ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.3 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(R) 2003/Microsoft(R) Windows Server(R) 2008-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX-
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第13章 テープを利用した災対リストア機能> 13.7 災対サイトでの復旧環境構築

13.7.3 TSMバックアップ環境の復旧

災対サイトにTSMバックアップ/リストア環境を復旧します。

災対サイトのテープサーバに接続されたETERNUS テープライブラリ装置のコントローラ部、ドライブ部を認識させる必要があります。(/dev/rmt/*st、/dev/rmt/*lbファイル作成)

装置設定について『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「テープライブラリのドライバ設定」を参考にしてください。

13.7.3.1 devconfigファイルの編集

TSM管理情報の準備」の1で復元したdevconfigファイルはTSMデータベースの復元処理で使用します。

そのため、災対サイトで使用するETERNUS テープライブラリ装置の構成に対応した内容に編集する必要があります。

各コマンドの網掛け部分と四角で囲った部分以外は変更しないでください。

変更内容を以下に示します。

  1. ライブラリ定義変更

    DEFINE LIBRARYコマンドのライブラリタイプをSCSIからMANUALへ変更し、LIBTYPEオペランドより後のオペランドは削除します。
    また、本コマンドのライブラリ名は変更しないでください。

    DESTTYPE=LIBRARYが指定されているDEFINE PATHコマンドを削除します。

    上記処置により、TSMデータベース復元処理ではライブラリ制御機能を使用しないようにします。

    [図: 運用サイトのdevconfigファイルを元にした編集例]

  2. ドライブ定義変更

    当ファイルに定義されているDEFINE DRIVE、DEFINE PATHコマンドをドライブ装置1台分の定義に変更します。

    用意したETERNUS テープライブラリ装置が複数ドライブ装置搭載モデルの場合であっても、ここでの定義は1台分のドライブ定義としてください。
    また、定義を変更するコマンドのライブラリ名、ドライブ名は変更しないでください。

    DEFINE DRIVEコマンドのドライブ名パラメタより後のオペランドは削除します。

    DEFINE PATHコマンドのdeviceパラメタは、「TSMバックアップ環境の復旧」での処置で認識させた災対サイトのテープサーバに接続されているドライブ装置のデバイスファイルを定義します。

    [図: 運用サイトのdevconfigファイルを元にした編集例]

  3. ライブラリインベントリ情報を削除

    当ファイルに定義されているライブラリインベントリ情報(格納ボリューム情報)を削除します。

    [図: 運用サイトのdevconfigファイルを元にした編集例]

    以下に変更例を示します。

    【例】

13.7.3.2 TSMデータベースのリストア 

テープへバックアップされたTSMデータベースのデータを『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「データベースとログファイルのフォーマット」で用意したTSMデータベース、ログファイルへリストアするための手順を以下に説明します。
なお、TSMデータベースのリストア処理は、最新のTSMデータベースバックアップテープから実施してください。

本手順でのパネル操作はETERNUS テープライブラリ装置によって異なるため、装置添付のマニュアルを参照してください。

  1. TSMデータベースバックアップテープをドライブ装置に挿入

    ACMバックアップ運用後の作業」の2で採取した最新のTSMデータベースバックアップテープを、ETERNUS テープライブラリ装置のパネル操作により投入口(CAS)から「devconfigファイルの編集」でdevconfigファイルに定義したドライブ装置に挿入してください。

  2. TSMデータベースのリストア

    上記、1.でドライブ装置に挿入したテープからTSMデータベースデータをリストアします。

    # cd /opt/tivoli/tsm/server/bin
    # ./dsmserv restore db devclass=<デバイス・クラス名> volumenames=<ボリューム名> commit=yes

    【例】

    デバイス・クラス名 : DRIVERCLASS1
    ボリューム名 : LTO005

    # cd /opt/tivoli/tsm/server/bin
    # ./dsmserv restore db devclass=DRIVECLASS1 volumenames=LTO005 commit=yes

  3. ドライブ装置に挿入されたテープの取り出し

    上記、1.でドライブ装置に挿入したテープをETERNUS テープライブラリ装置のパネル操作により排出口(CAS)に移動し取り出します。

13.7.3.3 TSMデータベースのリストア後のTSMの設定

TSMサーバを起動して、以下に記載するTSMの設定を行います。

TSMサーバデーモンの起動

テープマネージャのカスタマイズ」の手順7.の「デーモンの自動起動設定」で設定した、/etc/init.d/initTSMファイルを実行してTSMサーバデーモンを起動します。

# /etc/init.d/initTSM start

■TSM管理クライアント起動

テープライブラリ情報を更新するために、TSM管理クライアントを起動します。

# cd /opt/tivoli/tsm/client/ba/bin
# ./dsmadmc
IBM Tivoli Storage Manager
コマンド行管理インターフェース - バージョン 5、リリース 5、レベル 0.0
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セッションの確立、サーバー:TAPESERVER1: Solaris SPARC
  サーバーのバージョン 5、リリース 5、レベル 0.0
  サーバー日付/時刻 : 04/02/2008 13:12:41  最終アクセス : 04/02/2008 11:50:46


tsm: TAPESERVER1>

以降で、" TSM: TSM_SERVER >"プロンプトが表示されている場合は、TSM管理クライアントコマンド起動後(dsmadmcコマンド実行後)に操作を行ってください。
また、TSM管理クライアントコマンドを停止する場合には、以下のコマンドを投入します。
TSM: TSM_SERVER > quit

