Symfoware Server 解説書 - FUJITSU -
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第1章 Symfoware Serverとは何か> 1.2 Symfoware Serverの特長

1.2.4 ミッションクリティカルを支えるクラスタ・アーキテクチャ

Symfoware Serverの高信頼性・拡張性のソリューションについて、説明します。

インターネットシステムは、稼働率99.999%(通称ファイブナイ)と呼ぶ高度な信頼性を競争する時代を迎え、その取引データを格納するデータベースの信頼性も、メインフレーム以上の信頼性を要求されることになります。

また、ミッションクリティカルな業務で必要なデータベースシステムは、データ規模の増大、処理量の増加、利用者のニーズの多様化に対して、性能面およびシステム構築面におけるスケーラビリティの保証が重要な要素となります。

たとえば、業務拡張などでサーバにアクセスする利用者が増大すると、システムは処理能力の向上が求められます。一般的な対応策としては、高速なプロセッサに変更する方法がありますが、これには処理能力に一定の限界があり、またシステムへの投資コストも膨らみます。

Symfoware Serverは、このような要件に対して、クラスタ・アーキテクチャを提供しています。クラスタ(複数のマシンを連動させること)を用いた冗長性により、高い信頼性、拡張性を保証します。高い信頼性に対しては、フェイルオーバを提供します。拡張性に対しては、ロードシェアを提供します。

フェイルオーバ:
フェイルオーバとは、運用システムと待機システムを二重化し、あらかじめ待機システムでSymfoware Serverを起動させた状態で待機させ、システムのダウン時に待機システムに運用を引き継ぐ機能です。Symfoware Serverのフェイルオーバには、作業を引き継ぐサーバの状態(可用性のレベル)により、ホットスタンバイ機能とスタンバイ機能があります。
ロードシェア:
ロードシェアとは、クラスタシステム上で、複数のサーバに分散配置したリレーショナルデータベースを並列に処理することで、スケーラビリティなシステム運用を実現する機能です。

また、さらに、Connection Managerを用いて、複数のマシンへのコネクションを自動制御することによって、これらのクラスタ・アーキテクチャの構築を簡単にするための働きかけを行っています。

Symfoware Serverの高信頼性・拡張性のソリューションには以下の3つの特長があります。

Symfoware Serverの高信頼性・拡張性のソリューションの特長について、以下に説明します。

■フェイルオーによる高信頼性

Symfoware Serverのフェイルオーバは、サービスの停止時間を最小化するために、データベースサーバとして運用サーバとは別に、待機サーバを用意します。運用サーバに異常が発生した場合には、高速にサーバを切り替え、待機サーバが運用を引き継いで継続します。このようにサーバを運用サーバから待機サーバへ高速に切り替えることによって、異常が発生しても、途切れることのないサービスを提供します。

また、Connection Managerは、運用と待機の2つのサーバを1つのサーバに見せます。アプリケーションは、データベースシステムが運用サーバと待機サーバに分かれていることを意識する必要がありません。

フェイルオーバについての詳細は、“フェイルオーバ”を、Connection Managerについての詳細は、“Connection Manager”を参照してください。

フェイルオーバについて、以下に示します。

[図:フェイルオーバによる高信頼性システム運用]

■ロードシェによる拡張性

Symfoware Serverのロードシェアは、運用サーバを複数連動させることによって、処理トラフィックの増大や、データ容量の増加に対しても、サーバを増やすことで対応できます。ディスクだけではなく、CPU、メモリの増設が可能になります。

ロードシェアで連動して動作する複数のサーバは、高速インタコネクトによって結合されており、互いのデータを共有しています。そのため、これらの複数のサーバは、論理的に1つの巨大なデータベースを実現しています。

ロードシェアについての詳細は、“ロードシェア”を参照してください。

ロードシェアについて、以下に示します。

[図:ロードシェアによる拡張性システム運用]

■コネクションの自動制御で運用コスト削減

Connection Managerを利用することによって、アプリケーションとデータベースの間のコネクションを自由に制御することができます。また、サーバの負荷を自動的に平坦化することができます。Connection Managerは、最も処理の負荷が低いサーバを自動的に認識し、処理の依頼先を選択します。こうすることによって、アプリケーションが複数のサーバを意識する必要はなくなります。また、負荷を分散させるような論理をアプリケーションに組み込む必要もなくなります。

Connection Managerについての詳細は、“Connection Manager”を参照してください。

Connection Managerによるコネクションの自動制御について、以下に示します。

[図:Connection Managerによるコネクションの自動制御]


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