TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド |
目次 索引 |
付録H 組織再編成ユーティリティ | > H.2 ディレクトリのユーザ定義の移動 |
後述する各コマンドに指定できるファイル名の規則について説明します。この規則は、すべてのコマンドで共通です。
使用できる文字は、OSのコマンドシェルの制限に従います。UNIX系システムのシェルで使用されるエスケープ文字を含む名前を持つファイルを任意に作成したい場合は、ファイル名の前後をダブルクォーテーション(")で囲んでください。
ファイルを新規作成するディレクトリ、またはすでに存在するディレクトリが、コマンドを実行するカレントディレクトリ以外の場合、フルパス名で指定することもできます。
ファイル名の最大長は、128文字までです。パス付きの場合は、パスも含めて128文字以内で指定します。Windows NT(R)の場合は、ドライブレター文字("D:")も含めた長さで指定します。パスを記述しない場合でも、内部でフルパス名長として最大長を計算します。たとえば、カレントディレクトリのパス名が“D:\TeamWARE\Server\”で、コマンドに指定したファイル名が“idf_file.dat”である場合、そのファイルの名前は“D:\TeamWARE\Server\idf_file.dat”であるとみなします。
ユーザリストは、システム管理者が作成します。ユーザリストを作成するには、エディタで記述する方法とコマンドで作成する方法の2通りがあります。なお、ユーザリストはシフトJISコード形式です。
ユーザリストはテキストファイルなので、エディタで作成できます。記述形式などの詳細については、以降の“ユーザリストの記述形式”を参照してください。
エディタでユーザリストを作成する場合の例を、以下に示します。
ユーザ名 |
: |
中山 賢一 |
ユーザのロケーション |
: |
ou=TW,l=kanagawa,o=Fj,c=jp |
メール自動転送指定 |
: |
あり(ユーザ名“中山 賢一(転送用)”) |
ユーザ名 |
: |
小野寺 しげる |
ユーザのロケーション |
: |
ou=Admin,ou=TW,l=kanagawa,o=Fj,c=jp |
メール自動転送指定 |
: |
なし |
ユーザリストは以下のようになります。
//op personal |
ユーザリストは、以下の規約と“表H.1 制御文”に従って記述します。後述する検索条件ファイルも同じ規約です。
ユーザリストの制御文の詳細について、表H.1に示します。
オペランド |
必須/ |
最大長 |
設定値 |
---|---|---|---|
//op |
必須 |
8 |
個人資源の移動処理を行うことを指示します。指定可能な値は“personal”だけです。 |
=user |
必須 |
512 |
移動対象のユーザ名と所属するロケーションを指定します。 ユーザ名とロケーションの指定方法 cn=ユーザ名 記述する順序は、ユーザ名から始まり、下位階層の組織から順に指定します。 |
=automail |
オプション |
64 |
メールの自動転送指定を有効にします。 |
|
個人定義の移出処理は、処理を正常に終了したあと、移動対象ユーザの定義をTeamWARE Directoryから削除します。移動先サイトでの移入処理完了後、移動対象のユーザは存在するので、エンタープライズ環境内のほかのユーザは、移動元のときと同じ宛先でTeamWARE Mailを送信できます。
しかし、移入処理でインターネットアドレス、X.400メールアドレスが移動先サイト固有のものに変更されるので、古いメールアドレスで送信されたインターネットメール、X.400メールは移動先のユーザには送信できません。このため、 TeamWARE Mail以外のメールを移動先に自動転送するためのユーザ(ダミーユーザ)を作成します。
指定方法の詳細については、“ユーザリストの記述形式”を参照してください。
|
<作成されるダミーユーザの状態>
メール自動転送用のダミーユーザは、以下の状態になるよう移出処理コマンドで作成されます。
ユーザリストは、コマンドにより作成できます。
TeamWARE Directoryサーバに登録されているユーザを条件で検索して、テキストファイルに出力する機能を使用します。なお、テキストファイルに出力したユーザ名の中に、移動させたくないユーザ名がある場合は、“=user”から始まるそのユーザ名の記述されている行をエディタで削除します。コマンドは、ユーザ名一覧を取得したいTeamWARE Directoryサーバ上で実行します。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。
todirlst find_file user_list
find_file :
検索情報ファイル名を指定します。このファイルには、検索条件を指定します。検索条件の指定内容については、“検索情報ファイルの記述形式”を参照してください。
user_list :
ユーザリストを出力するファイル名を指定します。
検索情報ファイルには、以下の形式で検索条件を指定します。
検索情報ファイルの検索オペランドの詳細について、表H.2に示します。
オペランド |
必須/ |
最大長 |
設定値 |
//op |
必須 |
4 |
検索情報ファイルであることを示します。 |
=location |
オプション |
512 |
移動対象のユーザが所属する基礎ロケーションを指示します。 ロケーションの指定方法 |
=group |
オプション |
512 |
移動対象のユーザが所属するグループを指示します。 グループ名とロケーションの指定方法 |
|
オプション |
64 |
メールサービス名を指定します。 |
=calendar |
オプション |
64 |