■ライセンスの登録

TSMにライセンスの登録を行います。本手順は、最初のTSM管理クライアント起動後、1回のみ実施します。以下に手順を示します。

  1. ライセンスを登録します。

    TSM: TSM_SERVER > register license file=<ライセンスファイル名>

  2. <ライセンスファイル名>には、tsmee.licを指定します。
    以下に実行例を示します。

    TSM: TSM_SERVER > register license file=tsmee.lic

  3. 登録したライセンス情報を確認します。

    TSM: TSM_SERVER > query license

ライセンスの登録に関する詳細については、『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者ガイド』の「サーバー操作の管理」を参照してください。

■テープライブラリ情報の更新

TSMサーバ起動完了後、接続されているETERNUS テープライブラリ装置を定義します。
そのために、以下の手順に従い作業を実施してください。
なお、本処理はTSMサーバプロンプト上からコマンドを実行してください。

  1. 運用サイトのテープライブラリ情報の削除

    運用サイトのテープライブラリ情報、ドライブ情報を削除します。

    1. ドライブ情報の削除

      ドライブ情報を削除します。
      本処理を定義されているドライブ数分行います。

      定義されているパス情報は、「QUERY PATH」コマンドで確認してください。
      定義されているドライブ情報は、「QUERY DRIVE」コマンド結果で確認してください。
      各コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』のコマンドの説明を参照してください。

      TSM: TSM_SERVER > delete path <TSMサーバ名> <ドライブ名> srctype=<ソース・タイプ> desttype=drive library=<ライブラリ名>
      TSM: TSM_SERVER > delete drive <ライブラリ名> <ドライブ名>

      • TSMサーバ名

        TSMサーバ名を指定します。
        TSMサーバプロンプト上から、「QUERY STATUS」コマンドを実行し出力結果の「サーバ名」欄に表示された名前です。
        「QUERY STATUS」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY STATUS」コマンドの説明を参照してください。

      • ドライブ名

        削除するドライブ名を指定します。

      • ライブラリ名

        削除するドライブが搭載されたライブラリの名前を指定します。

      • ソース・タイプ

        NASバックアップ専用テープドライブの場合「datamover」を指定します。NASバックアップ専用テープドライブ以外は、「server」を指定します。ドライブのソース・タイプは、TSMサーバプロンプト上から、「QUERY PATH」コマンドを実行し出力結果の「Source Type」欄に表示された名前で確認できます。「QUERY PATH」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY PATH」コマンドの説明を参照してください。

      【例】

      運用サイトのテープライブラリ情報
      TSMサーバ名 : TSM_SERVER
      ライブラリ名 : LT270-A
      ソース・タイプ : server
      ドライブ名 : DRV0
      ドライブ名 : DRV1

      TSM: TSM_SERVER > delete path TSM_SERVER DRV0 srctype=server desttype=drive library=LT270-A
      TSM: TSM_SERVER > delete drive LT270-A DRV0
      TSM: TSM_SERVER > delete path TSM_SERVER DRV1 srctype=server desttype=drive library=LT270-A
      TSM: TSM_SERVER > delete drive LT270-A DRV1

    2. ライブラリ情報の削除

      ライブラリ情報を削除します。
      定義されているライブラリ情報は、「QUERY LIBRARY」コマンド結果で確認してください。
      「QUERY LIBRARY」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY LIBRARY」コマンドの説明を参照してください。

      TSM: TSM_SERVER > delete path <TSMサーバ名> <ライブラリ名> srctype=server desttype=library
      TSM: TSM_SERVER > delete library <ライブラリ名>

      • TSMサーバ名

        TSMサーバ名を指定します。
        TSMサーバプロンプト上から、「QUERY STATUS」コマンドを実行し出力結果の「サーバ名」欄に表示された名前です。
        「QUERY STATUS」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY STATUS」コマンドの説明を参照してください。

      • ライブラリ名

        削除するライブラリの名前を指定します。

      【例】

      運用サイトのテープライブラリ情報
      TSMサーバ名 : TSM_SERVER
      ライブラリ名 : LT270-A

      TSM: TSM_SERVER > delete path TSM_SERVER LT270-A srctype=server desttype=library
      TSM: TSM_SERVER > delete library LT270-A

  2. 災対サイトに接続されたテープライブラリ情報の定義

    災対サイトのテープサーバに接続したテープライブラリのライブラリ情報、ドライブ情報を定義します。

    1. ライブラリ情報の定義

      ライブラリ情報を定義します。

      TSM: TSM_SERVER > define library <ライブラリ名> libtype=scsi
      TSM: TSM_SERVER > define path <TSMサーバ名> <ライブラリ名> srctype=server desttype=library device=<デバイスファイル名>

