ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド 13.1 - Solaris (TM) Operating System / Microsoft(R) Windows(R) - |
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以下に述べる説明は、Windows版マネージャのBat連携においてイベント情報をメール送信するメールクライアント機能プログラム(以下stxsmail)の使用方法です。
stxsmailとは、Windowsでのメールクライアント機能を実現させたプログラムのことです。
Solaris OSの場合は、ESCマネージャが動作している運用管理サーバ上でSMTPサーバ機能を利用します。
Mail連携の詳細については 「6.4 イベント表示・連携」を参照してください。
stxsmailは、以下の動作条件を満たしていることを必須とします。
OS
Windows 2000 Server
Windows 2000 Advanced Server
Windows Server 2003 Standard Edition
Windows Server 2003 Enterprise Edition
メモリ
OSの動作条件を満たしていること
HDD
OSの動作条件を満たしていること
ネットワーク
TCP/IPがインストールされ、外部のSMTPサーバと通信ができること
メールサーバ
SMTPプロトコルをサポートしているsendmailを搭載したUNIX系サーバ、または標準添付のSMTPサービスをサポートするWindows Serverがあること
stxsmailコマンドの書式について述べます。
書式
stxsmail [-v] [-l <LogFile>] [-p <PortNo>] [-t <Timeout>] <MailServer> <MailFile>
オプション/パラメタ
各々のオプション/パラメタの意味は、次の通りです。
オプション |
値 |
---|---|
-v |
Verbose(冗長)モードを指定します。 本オプションを指定すると、stxsmail実行時に各種情報を標準出力に出力します。 障害発生時の原因究明など、主としてデバッグ用途に使用します。 |
-l <LogFile> |
ログファイル名を指定します。 本オプションを指定すると、指定されたログファイルに本プログラムの実行状況が記録されます。 障害発生時の原因究明など、主としてデバッグ用途に使用します。 ログファイルに記録される内容と"-v"での標準出力への出力内容は同一です。 |
-p <PortNo> |
SMTPポート番号を指定します。 SMTPポート番号は通常は25であるが、メール送信先であるメールサーバのSMTPポート番号が25以外の場合、本オプションにてメールサーバのSMTPポート番号と一致するよう指定します。 |
-t <Timeout> |
メールサーバとの通信タイムアウト値を指定します。 単位は秒であり、1〜65535の範囲で指定します。 本オプション省略時のタイムアウト値は60秒です。 本オプションは、特段の理由がない限り、指定する必要はありません。 |
<MailServer> |
メールサーバをサーバノード名(FQDN)またはIPアドレスにて指定します。 本パラメタは省略することはできません。 |
<MailFile> |
送信するメールファイルを指定します。 本パラメタは省略することはできません。 |
stxsmailが扱うメールファイルは、次の条件で作成されていることを前提とします。
テキストファイルで記述されている。
各行の終端(EOL)はCRLF(\r\n)である。
ファイルの終端(EOF)は行の終端と同様にCRLF(\r\n)である。
メールヘッダには1つの"From:"および1つ以上の"To:"が必ず存在する。
以下にメールファイルの例を示します。
メールファイルは、メールヘッダと本文で構成され、その間には1つの空行があるものとします。
メールヘッダには一般的なメールヘッダ項目が指定可能です。
以下にメールヘッダの主な項目を挙げます。
From
送信元メールアドレスを記述します。
To
送信先メールアドレスを記述します。
Cc
カーボンコピー先メールアドレスを記述します。
Bcc
ブラインドカーボンコピー先メールアドレスを記述します。
Subject
メールのSubject(表題)を記述します。
メールヘッダのうち"From"および"To"については、必ず正しい内容が設定されていることを確認して下さい。
"From"または"To"を省略した場合、stxsmailはエラーを通知して終了します。
その他のメールヘッダは省略可能です。
メールアドレスを記述する"From","To","Cc","Bcc"は、以下のようにメールアドレスのみを記述するものとします。
例
From: mgr@foo.bar.com
次の例のように、メールアドレス以外のものを含めていけません。
例
From: < mgr @foo.bar.com>
例
From: "Administrator" < mgr @foo.bar.com>
例
From: 管理者 (mgr @foo.bar.com)
"To","Cc","Bcc"については、以下のように1行に複数のメールアドレスを記述することができます。
例
Cc: admin@foo.bar.com, root@foo.bar.com
また、"To","Cc","Bcc"については、以下のように複数行で記述することもできます。
例
Cc: admin@foo.bar.com
Cc: root@foo.bar.com
なお、"To","Cc","Bcc"で指定されるメールアドレスは、合計で16件以内です。
上記に記載されていない一般的なメールヘッダを記述することも可能ですが、この場合、stxsmailはその動作結果については保証しません。stxsmailは、上記以外のメールヘッダについては、メールサーバにそのまま送信します。
stxsmailは、その実行結果によりメッセージを通知することがあります。
ここでは、それらメッセージの一覧と対処方法について述べます。
【メッセージ】
Usage: stxsmail [-v] [-l <LogFile>] [-p <PortNo>] [-t <Timeout>] <MailServer> <MailFile>
-v : Verbose mode
-l <LogFile> : Log file name
-p <PortNo> : SMTP port number (default=25)
-t <Timeout> : Timeout value (default=60sec)
<MailServer> : Mail server (IP address or host name)
<MailFile> : Mail file (must be contains MAIL-HEADERS)
【意味】
stxsmailの起動方法に誤りがある。(パラメタ数が少ない、不正または範囲外のオプションを指定した等)
【対処方法】
stxsmailの使用方法を確認し、正しいオプション/パラメタを指定して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on WSACleanup()... Maybe WINSOCK is not available or illegal.