カレンダーサービス名を指定します。 |
コマンドを使い、中間ファイルに必要な容量を出力できます。このコマンドは、事前に中間ファイルの容量を把握しておきたいとき、たとえば、中間ファイル出力先の空き容量が十分かどうかを確認したいときなどに使用します。
todirexp -e|-E user_list
-e :
個人定義格納用の中間ファイルの大きさを見積もる場合に指定します。
-E :
個人定義格納用中間ファイルの大きさに加えて、個人メモ格納用の中間ファイルの大きさを見積もる場合に指定します。
user_list :
移出する予定のユーザを記述したユーザリストのファイル名を指定します。
|
以下に、-eで中間ファイルに必要な容量を見積もる機能を実行した場合の出力例を示します。”File size ="の右辺が個人定義を格納するための中間ファイルの大きさです。
D:\to> |
以下に、-Eで中間ファイルに必要な容量を見積もる機能を実行した場合の出力例を示します。"IWF file size ="の右辺が個人メモを格納するための中間ファイルの大きさです。
d:\to>todirexp -E test.txt |
移動したい個人情報を、移動元サーバから中間ファイルへ移出します。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。
|
todirexp [-w MEMO_file] idf_file user_list
-w MEMO_file :
個人メモも移出したい場合に指定します。MEMO_fileに個人メモ格納用の中間ファイル名を指定します。Webサービスの初期化ファイル(http.ini)の[Work]セクションのMemoキーで指定されたディレクトリ配下で管理されている個人メモが移出対象となります。
idf_file :
個人定義格納用の中間ファイル名を指定します。
user_list :
ユーザリストのファイル名を指定します。
|
移出処理の内部では、大きく分けて以下の3通りの手順があります。
1の処理で失敗した場合は、移動元サイトのディレクトリの状態には変更がありませんので、移動元サイトのTeamWARE Officeサーバの状態がおかしくない限り再度移出を始めることができます(たとえば、リストファイルの定義を間違えた場合など)。
しかし、2の処理で異常が発生した場合は、完全にユーザの削除ができないので移動先サイトで移入処理を行おうとしても同じユーザ定義が重複するため失敗します。また、3のメール自動転送ユーザ作成もできません。しかも、このままでは移動元サイトを移出処理開始前に復旧できません。
3の処理で失敗した場合は、一応移動先サイトで移入処理を行うことが可能ですが、移動ユーザに対して移動前の古いメールアドレスでインターネットやX.400により外部からメールを送信された場合、これを受信することができません。
前述した問題に対応するため、移出処理コマンドの以下の機能を使用することでリカバリを行えます。このリカバリ機能は移出処理を行った移動元サイト以外では使用できません。
この機能は、2の処理で失敗した場合、移出処理コマンドを実行する前の状態にデータベースに復元します。1の処理で作成した中間ファイルに含まれるユーザの個人情報や資源を、移動元サイトのディレクトリに移入することで復元を行います。
todirexp -r [-w MEMO_file] idf_file
-r :
個人定義および個人メモの復元によるリカバリを行う場合に指定します。
-w MEMO_file :
個人メモも復元する場合に指定します。MEMO_fileに、1で作成され個人メモ格納用中間ファイル名を指定します。
idf_file :
idf_fileに、1で作成された個人定義格納用中間ファイル名を指定します。
この機能は、2の処理で失敗し、移動元サイトから削除できなかったユーザを、1で作成された中間ファイルに含まれるユーザの個人情報を使用して削除します。
todirexp -d [-w MEMO_file] idf_file
-d :
個人定義および個人メモの削除によるリカバリを行う場合に指定します。
-w MEMO_file :
個人メモも削除したい場合に指定します。MEMO_fileに、1で作成された個人メモ格納用中間ファイル名を指定します。
idf_file :
idf_fileに、1で作成された個人定義格納用中間ファイル名を指定します。
この機能は3の処理自体で失敗したときか、2の処理の失敗によるリカバリのあとで3の処理の再実行を行いたい場合に使用します。この機能はメールの自動転送を指定したユーザが、全員移動元サイトから削除されていなくてはなりません。
todirexp -m idf_file user_list
-m :
idf_fileに、1で作成された中間ファイル名を指定します。
user_list :
1で使用したユーザリストのファイル名を指定します。
中間ファイルが作成されたら、中間ファイルを移動元サーバから移動先のディレクトリサーバへバイナリ形式で転送します。ファイルはほかのユーティリティを使用して圧縮して転送してもかまいませんが、転送後、解凍を忘れないようにしてください。
実際に移入を行う前に、同じユーザ名を持つユーザの存在をコマンドを使い、チェックできます。また、インターネット、X.400メールアドレス、FAXアドレス、ログイン名の重複もチェックできます。名前などが重複していた場合には、カスタムオペランドなどにより、重複している内容を変更してこれを回避できます。
todirimp -n idf_file user_list
-n :
idf_fileに、移出処理で作成された中間ファイル名を指定します。
user_list :
ユーザリストのファイル名を指定します。カスタマイズオペランドを指定して、これにより変更した内容とチェック先サイトの定義内容の重複チェックを行うことができます。指定できる制御オペランド、カスタムオペランドは、通常の移入処理の場合と同じです。
