Storage Cluster機能の利用に必要な基本システム構成例は、「図9.1 Storage Cluster機能: システム構成例」のとおりです。PrimaryストレージのボリュームとSecondaryストレージのボリュームの間は、RECパスを使用して同期モードでデータが転送されます。
図9.1 Storage Cluster機能: システム構成例
Storage Clusterを構成するPrimary/Secondaryストレージは、相手のストレージ装置の生存確認にRECパスを利用します。RECパスが断線した場合、相手のストレージ装置の生存を確認できないため、Primary/Secondaryストレージがともに動作中にもかかわらず誤判断によってフェイルオーバーが行われる可能性があります。この誤判断を防ぐには、Primary/Secondaryストレージの両装置の監視を行うサーバを設置します。Storage Cluster機能では、このサーバを“Storage Clusterコントローラー”と呼びます。
ポイント
Primaryストレージの異常を検知したときにSecondaryストレージへ自動的にフェイルオーバーする運用を行うには、「図9.1 Storage Cluster機能: システム構成例」のようにStorage Clusterコントローラーを設置し、Storage ClusterコントローラーとPrimary/Secondaryストレージを管理LANで接続する必要があります。
Storage Cluster機能に関する設定は、運用管理サーバで行います。運用管理サーバとPrimary/Secondaryストレージは管理LANで接続してください。Storage Clusterコントローラーを設置した場合は、運用管理サーバとStorage Clusterコントローラーも管理LANで接続してください。
参照
Storage Clusterコントローラーの役割は、「9.1.9 Storage Clusterコントローラーによる生存確認とフェイルオーバーの実行契機」を参照してください。
RECパス
RECパスは、Storage Cluster機能がPrimaryストレージのボリュームとSecondaryストレージのボリュームの間でデータを転送する経路です。
ETERNUS ディスクアレイは、Storage Cluster機能で使用するコピーセッションとアドバンスト・コピーのセッションを別に管理しています。ETERNUS ディスクアレイが自動的にStorage Cluster機能で使用するコピーセッションを制御するため、本製品でのコピーセッションおよびコピーグループの設定は不要です。
ポイント
RECパスのテンポラリ故障(通信途絶)が発生した場合は、RECパスが復旧すると差分コピーが行われて、自動的にデータが等価状態に戻ります。RECパスが復旧するまでの間はフェイルオーバーされないので、RECパスの二重化を推奨します。
スプリットモード
Storage Cluster機能では、RECパスが切断された際のPrimaryストレージのボリュームに対する動作モードを指定できます。この動作モードを“スプリットモード”と呼びます。
スプリットモードには、以下のどちらかを指定できます。
スプリットモード | 説明 |
---|---|
Read/Write | 業務の継続を優先し、Primaryストレージのボリュームに対して、データの書込みを継続します。この場合、Primaryストレージのボリュームだけにデータを書き込むので、Secondaryストレージのデータと等価でない状態になります。 |
Read | データの等価状態の維持を優先し、Primaryストレージのボリュームに対して、データの書込みを禁止します。 |