セットアップにあたり、以下の製品に対して、インストールに必要なディスク容量と動作に必要なメモリ容量について見積もる必要があります。
Oracle
Symfoware ServerまたはEnterprise Postgres
Linkexpress
Linkexpress Replication option
参照
インストールに必要なディスク容量および動作に必要なメモリ容量については、各製品のマニュアルを参照してください。
共用メモリ/セマフォ資源
カーネル資源は、カーネル構成ファイル(/etc/sysctl.confファイル)に設定します。
変更後は、“sysctl -p /etc/sysctl.conf”を実行するか、システムを再起動してください。
下表を参照し、各パラメタの説明で“最大値”とあるパラメタについては、すでに設定されている値またはデフォルト値と比較して大きい方の値を設定し、“加算”とあるパラメタについては、すでにカーネル構成ファイルに設定されている値、またはデフォルト値に加算した値を設定してください。
以下の値を設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
kernel.shmmax | 1Mバイト | 最大値 |
kernel.shmmni | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1) | 加算 |
kernel.shmall | kernel.shmmax / メモリのページ長(注2) | 加算 |
注1) サーバ内で同時に開始するLinkexpress Replication optionのサーバプロセス数
注2) メモリのページ長は、x86版では4キロバイトです。
/etc/sysctl.confファイル内のkernel.semパラメタに以下の形式で指定します。
kernel.sem = para1 para2 para3 para4
para1、para2、para3、para4に以下の値を設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
para1 | 同時実行コマンド数(注1) | 最大値 |
para2 | (同時実行コマンド数(注1)+5) × 同時実行レプリケーションプロセス数(注2) | 加算 |
para3 | すでに設定されている値(注3) | |
para4 | 同時実行レプリケーションプロセス数 | 加算 |
注1) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUM パラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50 になります。
注2) サーバ内で同時に開始するLinkexpress Replication optionのサーバプロセス数
注3) 値が設定されていない場合は、OS のデフォルト値を設定してください。
ファイルディスクリプタ数の最大値はPAMコンフィギュレーションファイル(/etc/security/limits.confファイル)に設定します。
設定ファイルの編集が完了したら、システムを再起動してください。
必要となるファイルディスクリプタ数を算出し、その値がプロセスで使用可能なファイルディスクリプタ数の最大値を上回っていた場合に変更が必要となります。
必要となるファイルディスクリプタ数の最大値は、以下の式から算出します。
必要なファイルディスクリプタ数 = 2 + 差分ログ取得を開始する抽出定義数 + Linkexpress Replication optionのコマンド同時実行数(注)
注) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUMパラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50になります。
参照
カーネル資源の設定方法についての詳細は、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
プロジェクトデータベース(/etc/projectファイル)または、カーネル構成ファイル(/etc/systemファイル)のどちらか一方に設定します。システム全体で設定するファイルを統一することを推奨します。
注意
プロジェクトデータベース(/etc/projectファイル)または、カーネル構成ファイル(/etc/systemファイル)に値が設定されている場合は、値を確認し、追加や変更を行ってください。プロジェクトデータベースおよび、カーネル構成ファイルに値が設定されていない場合は、OSのデフォルト値が使用されています。この場合には、OSのデフォルト値を基準にしてシステムで使用する構成ファイルへ追加や変更を行ってください。OSが使用している値は、sysdefコマンドまたはprctlコマンドにより表示できます。sysdefコマンドまたはprctlコマンドの詳細については、OSのmanコマンドで確認してください。
各パラメタの説明で、“最大値”とあるパラメタについては、すでに設定されている値またはデフォルト値と比較して大きい方の価を設定し、“加算”とあるパラメタについては、すでに設定されている値またはデフォルト値に加算した値を設定してください。
プロジェクトデータベース(/etc/projectファイル)を利用する場合
プロジェクトデータベースを利用する場合は、system、user.rootおよび、defaultプロジェクトすべてに値を設定してください。なお、すでにユーザ定義のプロジェクトを作成している場合は、同様にユーザ定義のプロジェクトへも値を設定してください。また、プロジェクトデータベースを使用する場合は、以下を参照し、projmodコマンドを使用して値を設定してください。
Project名 | 概要 |
---|---|
system | OS起動時のデーモンやcronのプロセスが属するプロジェクト |
user.root | rootユーザが属するプロジェクト |
default | プロジェクトが未定義の一般ユーザが属するプロジェクト |
参照
プロジェクトデータベース内のパラメタの詳細は、システムベンダのドキュメントを参照してください。
以下の値をコマンドで設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
project.max-shm-memory | 1Mバイト | 加算 |
project.max-shm-ids | 同時実行レプリケーションプロセス数 (注) | 加算 |
注) サーバ内で同時に開始するLinkexpress Replication optionのサーバプロセス数
以下の値をコマンドで設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
project.max-sem-ids | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1)×(同時実行コマンド数(注2)+5) | 加算 |
process.max-sem-nsems | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1)×(同時実行コマンド数(注2)/15) | 最大値 |
注1) サーバ内で同時に開始するLinkexpress Replication optionのサーバプロセス数
