一般利用者が情報を活用する環境を構築するために、辞書の管理者がNavigator辞書管理ツールを操作して、辞書のセットアップを行います。
辞書のセットアップには、以下の作業があります。
データの公開
共通の管理ポイントの登録
公開条件の設定
試行
データの公開
公開するデータの範囲、テーブル、およびデータ項目の属性、複合コード、テーブルの結合関係、演算項目などの情報を辞書に登録して、一般利用者にデータを公開します。
公開するデータの範囲の設定
公開するデータの範囲(スキーマ、テーブル、データ項目の選択)、およびテーブルの注釈やデータ項目の見出しなどの基本的なデータベースの情報を設定します。
テーブル、およびデータ項目の属性の設定
テーブルごとに、それぞれのデータ項目(以降、項目と呼びます)がどのような役割(項目属性と呼びます)を果たしているかを設定します。
テーブルには、実データテーブルとマスタテーブルがあります。実データテーブルとは、日常の業務で発生したデータを蓄積したテーブルです。マスタテーブルとは、コード化されたデータの意味や説明を格納したテーブルです。
実データテーブルの項目には、結合キーに対しては「コード」を、時間キーとなる項目には「時間」を、集計の対象となる項目には「データ」をそれぞれ設定します。
マスタテーブルの項目の場合には、結合キーとなる項目に対してプライマリキーを設定します。また、結合キーに対応するラベル項目や並び順を規定する項目を設定します。
「時間」の性格を与えたい場合は、時系列集計をするための情報(時間の表現形式、開始日や開始月などの基点)を設定します。
なお、データモデルやテーブルの結合関係などの詳細については、“Navigator Server セットアップガイド Vol.1”を参照してください。
複合コードの設定
複合コードは、複数の項目をまとめて1つのコードとしたものです。複数項目を結合キーとしてテーブルの結合関係を設定する場合に利用できます。
テーブルの結合関係の設定
リレーショナルデータベースでは、関係するテーブルをキーとなる項目(結合キーと呼びます)で関係付けて、データを参照することができます。
Navigatorでは、以下に示す結合を定義することができます。
実データテーブルとマスタテーブルを結合する場合
実データテーブルのコード項目、または時間項目と、マスタテーブルのプライマリキーが結合できます。
実データテーブルと実データテーブルを結合する場合
結合元の実データテーブルのユニークコードと、結合先の実データテーブルのユニークコードが結合できます。
マスタテーブルとマスタテーブルを結合する場合
結合元のマスタテーブルのプライマリキー、コード項目、または時間項目と、結合先のマスタテーブルのプライマリキーが結合できます。
演算項目の設定
演算項目とは、演算式により定義できる仮想的な(実際にテーブルに定義されてない)項目のことです。例えば、テーブルに定義された「単価」と「売上数量」をかけ合わせて「売上金額」という項目を設定する場合などに利用できます。
共通の管理ポイントの登録
共通の管理ポイントは、一般利用者がデータの分析やレポート作成を行う場合に、データの分類方法を統一するために、辞書に登録します。また、共通の管理ポイントは、個人の管理ポイントを作成するためのデータとして利用することができます。
管理ポイントの詳細は、“4.1.1 管理ポイントとは”を参照してください。
公開条件の設定
テーブルの公開条件の設定を行うことで、一般利用者が利用できるデータの範囲を条件によって制限します。
試行
運用に入る前に、Navigatorを使用して、設計どおりのレポートが得られるかテストします。また、分析やレポート作成などの処理速度を検証します。