Navigatorの運用を円滑にするために、辞書を定期的に退避します。
辞書を退避しておくと、何らかの原因で辞書にトラブルが発生した場合に、退避した辞書情報を元に辞書が復元できます。辞書の退避は、辞書の管理者が行います。
ここでは、辞書の退避の操作について説明します。
操作の流れ
1.[ツール]-[辞書の退避]メニューをクリックします。
→[辞書の退避]画面が表示されます。
2.退避する辞書の注釈を指定します。
退避する辞書の注釈は、[注釈]入力フィールドに入力します。
3.[OK]ボタンをクリックします。
→[OK]ボタンをクリックすると、辞書が退避されます。
ポイント
辞書の退避は、以下のコマンドでも実行できます。コマンドの詳細は、“Navigator Server コマンドリファレンス”を参照してください。
rn_exp -u <ユーザ名>[/<パスワード>] [-d <DBMSのユーザ名>[/<パスワード>]] |
注意
退避情報の世代管理について
退避した辞書の保存世代数の上限を変更することができます。
退避情報の世代管理については、“8.5.2.1 退避情報の世代管理について”を参照してください。
退避情報の格納ファイルの出力先について
退避した辞書情報は、管理者のホームディレクトリ配下、または環境変数で指定したディレクトリに、一般ファイルとして保存されます。
退避情報の格納ファイルの出力先については、“8.5.2.2 退避情報の格納ファイルの出力先について”を参照してください。
退避した辞書は、バックアップ装置などを利用して、外部記憶媒体に保存することをお薦めします。
他の利用者がNavigatorを使用している場合は、辞書の退避を行うことはできません。
以下の環境変数の指定により、退避情報の保存世代数の上限を変更することが可能です。
環境変数名 | 設定内容 |
---|---|
RN_BACKUP_NUMBER | 辞書の退避復元を実行する場合に、退避した辞書情報の保存しておく数を指定します。 |
退避情報は最大で上記環境変数で指定された世代まで管理されます。すでに指定されている世代の最大数の退避情報が存在する場合に退避を実行すると、本機能が自動的に一番古い退避情報を削除します。削除のタイミングは、退避作業が正常に終了した場合に行われます。
例えば、すでに退避情報が5世代あり、上記環境変数を4と設定した後に退避を行うと、退避完了後に退避資源の世代が4世代となるよう、過去2世代の退避情報が削除されます。
退避に失敗した場合の資源に関して
退避を実行中にエラーが発生した場合は、エラー発生までに作成されたファイルはすべて削除されます。
例えば、2005年3月10日12:00:00に退避を実行し、その中でエラーが発生した場合には、退避情報出力先である20050310120000ディレクトリは作成されません。
退避情報格納先ディレクトリについて
退避情報を格納したディレクトリは、ディレクトリ名の変更など変更操作を一切しないでください。また、他のファイルやディレクトリの作成をしないでください。
退避された情報は、退避を実行した管理者のホームディレクトリ配下に出力されます。
管理者のホームディレクトリは、OSにより、以下の違いがあるので注意が必要です。
Windowsサーバ : システム環境変数RNUSERに指定したディレクトリ配下に作成される、各管理者ユーザ名のディレクトリです。環境変数RNUSERには、インストール時に指定した辞書ディレクトリのパス名が設定されています。詳細は、ソフトウェア説明書を参照してください。
UNIX: OSにユーザ登録(管理者用アカウント)した際に作成された、ユーザ用のディレクトリです。
各管理者のホームディレクトリ配下に作成される、退避情報格納用のディレクトリ「RN.bac」、および「ALL」は固定名です。ALL配下には、退避を実行した実行時間をもとに、退避情報が分類され管理されます。
ALL配下のディレクトリ名は、クライアントから辞書の退避依頼を受けた時点での、サーバの日付と時間を元に作成されます。命名規約は以下のとおりです。
形式:YYYYMMDDHHMMSS
退避処理が依頼された時点での、サーバの日付と時間。上記形式で命名されます。
月のデータで、1桁で表現できてしまう場合(1~9月)は、上位桁は0を設定し、全体で22桁になるように出力されます。これは日・時・分・秒に関しても同じです。
辞書の退避を実行したときに、すでに同名のディレクトリがあった場合はエラーとなります。
例:2005年7月1日 8:05に退避を実行した場合
20050701080500
退避情報中の共通の辞書情報と、個人の辞書情報は、以下に示されるディレクトリ構成のように分割して管理されます。
共通辞書の退避情報は「common」に格納されます。「common」は固定名です。個人の辞書情報は、xxxxxxxx(上図の場合には00000BB9)というディレクトリを作成し、そこに格納されます。xxxxxxxxは、ユーザIDを16進数で表記した8桁の文字列です。
また、以下の環境変数の指定により、退避情報の格納ファイルの出力先を変更することが可能です。
環境変数名 | 設定内容 |
---|---|
RN_BACKUP_DIRECTORY | 辞書の退避復元を実行する場合に、辞書の退避先・復元元のディレクトリを指定します。 |
環境変数RN_BACKUP_DIRECTORYで指定するディレクトリは、以下の条件を満たす必要があります。
退避復元を実行する時点で、すでに存在していること。
ディレクトリに対するアクセス権は以下のとおりに設定してあること。
権限 | Windowsサーバ | UNIX |
---|---|---|
読み込み | あり | あり |
書き込み | あり | あり |
実行 | (設定不可) | (不定) |
UNIXに関しては、ユーザ・グループ・その他のすべてに関して、上記の権限が必要。