移入処理と同じくらいの時間がかかる場合があります。移入処理と同じ環境条件で起動してください。 |
移動させるユーザ情報を、中間ファイルから移動先サイトのTeamWARE Directoryサーバへ移入します。中間ファイル名をパス付きで入力することにより、移動先サーバの格納先を指定できます。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。
todirimp [-w MEMO_file] idf_file user_list
-w MEMO_file :
個人メモも移入したい場合に指定します。MEMO_fileで指定された個人メモ格納用中間ファイル内に格納されているユーザの個人メモを移入します。移入先は、Webサービス初期化ファイル(http.ini)の[Work]セクションのMemoキーで指定されたディレクトリです。
idf_file :
個人定義格納用中間ファイルの名前を指定します。
list_file :
ユーザリストの名前を指定します。
|
移入処理を行う前に、移動元で作成し、移出処理で使用したユーザリストファイルに以下に示す制御文を追加します。
制御オペランドは、移入処理のときに必要な情報を指示するための制御文です。必ず“//op”の直後に追加してください。詳細については、以下に示す表H.3を参照してください。
カスタムオペランドは、移入時に個人定義の情報を変更したい場合に記述する制御文です。あるユーザを移入しようとしたとき、移動先サイトの組織に同名のユーザがいる場合や、インターネットメールアドレスのユーザ名などの重複の回避などに使用します。なお、インターネットメールのベースアドレスなどサイト固有の情報は、ユーザごとに適用するユーザテンプレートをカスタムオペランドで変更することで対応します。
カスタムオペランドの内容は、制御オペランドで指定した内容より優先されます。カスタムオペランドは、適用するユーザの指定(オペランド"=user")行の直後から、次に適用するユーザの指定行の直前までに追加してください。
例として、以下の条件での制御オペランドとカスタムオペランドを追加したユーザリストの編集例を示します。
基本ユーザテンプレートは、“cn=従業員,ou=TWG,l=shizuoka,o=Fj,c=jp”
ユーザリストは以下のように編集します。
|
ユーザリストを編集するときは、移出処理で使用した制御文は絶対に変更、削除をしないでください。移入処理においてその情報を使用するため、変更した場合は移入処理ができなくなる場合があります。 |
ユーザリストファイルの制御オペランドの詳細について、表H.3に示します。
オペランド |
必須/ |
最大長 |
設定値 |
//base_temp |
必須 |
512 |
移動先に存在するユーザテンプレート名とこのユーザテンプレートが所属するロケーションを指定します。 ロケーションの指定方法 |
ユーザリストファイルのカスタムオペランドの詳細について、表H.4に示します。
オペランド |
必須/ |
最大長 |
設定値 |
=new_user |
オプション |
64 |
変更したいユーザ名を指定します。 |
=sortname |
オプション |
64 |
ソート名を変更します。 |
=sur |
オプション |
40 |
姓を変更します。 |
=giv |
オプション |
16 |
名を変更します。 |
=init |
オプション |
5 |
頭文字を変更します。 |
=gen |
オプション |
3 |
世代を変更します。 |
=custom1 〜=custom16 |
オプション |
128 |
カスタム属性を変更します。 |
=login |
オプション |
48 |
ログイン名を変更します。 |
=internetuser |
オプション |
192 |
インターネットメールアドレスのユーザ名の部分を変更します。 |
=fax |
オプション |
64 |
FAXアドレスのサブアドレスの部分を変更します。 |
=x4mnepsur |
オプション |
40 |
X.400 アドレス(印刷可能文字列)姓を変更します。 |
=x4mnepgiv |
オプション |
16 |
X.400 アドレス(印刷可能文字列)名を変更します。 |
=x4mnepinit |
オプション |
5 |
X.400 アドレス(印刷可能文字列)頭文字を変更します。 |
=x4mnepgen |
オプション |
3 |
X.400 アドレス(印刷可能文字列) 世代を変更します。 |
=x4mnepcn |
オプション |
64 |
X.400 アドレス(印刷可能文字列)共通名を変更します。 |
=x4mnetsur |
オプション |
40 |
X.400 アドレス(Teletex文字列)姓を変更します。 |
=x4mnetgiv |
オプション |
16 |
X.400 アドレス(Teletex文字列)名を変更します。 |
=x4mnetinit |
オプション |
5 |
X.400 アドレス(Teletex文字列)イニシャル頭文字を変更します。 |
=x4mnetgen |
オプション |
3 |
X.400 アドレス(Teletex文字列)世代を変更します。 |
=x4mnetcn |
オプション |
64 |
X.400 アドレス(Teletex文字列)共通名を変更します。 |
=template |
オプション |
512 |
//base_tempオペランドで指定した基底ユーザテンプレートより優先して、このオペランドで指定したユーザテンプレートの情報をユーザに設定します。 |
=group |
オプション |
512 |
このオプションで指定した移動先のサイトに存在するグループにユーザを登録します。本ユーティリティは1ユーザにつき1グループのみ登録できます。 |
目次 索引 |