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Linkexpress Replication optionV5.0L24 システム設計ガイド
FUJITSU Software

1.1.1 サポートする機能範囲

ここでは、Symfoware抽出レプリケーションがサポートするデータベースの機能範囲と注意事項について説明します。

1.1.1.1 データベース機能のサポート範囲

レプリケーションが可能なSymfoware ServerまたはEnterprise Postgresのデータベース機能のサポート範囲を説明します。

データベースの文字コードセット

レプリケーション可能なデータベースの文字コードセットは以下です。

レプリケーション対象資源

一意性制約の指定がある表またはパーティションに対するレプリケーションが可能です。

それ以外の、一時表、ビュー、シーケンスまたはラージオブジェクトなどをレプリケーション対象にすることはできません。

レプリケーション対象動作

一括差分複写で取得可能な差分データは、以下のSQL文によって行われたデータベースへの更新動作によるものです。

注意

上記以外の方法でデータベースを更新すると、複写元データベースと複写先データベース間の整合性が保てなくなりますので、一括差分複写業務の運用中は実行しないようにしてください。誤って実行してしまった場合には、複写元データベースと複写先データベースの同期をとるために、全複写を行う必要があります。

列のデータ型

列のデータ型には、レプリケーションがサポートしているデータ型と未サポートのデータ型があります。また、サポートしているデータ型にも扱える定義属性に条件があります。以下に詳細を示します。

データ型

サポート可否

利用可能な定義属性の条件

SMALLINT型

INTEGER型

NUMERIC型

精度が18桁以下の場合

DECIMAL型

(注1)

REAL型

DOUBLE PRECISION型

FLOAT型

(注2)

CHARACTER型

文字数の上限が31,996以下または無制限の場合

CHARACTER VARYING型

NATIONAL CHARACTER型

NATIONAL CHARACTER VARYING型

BYTEA型

TIMESTAMP型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

TIMESTAMP WITH TIME ZONE型

×

DATE型

TIME型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

TIME WITH TIME ZONE型

×

INTERVAL型

×

INTERVAL YEAR型

INTERVAL YEAR TO MONTH型

INTERVAL MONTH型

INTERVAL DAY型

INTERVAL DAY TO HOUR型

INTERVAL DAY TO MINUTE型

INTERVAL DAY TO SECOND型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

INTERVAL HOUR型

INTERVAL HOUR TO MINUTE型

INTERVAL HOUR TO SECOND型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

INTERVAL MINUTE型

INTERVAL MINUTE TO SECOND型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

INTERVAL SECOND型

秒数フィールドの小数点以下の桁数が0または指定がない場合

その他

×

注1) Symfoware ServerまたはEnterprise PostgresではDECIMAL型はNUMERIC型と等価の扱いであるため、Linkexpress Replication optionではNUMERIC型として扱います。

注2) 桁数が1~24桁の場合はREAL型、桁数が25~53桁の場合はDOUBLE PRECISION型として扱います。

参考

未サポートのデータ型が定義されている表をレプリケーション対象とする場合には、抽出対象の列から除外することで対処可能です。

列のデータ長や精度の制限

列のデータ型によっては、実際に扱えるデータの長さや桁数の上限値、決められた精度などレプリケーションを行う上での制限があります。以下に制限事項を示します。

データ型

制限事項

DECIMAL型

  • 精度が18桁を超えるデータ、または

  • 抽出データ項目の長さに指定した精度または位取りを超えるデータ (注1)

NUMERIC型

CHARACTER型

  • 31,996バイトを超えるデータ、または

  • 抽出データ項目の長さに指定したバイト数を超えるデータ (注1)

CHARACTER VARYING型

NATIONAL CHARACTER型

NATIONAL CHARACTER VARYING型

DATE型

西暦紀元前の日付および西暦紀元後10,000年以降の日付のデータ

TIMESTAMP型

  • 西暦紀元前の日時および西暦紀元後10,000年以降の日時のデータ

  • 秒数フィールドの小数点以下の桁数は切り捨てて、全複写および一括差分複写を継続します (注2)

TIME型

秒数フィールドの小数点以下の桁数は切り捨てて、全複写および一括差分複写を継続します (注2)

INTERVAL型

  • INTERVAL型には扱える値の範囲とその他の制限事項があります(注3)

    • 制限1:抽出データ項目以外の時間隔フィールドに値が格納されているデータ

    • 制限2:時間隔先行フィールドの値が9桁を超えるデータ

    • 制限3:時間隔後続フィールドの値が2桁を超えるデータ

    • 制限4:時間隔フィールド間で符号が異なるデータ

  • 秒数フィールドの小数点以下の桁数は切り捨てて、全複写および一括差分複写を継続します(注2)

注1) 抽出データ項目の長さについては、“1.1.1.2 データ項目の長さと属性”を参照してください。
注2) 複写先データベースの表の一意性制約の構成列に含める場合には、小数点以下の桁数を扱わないデータを対象とするなどの注意が必要です。

