負荷分散/QoS制御 機能ガイド
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2.1.1.1 転送方式
サイト負荷分散は、利用者からのリクエストをサーバファーム内のサーバに転送するために、つぎのいずれかのメカニズムを使用します。なお、つぎの「IPアドレス変換」方式と「MACアドレス変換」方式のいずれの方式を使用するかは、構成するサーバファーム単位に選択することができます。
- IPアドレス変換
利用者(クライアント)から送信されるリクエストの宛先IPアドレス(サーバファームに対して定義されている仮想IPアドレス)と宛先ポート番号(サーバファームに対して定義されている仮想ポート番号)をサーバファーム内の転送先サーバのIPアドレスとポート番号に書き換えて転送します。仮想ポートが定義されていない場合や仮想ポート番号と転送先サーバのポート番号が一致している場合は、ポート番号の書き換えは行わず、宛先IPアドレスだけを書き換えて転送します。この方式は、並列型配置では利用できません。
- MACアドレス変換
利用者(クライアント)から送信されるリクエストの宛先MACアドレスをサーバファーム内の転送先サーバのMACアドレスに書き換えて転送します。この方式を利用する場合、サーバファーム内のすべてのサーバに、サーバファームに対して定義されている仮想IPアドレスと同じIPアドレスをloopbackアダプタにセットアップしておく必要があります。この方式は、IPヘッダ情報を書き換えることができないプロトコルを使用したシステムの負荷分散を行う場合に有効です。この方式は、通過型配置と並列型配置の両方で使用できますが、並列型配置で使用する場合、および後で説明する「透過デバイス負荷分散」を行う場合は、必ずこの方式を選択する必要があります。
- HTTPリダイレクト
「サイト間連携」機能を使用して、かつHTTPプロトコル(例えば、WWWサーバへのアクセス)が使用されている場合に、アクセス先のサイトのサーバファームが高負荷状態や故障でアクセスできないとき、Traffic Director(サーバ)は、利用者(クライアント)のリクエストに対して、HTTPリダイレクトで応答して、別サイトのサーバファームのIPアドレス(代表IPアドレス)を通知します。利用者は通知されたIPアドレスに向けて直接リクエストを送信します。
- UDPカプセリング
「サイト間連携」機能を使用して、かつHTTP以外のプロトコルが使用されている場合に、アクセス先のサイトのサーバファームが高負荷状態や故障でアクセスできないとき、Traffic Director(サーバ)は、利用者(クライアント)のリクエストにUDPヘッダを付加することでカプセリングして別サイトのTraffic Director(サーバ)に転送します。


- 通過型のルータモード、および並列時のMACアドレス変換方式では、宛先MACアドレスの変換に加え、送出元MACアドレスをTraffic DirectorのMACアドレスに変換します。
- 分散対象サーバがLinuxの場合にはMACアドレス変換及び並列型配置は使用できません。
- MACアドレス変換方式では、Traffic Directorサーバおよび分散対象サーバをレイヤ3スイッチで使用することは出来ません。
- Traffic Director(Solaris版)では、以下の注意事項があります。
- サーバファーム単位の転送方式の選択は未サポートです。
- 以下の転送方法のみサポートします。
- IPアドレス変換
- MACアドレス変換
- HTTPリダイレクト
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