PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第2部 導入編> 第6章 クラスタアプリケーションの構築> 6.6 クラスタアプリケーションの設定> 6.6.1 リソースの設定

6.6.1.1 Cmdlineリソースの作成

Cmdlineを作成する方法について説明します。

[Cmdlineリソース作成の流れ]

■リソースの作成を起動する

"userApplication Configuration Wizard"のトップメニューで、<Resourceの作成>を選択します。

[userApplication Configuration Wizardトップメニュー]

<次へ>をクリックし、"Resourceの作成"画面へ進みます。

■Resourceタイプを選択する

作成したいResourceタイを選択します。

[Resourceの作成]

Resource タイプ
作成するリソースの種類を以下から選択します。
Resource名
作成するリソースの名前を指定します。入力文字列には、英大文字で始まり、英数字、"_"(アンダーライン)だけからなる文字列を18文字以内で指定してください。また、この名前には、Configuration名と同じ名前("config")を使用しないでください。

設定終了後<次へ>をクリックし、"SysNodeの選択"画面へ進みます。

■SysNodeを選択する

リソースを設定するSysNodeを選択します。SysNodeとは、RMSで使用するCIPに対応するノードのことです。

[SysNodeの選択]

利用可能なSysNode
クラスタを構成するSysNodeのうち、Web-Based Admin Viewを使用してアクセスが可能なSysNode名が表示されます。
選択されたSysNode
リソースを設定するSysNode名が表示されます。この情報は、各リソースで使用するインタフェースなどのフィルタリング情報として使用されます。

[利用可能なSysNode]からリソースを設定するSysNodeを選択し、<追加>をクリックします。全てを追加したい場合は、<全て追加>をクリックしてください。

リソースを設定するSysNodeを削除する場合には、[選択されたSysNode]から削除するSysNodeを選択し、<削除>をクリックします。全て削除する場合には、<全て削除>をクリックしてください。

設定終了後<次へ>をクリックし、各リソースの設定へ進みます。

■Cmdline作成方法を選択する

Cmdlineリソースは、汎用的なリソースです。監視対象となる利用者アプリケーション(プログラム)を起動/停止/監視するために3つのスクリプトを定義することで、目的に応じたリソースを作成できます。
それぞれのスクリプトは、RMSにおける以下の処理に対応しています。

Startスクリプ

Online処理で起動されます。
利用者プログラムを起動するためのスクリプトです。

Stopスクリプ

Offline処理で起動されます。
利用者プログラムを停止するためのスクリプトです。

Checkスクリプ

定期的に起動されます。
利用者プログラムの状態を報告するためのスクリプトです。

ここでは、スクリプトファイルやコマンドをリソースとして設定する方法を選択します。

[Cmdlineの作成]

作成方法
作成方法を以下から選択します。

設定後、<次へ>をクリックします。選択した項目によってそれぞれ以下へ進みます。

「新規作成」:"スクリプトファイルの新規作成"
「パス入力」:"パス入力による作成"

◆スクリプトファイの新規作成

スクリプトを作成する際には、スクリプトの終了値/タイムアウト値/環境変数について注意して作成してください。詳細については、"Online/Offlineスクリプトの設定""スクリプト作成時の注意事項"を参照してください。
また、スクリプトのサンプルは、"Online/Offlineスクリプトの設定""サンプルスクリプト"を参照してください。

Cmdline作成方法で新規作成を選択すると、スクリプトの作成画面が表示されます。

●Startスクリプトの作

スクリプトを編集エリアに直接入力することができます。

テキストのコピー/切取り/貼付け操作は、編集エリア内でのみ有効です。

[Startスクリプトの作成]

格納ファイル名
保存するファイル名を設定します。
ファイル名と引数には、円記号("\")、チルダ("~")、パーセンテージ("%")、アンパサンド("&")、アットマーク("@")を使用してはいけません。
Cmdline作成途中に画面を終了/中断した場合でも、スクリプトファイルは保存されているため、Cmdlineリソースの再作成時にスクリプトを再利用できます。
スクリプトの種類によって、以下のディレクトリ内に保存されます。

引数を指定する場合は、"空白"で区切ります。本画面で作成することができるスクリプトは、デフォルトでBourneシェルであるため、編集エリアの先頭には以下の文字列が表示されます。
#!/bin/sh
編集
スクリプトを編集するときの簡易メニューが表示されます。以下に編集操作を示します。

項目

操作

カーソルの移動

マウスポインタを置き、マウスポインタをシングルクリック、またはキーボードの矢印キーを上下左右に操作することでカーソルを任意の場所に移動できます。

テキストの挿入

カーソルの位置に文字を入力することがきます。

テキストの削除

  • 1文字の削除
    • <Delete>キーでカーソル位置の文字を削除
    • <Backspace>キーでカーソル位置の1つ前の文字を削除
  • 1文字以上の文字列は、文字列選択後に以下の操作を行います。
    • <Delete>キー
    • <Backspace>キー
    • メニューバーの[編集]−[削除]

