : 00000000 00010003 00000000 00010003 0060 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0070 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0080 : 00000000 00000000 00000000 00000000 0090 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00a0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00b0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00c0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00d0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00e0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 00f0 : 00000000 00000000 00000000 00000000 |
servername.cnfファイルをテキストエディタで開きます。
上記、b)で指定した業務ボリュームのBlockデバイスを行の先頭に記述し、その後に空白もしくはタブを追加します。その後に2行目をそのまま記述し、改行を入れます。
以下に例を示します。
# Volume BOXID LUN EXTENT SIZE /dev/dsk/c1t1d1s3 30304752373430232323232323234752373443303123232323234341343723232323232323232323 ceh fc000h 64000h |
上記、b)、d)をリストア先ボリューム数分繰り返し、情報を追加します。
以下に4つの業務ボリュームを記載した例を示します。
# Volume BOXID LUN EXTENT SIZE /dev/dsk/c1t1d1s3 30304752373430232323232323234752373443303123232323234341343723232323232323232323 ceh fc000h 64000h /dev/dsk/c2t16d3s4 303045383030304d3923232323234538393053323041232323234b4f343037303633393030332323 88h c0000h 40000h /dev/dsk/c2t16d3s3 303045383030304d3923232323234538393053323041232323234b4f343037303633393030332323 88h 80000h 40000h /dev/dsk/c2t16d3s5 303045383030304d3923232323234538393053323041232323234b4f343037303633393030332323 88h 100000h 40000h |
作成したservername.cnfファイルをテープサーバ上の/var/tmp/tsm_data配下に転送します。
デバイスを指定する場合は、以下の違いがありますので注意してください。
コマンドに指定するデバイス:特殊デバイス名(例:/dev/rdsk/c1t1d1s3)
ファイルに指定するデバイス:ブロックデバイス名(例:/dev/dsk/c1t1d1s3)
定義したデバイスをStorageサーバからアンマウントしてください。
本処理で定義したデバイスはテープサーバに接続しないでください。
バックアップテープからのデータ復旧方法について以下に説明します。
「テープを利用した災対用リストアコマンド(tbodrrestore)」を使用するためには、TSMサーバが起動されている必要があります。
TSMサーバが起動されているかは、「TSMサーバデーモンの起動と停止」を参照して、確認してください。
TSMサーバが起動されていない場合には、「TSMデータベースのリストア後のTSMの設定」の「■TSMサーバデーモンの起動」を参照して、起動してください。
「復旧データの表示と選択」で選択したデバイスのデータを「復旧先デバイスの準備」で定義したETERNUS ディスクアレイ装置上のデバイスへバックアップテープから「テープを利用した災対用リストアコマンド(tbodrrestore)」を使用し復旧します。
以下に、ユーザデータの復旧例を示します。
Storageサーバ名
「StrgSV01」
復旧先のStorageサーバ名
「Stgsvr01」
バックアップ種
世代管理バックアップ
相対世代番号 : 2
リストア先デバイス
「/dev/dsk/c2t0d0s1」
リストア対象デバイス
「/dev/dsk/c1t0d0s1」
ACM管理情報格納先ディレクトリパス
「/var/tmp/Tapesvr01/TapeData/FJSVswstm/data/Tapesvr01」
アクセスパス
「/dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2053s2」
復旧先デバイスの構成情報が格納されたディレクトリパス
「/var/tmp/tsm_data」
「復旧先デバイス定義手順」の3で作成した復旧先デバイス構成情報定義ファイルを指定します。
# /opt/FJSVswstm/bin/tbodrrestore -h StrgSV01 -g 2 -d Stgsvr01 -r /dev/dsk/c2t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 /var/tmp/Tapesvr01/TapeData/FJSVswstm/data/Tapesvr01 /dev/FJSVmplb/rdsk/mplb2053s2 /var/tmp/tsm_data # |
なお、「テープを利用した災対用リストアコマンド(tbodrrestore)」の復旧先デバイスに指定するデバイスは、「復旧先デバイスの準備」の手順で、事前に準備しておいてください。
「災対用データリストアコマンド(tbodrrestore)」の詳細は、「テープを利用した災対用リストアコマンド(tbodrrestore)」を参照してください。
本処理を、「復旧データの表示と選択」で選択したデバイス数分実施してください。
Symfowareデータベーススペースを復旧する場合、「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」実行結果を参照し復旧したいロググループに属した全てのデバイスに対し、「業務ボリュームデータの復旧」の処理を実施してください。
Symfowareデータベーススペースを復旧する場合、事前にStorageサーバにSymfowareの環境を作成する必要があります。その際、DBの構成(ホスト名、デバイス名含む)は、復元対象のデータを採取した構成と全て同一である必要があります。
「ユーザデータの復旧」で復旧したデータの確認方法は、当該データに対応する「テープバックアップ履歴一括表示コマンド(tbodrhistdisp)」の表示結果のプラットフォームのStorageサーバに、復旧先デバイスをマウントしてデータを確認してください。
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