CAポートのペア化やフェイルオーバーによって、CAポートのポートパラメーターの値およびLink状態が推移します。Link状態がLinkupの装置に対して、管理対象サーバからアクセスが可能です。
FC接続環境の場合は、CAポートのペア化によってWWPN/WWNNの値が推移します。
iSCSI接続環境の場合は、CAポートをペア化したあとに手動でSecondaryストレージのiSCSI CAポートのパラメーターをPrimaryストレージと同じ設定にしておくことで、Link状態が制御されます。
CAポートのペア化やフェイルオーバー/フェイルバックの動作時の、それぞれのCAポートのLink状態の遷移を「表9.6 CAポートのLink状態の遷移(FC接続環境の場合)」および「表9.7 CAポートのLink状態の遷移(iSCSI接続環境の場合)」に示します。
Primaryストレージ | タイミング | Secondaryストレージ | Secondaryストレージ | |||
---|---|---|---|---|---|---|
WWPN/WWNN | Link状態 | Link状態 | WWPN/WWNN | Link状態 | WWPN/WWNN | |
Primaryストレージ側の | Linkup | CAポートのペア化前 | Linkup | Secondaryストレージ側の | Linkup | Secondaryストレージ側の |
CAポートのペア化後 | REC開始時にLinkdown 等価完了後にLinkup | Linkdown | Primaryストレージ側の | |||
Linkdown | Primaryストレージが停止 | Linkup | ||||
フェイルオーバー実施中 | ||||||
フェイルオーバー完了後 | Linkup | |||||
Primaryストレージ復旧 | ||||||
フェイルバック起動 | ||||||
フェイルバック実施中 | Linkdown | |||||
Linkup | フェイルバック完了後 | |||||
Storage Cluster解体 | Linkup | Secondaryストレージ側の |
注: SecondaryストレージのCAポートのWWPN/WWNNを元に戻す場合
Primaryストレージ | タイミング | Secondaryストレージ | ||
---|---|---|---|---|
iSCSI情報 | Link状態 | Link状態 | iSCSI情報 | |
Primaryストレージ側の | Linkup | CAポートのペア化前 | Linkup | Secondaryストレージ側の |
CAポートのペア化後 | Linkdown | |||
Secondary側のiSCSI CAポートのパラメーター設定 | Primaryストレージ側の | |||
Linkdown | Primaryストレージが停止 | |||
フェイルオーバー実施中 | ||||
フェイルオーバー完了後 | Linkup | |||
Primaryストレージ復旧 | ||||
フェイルバック起動 | ||||
フェイルバック実施中 | Linkdown | |||
Linkup | フェイルバック完了後 | |||
Secondary側のiSCSI CAポートのパラメーター設定 | Secondaryストレージ側の |
注: iSCSI接続環境でのActive-Active構成は未サポートです。
Storage Cluster環境解体時におけるSecondaryストレージのCAポートのWWPN/WWNNについて
装置交換が必要な故障が発生してストレージ装置を入れ替えるような場合は、一旦、TFOグループを削除してStorage Clusterの環境を解体します。
FC接続環境、かつActive-Standby構成で運用している場合は、TFOグループを削除するときに、SecondaryストレージのCAポートのWWPN/WWNNの扱いについて以下のどちらかを選択できます。
SecondaryストレージのCAポートを本来のWWPN/WWNNに戻す
SecondaryストレージのCAポートを本来のWWPN/WWNNに戻さずに、論理WWPN/WWNNを継続して利用
手順aを選択した場合は、PrimaryストレージのCAポートのWWPN/WWNNとは競合しません。
手順bを選択した場合は、管理対象サーバからSecondaryストレージへのアクセスが可能なまま、Primaryストレージとして運用していた装置を交換できます。
注意
FC接続環境、かつActive-Standby構成で運用している場合
PrimaryストレージのCAポートとSecondaryストレージのCAポートの両方がActiveになると、WWPN/WWNNが競合してデータ破壊などが発生する可能性があります。このため、手順bを選択する場合は、以下のことを遵守してください。
PrimaryストレージのCAポートがSANから物理的に切断されていることを確認してから、TFOグループを削除する
Primary TFOグループを削除したETERNUS ディスクアレイをSANに接続しない
iSCSI接続環境の場合
iSCSIネームおよびiSCSI IPアドレスは設定した値のままとなります。このため、以下のことを遵守してください。
iSCSI IPアドレスが同一SAN内で重複していないか確認し、iSCSI IPアドレスが同一SAN内で重複している場合は、iSCSI IPアドレスを変更したあと、TFOグループを削除する
Standby側のストレージがSANから物理的に切断されていることを確認してから、TFOグループを削除する