テキストの切取り

編集エリア内の1文字以上の文字列を選択し、[編集]−[切り取り]を選択します。

テキストのコピー

編集エリア内の1文字以上の文字列を選択し、[編集]−[コピー]を選択します。

テキストの貼付け

編集エリア内であらかじめ切取り、またはコピー、をしておいた文字列を貼り付ける位置にカーソルを位置付け、[編集]−[ペースト]を選択します。

Cmdlineの作成途中で処理を中止、または、Cmdlineリソースを削除、または、GUIパッケージ(FJSVwvucw)を削除しても、このスクリプトファイルは削除されません。それらを削除したい場合は、/opt/FJSVwvucw/scripts/startディレクトリを削除してください。たとえば、rm(1)コマンドを使用して、以下のようにして削除します。

ディレクトリを削除する場合は、/opt/FJSVwvucw/scripts/start 、または/opt/FJSVwvucwを指定してください。

なお、Stopスクリプト、Checkスクリプトを削除する場合は、上記のディレクトリの"start"の部分を、それぞれ"stop"と"check"に置き換えてください。

設定終了後<次へ>をクリックし、"Stopスクリプトの作成"へ進みます。

●Stopスクリプトの作

Startスクリプトと同様の手順で、Stopスクリプトを作成します。

[Stopスクリプトの作成]

設定終了後<次へ>をクリックし、"Checkスクリプトの作成"へ進みます。

Stopスクリプトは省略可能です。設定を省略する場合は、何も設定せず、<次へ>をクリックしてください。

●Checkスクリプトの作

Startスクリプトと同様の手順で、Checkスクリプトを作成します。

[Checkスクリプトの作成]

<Flag>ボタン
必要に応じてスクリプトの属性を設定します。
作成したスクリプトの属性を設定するダイアログを表示します。後述の"CmdlineのFlag設定方法"を参照してください。

"CmdlineのFlag設定"画面で"NULLDITECTOR"を"Yes"にした場合は、Checkスクリプトを設定する必要はありません。この場合は、RMSからCheckスクリプトが起動されないため、Checkスクリプトをリソースの情報として設定しません。

パス入力による作成

すでにスクリプトが存在する場合は、パスを入力して設定することができます。

ファイルパスと引数には、円記号("\")、チルダ("~")、パーセンテージ("%")、アンパサンド("&")、アットマーク("@")を使用してはいけません。

[Cmdlineの設定]

Startスクリプト
Startスクリプトのパスを入力します。引数を指定する場合は、"空白"で区切ります。
Startスクリプトは、必ず必要なスクリプトです。スクリプトは、フルパスで入力する必要があります。
Stopスクリプト
Stopスクリプトのパスを入力します。引数を指定する場合は、"空白"で区切ります。
Stopスクリプトは、必須の情報ではありません。スクリプトは、フルパスで入力する必要があります。
Checkスクリプト
Checkスクリプトのパスを入力します。引数を指定する場合は、"空白"で区切ります。スクリプトは、フルパスで入力する必要があります。
Checkスクリプトは、必ず必要なスクリプトですが、"CmdlineのFlag設定"画面でNULLDITECTORを"Yes"にした場合は、設定する必要はありません。設定を行っても、RMSからCheckスクリプトが起動されないため、リソースの登録時にその情報を削除します。
<Flag>ボタン
スクリプトの属性を設定します。後述の"CmdlineのFlag設定方法"を参照してください。

●CmdlineのFlag設定方法

Cmdlineリソースに定義したスクリプトの制御方法はFlagの値を変更することで調整することができます。

[CmdlineのFlag設定]

設定終了後<確認>をクリックし、"Cmdlineの設定"画面へ戻ります。

Flag

概要

NULLDETECTOR

"Yes"に設定すると、指定したCheckスクリプトは無効になります。代わりに、RMSはOnline処理ではOnline、Offline処理ではOfflineであると仮定します。RMSが再開するときには、このリソースはOfflineとなります。 OnlineやOffline処理に連動して起動または停止するプログラムをリソースとして登録する場合に設定します。
また、他の Flag の値は全て"No"に設定されます。
デフォルト値は"No"です。

ALLEXITCODES

"No"に設定すると、Checkスクリプトの終了コードは以下のように解釈されます。

0  : Online
0以外: Offline

"Yes"に設定すると、Checkスクリプトの終了コードの値により、以下のように解釈されます。

0 : online
1 : offline
2 : faulted
3 : unknown
4 : standby
5 : onlinewarning
6 : offlinefaulted

デフォルト値は"No"です。

LIEOFFLINE

"Yes"に設定すると、Stopスクリプトが指定されていない場合にリソースはOfflineであると報告されます。Stopスクリプトが指定されている場合は、このスクリプトの失敗はfault処理のきっかけになります。
デフォルト値は"No"です。

