PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker 4.1
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上へ第3章 運用
上へ3.5 トラブルシューティング

3.5.3 代表的なトラブル対処方法

以下に代表的なトラブルの内容と対処方法について説明します。

■ インベントリ異常

◆ トラブル内容

"読み込み用にオープンできません, 入出力エラー" のエラーが発生し、マウント・アンマウントが正常に実行されない。

以下にNetWorkerのメッセージの例を示します。

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デバイス:

/dev/rmt/0cbn (J) dlt7000 マウントされていません 読み込み用にオープンできません, 入出力エラー

メッセージ:

(月) 10時00分00秒 index notice: 1 クライアントのチェックが完了しました [E0285-U03A]

(月) 10時01分34秒 media warning: /dev/rmt/0cbn オープン処理中: 入出力エラー

[E0284-E0263]

(月) 10時01分34秒 /dev/rmt/0cbn 読み込み用にオープンできません, 入出力エラー [270GH]

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◆ 対処方法

テープ装置の状態を、NetWorkerが正しく認識していない可能性があります。

手動でテープ装置を操作した場合、Autochanger動作中にノードの電源断等の原因でフェイルオーバが発生した場合、Autochanger動作中に待機ノードを再起動した場合などに、上記現象が発生する可能性があります。

以下の手順で再インベントリしてください。

  1. 以下のコマンドを実行し、整合状態をリセットします。

    # nsrjb -H

  2. 以下のコマンドを実行し、再インベントリします。

    # nsrjb -I

nsrjbコマンドの詳細についてはNetWorkerのマニュアルを参照してください。

■ インデックス異常

◆ トラブル内容

"index notice: クライアント cat (不正なデータベース ヘッダ) のチェックが失敗しました" のエラーが発生し、バックアップできない。

以下にNetWorkerのメッセージの例を示します。

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デバイス:

 /dev/rmt/0cbn (J) dlt7000 cat.001 マウント完了 dlt7000 tape cat.001

メッセージ:

(月) 10時00分00秒 index notice: クライアント cat (不正なデータベース ヘッダ) のチェックが失敗しました[E0285-V02B-U036]

(月) 10時00分00秒 index notice: 1 クライアントのチェックが完了しました [E0285-U03A]

(月) 10時00分39秒 media info: dlt7000 tape cat.001 はクラッシュの前に書き込まれました

                 [E0286-2702V]

(月) 10時01分00秒 media info: 354 レコードを読み,ファイル3の後にEOFマークをしました

[E0286-27033]

(月) 10時01分05秒 /dev/rmt/0cbn マウント完了 dlt7000 tape cat.001 [E0WK]

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◆ 対処方法

NetWorkerのインデックスファイルが破壊されている可能性があります。

バックアップ中にノードの電源断等の原因でフェイルオーバが発生した場合などに、上記現象が発生する可能性があります。

以下の手順でNetWorkerのインデックスを修復してください。

  1. インデックスをチェックします。

    # nsrck

  2. インデックスを修復します。

    # nsrck -F クライアント名

nsrckコマンドの詳細についてはNetWorkerのマニュアルを参照してください。

■ 入出力エラー

◆ トラブル内容

テープ装置を共用している環境で、入出力エラーとなり、テープのマウント・アンマウントが実行できない。

◆ 対処方法

デバイスパス名が設定されていない可能性があります。

テープ装置を共用している環境で、デバイスパス名の設定をしていない場合は、clntwparamコマンドで設定後、ユーザアプリケーションを再起動してください。

■ NetWorkerサ-バ起動時のエラー

◆ トラブル内容

以下のメッセージが/var/adm/messagesに出力されて、NetWorkerサーバが起動しません。

nsrd: Can't start nsrd becausee /nsr/res(/nsr) is local, and NetWorker is configured as a cluster server. Use cluster manager to check NetWorker service status.

◆ 対処方法

NetWorkerの管理データベース(/nsr)が共用ディスクに無い場合、またはクラスタマウント情報ファイルの設定にNetWorkerの管理データベースの存在するパスが登録されていない場合に発生する現象です。

以下の2点を確認してください。

  1. /etc/opt/FJSVclntw/etc/clnwc.env(論理ノード名管理ファイル)で指定されるクラスタマウント情報ファイルに記述されているマウントパスが共用ディスクに設定されているか確認してください。詳細は、本書“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの環境設定”中の“論理ノード名の定義”を参照してください。
  2. clntwparamコマンドで設定するVirtual_Path(管理ファイル共用パス名)が、共用ディスク上に設定されているかを確認してください。詳細は、本書“clntwparam-動作環境の設定”を参照してください。

■ バックアップが行えない(論理ノードの共用ディスク資源)

◆ トラブル内容

NetWorkerサーバは起動しているが、論理ノードの共用ディスク資源のバックアップが行えない。 またはクライアントクラスタの論理ノードの共用ディスク資源が、バックアップされない。

◆ 対処方法

論理ノードが所有する共用ディスク資源の設定が、正しく行われていない場合に発生します。

以下の設定を確認してください。

  1. /etc/opt/FJSVclntw/etc/clnwc.env(論理ノード名管理ファイル)で、バックアップ対象の論理ノードの設定が含まれているか、または誤った論理ノード名が設定されていないか確認してください。設定の詳細は、本書“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの環境設定”を参照してください。
  2. バックアップ対象のディレクトリがクラスタマウント情報ファイルやRAWデバイスファイルパスで設定されているか確認してください。ここで、設定されていないパスをバックアップ対象としてセーブセットに設定した場合は、NetWorkerの仕様としてそのセーブセットのバックアップに関してはエラー出力を行わずにバックアップ処理がスキップされます。設定の詳細は、本書“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの環境設定”を参照してください。

■ バックアップが行えない(ローカルディスク資源)

◆ トラブル内容

クラスタに属するノードのローカルディスク資源のバックアップが行えない。

◆ 対処方法

/etc/opt/FJSVclntw/etc/clnwc.env(論理ノード名管理ファイル)で指定されているクラスタマウント情報ファイル内の記述に「/」等のローカルディスクのマウントパスが設定されているかを確認してください。設定の詳細は、本書“PRIMECLUSTER Wizard for NetWorkerの環境設定”を参照してください。


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