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Interstage List Works for 大規模 V11.0.0 設計・運用ガイド

17.1.2 List Worksクライアントでの履歴管理

オーバレイは、履歴管理の設定をすることにより自動的に管理されます。リスト管理サーバの帳票をList Worksクライアント(マイ コンピュータ)に複写したときに、対応する世代のオーバレイがList Worksクライアントにない場合に、古いオーバレイを退避して、同時にオーバレイをリスト管理サーバから複写します。

オーバレイを自動的に履歴管理するための設定

List Worksクライアントの環境設定時に、リストナビの【オプション】ダイアログボックスでオーバレイの履歴管理を行う指示とオーバレイの格納場所を指定します。

また、帳票を複写するときにオーバレイも複写する指示を指定します。以下の指定があります。

参照

List Worksクライアントの環境設定については、“セットアップガイド”を参照してください。
【オプション】ダイアログボックスについては、“ダイアログボックスリファレンス”を参照してください。


マイ コンピュータにおけるオーバレイのファイルと格納先のフォルダ構成

マイ コンピュータにオーバレイを取り込むと以下のファイルが作成されます。

「xxxx.240」:

基本となる解像度240dpiのドットオーバレイです。帳票を表示、印刷するときに使用されます。

「xxxx.ovl」:

ベクトルオーバレイです。帳票を表示、印刷するときに使用されます。

「xxxx.fld」:

帳票項目の情報やオーバレイ原点位置の情報が格納されているファイルです。

これらの情報を設定したときだけ作成されます。


オーバレイが登録されるたびに、作成日時が最新のもの以外を履歴に追加していきます。この履歴に追加する単位を世代といい、1つのオーバレイ名に対して、1~4096世代のオーバレイを管理することができます。

最新のオーバレイは、List Worksの環境設定で指定した格納先フォルダに格納されます。古い作成日時のオーバレイは、このフォルダ配下のサブフォルダ(履歴管理フォルダ)に、世代ごとに格納されます。

履歴管理フォルダは、「BACKUP.nnn」(nnn:世代番号、000~FFFの16進数、000は最も古い世代を示す)の名前で、自動的に作成されます。個数は1~4096世代分の範囲となります。新しくオーバレイが登録されるたびに、登録されたオーバレイと、最新の作成日時が比較され、日時の古いオーバレイが、履歴管理フォルダに移動されます。日時の新しいオーバレイは、格納先フォルダに格納されます。

オーバレイの格納先について、フォルダ構成を以下に示します。

オーバレイ格納先のフォルダ
  ├ BACKUP.000  ┐      格納先フォルダには、最新の作成日時のオーバーレイが格納されます。
  ├ BACKUP.001  │
  :       :    │
  ├ BACKUP.nnn  ├ 履歴管理フォルダ:
  :       :    │   000を一番古い世代として、履歴に登録した順に
  └ BACKUP.FFF  ┘   各世代のオーバレイが格納されます。

マイ コンピュータにおけるオーバレイの履歴管理の例

オーバレイの履歴管理を行って、リスト管理サーバからList Worksクライアント(マイ コンピュータ)に、定期的に帳票を複写する運用の例を以下に示します。

例)リスト管理サーバに格納されている毎月の売上げデータを、マイ コンピュータに定期的に複写します。処理の順番は、以下の順とします。

  1. 初回の複写(2月度売上げの帳票)

  2. 帳票項目の設定(2月度売上げの帳票に、帳票項目を設定)

  3. 第2回目の複写(4月度売上げの帳票)

  4. 第3回目の複写(3月度売上げの帳票)


複写する帳票のデータ

印刷データ

オーバレイ

帳票項目の情報を格納したファイル

ファイル名

概要

ファイル名

作成日時

有/無

ファイル名

URIDATA2.xxx

2月度売上げ

UOVL.240

2007.03.31 08:30

URIDATA3.xxx

3月度売上げ

URIDATA4.xxx

4月度売上げ

2008.03.31 09:00

UOVL.fld


印刷データとオーバレイの格納先

印刷データ D:\DATA

オーバレイ D:\OVL

  1. 初回の複写

    「2月度売上げ」の帳票を複写します。

    D:\
    ├┬ DATA
    │└─ URIDATA2.xxx
    ├┬ OVL
    │└─ UOVL.240          …「URIDATA2.xxx」用のオーバレイ

    格納先フォルダに、オーバレイファイルが複写されます。


  2. 帳票項目の設定

    「2月度売上げ」の帳票に、帳票項目を設定します。

    D:\
    ├┬ DATA
    │└─ URIDATA2.xxx
    ├┬ OVL
    │├─ UOVL.240          …「URIDATA2.xxx」用のオーバレイ
    │└─ UOVL.fld

    帳票項目を設定したので、帳票項目の情報を格納したファイルが作成されます。


  3. 第2回目の複写

    「4月度売上げ」の帳票を複写します。

    D:\
    ├┬ DATA
    │├─ URIDATA2.xxx
    │└─ URIDATA4.xxx
    ├┬ OVL
    │├─ UOVL.240          …「URIDATA4.xxx」用のオーバレイ
    │├─ UOVL.fld
    │└┬ BACKUP.000
    │  ├─ UOVL.240        …「URIDATA2.xxx」用のオーバレイ
    │  └─ UOVL.fld

    年度が変わると、新しいオーバレイがマイ コンピュータに複写されます。なお、帳票項目の設定もされているため、帳票項目の情報を格納したファイルも複写されます。

    「URIDATA4.xxx」のオーバレイと「URIDATA2.xxx」のオーバレイでは、「URIDATA2.xxx」の方が、作成日付が古いので履歴管理フォルダに移動されます。

    代わりに「URIDATA4.xxx」のオーバレイが、格納先フォルダに格納されます。


  4. 第3回目の複写

    「3月度売上げ」の帳票を複写します。

    D:\
    ├┬ DATA
    │├─ URIDATA2.xxx
    │├─ URIDATA3.xxx
    │└─ URIDATA4.xxx
    ├┬ OVL
    │├─ UOVL.240          …「URIDATA4.xxx」用のオーバレイ
    │├─ UOVL.fld
    │└┬ BACKUP.000
    │  ├─ UOVL.240        …「URIDATA2.xxx」、「URIDATA3.xxx」用のオーバレイ
    │  └─ UOVL.fld

    「URIDATA3.xxx」のオーバレイは、「URIDATA2.xxx」のオーバレイと同じであり、すでに格納先フォルダに存在するので、オーバレイは複写されません。