注3) INTERVAL型には以下の制限事項があります。

データ型

扱える値の範囲

その他の制限事項

INTERVAL YEAR TO MONTH型

-178,956,970年8ヶ月から

+178,956,970年7ヶ月

INTERVAL YEAR型

-178,956,970年から

+178,956,970年

INTERVAL MONTH型

-999,999,999ヶ月から

+999,999,999ヶ月

制限2:月の単位が9桁を超えるデータ

INTERVAL DAY TO HOUR型

-999,999,999日99時間から

+999,999,999日99時間

制限1:年または月の単位の値が格納されているデータ

制限2:日の単位が9桁を超えるデータ

制限3:時間の単位が2桁を超えるデータ

制限4:日と時間の単位で符号が異なるデータ

INTERVAL DAY TO MINUTE型

-999,999,999日99時間59分から

+999,999,999日99時間59分

INTERVAL DAY TO SECOND型

-999,999,999日99時間59分59秒

から

+999,999,999日99時間59分59秒

INTERVAL DAY型

-999,999,999日から

+999,999,999日

制限1:年または月の単位の値が格納されているデータ

制限2:日の単位が9桁を超えるデータ

INTERVAL HOUR TO MINUTE型

-999,999,999時間59分から

+999,999,999時間59分

制限1:年または月または日の単位の値が格納されているデータ

制限2:時間の単位が9桁を超えるデータ

INTERVAL HOUR TO SECOND型

-999,999,999時間59分59秒から

+999,999,999時間59分59秒

INTERVAL HOUR型

-999,999,999時間から

+999,999,999時間

INTERVAL MINUTE TO SECOND型

-999,999,999分59秒から

+999,999,999分59秒

制限1:年または月または日の単位の値が格納されているデータ

制限2:分の単位が9桁を超えるデータ

INTERVAL MINUTE型

-999,999,999分から

+999,999,999分

INTERVAL SECOND型

-999,999,999秒から

+999,999,999秒

制限1:年または月または日の単位の値が格納されているデータ

制限2:秒の単位が9桁を超えるデータ

注意

レプリケーションの運用中に制限を超えるデータを検出した場合には、全複写および一括差分複写が異常終了します。そのため、レプリケーションの定義を見直してから、再定義を行い、全複写による同期をとってください。

参考

抽出定義時に制限を超える可能性があるデータ型が含まれるとシステムが判断した場合には、警告メッセージを出力して定義を継続します。

抽出レコードの長さの制限

抽出レコードの長さには以下の制限があります。

環境変数

Linkexpress Replication optionのコマンドは、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの環境変数を指定することにより、チューニングが可能です。ただし、以下の環境変数については無効です。

注) Linkexpress Replication optionコマンドのオプションに、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresへの接続パラメタとして指定している場合に無効となります。

参照

Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresの環境変数についての詳細は、Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresのマニュアルを参照してください。

Enterprise Postgres の機能

Enterprise Postgres が提供する以下の機能と組み合わせることはできません。

以下の機能は格納機能では採用していません。

他のレプリケーション機能

ストリーミングレプリケーションなどのLinkexpress Replication option以外のレプリケーション機能と同時に使用することはできません。

1.1.1.2 データ項目の長さと属性

列のデータ型の定義属性として、文字数、精度または位取りの指定がない場合には、データベースへの格納が想定されるデータの最大長を元に、抽出データ格納ファイル内の抽出データの長さを決定することが必要です。

決定した長さは、抽出定義およびDBサービス定義にデータ項目の長さとして指定します。

データ項目のさの決定必要なデータ型

抽出定義またはDBサービス定義のデータ項目の長さの指定に考慮が必要な場合について以下に示します。それ以外については、データ型の属性に従った値を採用します。

データ型

定義属性

抽出定義
(抽出データ項目の指定)

DBサービス定義
(入力データ項目の指定)

DECIMAL型

精度または位取りの指定がない場合

常に精度と位取りの指定が必要

常に精度と位取りの指定が必要

NUMERIC型

CHARACTER型

文字長の制限がない場合

差分データの形式が標準形式の場合には長さ(バイト数)の指定が必要

常に長さ(バイト数)の指定が必要

CHARACTER VARYING型

NATIONAL CHARACTER型

NATIONAL CHARACTER VARYING型

BYTEA型

注意

Symfoware ServerまたはEnterprise Postgresでは文字列型のデータ型に指定可能な制限値は文字数となります。一方、抽出定義に指定する差分データの長さやDBサービス定義の入力データ項目に指定する長さはバイト数であることから、文字数よりも大きな値を指定する必要があります。

抽出データ項目の属性

抽出データ格納ファイル内の抽出データの属性は、データベースのデータ型に従います。ただし、複写元システムでのデータ抽出については一部、以下のデータ型について、異なる属性である可変長文字列型(CHARACTER VARYING)として抽出します。

1.1.1.3 その他の注意事項

ここでは、上記以外の特に注意が必要な事項について説明します。