SSF/Backup Facility 導入手引書
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第5章 クラスタ構成での導入

5.9 磁気テープライブラリシステムの環境構築

SPシリーズで磁気テープライブラリシステムを使用できるように設定を行います。

SPシリーズに接続した磁気テープライブラリシステムをバックアップサーバから利用できるようにするには、磁気テープライブラリシステムに対応する磁気テープライブラリシステム制御ソフトウェアの設定が必要です。

磁気テープライブラリシステムのロボットをSPシリーズが制御するか否かにより、設定作業は異なります。ロボットを制御しないSPシリーズでは、ロボットに関する設定やLMFサーバの設定は不要です。

  • LMF Liteの詳細な設定方法は、『LMF Lite 使用手引書』を参照してください。

 

磁気テープライブラリシステムが使用可能となった後、ネットワーク型バックアップで磁気テープライブラリシステムを利用可能とするために、磁気テープライブラリシステムに対してネットワーク型バックアップ用ソフトウェア設定を行います。

なお、SSF/Backup Facility上で、同時にネットワーク型バックアップソフトウェアと共存させる場合には、磁気テープライブラリシステムのそれぞれのソフトウェア用に割当てる各ロボット(コントローラ)部のターゲットIDは、それぞれで異なる値を設定してください。

  • ネットワーク型バックアップで磁気テープライブラリシステムを使用する場合に必要な設定項目は、ネットワーク型バックアップで使用するソフトウェアのマニュアルを参照してください。

 

  • SPシリーズに磁気テープライブラリシステムが接続されていることを確認の上、磁気テープライブラリシステム制御ソフトウェアの設定を行ってください。接続されていない場合、設定作業が失敗します。

 

5.9.1 ハードウェアの接続 

各装置のマニュアル等を参照しながら、ライブラリ装置やドライブをFibreChannelケーブルやSCSIケーブルでサーバと接続してください。

一台のライブラリ装置を複数のサーバで共有する場合や、複数のライブラリ装置を導入する場合は接続が複雑になるため、事前に設計した接続構成図どおりに接続されているかを確認してください。

特にFibreChannel インタフェース装置で、FC スイッチを経由した接続構成の場合、物理的な接続だけでは接続状態を十分に確認できないため、FC スイッチのゾーニング設定やサーバ側の設定なども十分に確認してください。

本書の「付録A 磁気テープライブラリ使用時の注意事項」を参照し、各磁気テープライブラリシステムに合わせて設定を行ってください。

 

5.9.2 ネットワーク環境設定 

以下の手順にしたがい、ネットワーク環境設定を実施してください。設定は、プライマリノードとセカンダリノードの両方について実施してください。

  1. /etc/servicesファイルに、以下のサービス名が定義されていることを確認してください。定義されていない場合は、定義を追加してください。
     lmf     9326/tcp

     

  2. LMFクライアント-サーバ・システムとして利用する他のホストを/etc/hosts に登録します。
     IPアドレス    ホスト名      #  IP-address    Host-name

     

5.9.3 ftlaドライバの設定 

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。
  1. /usr/kernel/drv/ftla.confファイルを編集します。

    例:targetが16でLUNが0の場合、以下のように編集します。

    • targetの番号は、ライブラリ装置設定時(SCSI接続(LT130)時はSCSI-ID、FC接続(LT130/LT160)時には、/kernel/drv/fjpfca.confのtarget-ID)に決定されます。

    • ライブラリ装置の設定においては、『ETERNUS LT130 テープライブラリ セットアップガイド』、『ETERNUS LT160 テープライブラリ セットアップガイド (UNIX/IAサーバ編)』または『FUJITSU PCI Fibre Channel 説明書』を参照してください。

     

    • ネットワーク型バックアップソフトウェア用のロボットは、ここでの作業では認識させないで下さい。

     

  2. 再起動後にライブラリ装置を認識させるために、以下のコマンドを実行します。
    # rm -f /dev/ftla/* <Return>
    # rm -f /dev/rmt/* <Return>
    # touch /reconfigure <Return>

     

  3. システムを再起動させるために、以下のコマンドを実行します。
    # shutdown -y -g0 -i6 <Return>

     

5.9.4 LMFサーバ/クライアント両方の設定 

 

■事前設定

プロシジャリソースFJSVlmfをリソースデータベースに登録します。

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

# cd /opt/FJSVlmf/sbin <Return>
# ./lmclset.sh <Return>
clsetproc done. procedure="HAproc.FJSVlmf",class="SystemState2"
claddprocrsc done. resource="FJSVlmf",class="SystemState2"
lmclset.sh: completed.

