機能説明
本コマンドは、サーバ性能監視のディスク使用率、およびディスク空き容量を論理ディスク単位、またはストレージプール単位にしきい値を変更し監視する場合に、論理ディスク名、ストレージプール名、および監視項目を登録します。本コマンドを実行後、ポリシーを作成し配付・適用することで、論理ディスク単位、またはストレージプール単位にしきい値監視することができます。
記述形式
mptrfbypart | { -s Solaris | Windows | Linux | AIX | HPUX } { -a|-c|-l } [ -z ] [ -f | -u ] [ -F filename | disk1 disk2 … ] |
オプション
論理ディスク単位、ストレージプール単位に監視する場合の定義を追加します。
なお、本オプションを指定した場合に、-f | -u、および-F filename | disk1 disk2 オプションが指定できます。
現在、定義されている論理ディスク単位、ストレージプール単位の監視定義をすべて削除します。
現在、定義されている論理ディスク単位、ストレージプール単位の監視定義を出力します。
Solaris ZFS環境の場合に、ストレージプール単位に監視する場合の定義を追加します。
本オプションは、必ず-a オプション、-s Solaris オプションと同時に指定してください。
以下の場合は、論理ディスク単位の定義を追加します。
-a オプションを指定して、本オプションを省略した場合。
-a オプションを指定して、-s オプションでSolaris以外を指定した場合。
追加対象となるテンプレート種別を指定します。
テンプレート種別 Solaris に対して追加します。
テンプレート種別 Windows に対して追加します。
テンプレート種別 Linux に対して追加します。
テンプレート種別 AIX に対して追加します。
テンプレート種別 HPUX に対して追加します。
ディスク空き容量の監視における論理ディスク名、ストレージプール名の定義を追加します。追加の順番は、指定した順序で追加されます。
ディスク使用率の監視における論理ディスク名、ストレージプール名の定義を追加します。追加の順番は、指定した順序で追加されます。
-f、-uを同時に指定することができます。両方指定された場合は、ディスク空き容量、ディスク使用率の順番で追加されます。-f、-uの両方を省略した場合は、-f、-uの両方指定と同じとみなします。
論理ディスク名またはストレージプール名等を定義したファイル名を指定します。指定するファイル名は255文字以内で指定してください。
なお、本オプションを指定した場合は、-fおよび-uオプションの指定は無視されます。
ファイルには、論理ディスク名またはストレージプール名、ディスク空き容量の監視有無、およびディスク使用率の監視有無の順で指定します。フィールドの区切り文字はスペースまたはタブを使用します。
監視定義の追加を行う論理ディスク名またはストレージプール名を記述します。
指定する論理ディスク名、ストレージプール名は63文字以内で指定してください。
テンプレート種別 Windowsの場合のドライブ名は、エクスプローラなどで表示されるとおり、英大文字とコロン(:)を指定してください。
同じ名前の論理ディスク、ストレージプールは登録できません。異なる名前の論理ディスク名、ストレージプール名を登録してください。なお、大文字と小文字は区別されません。
ディスク空き容量の監視を行う場合は「*」を、行わない場合は「-」を記述します。
ディスク使用率の監視を行う場合は「*」を、行わない場合は「-」を記述します。
以下にテンプレート種別 Solarisを指定した場合の定義例を示します。
#disk free usage /opt * - /var * * /etc - *
以下にテンプレート種別 Windowsを指定した場合の定義例を示します。
#disk free usage C: * - D: * *
コメント行を記述する場合、1カラム目に「#」を記述します。
論理ディスク名またはストレージプール名を指定します。
複数指定する場合は半角スペースで区切り指定します。
指定する論理ディスク名、ストレージプール名は63文字以内で指定してください。
テンプレート種別 Windowsの場合のドライブ名は、エクスプローラなどで表示されるとおり、英大文字とコロン(:)を指定してください。
復帰値
正常終了。
異常終了。
コマンド格納場所
Windows | Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\bin |
Solaris | /opt/systemwalker/bin |
実行に必要な権限/実行環境
【Windows】
Administrator権限が必要です。
運用管理サーバで実行可能です。
【Solaris/Linux】
システム管理者(スーパーユーザ)権限が必要です。
運用管理サーバで実行可能です。
注意事項
追加した監視定義は、サーバ性能監視のポリシー設定の[性能監視-ポリシー編集(サーバ性能)]画面の[しきい値の種類]の欄において、以下のように表示されます。監視を行う場合は、監視したい項目をONにし、対象ノードへポリシーを配付・適用します。
HD空き容量(論理ディスク名、またはストレージプール名)
HD使用率(論理ディスク名、またはストレージプール名)
本コマンドを-cオプションで実行した場合、ポリシーの再作成が必要です。
監視ポリシーの管理形式が通常モードの場合
Systemwalkerコンソールのメニューから、[ポリシー]-[監視]-[監視ポリシー]を選択し、[監視ポリシー[管理]]を起動します。
