論理あて先と論理デバイスについて説明します。
List Managerでは、帳票の配信先として実際のデバイス(プリンタなど)ではなく、仮想的な出力先を指定し、仮想的な出力先に定義されているデバイス情報にしたがって、実際の出力先に帳票を配信することができます。
この仮想的な出力先を「論理あて先」、仮想的な出力先に定義されているデバイス情報を「論理デバイス」といいます。
List Managerが提供する仮想的な出力先のことです。
帳票登録時、帳票の出力先としてユーザアプリケーションで指定します。
論理あて先は、運用前に、実際の出力先の情報(論理デバイス)と共に定義しておきます。
論理あて先と実際の出力装置を関連付けるための定義情報のことです。
論理デバイスには、出力先のデバイス情報を定義しておきます。
帳票は、ユーザアプリケーションで指定した論理あて先に定義されている論理デバイスの情報にしたがって、実際の出力先へ配信されます。
List Managerでは、ユーザアプリケーションと実際の出力先が分離して管理されるため、出力先の環境やデバイスなどが変更になった場合、論理あて先に定義されている論理デバイスを変更するだけで柔軟に対応できます(ユーザアプリケーションの変更は不要です)。また、出力先のプリンタやハードウェアにエラーが発生した場合でも、ユーザアプリケーションを変更せずに別のプリンタに出力することもできます。
以下に、論理あて先と論理デバイスについて示します。
論理あて先および論理デバイス情報の定義は、帳票管理サーバの環境設定コマンドで行います。
また、運用時の論理あて先に関する操作は、Webクライアントの論理あて先一覧画面、または運用コマンドで行います。
論理あて先一覧画面および帳票管理サーバの運用コマンドでは、論理あて先単位で配信の停止や再開などの操作ができます。
ポイント
List Managerでは、論理あて先ごとに帳票を管理します。
管理される帳票は、ユーザグループに定義されている論理あて先に対する権限にしたがって、操作することができます。
論理あて先に対する権限については、以下を参照してください。
⇒“1.5.4.3 ユーザグループの権限”
論理あて先には、運用形態に合わせて以下のタイプがあります。
論理あて先のタイプは、論理あて先の定義時に指定します。
論理あて先の定義は、帳票管理サーバの環境設定コマンドで行います。詳細については、オンラインマニュアル“帳票印刷配信機能 セットアップガイド”を参照してください。
運用形態については、以下を参照してください。
⇒“第3章 運用形態”
以下に、論理あて先のタイプについて示します。
●帳票配信用の論理あて先
帳票配信型で帳票を出力する場合に指定します。
出力方法は、印刷、電子保存(Interstage List Manager互換のための機能)、PDFファイル保存をサポートしています。
プリンタ故障によって異常が発生した場合などに、関連付けられている論理デバイスを変更することで出力先を切り替えることができます。
以下に、帳票配信用の論理あて先について示します。
1) ユーザアプリケーションを実行します。 2) ユーザアプリケーションに指定されている論理あて先に、帳票を配信・出力する情報が生成され、 List Managerに登録されます。 3) 帳票が帳票出力サーバに配信され、実際の出力先へ出力されます。
●Web手元印刷用の論理あて先
Web手元印刷型で帳票を出力する場合に指定します。
出力方法(ファイルの種類)は、PDFファイル、OWFファイルをサポートしています。
以下に、Web手元印刷用の論理あて先(PDFファイル形式の場合)について示します。
1) Webクライアント上のWebブラウザから、帳票を出力するユーザアプリケーションを実行します。 2) ユーザアプリケーションに指定されている論理あて先の定義が参照されます。 論理あて先タイプがWeb手元印刷型、ファイルの種類がPDFファイルであることが取得されます。PDFファイルが 出力先(配置先)に生成されます。 3) 帳票の出力先(配置先)URLを指定します。 4) 指定したURLに出力された帳票をWebクライアントのWebブラウザでプレビュー/印刷します。
論理あて先グループとは、複数の論理あて先をまとめてグループ化したものです。
論理あて先のタイプが帳票配信用の場合、複数の論理あて先をグループ化することができます。帳票出力時にユーザアプリケーションで論理あて先グループを指定することで、1つの帳票を複数の出力先に同時に配信したり、各種デバイスに帳票を配信したりすることができます。
論理あて先グループの定義については、オンラインマニュアル“帳票印刷配信機能 セットアップガイド”を参照してください。
以下に、論理あて先グループについて示します。
注意
Web手元印刷用の論理あて先はグループ化できません。
ホスト帳票連携機能を利用する場合は、論理あて先グループは未サポートです。論理あて先グループを指定して帳票配信・出力を行っても、帳票登録時にエラーになります。
論理あて先と論理デバイスの関連付けを結合といいます。
論理あて先と論理デバイスの結合には、以下の形態があります。
単独結合
競合結合
単独結合とは、1つの論理あて先を1つの論理デバイスに結合させる形態です。
論理あて先と実際の出力先を、1:1に関連付けます。
以下に、単独結合について示します。
競合結合とは、複数の論理あて先が1つの論理デバイスと結合する形態です。
論理あて先と実際の出力先を、複数:1に関連付けます。
競合結合している論理あて先に対して、2つのユーザアプリケーションから同時に配信指定された場合、論理あて先に定義されている優先度にしたがって配信されます。
以下に、競合結合時の配信について示します。
ポイント
優先度の指定は、帳票配信型の場合に有効になります。