 

■設定手順

  1. プライマリノードで、GDS ボリュームを起動します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  2. プライマリノードで[制御ファイル]スライスをマウントします。

    # mount /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0010 /sp/tapelib <Return>

     

  3. プライマリノードで、引継ぎIPアドレスを手動で起動します。

    "引継ぎIPアドレス"には、「5.4.2 引継ぎネットワークリソースの設定」-「7. IPアドレス/ホスト名の選択」で設定したIPアドレスを指定してください。

    # /usr/sbin/ifconfig <インタフェース名> addif <引継ぎIPアドレス> netmask <ネットマスク> broadcast <ブロードキャスト> <Return>
    # /usr/sbin/ifconfig <論理インタフェース名> up <Return>

     

    以下に例を示します。

    • <インタフェース名> : hme0
      <引継ぎIPアドレス> : 10.124.6.91
      <ネットマスク> : 255.255.255.0
      <ブロードキャスト> : 10.124.6.255
      <論理インタフェース名> : hme0:1
      の場合

    # /usr/sbin/ifconfig hme0 addif 10.124.6.91 netmask 255.255.255.0 broadcast 10.124.6.255 <Return>
    # /usr/sbin/ifconfig hme0:1 up <Return>

     

  4. プライマリノードで、LMFデーモンを停止します。

    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadmin -e <Return>

     

  5. プライマリノードで、LMFサーバを設定します。設定内容は下表のとおりです。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadmin -c <Return>
    ボリューム情報データベースが作成されていません
    ボリューム情報データベースを作成しますか(y/n)> y <Return>

     

    順序

    メインメニュー

    サブメニュー

    設定内容

    1

    「1.クライアントグループを設定する」

    「1.新規登録」を選択し、クライアントグループの登録を行ってください。

    「クライアントグループ名」

    16文字以内の英文字、数字、記号(- . @ _)を使用することができます。
    ただし、“default”を使用する場合は、登録の必要はありません。

    2

    「2.クライアントホストを設定する」

    「1.新規登録」を選択し、LMFクライアントが動作するホストを登録します。SPシリーズ自身もLMFクライアントとして動作するため、登録が必要です。

    「ホスト名」

    登録するLMFクライアントの引継ぎノード名を設定してください。

    「所属クライアントグループ」

    当該LMFクライアントを所属させるクライアントグループを指定してください。

    3

    「3.ライブラリを設定する」

    「1.新規登録」を選択し、各ライブラリ装置について、それぞれ設定を実施してください。

    「登録するライブラリ」

    ベンダ名やシリアル番号をキーに、設定するライブラリを一覧表から選択してください。

    「ライブラリ名」

    8文字以内の英文字、数字、記号(- . @ _)を使用することができます。

    「ライブラリID」

    指定できる値は01〜ff(16進値)です。

    「ドライブタイプ」

    登録するライブラリ装置からドライブタイプが獲得できなかった場合、設定が必要です。ライブラリに搭載されているドライブのタイプを選択してください。LTO1とLTO2の2つのタイプが存在します。

    4

    「4.ドライブを設定する」

    「1.設定/変更」を選択し、各ドライブについて、それぞれ設定を実施してください。

    「ドライブ設定するライブラリ」

    設定するドライブが搭載されているライブラリ装置を選択してください。

    「設定するドライブ」

    シリアル番号をキーに、設定するドライブを一覧表から選択してください。

    「ドライブ名」

    24文字以内の英文字、数字、記号(- . @ _)を使用することができます。

    「接続ホスト」

    接続されているホストを選択してください。

    「他のホストに接続しますか?」

    複数のクライアントホストに接続されている場合は“y”で設定を続けてください。

     

  6. プライマリノードで、LMFデーモンを起動します。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadmin -s <Return>

     

  7. すでにカートリッジが格納されているライブラリ装置を接続した場合は以下のコマンドを実行し、ライブラリ装置のセル情報とLMFのボリューム情報の整合性をとってください。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmcheck -m -c <クライアントグループ名> <Return>

     

  8. プライマリノードで、LMFクライアントを設定します。設定内容は下表のとおりです。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadminc -c <Return>

     

    順序

    メインメニュー

    サブメニュー

    設定内容

    1

    「1.設定/変更」

    「LMFサーバのホスト名」

    LMFサーバの引継ぎノード名を設定してください。

    「LMFクライアントのホスト名」

    設定中のクライアントの引継ぎノード名を設定してください。

     

  9. プライマリノードで、LMFデーモンを停止します。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadmin -e <Return>

     

  10. プライマリノードで、LMF環境ファイルを共用ディスクへ配置します。
    # /opt/FJSVlmf/sbin/lmvarshare.sh /sp/tapelib <Return>