[監視ポリシー[管理]]画面で、削除対象となる監視項目定義を設定しているポリシーグループを選択し、[操作] - [更新]メニューをクリックして、[監視ポリシー[ポリシーグループの登録]]画面を開きます。
[監視ポリシー[ポリシーグループの登録]]画面の[設定]タブの、[性能監視] -[サーバ]で、削除対象となる監視項目定義のテンプレート種別のポリシーを、初期設定に戻し、[OK]ボタンをクリックします。
[監視ポリシー[設定内容の確認]]画面で[はい]ボタンをクリックして、[監視ポリシー[設定内容の確認]]画面を終了します。
[監視ポリシー[管理]]画面で上記で変更したポリシーグループを選択し、[操作] - [配付]メニューをクリックして、ポリシーを配付・適用します。
[監視ポリシー[管理]]画面で、削除対象となる監視項目定義のテンプレート種別のポリシーをすべて削除します。
[監視ポリシー[管理]]画面で、必要なポリシーを再作成します。
[監視ポリシー[管理]]画面で、更新対象のポリシーグループを選択し、[操作] - [更新]メニューをクリックして、[監視ポリシー[ポリシーグループの登録]]画面を開きます。
[監視ポリシー[ポリシーグループの登録]]画面の[設定]タブの、[性能監視] -[サーバ]に、(7)で作成したサーバ性能ポリシーを設定し、[OK]ボタンをクリックします。
[監視ポリシー[設定内容の確認]]画面で[はい]ボタンをクリックして、[監視ポリシー[設定内容の確認]]画面を終了します。
[監視ポリシー[管理]]画面で、更新対象のポリシーグループを選択し、[操作] - [配付]メニューをクリックして、ポリシーを配付・適用します。
ポリシーの削除および配付・適用を行っていない場合、サーバ性能の監視画面の設定内容や性能監視[ノード詳細表示(サーバ性能)]画面の性能値が正しく表示されないことがあります。
監視ポリシーの管理形式が互換モードの場合
Systemwalkerコンソールのメニューから、[ポリシー]-[ポリシーの定義]-[サーバの性能]-[設定] を選択し、[性能監視 - ポリシー設定(サーバ性能)]を起動します。
[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]画面で、削除対象となる監視項目定義のテンプレート種別のポリシーをすべて削除します。
[OK]ボタンをクリックして、[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]画面を終了します。
ポリシーを配付・適用します。
[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]画面で、[新規]ボタンをクリックして必要なポリシーを再作成します。
[配付先]ボタンをクリックして、配付するノードを設定します。
[OK]ボタンをクリックして、[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]画面を終了します。
ポリシーを配付・適用します。
ポリシーの削除および配付・適用を行っていない場合、[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]画面の設定内容や性能監視[ノード詳細表示(サーバ性能)]画面の性能値が正しく表示されないことがあります。
監視定義の追加を行った論理ディスク、ストレージプールごとに監視プロセスが動作し監視を行うため、監視対象サーバのCPUやメモリ容量に余裕が必要です。監視項目数を増やすことによって増加するCPU使用率、メモリ使用量の目安を以下に示します。
メモリ使用量
監視項目追加時の追加メモリ使用量(Mバイト)
= 2.5MB × 追加監視項目数
監視項目追加時の追加メモリ使用量(Mバイト)
= 1.2MB × 追加監視項目数
CPU使用量
CPU使用量はコンピュータのスペックや動作環境によって変動する可能性があります。
CPU使用率(%) = 0.025 × 追加監視項目数
CPU使用率(%) = 0.1 × 追加監視項目数
指定した論理ディスク、ストレージプールが存在しない場合、[ノード詳細表示(サーバ性能)]画面に以下の初期値が表示されます。
HD空き容量 : 97656MB
HD使用率 : 0.00%
本コマンドで登録された項目は、既存の項目である「HD空き容量」や「HD使用率」とは別の監視項目となります。両方とも監視する設定にしている場合は、それぞれの定義でしきい値監視されます。
使用例1
テンプレート種別 Solaris のディスク空き容量の監視定義として /opt を追加します。
mptrfbypart -a -s Solaris -f /opt
Solaris/Linuxはパーティション単位、Windowsはドライブ単位です。
使用例2
テンプレート種別 Solaris のストレージプール全体の監視定義として /rpool を追加します。
mptrfbypart -s Solaris -a -z -f /rpool
使用例3
テンプレート種別 Windows の監視定義をすべて削除します。
mptrfbypart -c -s Windows
使用例4
テンプレート種別 Solaris の監視定義を出力します。
mptrfbypart -l -s Solaris
実行結果/出力形式
監視定義の出力形式について、以下に示します。
(1) (2) (3) /opt * - /var * *
(1) 論理ディスク名、またはストレージプール名
(2) 論理ディスク単位、ストレージプール単位のディスク空き容量の監視定義が有効な場合は「*」、無効な場合は「-」
(3) 論理ディスク単位、ストレージプール単位のディスク使用率の監視定義が有効な場合は「*」、無効な場合は「-」