CLUSTEREXCLUSIVE

"Yes"に設定すると、クラスタ内で1度に1つのノード上だけでリソースがOnline になります。
Checkスクリプトの問題などにより2つ以上のノードで同時にOnlineとなるような場合、このリソースが属するuserApplicationの状態が、「Inconsistent」となります。
デフォルト値は"No"です。

AUTORECOVER

"Yes"に設定すると、RMSはuserApplicationが別のホストに切替えられるのを防ぐためにfaultedになったリソースを回復しようと試みます。
この試みは1度だけ行われます。
デフォルト値は"No"です。

MONITORONLY

リソースがfaultedとなった場合にuserApplicationをfaultedにするかどうかを制御します。"Yes"に設定すると、リソースがfaultedになった場合でも、それをトリガにuserApplicationはfaultedにはなりません。
GUIから作成できるCmdlineでは、この値を"Yes"に設定することが許されていません。この値を"Yes"に設定するとRMSが起動しなくなるため、本フラグは、"No"のまま使用してください。
デフォルト値は"No"です。

STANDBYCAPABLE

"Yes"に設定すると、RMSはこのリソースのためにStandbyCapable属性を1に設定します。
属性に関する詳しい情報については"PRIMECLUSTER RMS導入運用手引書"の"9 付録−属性"を参照してください。
デフォルト値は"No"です。

REALTIME

"No"に設定すると、CheckスクリプトがTSクラスで開始されます。
"Yes"に設定すると、Checkスクリプトは、RTクラスで開始されます。
RTクラスで開始されたプロセスは、OSで最高の優先度が割り当てられるため、スクリプトやコマンドのバグが、システムの性能に大きな影響を与えるかもしれないことに注意してください。
デフォルト値は"No"です。

TIMEOUT

プログラムの開始と停止のためのタイムアウト時間(秒)を設定します。
デフォルト値は"300"です。

■Cmdlineの登録情報を確認する

今までに設定されたスクリプトの一覧を確認することができます。また、[Attributes]タブを選択して、画面を切替えることで、リソースの属性を設定することもできます。

リソースの属性については"属性の説明"を参照してください。

[登録情報の確認]

「Flag」カラム内で表示される属性は、各Resourceの属性のうち、値の設定されているもののみ表示されます。たとえば、「Yes or No」を設定するような、AUTORECOVER属性に、"No"を設定した場合、AUTORECOVERは属性を設定していないことになり、「Flag」カラム内に表示されません。

<SubApplication>ボタン
作成したCmdline リソース配下に、作成済の他のCmdline リソースやプロセス監視リソースの関連付けを行います。後述の"Resourceの関連付け"を参照してください。

登録情報の内容確認後、<登録>をクリックします。

◆Resourceの関連付

同一のResource タイプ内で、起動優先度をつけたい場合に使用します。
起動優先度をつけることで、リソースをOnlineまたはOfflineにする順序を明確にすることができます。

Online処理の場合は、起動優先度の高いリソースがOnlineになった後で、起動優先度の低いリソースがOnlineになります。

逆にOffline処理の場合は、起動優先度の低いリソースがOfflineになった後で、起動優先度の高いリソースがOfflineになります。

また、起動優先度をつけない場合や同じ優先度の場合の順序は不定です。

[Resourceの関連付け]

利用可能なResource
同一Resourceタイプの関連付けを行うリソース。
ただし、以下の条件を満たす場合のみです。
注意:Cmdlineおよびプロセス監視リソースは、同一タイプとして判断されます。
選択されたResource
現在作成中のResourceの配下に設定するResource。

[利用可能なResource]からリソース配下に設定するリソースを選択し、<追加>をクリックします。また、全てを追加したい場合は、<全て追加>をクリックしてください。リソース配下に設定するリソースを削除する場合には、[選択されたResource]から削除するリソースを選択し、<削除>をクリックします。全て削除する場合には、<全て削除>をクリックしてください。

設定終了後、<確認>をクリックし、"登録情報の確認"画面へ戻ります。

以下の構成は、同一種別のリソースに起動優先度を設定した場合の構成です。

この構成を構築する場合は、以下の手順でリソースを構築します。

  1. Cmdline3を作成する。
  2. Cmdline2を作成し、Cmdline3をsubApplicationとして設定する。
  3. Cmdline1を作成し、Cmdline2をsubApplicationとして設定する。
  4. userApplicationを作成し、Cmdline1をsubApplicationとして設定する。

以下の構成を構築する際の手順を以下に示します。

  1. Cmdline3を作成する。
  2. Cmdline2を作成する。
  3. Cmdline1を作成し、Cmdline2 とCmdline3をsubApplicationとして設定する。
  4. userApplicationを作成し、Cmdline1をsubApplicationとして設定する。

以下は、各リソース作成時にsubApplicationとして他のリソースを設定しなかった場合の構成です。


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