データベースに異常が発生した場合のリカバリ方法について説明します。
リカバリ方法は、以下の2通りの方法があります。
ノード切替えを行わずにリカバリを行う場合
ノード切替えを行ってからリカバリを行う場合
参照
異常監視対象の設定によりDBミラーリングシステムがノードの切替えを行う場合があります。設定方法については “ 付録C システムの監視対象と方法(Mirroring Controller使用時)”を参照してください。
正系ノードのデータベースに異常が発生した場合に、副系ノードへノードの切替えを行わずに、正系ノードのデータベースのリカバリを行う方法について説明します。
メディアリカバリを利用したリカバリ
リカバリポイントを利用したリカバリ
RERUNログの連続性を保証できない(障害発生の直前の状態に戻すことができない場合の)リカバリを行った場合
データベースを配置しているディスク装置にメディア障害が発生したり、データベースが破壊されたりした場合には、Symfoware/RDBのメディアリカバリを使用して、障害が発生する直前に戻すリカバリを行ってください。
注意
アーカイブログ運用を行っていない場合には、利用者業務を停止して、副系ノードからデータベースのデータを全件複写するデータベースのリカバリが必要です。
全件複写は、データベースのアンロードおよびロードを行うノードを入れ替えた手順で実施して下さい。
参照
Symfoware/RDBのメディアリカバリによるデータベースのリカバリ方法の詳細については“ RDB運用ガイド”を参照してください。
全件複写については“11.4.2.2 全件複写によるデータベースのリカバリ”を参照してください。
正系ノードのデータベースのリカバリを行う場合、業務と整合性の合う地点までデータベースの巻き戻しが必要な場合があります。このようにある特定の時点までリカバリしたい場合、リカバリポイントを指定したSymfoware/RDBのメディアリカバリによりリカバリを行うことが可能です。正系ノードのデータベースでリカバリポイントを指定してリカバリを行う場合、副系ノードのデータベースも同様にリカバリを行います。
リカバリポイントを利用したリカバリ操作の手順を以下に示します。
操作の手順
データベースサーバ1の操作
dxsvstopコマンドを実行しDBミラーリングサービスを通常停止します。
> dxsvstop
リカバリポイントを指定したSymfoware/RDBのメディアリカバリによりデータベースをリカバリします。
データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、RLP管理オブジェクトを初期化します。
データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、データベース資源の関連付けを実施します。
dxsvstartコマンドのcオプションを実行してDBミラーリングサービスを開始します。
> dxsvstart -c
データベースサーバ2の操作
正系ノードでのdxsvstopコマンド実行による副系ノードのDBミラーリングサービス停止を、以下のメッセージにより確認します。
12136: 相手ノードからの要求によりDBミラーリングサービスを通常停止しました
正系ノードと同じリカバリポイントを利用してSymfoware/RDBのメディアリカバリによりデータベースをリカバリします。
データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、RLP管理オブジェクトを初期化します。
データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、データベース資源の関連付けを実施します。
dxsvstartコマンドのrオプションを実行してDBミラーリングサービスを開始します。
> dxsvstart -r
アプリケーションサーバの操作
DBミラーリングサービスを停止する前に、利用者業務を停止します。
利用者業務を再開します。
注意
格納データを暗号化している場合でも、rdbbcmapコマンドを使用して作成した資源識別子抽出ファイルは暗号化されません。資源識別子抽出ファイルを相手ノードに転送するときは、opensslコマンドなどのツールを使用して資源識別子抽出ファイルを暗号化してください。
参照
ある時点までのリカバリおよびリカバリポイントについての詳細は“ RDB運用ガイド”を参照してください。
RLP管理オブジェクトの初期化については“10.3.4 両ノードで同時に行うデータベースの定義変更の流れ”を参照してください。
データベース資源の関連付けについては “5.3.9.2 関連付けの手順”を参照してください。
Symfoware/RDBのメディアリカバリの詳細については“ RDB運用ガイド”を参照してください。
副系ノードでリカバリポイントを利用してリカバリする場合の注意事項については“8.9 リカバリポイントの利用”を参照してください。
障害発生の直前の状態に戻すことができないリカバリを正系ノードのデータベースに実施した場合は、RERUNログの連続性が保証できなくなります。
その場合には、利用者業務を停止させて、副系ノードのデータベースも全件複写によりリカバリを行う必要があります。
参照
全件複写によるリカバリの詳細は“11.4.2.2 全件複写によるデータベースのリカバリ”を参照してください。
正系ノードのデータベースに異常が発生した場合に、利用者業務の継続を最優先に考慮して、以下の方法でリカバリを行う場合について説明します。
異常発生の直後に切替えを行った場合
利用者判断によるノードの切替えを行ってからリカバリを行うとき、または
Mirroring Controllerを利用している場合で、DBミラーリングシステムの異常監視による自動ノード切替えを行ってからリカバリを行うとき
業務停止が可能となった時点で切替えを行う場合
利用者業務の継続が可能な異常と判断して利用者業務を継続し、計画的にノードを切替えてからデータベースのリカバリを行うとき
注意
異常が発生した直前の状態にリカバリできない場合には、新たな正系ノードのデータベースのデータを利用して、全件複写により異常が発生したデータベースをリカバリする必要があります。この場合は、ノード切替えによりデータベースの異常が発生したノードを副系ノードとした後、ログ破棄を利用した全件複写により、リカバリを行ってください。
参照
ログ破棄については“11.8.6.4 ログ破棄を利用したリカバリ”を参照してください。
異常が発生した直後にノードの切替えを行った場合には、ノード組込みを行ってから、Symfoware/RDBを起動して、Symfoware/RDBのメディアリカバリを使用したリカバリを行ってください。
参照
ノード組込みの運用方法については“8.5 ノード組込み”を参照してください。
Symfoware/RDBのメディアリカバリについては“ RDB運用ガイド”を参照してください。
異常が発生した状態でも利用者業務が継続可能な場合には、以下の手順で、計画的にノード切替えを行ってから故障したノードでリカバリを行うことが可能です。
利用者業務を継続します。
夜間や運休日などの業務停止可能な時間帯を利用して、計画的に利用者業務を停止します。
故障が発生したノードから別のノードに正系ノードを切替えます。
新たな正系ノードで業務を再開します。
故障が発生したノードでリカバリを行います。