ここではWebサーバコネクタの設定方法について、WebサーバーとGlassFish Serverクラスターを同じマシン(同一筐体)で運用する場合と、別のマシン(別筐体)で運用する場合のそれぞれについて説明します。
同じマシン(同一筐体)で運用する場合には、asadminコマンド、別のマシン(別筐体)で運用する場合には、wscadminコマンドを使用します。それぞれのサブコマンドの対応を以下に示します。
機能 | 同じマシン(同一筐体)で運用する場合 | 別のマシン(別筐体)で運用する場合 |
---|---|---|
コマンド名 | asadminコマンド | wscadminコマンド |
連携設定 | create-web-server-ref | add-instance-ref |
add-application-ref | ||
連携解除 | delete-web-server-ref | delete-instance-ref |
要求を受け付けるバーチャルホストの追加 | create-virtual-host-ref | add-virtual-host-ref |
要求を受け付けるバーチャルホストの削除 | delete-virtual-host-ref | delete-virtual-host-ref |
Webサーバコネクタの環境設定 | update-web-server-connector-config | update-cluster-config |
設定情報の表示 | show-web-server-connector-config | list-web-servers |
list-web-server-refs | ||
list-virtual-host-refs |
注意
Webサーバーと、GlassFish ServerインスタンスのないGlassFish Serverクラスターを連携させることはできません。1つ以上のGlassFish ServerインスタンスがあるGlassFish Serverクラスターを準備してから、連携設定を行ってください。
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターを同じマシンで運用する場合は、以下の手順で設定します。
ポイント
以下の場合には、WebサーバーとGlassFish Serverクラスターは、連携するように自動的に設定されるため、連携設定を行う必要はありません。
Webサーバコネクタの環境設定を行ったWebサーバーが1つだけ存在するマシン内で、GlassFish ServerインスタンスのないGlassFish Serverクラスターに対して、GlassFish Serverインスタンスを作成した場合
Webサーバーと連携しているGlassFish Serverクラスターに対して、以下の操作を行った場合、自動的に連携設定が更新されます。再度、連携設定を行う必要はありません。
GlassFish Serverインスタンスを追加/削除した場合
アプリケーションを配備/配備解除した場合
Webアプリケーションのコンテキストルートを変更した場合
HTTPリスナーのポート番号を変更した場合
ネットワーク設定の定義項目の「ネットワークアドレス」を変更した場合
Webサーバーと連携しているGlassFish Serverクラスターに対して、以下の操作を行った場合、連携が自動的に解除されます。
GlassFish Serverクラスターを削除した場合
GlassFish ServerクラスターからすべてのGlassFish Serverインスタンスを削除した場合
HTTPリスナーポートを閉塞した場合
GlassFish ServerクラスターがWebサーバーと連携しているかを確認するには、asadminコマンドのlist-web-server-refsサブコマンドを使用します。詳細は、「11.1.10.3 list-web-server-refsサブコマンド」を参照してください。
注意
同じマシンで運用する場合は、wscadminコマンドを使用してWebサーバーとGlassFish Serverクラスターの連携設定を行わないでください。行った場合、設定の不整合が発生し、アプリケーションの動作異常を引き起こす場合があります。この場合は、wscadminコマンドを使用して連携を解除し、あらためてasadminコマンドで連携させてください。
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターの連携設定
asadminコマンドのcreate-web-server-refサブコマンドを使用し、WebサーバーとGlassFish Serverクラスターを連携させます。
例
連携させるGlassFish ServerクラスターがCluster001、WebサーバーがFJapacheの場合
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin create-web-server-ref --target Cluster001 FJapache |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin create-web-server-ref --target Cluster001 FJapache |
設定の変更を反映させるため、Webサーバーを起動または再起動させてください。
注意
連携させた場合、「Webコンテナへアクセスする運用形態」が自動的に“webserver”に設定されるため、Webサーバーを経由しないリクエストは拒否されるようになります。Webサーバーを経由しないリクエストも許可する場合は、「Webコンテナへアクセスする運用形態」を“nocheck”に設定してください。詳細は、「9.8.3 ネットワーク設定の定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターの連携解除
連携対象を誤って設定した場合は、asadminコマンドのdelete-web-server-refサブコマンドを使用し、連携を解除します。
例
連携を解除するGlassFish ServerクラスターがCluster001、WebサーバーがFJapacheの場合
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin delete-web-server-ref --target Cluster001 FJapache |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin delete-web-server-ref --target Cluster001 FJapache |
設定の変更を反映させるため、Webサーバーを起動または再起動させてください。
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターを別のマシンで運用する場合は、以下の手順で環境設定します。
