PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム> 第22章 ファイルシステムの操作(コマンド編)> 22.2 ファイルシステム作成からmount/umountまでの流れ

22.2.2 ファイルシステム作成

 GFS 共用ファイルシステムは、sfcnewfs(1M) により作成します。

 sfcnewfs(1M) コマンドの詳細については、本書の“付録F.2.14 sfcnewfs(1M)”を参照してください。
 sfcnewfs(1M) コマンドは、ファイルデータ領域用語説明の大きさに対して、代表パーティション用語説明に十分な大きさ(通常は約 10%)のメタデータ領域用語説明が確保できない場合、以下のメッセージを出力して終了し、ファイルシステムを作成できません。

mkfs_sfcfs: ERROR: Master partition is small, meta area not enough


 こうした場合には、指定するデータパーティション用語説明の数を減らしてファイルシステムを作成後、sfcadd(1M) コマンドによりメタパーティション用語説明とデータパーティションの追加を行ってください。

 パーティション用語説明追加の詳細については、本書の“22.5 変更(パーティション追加)”を、sfcadd(1M) コマンドの詳細については、本書の“付録F.2.1 sfcadd(1M)”を参照してください。

22.2.2.1 sfcnewfs(1M) で使用するデフォルトのパラメタ

 以下にsfcnewfs(1M) で使用するデフォルトのパラメタを示します。

[表 sfcnewfs(1M) で使用するデフォルトのパラメタ]

パラメタ

デフォルト値

データブロックサイ

8192 バイト固定

最小空き領

(-f free)

10%

最適化のタイ

(-o space|time)

time(時間)

iノード用語説明

(-i nbpi)

8192 バイトのディスク領域に 1 個

アップデートログ領域用語説明サイ

(-g logsize)

ファイルシステムサイズの 1 %

ただし、5 メガバイト以上、50 メガバイト以下に設定

メタデータ領域サイ

(-a metasz)

ファイルシステムサイズの 約 10%

最大構成パーティション

(-l maxvol)

16

MDS用語説明 を配置するノード数

(-S all|num)

2

 ファイルシステムを構築する場合は、すべてのノード用語説明MDS用語説明 が動作可能なファイルシステム構成を推奨します。

22.2.2.2 代表的なファイルシステム作成例

 GFS 共用ファイルシステムの代表的なファイルシステムの作成例を示します。


# sfcnewfs -H mikan,karin,mango -S all /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 単一パーティション構成]


# sfcnewfs -H mikan,karin,mango -S all -L /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 ログパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 アップデートログ領域の分離]


# sfcnewfs -H mikan,karin,mango -S all -D /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2,/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 データパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2, /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 複数データパーティション構成]


# sfcnewfs -H mikan,karin,mango -L /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 -S all -D /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3,/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume4 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 ログパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 データパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3, /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume4 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 アップデートログ領域の分離かつ複数データパーティション構成]


# sfcnewfs -A -H mikan,karin,mango -S all -D /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2,/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 データパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2, /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 ファイルデータ領域の分離]


# sfcnewfs -A -H mikan,karin,mango -L /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 -S all -D /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3, /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume4 /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 ログパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 データパーティション: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3, /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume4 共有するホスト  : mikan,karin,mango プライマリMDS : mikan セカンダリMDS : karin MDS配置可能ホスト: mikan,karin,mango


[図 ファイルデータ領域の分離かつアップデートログ領域の分離構成]

 MDS が起動後にメタデータ領域用語説明の初期化処理を行うため、ファイルシステムアクセス性能に影響があります。sfcnewfs(1M) コマンドの -c オプションを指定して、コマンドでメタデータ領域の初期化処理を行えば、ファイルシステムのアクセス性能に影響はありません。

22.2.2.3 GFS共用ファイルシステムのカスタマイズ

 GFS 共用ファイルシステムを作成する sfcnewfs(1M) では、ファイルシステムをカスタマイズするパラメタを用意しています。以下に、代表的なパラメタについて説明します。

アップデートログ領域サイズ (-g logsz)
 アップデートログ領用語説明のサイズを指定します。指定できる値は、最小値が 5 メガバイトで最大値が 100 メガバイトです。省略時は、ファイルシステムサイズの 1% をアップデートログ領域サイズとします。ただし、ファイルシステムサイズの 1% の値が 5 メガバイト未満の場合は 5 メガバイトに、50 メガバイトを超える場合は 50 メガバイトに設定します。
メタデータ領域サイズ (-a metasz)
 代表パーティション内のメタデータ領用語説明サイズを指定します。省略した場合は、ファイルシステムサイズの約 10% になります。最大ファイルデータ領用語説明サイズを指定した場合は、最大ファイルデータ領域サイズの値の約 10% になります。
最大ファイルデータ領域サイ (-d maxdsz)
 GFS 共用ファイルシステムにデータパーティショ用語説明を追加して拡張する場合の、ファイルデータ領域の合計の最大値を指定します。ここで指定したサイズを超えてデータパーティションを追加する場合は、メタパーティション用語説明の追加が必要となります。 データパーティション、メタパーティションの追加は、sfcadd(1M) により可能です。指定できる値の最大値は、32 テラバイトです。
最大構成パーティション (-l maxvol)
 GFS 共用ファイルシステムを構成するパーティショ用語説明を、追加する場合の最大構成パーティション数を指定します。GFS 共用ファイルシステムを構成するパーティションには、代表パーティション、アップデートログパーティショ用語説明、データパーティションがあり、それらすべての合計となります。省略時の値は、 16 となります。指定できる値の最小値は 1 で最大値が 32 です。

22.2.2.4 quota機能の有効

 quota機能用語説明の有効化は、ファイルシステム作成直後にも実行できます。この場合は、ファイルが存在しない状態の最初のファイルシステムマウント時に quota 情報の整合処理が行われるので非常に短時間で quota 情報の整合性処理が完了する利点があります。

 quota 機能の有効化の詳細については、本書の“22.3.2 quota機能の有効化”を参照してください。

 quota 機能の有効化を行う場合にはメタデータ領域の初期化が必要であるため、sfcnewfs(1M) に -c オプションを指定してファイルシステムを作成してください。

22.2.2.5 MDS運用情設定

 可用性向上のため、MDS用語説明 運用情報を指定する場合の GFS 共用ファイルシステムの代表的なファイルシステムの作成例を示します。


# sfcnewfs -H mikan,karin,mango,akebi /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 共有するホスト   : mikan,karin,mango,akebi プライマリMDS  : mikan セカンダリMDS  : karin



# sfcnewfs -S all -H mikan,karin,mango,akebi /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 共有するホスト   : mikan,karin,mango,akebi プライマリMDS  : mikan セカンダリMDS  : karin MDS配置可能ホスト : mikan,karin,mango,akebi



# sfcnewfs -S 3 -H mikan,karin,mango,akebi /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

代表パーティション (メタデータ、ログ、データ): /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 共有するホスト   : mikan,karin,mango,akebi プライマリMDS  : mikan セカンダリMDS  : karin MDS配置可能ホスト : mikan,karin,mango



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