【意味】
WinSockの初期化に失敗した。(WSACleanup()関数にてエラーが発生した)
【対処方法】
当該システムでWinSockが使用可能か確認して下さい。(通常は使用可能であるため、このエラーが発生した場合、OSの再インストール等の措置が必要である場合があります。)
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on WSAStartup()... Maybe WINSOCK is not available or illegal.
【意味】
WinSockの初期化に失敗した。(WSAStartup()関数にてエラーが発生した)
【対処方法】
当該システムでWinSockが使用可能か確認して下さい。(通常は使用可能であるため、このエラーが発生した場合、OSの再インストール等の措置が必要である場合があります。)
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on socket()... Maybe WINSOCK is not available or illegal.
【意味】
WinSockのソケット作成に失敗した。(socket()関数にてエラーが発生した)
【対処方法】
当該システムでWinSockが使用可能か確認して下さい。(通常は使用可能であるため、このエラーが発生した場合、OSの再インストール等の措置が必要である場合があります。)
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on gethostbyname()... Maybe missing DNS or name server not respond.
【意味】
<MailServer>にてサーバノード名を指定し、これをIPアドレスに変換することができなかった。
【対処方法】
サーバノード名→IPアドレス変換が正しく行えるよう、ネットワーク環境を確認して下さい。(DNSの設定は正しいか確認して下さい。)
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on connect()... Maybe host unreachable.
【意味】
メールサーバへの接続に失敗した。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバは正常に機能しているか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on send()... Maybe communication error occoured on mail server.
【意味】
メールサーバのデータ送信処理に失敗した。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバは正常に機能しているか確認して下さい。または、メールサーバが標準的なSMTPプロトコルをサポートしているか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - Error on recv()... Maybe communication error occoured on mail server.
【意味】
メールサーバからのデータ受信処理に失敗した。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバは正常に機能しているか確認して下さい。または、メールサーバが標準的なSMTPプロトコルをサポートしているか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - SMTP protocol error... Protocol violation on mail server.
【意味】
メールの送信処理に失敗した。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバが標準的なSMTPプロトコルをサポートしているか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - SMTP server not respond.
【意味】
メールサーバが無応答状態である。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバは正常に機能しているか確認して下さい。または、メールサーバが標準的なSMTPプロトコルをサポートしているか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - No "From" header.
【意味】
メールファイル中に"From:"ヘッダが見つからない。
【対処方法】
メールファイルに"From:"メールヘッダを正しく記述して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - No "To" header.
【意味】
メールファイル中に"To:"ヘッダが見つからない。
【対処方法】
メールファイルに"To:"メールヘッダを正しく記述して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - Not found mail file.
【意味】
指定したメールファイルが見つからない。
【対処方法】
<MailFile>で指定したメールファイルは実在するか確認して下さい。
【メッセージ】
Cannot send a mail - Timeout detected.
【意味】
メールサーバが無応答状態である。
【対処方法】
<MailServer>にて指定したメールサーバは正常に機能しているか確認して下さい。または、メールサーバが標準的なSMTPプロトコルをサポートしているか確認して下さい。
stxsmailを使用する際には、以下の点に留意する必要があります。
メール送信先(To,Cc,Bcc)には1〜16件のメールアドレスが指定可能です。
各種メールアドレスには、メールアドレスのみが指定可能です(Alias名等は指定不可)。
メールファイルのサイズは、EOFも含めて65536バイト未満です。
メールファイルの1行の長さは、EOLも含めて4096バイト未満です。
メールファイルはplain-text、7bit ASCII文字でのみ記述されているものとするためメールファイルには日本語等は記述できません。
使用可能なメールサーバは、SMTPプロトコルをサポートしているsendmailを搭載したUNIX系サーバ、または標準添付のSMTPサービスをサポートするWindows Serverです。
メールサーバのSMTP認証(SMTP AUTH)やSMTP before POP等の認証技術には対応していません。
メールヘッダの正当性については、stxsmailは確認していません。
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