      • TSMサーバ名

        TSMサーバ名を指定します。
        TSMサーバプロンプト上から、「QUERY STATUS」コマンドを実行し出力結果の「サーバ名」欄に表示された名前です。
        「QUERY STATUS」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY STATUS」コマンドの説明を参照してください。

      • ライブラリ名

        定義するライブラリ名を指定します。

      • デバイスファイル名

        TSMバックアップ環境の復旧」の処理で作成されたテープライブラリ装置のデバイスファイルです。

      【例】

      災対サイトのテープライブラリ情報
      TSMサーバ名 : TSM_SERVER
      ライブラリ名 : LT130-B
      デバイスファイル名 : /dev/rmt/5lb

      TSM: TSM_SERVER > define library LT130-B libtype=scsi
      TSM: TSM_SERVER > define path TSM_SERVER LT130-B srctype=server desttype=library device=/dev/rmt/5lb

    2. ドライブ情報の定義

      ドライブ情報を定義します。
      本処理を定義されているドライブ数分行います。

      TSM: TSM_SERVER > define drive <ライブラリ名> <ドライブ名>
      TSM: TSM_SERVER > define path <TSMサーバ名> <ドライブ名> srctype=server desttype=drive library=<ライブラリ名> device=<デバイスファイル名>

      • TSMサーバ名

        TSMサーバ名を指定します。
        TSMサーバプロンプト上から、「QUERY STATUS」コマンドを実行し出力結果の「サーバ名」欄に表示された名前です。
        「QUERY STATUS」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY STATUS」コマンドの説明を参照してください。

      • ライブラリ名

        定義するドライブのライブラリ名を指定します。

      • デバイスファイル名

        TSMバックアップ環境の復旧」の処理で作成されたドライブ装置のデバイスファイルです。

      【例】

      災対サイトのドライブ情報
      TSMサーバ名 : TSM_SERVER
      ライブラリ名 : LT130-B
      ドライブ名 : DRVA
      デバイスファイル名 : /dev/rmt/6st
      ドライブ名 : DRVB
      デバイスファイル名 : /dev/rmt/7st

      TSM: TSM_SERVER > define drive LT130-B DRVA
      TSM: TSM_SERVER > define path TSM_SERVER DRVA srctype=server desttype=drive library=LT130-B device=/dev/rmt/6st
      TSM: TSM_SERVER > define drive LT130-B DRVB
      TSM: TSM_SERVER > define path TSM_SERVER DRVB srctype=server desttype=drive library=LT130-B device=/dev/rmt/7st

各コマンドのオプションは、運用環境により変わることがあります。各コマンドの詳細については、『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』を参照してください。

■デバイス・クラスの更新

定義されていたデバイス・クラスは、運用サイトのテープライブラリ情報のままであるため、災対サイト用に新たに定義したテープライブラリ装置情報に更新する必要があります。

「QUERY DEVCLASS F=D」コマンドの実行結果の「装置タイプ」欄に「LTO」と表示されている全てのデバイス・クラスに対し本処理を実行してください。

「QUERY DEVCLASS」コマンドの詳細は『Tivoli Storage Manager for Solaris 管理者解説書』の「QUERY DEVCLASS」コマンドの説明を参照してください。

なお、本処理はTSMサーバプロンプト上から実行してください。

TSM: TSM_SERVER > update devclass <デバイス・クラス名> library=<ライブラリ名>

【例】

デバイス・クラス名 : DRIVECLASS1
災対サイトのライブラリ名 : LT130-B

TSM: TSM_SERVER > update devclass DRIVECLASS1 library=LT130-B

■TSMクライアントセッションの確立

TSMサーバ/クライアント間セッションが開始できる準備をします。

/opt/tivoli/tsm/client/ba/bin/dsm.sysファイルのnodenameオプションに指定されているTSMクライアントノードと、当該TSMクライアントノードに対応するパスワードを使用しTSMクライアントを起動し、停止します。

この処理は、当該TSMクライアントノードを使用したTSMサーバ/クライアント間セッションで使用するパスワードをTSMに記憶させるために実施します。
なお、本作業はTSMサーバデーモンが起動している状態で実施する必要があります。

# cd /opt/tivoli/tsm/client/ba/bin
# ./dsmc
IBM Tivoli Storage Manager
コマンド行バックアップ/アーカイブ・クライアント・インターフェース
  クライアント・バージョン 5、リリース 5、レベル 0.0
  クライアント日付/時刻: 04/02/2008 13:34:29
(c) Copyright by IBM Corporation and other(s) 1990, 2007. All Rights Reserved.

ノード名: TAPESERVER1
セッションの確立、サーバー:TAPESERVER1: Solaris SPARC
  サーバーのバージョン 5、リリース 5、レベル 0.0
  サーバー日付/時刻 : 04/02/2008 13:34:29  最終アクセス : 04/02/2008 13:32:52
tsm> quit
#

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