4.2.2 新規冗長構成の追加

Dynamic Reconfigurationユーザーズガイド I/Oデバイス編

第4章ネットワーク関連デバイス 4.2 増設手順

4.2.2 新規冗長構成の追加

ここでは、PCIカードを増設し、冗長化ソフトウェアを使用した冗長構成を構築する詳細手順について説明します。

システムボードの切離し
1. 既存のシステムボードにPCIカードを増設する場合
  あらかじめPCIカードを増設するシステムボードを切り離す必要があります。
  4.1.1の手順2.～4.に従ってシステムボードを切り離してください。
2. システムボードを新規に増設する場合
  1) 上位プロトコルがTCP/IPの場合
  本手順は不要です。
  
  2) 上位プロトコルがFNAまたはSNAの場合
  FNAまたはSNAを使用している環境にPCIカードを増設して使用する場合、上位製品の停止・起動が必要になるため、4.1.1の手順2.b.に従って上位製品を停止してください。
PCIカードの増設
システムボードへPCIカードを搭載し、システムボードを搭載します。本作業は、当社技術員によって行います。

システムボードの組込み

drc(1M)コマンドにより、増設したPCIカードを搭載したシステムボードを組み込みます。

# /opt/FJSVhwr/sbin/drc -connect sb01 <Return>
# /opt/FJSVhwr/sbin/drc -connect sb02 <Return>

システムボードの状態(Status)が"Configured"になったことを確認します。

# /opt/FJSVhwr/sbin/drcstat -board sb01
SB BN Status (Detail) PID Next_PID Board_Type CPU(MHz)
-- -- --------------- --- -------- ---------- --------
01 0 Configured 00 00 10 300
# /opt/FJSVhwr/sbin/drcstat -board sb02
SB BN Status (Detail) PID Next_PID Board_Type CPU(MHz)
-- -- --------------- --- -------- ---------- --------
02 0 Configured 00 00 10 300

デバイスの増設
増設したPCIカードと通信機器をケーブルで接続します。

冗長構成の構築

以下の手順によって追加したPCIカードを冗長構成にします。

インタフェースの特定

drcstat(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードを搭載しているシステムボード配下のデバイス一覧を表示し、システムボードに増設したPCIカードのインタフェース名を確認します。

# /opt/FJSVhwr/sbin/drcstat -device sb01 <Return>
01-PCI#0B "/pci@84,4000/scsi@2" 2 "glm"
01-PCI#0B "/pci@84,4000/scsi@2,1" 3 "glm"
01-ONBOARD "/pci@87,4000/ebus@1/FJSV,panel@14,280030" 1 "FJSVpanel"
01-ONBOARD "/pci@87,4000/ebus@1/FJSV,scfc@14,200000" 1 "FJSVscf2"
01-ONBOARD "/pci@87,4000/ebus@1/FJSV,se@14,400000" 1 "se"
01-ONBOARD "/pci@87,4000/network@1,1" 1 "hme"
01-PCI#3B "/pci@87,4000/SUNW,hme@2,1" 2 "hme"
# /opt/FJSVhwr/sbin/drcstat -device sb02 <Return>
02-ONBOARD "/pci@8b,4000/ebus@1/FJSV,panel@14,280030" 2 "FJSVpanel"
02-ONBOARD "/pci@8b,4000/ebus@1/FJSV,scfc@14,200000" 2 "FJSVscf2"
02-ONBOARD "/pci@8b,4000/ebus@1/FJSV,se@14,400000" 2 "se"
02-ONBOARD "/pci@8b,4000/network@1,1" 3 "hme"
02-PCI#3B "/pci@8b,4000/SUNW,hme@2,1" 4 "hme"

システムボード番号1と2のPCIスロットPCI#3BにPCIカードを増設して上記のように表示された場合、インタフェース名はhme2, hme4になります。

新規冗長構成への追加
特定したインタフェースを利用して新規に冗長構成を構築します。
冗長構成の構築方法については、各冗長化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

上位製品（サービス）の設定追加
以下の手順によって上位製品の設定を追加します。
1. 上位ドライバの設定追加
  1) 上位プロトコルがTCP/IPの場合
  /etc/hostname.interfaceファイル、/etc/inet/hostsファイル、/etc/netmasksファイルなどに、手順5.b.で増設した冗長構成デバイスのインタフェースに関する設定を追加します。
  
  2) 上位プロトコルがFNAまたはSNAの場合
  手順5.b.で増設した冗長構成デバイスのインタフェース名を使用して、Netcompo FNA-LANおよびNetcompo FNA-BASEなどに増設したインタフェースに関する設定の追加を行います。
  詳細については各上位ドライバ製品のマニュアルを参照してください。
2. 上位アプリケーションの設定追加
  上位アプリケーションの設定を追加します。
  詳細については各上位アプリケーションのマニュアルを参照してください。
上位製品（サービス）の起動
以下の手順によって上位製品を起動します。
1. 上位ドライバの活性化
  1) 上位プロトコルがTCP/IPの場合
  ifconfig(1M)コマンドを使用して、増設したインタフェースを活性化します。ifconfig(1M)コマンドに指定するオプションは、追加した設定と同じ内容にします。
  
  # ifconfig hme2 plumb <Return>
  # ifconfig hme2 hostname netmask netmask up <Return>
  
  2) 上位プロトコルがFNAまたはSNAの場合
  Netcompo FNA-LANを活性化します。
  活性化方法については、"Netcompo FNA-LAN説明書"を参照してください。
2. 上位アプリケーションの起動
  上位アプリケーションを起動します。
  起動方法は、各製品のマニュアルを参照してください。