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ETERNUS SF XL-DATA/MV 13 使用手引書
FUJITSU Storage

3.1.1 デーモンの起動方法

XLデータムーバのデーモンの起動について説明します。

XLデータムーバのデーモン(mftfd)の起動は、スーパユーザの権限で以下のように行います。

構文

/usr/mftf/lib/mftfd  [ -t ] [ -m ] -start デバイス名

オプション

-t

終了メッセージの出力を指定するオプションです。

サーバシステム側のデータ転送処理が正常終了/警告終了した場合、終了メッセージをコンソールに出力します。

ただし、このメッセージはサーバシステム側の処理終了メッセージで、クライアントシステム側の処理終了を通知するものではありません。

省略された場合、終了メッセージの出力は行いません。

-m

エラーメッセージの出力を指定するオプションです。

サーバシステム側でエラーが発生した場合、無条件にエラーメッセージをコンソールに出力します。

省略された場合、エラーメッセージの出力は行いません。ただし、クライアントシステム側にエラー情報が通知できなかった場合、エラーメッセージをコンソールに出力します。

-start

次のパラメタで指定するデバイス名を使用する、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動します。

デバイス名

XLデータムーバで使用するデータ転送用ボリュームのデバイス名を指定します。

グローバルサーバから、KJUFMTまたはKJUAFMTでの初期化、または、UNIXサーバから、mftfdviniコマンドで初期化した論理ユニットを、論理ユニット全体が参照できるデバイス名で指定します。

  • Solaris OSサーバで、host-adaptor-id=1 target-id=2 論理ユニット=3 に対して、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動させる例を以下に示します。
    Solaris OSの場合、論理ユニット全体が参照できるパーティションはs2です。

    /usr/mftf/lib/mftfd -start /dev/rdsk/c1t2d3s2
  • HP-UXサーバで、host-adaptor-id=1 target-id=2 論理ユニット=3 に対して、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動させる例を以下に示します。

    /usr/mftf/lib/mftfd -start /dev/rdsk/c1t2d3
  • AIXサーバで、hdisk2 に対して、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動させる例を以下に示します。

    /usr/mftf/lib/mftfd -start /dev/rhdisk2
  • Linuxサーバ(RHEL8以前)で、/dev/sd2 を rawコマンド でバインドした /dev/raw/raw2 に対して、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動させる例を以下に示します。

    /usr/mftf/lib/mftfd -start /dev/raw/raw2
  • Linuxサーバ(RHEL9以降)で、/dev/sd2 を XLデータムーバ専用デバイス名にシンボリックリンクした /dev_mftf/dev2 に対して、XLデータムーバのデーモン(mftfd)を起動させる例を以下に示します。

    /usr/mftf/lib/mftfd -start /dev_mftf/dev2

注意

  • デバイス名を複数指定することはできません。
    複数のデバイスを利用する場合は、それに対応して複数のデーモンを起動してください。

  • mftfデーモンが起動されるごとに、以下のディレクトリに "lock_デバイス名"(Solaris OSの例:lock_c1t2d3s2) というロックファイルを作成します。このファイルを削除すると XLデータムーバのデーモン(mftfd)の動作は保証されません。

    • Solaris OSの場合:"/var/opt/FJSVmftf"

    • HP-UXの場合:"/var/opt/FHPmftf"

    • AIXの場合:"/var/opt/FAIXmftf"

    • Linuxの場合:"/var/opt/FJSVmftf"

  • 実際にデータ転送を開始するためには、事前に利用者登録ファイルを作成する必要があります。

  • デバイスの初期化時に、自システムおよび対象論理ユニットが、XLデータムーバのサーバシステムとして定義が不当な場合、デーモンは起動されません。

  • Linux(RHEL8以前)でデーモンを起動する場合、必ず使用するデバイス(/dev/sda 等)を rawコマンド でキャラクタデバイス(/dev/raw/raw1 等)にバインドしてください。

  • Linux(RHEL9以降)でデーモンを起動する場合、必ず使用するデバイス(/dev/sda 等)を XLデータムーバ専用デバイス名にシンボリックリンク(/dev_mftf/dev1など)してください。

