PowerReplication ユーザーズガイド V3.0 - Microsoft(R) Windows(R) 2000, Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 -
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第3章 導入/構築> 3.7 レプリケーションの環境を変更する

3.7.2 サーバの環境を移行する

ここでは、構築したレプリケーションの環境を別のサーバに移行する作業手順を説明します。

■移行の基本的な作業手順

移行元のサーバと移行先のサーバで行う退避、復元の作業を、以下の手順で行ってください。
手順を誤ると、移行先で復元できない場合や、データベース間で整合性が保たれず、移行先での運用でエラーが発生する場合があります。

[図3.7.2 レプリケーションの環境を移行する基本的な作業手順]

■移行元での作業手

移行元のサーバで行う作業を、以下の手順で行ってください。

  1. 業務終了

    同期対象のデータファイルを操作する業務を終了して、データファイルをオープンしないようにしてください。
    連携する相手サーバの業務も終了してください。

  2. スケジュールの停止

    同期を実行するスケジュールを停止するため、スケジュールを設定しているサーバのサービス「PowerReplication ATJS」を停止してください。

  3. 手動で同期実行

    レプリケーションマネージャまたはrpsyncコマンドを使用し、定義情報に従って同期を実行してください。ここでは、レプリケーショングループを関連づけているマスタグループ定義を選択して同期を実行してください。

  4. 更新情報取得の停止

    レプリケーションマネージャまたはrpctldifコマンドを使用し、差分同期を行うマスタグループ定義およびレプリカグループ定義の更新情報の取得を停止してください。

  5. 構成定義の移出

    構成定義の移出入機能を使用して、レプリケーションの構成定義を移出(エクスポート)してください。
    レプリケーションの構成定義の移出方法は、"6.2.4 構成定義のエクスポート"を参照してください。

  6. 構成定義の削除

    レプリケーションマネージャですべての構成定義を削除してください。

  7. サービスの停止

    PowerReplicationのサービス「PowerReplication」を停止してください。

  8. データファイルの退避

    移行する同期対象のデータファイルを退避してください。

    移行先のサーバにレプリケーションの構成定義を復元する場合、事前にデータファイルを移行しておくことが必要です。
    このため、退避するデータファイルは、移行先のサーバで新規作成できる情報を退避してください。
    反映元となるサーバのデータファイルは、データも合わせて退避してください。

    データファイルの退避方法は、使用するDBMSのオンラインマニュアルを参照してください。

  9. 文字コード変換表の移出

    外字(利用者定義文字)を使用している場合、「Charset Manager」を使用して、文字コード変換表を移出してください。

    文字コード変換表の移出方法は、「Charset Manager」のオンラインマニュアルを参照してください。


PowerReplicationの機能に、レプリケーションの動作環境を移行するための機能はありません。
必要に応じて、レプリケーションの動作環境に設定した内容を記録しておいてください。
なお、rpsavdefコマンドとrprstdefコマンドは、レプリケーションの動作環境の設定を、同一サーバで退避、復元するコマンドです。異なるサーバに移行できません。

■移行先での作業手

移行先のサーバで行う作業を、以下の手順で行ってください。
なお、レプリケーションの環境が構築されていないサーバに移行することを前提に説明します。

  1. インストール

    本製品と使用するDBMS、「Charset Manager」をインストールしてください。
    本製品のインストール方法は、"3.2.1 インストールする"を参照してください。
    DBMSのインストール方法は、使用するDBMSのオンラインマニュアルを参照してください。
    「Charset Manager」のインストール方法は、「Charset Manager」のオンラインマニュアルを参照してください。

  2. 文字コード変換表の移入

    移行元のサーバで移出した文字コード変換表を移入してください。
    文字コード変換表の移入方法は、「Charset Manager」のオンラインマニュアルを参照してください。

  3. 動作環境の設定

    以下の動作環境を設定してください。

    1. ネットワークの環境を構築
    2. データベースの環境を作成

      OracleまたはSQL Serverを使用する場合、更新情報を格納する表領域またはデータベースを新規に作成してください。移出元のサーバから移行しないでください。

    3. レプリケーションの動作環境を設定

      ネットワークの環境設定、データベースの環境、文字コード変換の環境などに合わせてレプリケーションの動作環境を設定してください。

    これらの動作環境設定には、以下を参照してください。

    Oracleを使用する場合

    :"3.3.3 レプリケーションの環境を作成する"

    SQL Serverを使用する場合

    :"3.4.3 レプリケーションの環境を作成する"

    PowerRW+を使用する場合

    :"3.5.3 レプリケーションの環境を作成する"

  4. サービスの開始

    PowerReplicationのサービス「PowerReplication」を開始してください。

  5. データファイルの復元

    移行元のサーバで退避したデータファイルを復元してください。
    マスタとなるデータファイルは、データも復元してください。
    データファイルの復元方法は、使用するDBMSのオンラインマニュアルを参照してください。


    復元したデータファイルの構造は変更しないでください。構造を変更すると、移行元のサーバで移出したレプリケーションの構成定義が移入できない場合があります。移入できても、PowerReplicationの各機能の実行で予期せぬエラーが発生する場合があります。

  6. 構成定義の移入

    構成定義の移出入機能を使用して、移出元のサーバで移出したレプリケーションの構成定義(記述文ファイル)を移入(インポート)してください。

    レプリケーションの構成定義を移入する前に、移入先のサーバに合わせて記述文ファイルサーバ定義情報を、以下のように変更しておきます。

    [表3.7.1 記述文ファイルの編集内容]

    キーワード

    変更内容

    SVR_NAME

    "ローカル"で始まるサーバ定義情報のHOSTのパラメタを変更します。
    SVR_NAMEのパラメタは変更しないでください。

    HOST

    移入するサーバ(自サーバ)のサーバ名またはIPアドレスに変更してください。

    記述文ファイルの詳細は、"E.1 構成定義の記述文言語仕様"を参照してください。
    レプリケーションの構成定義の移入方法は、"6.2.5 構成定義のインポート"を参照してください。

    構成定義の移入が完了した後、レプリケーションマネージャを使用して、レプリケーションの構成定義が正しく作成されていることを確認してください。

  7. 動作検証

    レプリケーションの運用を動作検証してください。
    動作検証の作業は、以下を参照して行ってください。

    Oracleを使用する場合

    :"3.3.4 レプリケーションの運用を動作検証する"

    SQL Serverを使用する場合

    :"3.4.4 レプリケーションの運用を動作検証する"

    PowerRW+を使用する場合

    :"3.5.4 レプリケーションの運用を動作検証する"


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