注2) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUM パラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50 になります。
以下の値をコマンドで設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
process.max-file-descriptor | 必要なファイルディスクリプタ数 = 2 + 差分ログ取得を開始する抽出定義数 + Linkexpress Replication optionの同時実行コマンド数(注) | 加算 |
注) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUM パラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50 になります。
注意
スーパユーザの場合、ファイルディスクリプタ数の上限はulimitコマンドで一時的にファイルディスクリプタ数の最大値を変更することができます。詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
以下にprojmodコマンドを使用して、user.rootプロジェクトにパラメタを設定する場合の例を示します。
共用メモリ資源のパラメタproject.max-shm-memoryに2G、project.max-shm-idsに1Kを設定します。
# projmod -s -K 'project.max-shm-memory=(privileged,2G,deny)' user.root # projmod -s -K 'project.max-shm-ids=(privileged,1K,deny)' user.root
セマフォ資源のパラメタproject.max-sem-idsに1K、process.max-sem-nsemsに512を設定します。
# projmod -s -K 'project.max-sem-ids=(privileged,1K,deny)' user.root # projmod -s -K 'process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny)' user.root
ファイルディスクリプタのパラメタprocess.max-file-descriptorに1024を設定します。
# projmod -s -K 'process.max-file-descriptor=(basic,1024,deny)’ user.root
上記で設定した値が正しいか以下のコマンドで確認してください。
# projects -l user.root user.root projid : 1 comment: "" users : (none) groups : (none) attribs: process.max-file-descriptor=(basic,1024,deny) process.max-sem-nsems=(privileged,512,deny) project.max-sem-ids=(privileged,1K,deny) project.max-shm-ids=(privileged,1K,deny) project.max-shm-memory=(privileged,2G,deny) #
上記手順1.から手順4.をsystemおよびdefaultプロジェクトへも実施してください。また、ユーザ定義のプロジェクトが作成されている場合は、同様に実施してください。
参照
プロジェクトデータベースの設定方法およびprojmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
カーネル構成ファイル(/etc/systemファイル)を利用する場合
カーネル構成ファイル(/etc/systemファイル)に設定します。
注意
カーネル編集が完了したら、システムを再起動してください。
Solarisのリリースによりカーネル構成ファイル内のパラメタが廃止されたり、デフォルト値が変更されることがあります。廃止されたパラメタについては設定は不要です。
カーネル構成ファイル内のパラメタの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
non-global zoneでカーネル構成ファイル(/etc/systemファイル)を使用する場合は、各non-global zoneの値を加算し、その合計値をglobal zoneのカーネル構成ファイルに設定してください。
以下のような構成の場合は、non-global zone A,B,C の合計値をglobal zoneのカーネル構成ファイルへ加算してください。
以下の値を設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
shmsys:shminfo_shmmax | 1Mバイト | 加算 |
以下の値を設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
semsys:seminfo_semmni | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1)×(同時実行コマンド数(注2)+5) | 加算 |
semsys:seminfo_semmns | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1)×(同時実行コマンド数(注2)+5) | 加算 |
semsys:seminfo_semmnu | 512以上の値 | 加算 |
semsys:seminfo_semmsl | 同時実行レプリケーションプロセス数(注1)×(同時実行コマンド数(注2)/15) | 最大値 |
注1) サーバ内で同時に開始するLinkexpress Replication optionのサーバプロセス数
注2) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUM パラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50 になります。
以下の値を設定してください。
パラメタ名 | 必要数 | 備考 |
---|---|---|
rlim_fd_max | 必要なファイルディスクリプタ数 = 2 + 差分ログ取得を開始する抽出定義数+ Linkexpress Replication optionの同時実行コマンド数(注) | 最大値 |
rlim_fd_cur | 最大値 |
注) 同時実行コマンド数とは、動作環境ファイルに指定したREPCMD_NUM パラメタの指定値です。REPCMD_NUMパラメタを指定していない場合には50 になります。また、システム全体のプロセスの中で最大の値を設定する必要があります。
注意
スーパユーザの場合、ファイルディスクリプタ数の上限はulimitコマンドで一時的にファイルディスクリプタ数の最大値を変更することができます。詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。
参照
カーネル資源の設定方法についての詳細は、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。