参考

mftfdコマンドには、他に以下のオプションがあります。

構文
/usr/mftf/lib/mftfd  { -h | -v }
オプション
-h

mftfdの使用方法を表示する。

-v

versionを表示する。

デーモンの起動確認

デーモンが正常に起動できたか確認するには、コンソールに「KJU1001」のメッセージが出力されていることを確認してください。

自動起動

Solaris OS の場合

XLデータムーバのデーモン(mftfd)をサーバの起動に合わせて自動起動するために、以下のファイルに作成されるスクリプト例の対象箇所を有効にしてください。

  • /etc/init.d/mftf

なお、このファイルに対するシンボリックリンクとして以下のファイルがインストール時に作成されます。

  • /etc/rc2.d/S89mftf

  • /etc/rc0.d/K48mftf

  • /etc/rc1.d/K48mftf

HP-UX の場合

XLデータムーバのデーモン(mftfd)をサーバの起動に合わせて自動起動するために、以下のファイルに作成されるスクリプト例の対象箇所を有効にしてください。

  • /sbin/init.d/mftf

なお、このファイルに対するシンボリックリンクとして以下のファイルがインストール時に作成されます。

  • /sbin/rc2.d/S734mftf

  • /sbin/rc1.d/K266mftf

AIX の場合

XLデータムーバのデーモン(mftfd)をサーバの起動に合わせて自動起動するために、以下のファイルに作成されるスクリプト例の対象箇所を有効にしてください。

  • /usr/mftf/mftf.sh

Linux の場合

XLデータムーバのデーモン(mftfd)を自動起動する方法には、2種類の方法があります。

  • init.dによる自動起動

  • systemdによる自動起動(RHEL9以降)

init.dによる自動起動

システムにinitscriptsパッケージがインストールされている場合、init.dによる自動起動が可能です。

XLデータムーバのデーモン(mftfd)をサーバの起動に合わせて自動起動するために、以下のファイルに作成されるスクリプト例の対象箇所を有効にしてください。

RHEL8以前の場合、使用するデバイスのrawコマンドによるキャラクタデバイスのバインドを、以下のシェルスクリプトが動作する前に行うか、以下のシェルスクリプト内で、XLデータムーバのデーモン起動前に行うようにしてください。

  • /etc/rc.d/init.d/mftfd

    なお、このファイルに対するシンボリックリンクとして以下のファイルがインストール時に作成されます。

  • /etc/rc.d/rc0.d/K00mftfd

  • /etc/rc.d/rc1.d/K00mftfd

  • /etc/rc.d/rc3.d/S99mftfd

  • /etc/rc.d/rc5.d/S99mftfd

  • /etc/rc.d/rc6.d/K00mftfd

systemdによる自動起動

systemdによる自動起動はRHEL9以降で利用可能です。

XLデータムーバのデーモン(mftfd)をsystemdで自動起動するためのサンプルunitファイルをインストール時に以下のファイルに格納しています。systemdで起動するために必要な箇所を修正してください。

  • /opt/FJSVmftf/sample/systemd/mftf.service

unitファイルは、以下のシステムディレクトリ配下にデータ転送用ボリューム単位に作成してください。

  • /etc/systemd/system/

systemd管理デバイス名の確認

systemdが管理しているデバイスのユニット名とXLデータムーバ専用デバイスの対応を以下の手順で確認します。

  1. XLデータムーバ専用デバイスのシンボリックリンク先のデバイス情報を表示します。

    # ls -l /dev_mftf/
    # xxxxxxxxxx. x root root x xxxx xxxxx /dev_mftf/xxxxx -> /dev/sda
  2. systemctlコマンドを実行してユニット一覧から、XLデータムーバ専用デバイスのシンボリック先のデバイス名と対応するユニット名を確認します。

    # systemctl list-units --all -t device
      UNIT                                               LOAD   ACTIVE SUB     DESCRIPTION
      dev-sda.device                                     loaded active plugged ETERNUS_DXxxxx

    dev-sda.deviceが該当するユニット名となります。

unitファイルの作成

サンプルunitファイルをもとにしてunitファイルを作成します。

[Unit]
Description=XL-LINK/DataMover daemon
After=dev-sdbd.device                                       (1)
Requires=dev-sdbd.device                                    (1)
[Service]
Environment=DEVICENAME=/dev_mftf/xxxxx                      (2)
Type=forking
ExecStart=/usr/mftf/lib/mftfd -m -t -start ${DEVICENAME}    (3)
ExecStop=/usr/mftf/lib/mftfd -kill ${DEVICENAME}
[Install]
WantedBy=multi-user.target

(1):systemd管理デバイス名の確認で確認したユニット名を記載します。

(2):XLデータムーバのデーモン起動時に指定するXLデータムーバ専用デバイス名を記載します。

(3):XLデータムーバのデーモン起動のオプションは必要に応じて変更してください。

unitファイルの格納

作成したunitファイルを/usr/lib/systemd/system 配下に格納します。

unitファイルは、データ転送用ボリューム単位に作成しなければならないため、以下のようなファイル名としてください。

XLデータムーバ専用デバイス名が/dev_mftf/sdaの場合

mftf_sda.service

自動起動停止の有効化

systemctlコマンドを実行して、XLデータムーバのデーモンの自動起動停止を有効にします。

unitファイル名がmftf_sda.serviceの場合

# systemctl enable mftf_sda

注意

  • systemdで自動起動する場合、SELinuxが無効状態でなければなりません。