Symfoware Server 解説書 - FUJITSU -
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第1章 Symfoware Serverとは何か> 1.2 Symfoware Serverの特長

1.2.3 大容量データベースの実現

Symfoware Serverの運用性のソリューションについて、説明します。

ミッションクリティカルな業務では、大量データに対して、現実的な時間でのデータのバックアップ、データの創成、データのリカバリが保証できるものでなければなりません。処理データ量がメガバイト単位の場合には問題にならなかった運用時間が、データ規模が増大すると、とても実運用に耐えられない時間となってしまいます。それにより、一日のデータのメンテナンスがその日中に終わらなくなってしまい、運用が破綻してしまう危険性があります。

Symfoware Serverは、データを一括で処理するための世界最高性能のユーティリティを完備しており、データ量に対してリニアな性能を保証しています。さらに、インターネットビジネスへのさらなる働きかけとして、さまざまな形態のユーティリティを提供し、各種のデータの保守を簡単に、かつ、高速に実行できます。また、データベースの運用の自動化によるコストの削減も図っています。

Symfoware Serverの運用性のソリューションには以下の6つの特長があります。

Symfoware Serverの運用性ソリューションの特長について、以下に説明します。

■大容量を操作する分散アーキテクチャ

Symfoware Serverは、データをDSIと呼ばれる単位に分割すること(パーティショニン)によって、複数のディスク上にデータを配置可能です。データ量に応じてパーティショニングを行い、柔軟な拡張性を保証しています。データが多くなると、スケーラブルロと呼ばれる、ログを複数に分散する機能を利用します。さらにデータが多くなると、ロードシェと呼ばれる、ログだけでなくCPUやメモリを分散する機能を利用します。このようにパーティショニングの概念を利用して、柔軟性のある拡張が可能になっています。Symfoware Serverは、パーティショニングをアーキテクチャとして採用することによって、2048ペタバイトまでのデータを管理することができます。

パーティショニングについての詳細は、“パーティショニング”を、スケーラブルログについての詳細は、“ログ運用”を、ロードシェアについての詳細は、“ロードシェア”を参照してください。

大容量を操作するアーキテクチャについて、以下に示します。

[図:大容量を操作するアーキテクチャ]

■世界最高性能のロード・アンロード

Symfoware Serverのロード・アンロードは、世界最高の性能を持っています。100ギガバイトのデータベースを47分で創成することができます。さらに、パーティショニング(DSI分割)のアーキテクチャと相乗効果を持っています。Symfoware Serverのロード・アンロード処理は、それぞれのDSIを独立に処理するため、並列動作が可能です。DSIごとのパラレルな処理によって、たとえデータ量が増加しても、十分なCPUやディスクがあれば同じ時間で並列に処理することができます。ロード・アンロード処理により、大量データの運用を可能にしています。

以上の処理を、Symfoware Serverは、パイプラインコントローにより実現しています。

パイプラインコントロールについての詳細は、“データベースの運用”を参照してください。

■目的に応じたユーティリテ

大規模データベースにおいて重要なのは、大量データを操作するためのユーティリティです。従来はバッチアプリケーションを作ってデータのメンテナンスをしていたような運用に関して、高速に一括処理可能なユーティリティを提供しています。

Symfoware Serverのユーティリティでは、データの追加やデータの更新も実行できます。従来、アプリケーションでデータの追加、更新を行っていた処理を、アプリケーションを作らずに、ユーティリティを使用して、高速に一括処理することができ、運用時間を短縮することができます。

目的に応じたユーティリティについての詳細は、“データベースの運用”を参照してください。

目的に応じたユーティリティについて、以下に示します。

[図:目的に応じたユーティリティ]

■高速バックアップ・リカバリ

Symfoware Serverは、Advanced Backup Controllerによって、二重化、または多重化したディスクを制御し、高速なバックアップ・リカバリを実現しています。バックアップでは1テラバイト約1分、リカバリでは本機能を使用しない従来のリカバリに比べて約100分の1の時間で処理することができます。これには、二重化したディスクの一方を切り離してバックアップをし、バックアップが終了すると、再度組み込むという技術を利用しています。

Advanced Backup Controllerにより、高速なバックアップ・リカバリが可能となり、大容量データベースにおける運用を実現することができます。

Advanced Backup Controllerについての詳細は、“Advanced Backup Controller”を参照してください。

高速バックアップ・リカバリについて、以下に示します。

[図:高速バックアップ・リカバリ]

■自動化による運用コストの削減

Symfoware Serverは、データベースの運用を自動化する働きかけを行っています。たとえば、バックアップ・リカバリにおいては、その操作だけでなく、ディスクの管理も必要となります。データの異常が発生した場合、異常の発生した部分がどこで、それに対するバックアップがどれなのか探さなければなりません。このような管理を含めた全体の運用を、Advanced Backup Controllerは自動化しています。自動化することによって、運用コストを大幅に削減しています。

Advanced Backup Controllerについての詳細は、“Advanced Backup Controller”を参照してください。

自動化による運用コストの削減について、以下に示します。

[図:自動化による運用コストの削減]

■ビジネスインテリジェンの支援

Symfoware Serverは、大量データ処理、高処理能力を実現できるビジネスインテリジェンスを支援します。

企業は、企業競争激化による顧客満足度の向上、利益の拡大、市場でのシェア拡大などといった、さまざまな課題を抱えています。

これらの課題に対して、企業に蓄積されてきた情報をデータウェアハウスと呼ばれる巨大なデータベースに蓄積し、当社の豊富な関連製品と連携してOLAP(OnLine Analytical Processing)活用することで、戦略的情報活用を支援します。

Symfoware Serverは、大量データの迅速処理が可能なので、上記のようなデータウェアハウス構築のベースとなるデータベースとして最適です。

Symfoware Serverのデータウェアハウスの対応についての詳細は、“データウェアハウスへの対応”を参照してください。

データウェアハウス構築のOLAP活用例について、以下に示します。

[図:データウェアハウス構築のOLAP活用例]


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