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ETERNUS SF Express 16.9 / Storage Cruiser 16.9 / AdvancedCopy Manager 16.9 移行ガイド
FUJITSU Storage

7.3.2 クラスタ環境の場合のアップグレードインストール

7.3.2.1 アップグレードインストール前の作業

ポイント

アップグレードインストールを行う前に、以下をバックアップすることを推奨します。
バックアップを採取しておくと、アップグレードインストール中に異常が発生した場合にバックアップから復元(リストア)することで、アップグレードインストール前の状態に戻すことができます。

  • システム(プライマリノードとセカンダリノード)

  • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  1. 作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。

  2. セカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

    管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

  3. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。
    ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはオンラインにします。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  4. Storage Cruiserエージェントが導入されているすべてのノードで、Storage Cruiserエージェントのサービスを停止します。
    サービスの停止方法は、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「エージェントの起動と停止」を参照してください。

  5. すべてのノードのローカル業務サービスを停止します。

    Windowsのサービス画面で、「AdvancedCopy Manager COM Service」を停止してください。

  6. すべてのノードで旧バージョンレベルをバックアップします。

    アップグレードインストールに失敗したときのリカバリー用に、旧バージョンレベルのAdvancedCopy Managerエージェントの運用環境をバックアップしてください。

    • プライマリノードとセカンダリノードで、旧バージョンレベルをバックアップします。

    • 管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをオンラインにします。

    参考

    バックアップに必要な容量は、以下の合計値になります。

    • 『導入ガイド』の「静的ディスク容量」の「Windows環境の場合」の「環境設定ディレクトリ」と「作業用ディレクトリ」

    • 『導入ガイド』の「動的ディスク容量」の「Windows環境の場合」

    管理対象サーバ業務を運用しているプライマリノードの場合、バックアップに必要な容量に以下を加算してください。

    • 『クラスタ適用ガイド』の「共有ディスクの容量」

    手順は以下のとおりです。

    1. 本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。
      なお、自動起動によってインストーラー画面が表示されている場合は、インストーラーを終了させます。

    2. [コントロールパネル]-[プログラムと機能]を選択して、インストールされているAdvancedCopy Managerエージェントのアーキテクチャーを確認します。

      • 「AdvancedCopy Manager (x86) - Agent」の場合

        32bit版のAdvancedCopy Managerエージェントがインストールされています。

      • 「AdvancedCopy Manager (x64) - Agent」の場合

        64bit版のAdvancedCopy Managerエージェントがインストールされています。

    3. コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動します。

    4. 以下のバッチファイルを実行して、旧バージョンレベルをバックアップします。

      backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定します。

      • 32bit版エージェントの場合

        <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x86\esfacmapreinst.bat backupDir
      • 64bit版エージェントの場合

        <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x64\esfacmapreinst.bat backupDir

      バックアップに失敗した場合は、出力されたエラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、バッチファイルを再実行してください。

      ポイント

      • ディレクトリ名には、半角記号【 " | : * ? / . < > % & ^ ; ! 】を使用できません。

      • ディレクトリ名に半角空白を含む場合は、ダブルクォートで囲む必要があります。

    5. インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。

7.3.2.2 アップグレードインストール手順(プライマリノード)

手順1と手順2がすでに実施されている場合は、手順3から実施してください。

管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施してください。

注意

手順の途中でインストーラーの初期画面が表示されますが、アップグレードインストールでは使用しません。必ず[終了]ボタンをクリックして画面を終了してください。

  1. 作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。

  2. 本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。

  3. 以下の初期画面が表示されます。
    アップグレードインストールでは、この画面を使用しません。[終了]ボタンをクリックして画面を終了します。

  4. アップグレードインストール前の作業で確認したAdvancedCopy Managerエージェントのアーキテクチャーに応じて、以下のインストーラーを起動します。

    • 32bit版の場合

      <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x86\setup.exe
    • 64bit版の場合

