監視対象ノードからSNMPトラップを受信すると、アラーム音で通知し、Systemwalkerコンソール上で監視対象ノードから通知された監視イベントを表示します。
Systemwalker Centric Managerへ通知されたSNMPトラップ(SNMPv3 informリクエスト)のデータの内容を、Systemwalkerコンソールへ表示します。
SNMPトラップは監視対象ノードから通知されるものであり、監視対象ノードで発生した事象が確認できます。
同一監視対象機器のSNMPエージェントから認証できないSNMP要求を受信したことを意味するSNMPトラップ(AuthenticationFailuretrap)が通知された場合は、同じメッセージを一定期間(3600秒)抑止します。
SNMPトラップの受信が可能なサーバは運用管理サーバまたは部門管理サーバです。
監視対象となるノードのSNMPエージェントの設定で、トラップの通知先をそのノードが所属する部門フォルダの管理サーバとなっている運用管理サーバまたは部門管理サーバに設定する必要があります。
監視イベントは、監視対象ノード上のエージェント(SNMPエージェントまたは管理アプリケーション)から、何らかの事象発生を意味するSNMPトラップが通知されたことを示すものであり、必ずしもトラブルの発生を意味しているわけではありません。
監視イベントの詳細については、“Systemwalker Centric Manager メッセージ説明書”の“MpCNapplで始まるメッセージ”を参照してください。
ポイント
運用管理サーバや部門管理サーバが導入されているサーバをトラップ通知先に指定するだけでは監視ができません。
該当する部門フォルダのプロパティの[サブドメイン]タブを確認し、トラップ通知先に指定したサーバが、部門管理サーバとして設定されていることを確認してください。
監視対象ノード上のSNMPエージェントの設定
監視対象ノード上のSNMPエージェントの設定については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“SNMPエージェントのインストール”を参照してください。
受信可能なSNMPトラップのサイズ
受信可能なSNMPトラップは、PDU長が2キロバイトまでです。2キロバイトを超えるSNMPトラップは破棄します。
監視対象ノードについて
SNMPトラップの監視を行うためには、Systemwalkerコンソール上に、監視対象ノードが登録されている必要があります。
事前にノード検出、または手動で、監視対象ノードを登録してください。
運用中にSystemwalkerコンソールに監視対象ノードを追加し、追加したノードからのSNMPトラップを監視したい場合は、ポリシー配付が必要です。
ポリシー配付を行わない場合は、構成情報の自動配付後に監視対象となります。
なお、構成情報の自動配付間隔を変更する場合には、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“mpdrpint(構成情報自動配付間隔設定コマンド)”を参照してください。
ETERNUS TR seriesのInformリクエストのトラップについて
ETERNUS TR seriesは、トラップ送信の際、SNMPv3のディスカバリー要求を行い、Informリクエストのトラップだけを送信します。
そのため、ETERNUS TR seriesからのトラップを受信する場合は、以下の設定を行う必要があります。
ただし、以下の制約があります。
トラップ送信機器で可能なSNMPv3の設定(ユーザ名、セキュリティレベル、認証アルゴリズム、暗号アルゴリズム、認証パスワード、暗号化パスワードの組み合わせ)は、合計3種類までです。
SNMPエンジンIDのディスカバリー要求のPDU-TYPEがInformRequestである必要があります。
Informリクエストのトラップは、SNMPv3、かつセキュリティレベルがnoAuthNoPrivに限られます。
SNMPv3のディスカバリー要求と受信できるInformリクエストのトラップのパケットがIPv4のパケットに限られます。
設定【Windows版】
トラップを受信する運用管理サーバ、部門管理サーバで以下の設定を行ってください。
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイルを設定します。
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイル:
Systemwalker Centric Managerインストールディレクトリ\MPWALKER.DM\mpwksttr\bin\MpWkSttr.ini (注)
[EnableInformRequest] IsEnableInformReq=1
キー名 | 設定値 |
---|---|
IsEnableInformReq | 0: 無効 1: 有効 |
注)
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイルが存在しない場合は作成してください。
以下のコマンドを実行して、Systemwalker Centric Managerを停止します。
pcentricmgr.exe
以下のコマンドを実行して、Systemwalker Centric Managerを起動します。
scentricmgr.exe
設定【Linux版】
トラップを受信する運用管理サーバ、部門管理サーバで以下の設定を行ってください。
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイルを設定します。
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイル:
/etc/opt/FJSVfwnm/nwsnmp-trapd.ini
[EnableInformRequest] IsEnableInformReq=1
キー名 | 設定値 |
---|---|
IsEnableInformReq | 0: 無効 1: 有効 |
注)
ネットワーク管理のトラップデーモン定義ファイルが存在しない場合は作成してください。
以下のトラップデーモンの停止用ファイルを削除します。
/opt/FJSVfwnm/var/tmp/mpnm_chk
以下のコマンドを実行して、トラップデーモンを停止します。
/opt/FJSVfwnm/bin/mpnm-trapd stop
以下のコマンドを実行して、トラップデーモンを起動します。
/opt/FJSVfwnm/bin/mpnm-trapd start
内部通信用ポートの変更【Windows版】
SNMPトラップ監視のサービスでは、内部通信用のポートを使用しています。
通常は、servicesに登録されていないポートを49152/tcpから昇順に確認し、未登録のポートを使用します。
ポート一覧の詳細については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“ポート一覧”を参照してください。
ポート番号がすでに他のアプリケーションにより使用されている場合は、トラップデーモンのサービス(Systemwalker MpWksttr)は起動できません。該当の他のアプリケーションを停止するか、ポート番号を変更し、サービスを再起動してください。
ポート番号を変更する場合、および内部通信用のポートを固定としたい場合は、以下の手順で設定してください。
以下のservicesファイルをエディタで開きます。
Windowsのインストールディレクトリ\system32\drivers\etc\services
以下のサービス/エントリを追加します。
swttr_internal 49152/tcp #sttr inner port
システムを再起動します。
SNMPトラップの受信履歴について
監視対象ノードから受信したSNMPトラップを確認する場合には、SNMPトラップを受信した運用管理サーバ、または部門管理サーバでmptrpref(受信トラップとイベント変換の結果参照コマンド)を実行してください。
mptrpref(受信トラップとイベント変換の結果参照コマンド)の詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
SNMPトラップを受信する他製品と連携する
Systemwalker Centric Managerの運用管理サーバ、または部門管理サーバと、SNMPトラップを受信する他製品を連携させることにより、Systemwalker Centric Managerと他製品とでSNMPトラップを受信することができます。
他製品と連携させる方法については、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“インストール前の確認”を参照してください。