PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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付録F リファレンスマニュアル> F.2 GFS 共用ファイルシステム専用管理コマンド

F.2.14 sfcnewfs(1M) GFS 共用ファイルシステムの作成

◆形式

sfcnewfs [ -v ] [ -N ] [ mkfs-options ] raw_device_file

sfcnewfs -C file

◆機能説明

 sfcnewfs は、GFS 共用ファイルシステムの構築のための mkfs_sfcfs(1M) のフロントエンドです。sfcnewfs は適切なパラメタを計算し、mkfs_sfcfs(1M) を呼び出します。

 インタラクティブ (標準入力が端末) に sfcnewfs を実行すると、ファイルシステムを作成する前に確認を行います。

◆オプション

 以下のオプションが指定できます。

-v

 冗長モード。mkfs_sfcfs(1M) に渡すパラメタを含め、動作を表示します。

-N

 ファイルシステムの作成に使用するパラメタを表示します。ファイルシステムは実際には作成しません。

-C file

 ファイルシステムの作成に使用するパラメタを記述したファイルを指定します。本オプション使用時は raw_device_file の指定は不要です。また他のオプションは指定できません。パラメタファイルの記述形式は使用例を参照してください。

mkfs-options

 mkfs_sfcfs(1M) に渡すデフォルトパラメタは以下のオプションで変更します。
-A
 代表パーティショからファイルデータ領を分離する構成とする場合に指定します。
 -D オプションが指定されなかった場合は、本指定は無効です。
-D raw_device_file,...
 ファイルデータパーティションのキャラクタ特殊デバイスを指定します。複数指定する場合は、カンマで区切って指定してください。
-H host[:host],...
 ファイルシステムを共有すホスト名を登録します。複数のノーで共用する場合は、ホスト名をカンマで区切って指定してください。
 指定するホスト名 host は、指定する他のホスト名と通信可能状態であるものを指定する必要があります。MDS (メタデータサーバ) を配置するホスト名は、-S オプションの指定にしたがって、本オプションで指定されたホスト名の先頭から順に登録します。
 本オプションが指定されなかった場合は自ノードのホスト名が1つ登録されます。
 最大 4 つまで指定できます。
 複数LAN 指定する場合は、各LANに対応するホスト名をコロンで区切って指定してください。複数の LAN が AC と MDS の通信経路として使われます。各ノードのホスト名は 4 個まで指定できます。
-L raw_device_file
 アップデートログパーティショのキャラクタ特殊デバイスを指定します。
 アップデートログパーティションは、アップデートログ領として使用される領域以外は、未使用な領域になります。アップデートログ領のサイズにあったパーティショを指定してください。
-S all|num
 MDS 配置ノードを、-H オプションで指定したホスト名の並びの中の先頭からの個数で指定します。all を指定した場合はすべてのノードが MDS 配置ノードとして設定されます。また all を指定した場合に限り、ファイルシステム作成後に、sfcnode(1M) によって共用ノード情報に追加されたノードも MDS 配置ノードとして設定されます。
 省略時の設定は 2 です。
 0 以下の値、-H オプションで指定したノード数より大きな値は指定できません。
-Z
 既に管理パーティション内のファイルシステム構成情報に登録されているファイルシステムを同じ構成で再作成する場合に -Z オプションを指定します。ただし、対象とするファイルシステムがマウント中の状態の場合はエラーとなります。
-a metasz
 メタデータ領サイズを指定します。単位は、メガバイトです。
 代表パーティションのサイズを超えて指定することはできません。
 省略時は、ファイルシステムサイズの約 10% の値になります。maxdsz が指定された場合は、maxdsz の約 10% の値に設定されます。
-c
 メタデータ領域の初期化処理をすべて行います。
-d maxdsz
 ファイルシステムのファイルデータ領のサイズについて、追加するパーティションを含めた合計の最大値を指定します。単位は、メガバイトです。この値の指定により、メタデータ領域サイ、アップデートログ領域サイが、パーティションを追加した場合の適正な値に設定されます。
 省略時は、指定されたパーティションのファイルシステムサイズからメタデータ領域サイズ、アップデートログ領域サイズを引いたものが設定されます。
 32 テラバイト (33,554,432 メガバイト) を超える値を指定できません。
-e nblkpext
 1エクステンで管理する平均ブロック数を指定します。データ域のフラグメントファクタとして利用します。
 省略時の値は 1 です。
 指定できる値の最小値は 1 で、最大値は 100 です。
-f free
 スーパーユーザだけが使用可能なファイルデータ領域量を全体に対するパーセンテージで指定します。
 省略時の値は 10 % です。
 指定できる値の最小値は 0 で、最大値は 99 です。
-g logsz
 アップデートログ領サイズを指定します。単位は、メガバイトです。
 省略時の値は、ファイルシステムサイズの約 1% の値になります。maxdsz が指定された場合は、maxdsz の約 1 %の値になります。ただし、その値が 5 メガバイト未満の場合は、5 メガバイト、50 メガバイトを超える場合は、50 メガバイトになります。
 指定できる値の最小値は 5 で、最大値は 100 です。
-i nbpi
 iノーあたりのバイト数を指定します。メタデー領域を節約したい場合には大きくします。
 省略時の値は 8192 です。
 指定できる値の最小値は 512 で、最大値は 1,048,576 です。
-l maxvol
 ディスク上のファイルシステム構造でファイルシステムを構成するパーティション数を、将来 sfcadd(1M) で拡張する場合も含めた最大を指定します。
 省略時の値は、16 です。
 指定できる値の最小値は 1 で、最大値は 32 です。
-m mfree
 スーパーユーザだけが使用可能な V データ領量を全体に対するパーセンテージで指定します。
 省略時の値は 10 % です。
 指定できる値の最小値は 0 で、最大値は 99 です。
-n maxnode
 ディスク上のファイルシステム構造で共用するノード数を、将来 sfcnode(1M) で拡張する場合も含めた最大を指定します。
 省略時の値は、16 です。
 指定できる値の最小値は 1 で、最大値は 32 です。
-o space|time
 空きブロック割り当て処理を領域または時間のどちらで最適を行うかを選択します。space は領域を示し、time は時間を示します。
 省略時の値は time です。

◆オペランド

 以下のオペランドが指定できます。

raw_device_file

 代表パーティションのキャラクタ特殊デバイスを指定します。ファイルデータパーティションおよびアップデートログパーティションとして指定したパーティションは代表パーティションとして指定できません。

◆使用例


# sfcnewfs -H host1,host2 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

# sfcnewfs -H host1,host2 -L /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

# sfcnewfs -H host1,host2 -D /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2,/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

# sfcnewfs -S all -H host1,host2,host3,host4 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

# sfcnewfs -S 3 -H host1,host2,host3,host4 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

# cat paramfile meta: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 # 代表パーティションのデバイス log : /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 # -L オプションで指定するもの data: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 # -D オプションで指定するもの data: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume4 # -D オプションで指定するもの logsz: 10 # -g オプションで指定するもの free: 10 # -f オプションで指定するもの node: host1 host2 # -H オプションで指定するもの mdsnode: all # -S オプションで指定するもの # sfcnewfs -v -C paramfile


◆終了ステータス

0    GFS 共用ファイルシステムが正しく作成できました。

1    sfcnewfs の実行中に異常を検出しました。

10    sfcnewfs の指定されたオプションに問題を検出しました。

上記以外 mkfs_sfcfs の実行中異常を検出しました。

◆関連項目

fsck_sfcfs(1M), mkfs_sfcfs(1M), sfcadd(1M), sfcnode(1M), sfcsetup(1M), sfctune(1M).

◆注意事項


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