PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.1 (伝送路二重化機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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2.1.4 GS/SURE連携方式
本方式では、複数のNICをそれぞれ異なるネットワークに接続し、これらのNICをすべて活性化して同時に使用します。送信パケットは、通信するTCPコネクション単位に伝送路へ振り分けられます。
通信のコネクション単位で使用する伝送路が異なる為、1つの伝送路に異常があった場合には、他の伝送路を使用して通信を継続させる事により、伝送路の信頼性を向上する機能を提供します。
また、高速切替方式やRIP方式と同様に、仮想インタフェースを生成し、仮想ネットワークを割り当てます。TCP/IPアプリケーションは、この仮想インタフェースに設定された仮想IPアドレスを自システムのIPアドレスとして使用することにより、物理的なネットワークの冗長構成を意識することなく相手システムと通信を行うことが可能となります。

[図2.17 GS/SURE連携方式(GS/SURE通信機能)による二重化運用例]

[図2.18 GS/SURE連携方式(TCP中継機能)による二重化運用例]
- 接続形態
- GS/SURE通信機能を使用した接続形態は、通信するシステムを同一ネットワーク上に接続します。なお、別ネットワークに接続することはできません。
TCP中継機能を使用した接続形態は、自システムと相手システム間のSUREを介して、別ネットワーク上の通信相手と通信を行います。
- 特徴
- 通信を行うTCPコネクション単位で使用する伝送路を使い分け、伝送路異常が発生した場合には、他の正常な経路で処理を継続させる事ができます。また冗長化した伝送路はすべて活性化して使用しているため、個々の伝送路を別用途で直接使用することも可能であり、資源を有効利用できます。
- 適用推奨例
- GS/SUREとGPが混在したマルチサーバ環境下での通信や、レガシー系システムのネットワークインフラをIP化により再構築する場合等に適しています。
- システム構成
- GS/SURE連携方式(GS/SURE通信機能)のシステム構成を、図2.19に示し、GS/SURE連携方式(TCP中継機能)を図2.20に示します。

[図2.19 GS/SURE連携方式(GS/SURE通信機能)のシステム構成]

[図2.20 GS/SURE連携方式(TCP中継機能)のシステム構成]
各構成要素とその意味は以下の通りです。
- 物理インタフェース
- 二重化したNICの物理インタフェース(sha1,sha2等)を表します。
- 物理IP
- 物理インタフェースに付与するIPアドレスを表します。このIPアドレスは、常に活性化された状態となっています。クラスタ運用管理ビュー等によりノードの管理を行う場合に本IPアドレスを使用します。指定可能なアドレス形式はIPv4アドレスです。IPv6アドレスは指定できません。
- 仮想インタフェース
- 二重化したNICを1つに見せるための仮想インタフェース(sha0等)を表します。
- 仮想IP
- 相手装置と通信するため、仮想インタフェースに割り当てる自側のIPアドレスを表します。このIPアドレスは運用ノード上で活性化され、クラスタシステムの場合には、クラスタ切替え発生時に待機ノードへ引継がれます。指定可能なアドレス形式はIPv4アドレスです。IPv6アドレスは指定できません。
- 中継装置のLANアダプター、相手装置のNIC
- 中継装置、通信相手装置のNICを表します。
- 監視先IP
- 相手装置のNICに設定されたIPアドレスを表します。本IPアドレスを監視します。指定可能なアドレス形式はIPv4アドレスです。IPv6アドレスは指定できません。
- 相手装置の仮想IP
- 通信する相手装置の仮想IPアドレスを表します。指定可能なアドレス形式はIPv4アドレスです。IPv6アドレスは指定できません。
2.1.4.1 障害監視機能
2.1.4.2 切替え機能
2.1.4.3 通信可能な相手ホスト
2.1.4.4 使用可能なアプリケーション
2.1.4.5 注意事項
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