     

  11. プライマリノードで、手動設定したネットワークアドレスを停止します。

    手順3.で設定したIPアドレスの設定を解除します。

    # /usr/sbin/ifconfig <論理インタフェース名> down <Return>
    # /usr/sbin/ifconfig <インタフェース名> removeif <引継ぎIPアドレス> <Return>

     

    以下に例を示します。

    • <インタフェース名> : hme0
      <引継ぎIPアドレス> : 10.124.6.91
      <論理インタフェース名> : hme0:1
      の場合

    # /usr/sbin/ifconfig hme0:1 down <Return>
    # /usr/sbin/ifconfig hme0 removeif 10.124.6.91 <Return>

     

  12. プライマリノードで、[制御ファイル]スライスをアンマウントします。
    # umount /sp/tapelib <Return>

     

  13. プライマリノードで、GDS ボリュームを停止します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  14. セカンダリノードで、GDS ボリュームを起動します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  15. セカンダリノードで[制御ファイル]スライスをマウントします。

    # mount /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0010 /sp/tapelib <Return>

     

  16. セカンダリノードで、共用ディスク上のLMF環境ファイルへのシンボリックリンクを作成します。

    <共用ディスク上のディレクトリ>として "/sp/tapelib" を指定します。

    # /opt/FJSVlmf/sbin/lmvarshare.sh /sp/tapelib <Return>

     

  17. セカンダリノードで[制御ファイル]スライスをアンマウントします。

    以下のコマンドを実行してください。

    # umount /sp/tapelib <Return>

     

  18. セカンダリノードで、GDS ボリュームを停止します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

5.9.5 LMFクライアントのみを設定する場合の設定 

  • 本作業を実施する場合は、事前に、LMFサーバの設定を完了し、さらに、LMFサーバのデーモンを起動しておく必要があります。
    この作業が、完了していない場合は、先に、LMFサーバ の設定及びLMF サーバのデーモンの起動を行ってください。

  • LMFサーバの設定及びLMF サーバのデーモンの起動については、『LMF Lite 使用手引書』の「2.7 LMFサーバの設定」を参照してください。

 

■事前設定

プロシジャリソースFJSVlmfをリソースデータベースに登録します。

  • 本作業は、プライマリノードとセカンダリノードの両方で行ってください。

 

# cd /opt/FJSVlmf/sbin <Return>
# ./lmclset.sh <Return>
clsetproc done. procedure="HAproc.FJSVlmf",class="SystemState2"
claddprocrsc done. resource="FJSVlmf",class="SystemState2"
lmclset.sh: completed.

 

■設定手順

  1. プライマリノードで、GDS ボリュームを起動します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

     

  2. プライマリノードで[制御ファイル]スライスをマウントします。

    以下のコマンドを実行してください。ここで、<スライス名> には、制御ファイルのスライス(例:volume0010)を指定してください。

    # mount /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0010 /sp/tapelib <Return>

     

  3. プライマリノードで、LMFクライアントを設定します。設定内容は下表のとおりです。
    # /opt/FJSVlmf/bin/lmadminc -c <Return>

     

    順序

    メインメニュー

    サブメニュー

    設定内容

    1

    「1.設定/変更」

    「LMFサーバのホスト名」

    LMFサーバの引継ぎノード名を設定してください。

    「LMFクライアントのホスト名」

    設定中のクライアントの引継ぎノード名を設定してください。

     

  4. プライマリノードで、LMF環境ファイルを共用DISKへ配置します。
    # /opt/FJSVlmf/sbin/lmvarshare.sh /sp/tapelib <Return>

     

  5. プライマリノードで[制御ファイル]スライスをアンマウントします。

    以下のコマンドを実行してください。

    # umount /sp/tapelib <Return>

     

  6. プライマリノードで、GDS ボリュームを停止します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

  7. セカンダリノードで、GDS ボリュームを起動します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。

  8. セカンダリノードで[制御ファイル]スライスをマウントします。

    以下のコマンドを実行してください。ここで、<スライス名> には、制御ファイルのスライス(例:volume0010)を指定してください。

    # mount /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0010 /sp/tapelib <Return>

     

  9. セカンダリノードで、LMF環境を共用DISK上のファイルにリンクします。
    # /opt/FJSVlmf/sbin/lmvarshare.sh /sp/tapelib <Return>

     

  10. セカンダリノードで[制御ファイル]スライスをアンマウントします。

    以下のコマンドを実行してください。

    # umount /sp/tapelib <Return>

     

  11. セカンダリノードで、GDS ボリュームを停止します。

    ここでは、以下の用途で使用するために割当てたボリュームを指しています。


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