注意
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターでは、同一バージョンのInterstageを使用してください。
連携設定後に、GlassFish Serverインスタンス、アプリケーションの追加/削除や、IPアドレス、ポート番号等の設定を変更した場合には、wscadminコマンドで連携設定を変更してください。
Webサーバー側の設定
wscadminコマンドのadd-instance-refサブコマンドを使用し、WebサーバーとGlassFish Serverクラスターを連携させます。add-instance-refサブコマンドは、GlassFish Serverクラスターに所属するGlassFish Serverインスタンスごとに繰り返し実行してください。
例
連携させるWebサーバー名がFJapache 、GlassFish Serverクラスター名がCluster001、GlassFish Serverインスタンス名がCluster001-1、IPアドレスが192.0.2.1、リスナーポートが28798の場合
C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin add-instance-ref --webserver FJapache --identifier Cluster001-1 --target Cluster001 192.0.2.1:28798 |
/opt/FJSVwsc/bin/wscadmin add-instance-ref --webserver FJapache --identifier Cluster001-1 --target Cluster001 192.0.2.1:28798 |
add-instance-refサブコマンドで指定するGlassFish Serverインスタンスのリスナーポートは、以下をGlassFish Serverクラスター側のマシンで実行することにより確認できます。
asadminコマンドのlist-instancesサブコマンドを使用し、GlassFish Serverインスタンスの一覧を取得します。
例
GlassFish ServerクラスターがCluster001の場合
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin list-instances Cluster001 Cluster001-1 not running Command list-instances executed successfully. |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin list-instances Cluster001 Cluster001-1 not running Command list-instances executed successfully. |
各GlassFish Serverインスタンスに対して、asadminコマンドのgetサブコマンドでHTTP_LISTENER_PORTシステムプロパティのvalueを確認します。
例
GlassFish ServerインスタンスCluster001-1のHTTP_LISTENER_PORTを確認する場合
C:\Interstage\glassfish5\glassfish\bin\asadmin get Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.name=HTTP_LISTENER_PORT Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.value=28798 Command get executed successfully. |
/opt/FJSViaps/glassfish5/glassfish/bin/asadmin get Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.name=HTTP_LISTENER_PORT Cluster001-1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT.value=28798 Command get executed successfully. |
配備したWebアプリケーションを、wscadminコマンドのadd-application-refサブコマンドを使用し、Webサーバコネクタの振り分け対象に設定します。
例
連携させるWebサーバー名がFJapache、GlassFish ServerクラスターがCluster001、WebアプリケーションのコンテキストルートがSampleAppr1の場合
C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin add-application-ref --webserver FJapache --target Cluster001 SampleAppr1 |
/opt/FJSVwsc/bin/wscadmin add-application-ref --webserver FJapache --target Cluster001 SampleAppr1 |
設定の変更を反映させるため、Webサーバーを起動または再起動させてください。
WebサーバーとGlassFish Serverクラスターの連携解除
連携対象を誤って設定した場合は、wscadminコマンドのdelete-instance-refサブコマンドを使用し、WebサーバーとGlassFish Serverクラスターの連携を解除します。
例
連携を解除するWebサーバー名がFJapache、GlassFish ServerクラスターがCluster001の場合で、すべてのGlassFish Serverインスタンス情報を削除する場合
C:\Interstage\F3FMwsc\bin\wscadmin delete-instance-ref --webserver FJapache --target Cluster001 all |
/opt/FJSVwsc/bin/wscadmin delete-instance-ref --webserver FJapache --target Cluster001 all |
設定の変更を反映させるため、Webサーバーを起動または再起動させてください。
GlassFish Serverクラスター側の設定
GlassFish Serverクラスター側のマシンで、asadminコマンドのsetサブコマンドを使用し、Webコンテナへアクセスする運用形態を“webserver”、または“nocheck”に設定します。詳細は、「9.8.3 ネットワーク設定の定義項目」の「Webコンテナへアクセスする運用形態」を参照してください。