      <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x64\setup.exe

    以降の手順では、32bit版エージェントのインストーラーを起動した場合の画面例で説明します。

  5. 以下の画面が表示されます。内容を確認し、[はい]ボタンをクリックします。

  6. 以下の画面が表示されます。内容を確認し、[次へ]ボタンをクリックします。

  7. 「使用許諾契約」画面で、使用許諾の契約を行います。
    表示されている内容を確認して、問題がない場合は、[はい]ボタンをクリックします。

  8. 「ファイルコピーの開始」画面で、設定内容を確認し、[次へ]ボタンをクリックします。

  9. コピー処理が開始されます。
    処理が完了すると、以下の画面が表示されます。 [完了]ボタンをクリックしインストールを終了します。

  10. インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。

以上で、AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールは終了です。

プライマリノードのアップグレードインストールが終了した場合は、「7.3.2.4 アップグレードインストール後の作業(プライマリノード)」を参照して、プライマリノードのAdvancedCopy Managerエージェントをセットアップしてください。
セカンダリノードのアップグレードインストールが終了した場合は、「7.3.2.7 アップグレードインストール後の作業(セカンダリノード)」を参照して、セカンダリノードのAdvancedCopy Managerエージェントをセットアップしてください。

ポイント

アップグレードインストールが異常終了した場合は、「8.2.5 AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールで異常が発生した場合の対処(Windows環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

7.3.2.3 サイレントアップグレードインストール手順(プライマリノード)

AdvancedCopy Managerエージェントのサイレントアップグレードインストール手順は、以下のとおりです。

  1. 7.3.2.3.1 サイレントアップグレードインストールの実行(プライマリノード)

  2. 7.3.2.3.2 サイレントアップグレードインストール結果の確認(プライマリノード)

7.3.2.3.1 サイレントアップグレードインストールの実行(プライマリノード)

手順1と手順2がすでに実施されている場合は、手順3から実施してください。

管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施してください。

  1. 作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。

  2. 本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。
    なお、自動起動によってインストーラー画面が表示されている場合は、インストーラーを終了させます。

  3. コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動します。

  4. AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。
    アップグレードインストール前の作業で確認したAdvancedCopy Managerエージェントのアーキテクチャーに応じて、以下のサイレントインストール用のコマンドを実行し、インストールします。
    <インストールログファイル>には、インストールのログを出力するファイルを絶対パスで指定してください。<インストールログファイル>の指定は任意です。

    • 32bit版エージェントの場合

      <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x86\acmagtsilentinstall.bat [-l <インストールログファイル>]
    • 64bit版エージェントの場合

      <DVDドライブ>:\Agent_windows\AdvancedCopy_Manager\agent\windows_x64\acmagtsilentinstall.bat [-l <インストールログファイル>]

    ポイント

    • インストールログファイルの指定がない場合、環境変数TEMPで指定されている作業用ディレクトリにacmagtsilentinstall.logという名前のインストールログファイルを作成します。

    • 指定したインストールログファイルと同名のファイルが存在する場合、上書きします。

    • インストールログファイルを格納するディレクトリには、書込み権限のある実在するディレクトリを指定する必要があります。書込み権限がない場合は、プロンプトおよび画面へのエラーメッセージ出力を行わずにエラー終了します。

    • インストールログファイルのパスが半角空白を含む場合は、ダブルクォートで囲む必要があります。

    • インストールログファイルのパス名には、【 " | : * ? / . < > % & ^ ; ! 】を使用できません。

    注意

    • オプションの指定に誤りがあった場合は、エラーメッセージをインストールログファイルに出力して終了します。プロンプトおよび画面へのエラーメッセージ出力は行いません。

    • サイレントインストール用のコマンドを多重実行しないでください。多重実行した場合は、あとから実行したコマンドが異常終了します。このとき、インストールログファイルは作成されません。

    • アップグレード時は、コマンドにインストールパラメーターファイルの指定はできません。指定した場合は、コマンドがエラー終了します。

  5. インストールが終了すると、プロンプトが表示されます。
    インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。

7.3.2.3.2 サイレントアップグレードインストール結果の確認(プライマリノード)

サイレントインストール用のコマンドの復帰値を確認してください。なお、必要に応じて、インストールログファイルを確認してください。ただし、サイレントインストール用のコマンドの復帰値が3または9の場合、インストールログファイルは作成されません。コマンドの復帰値の説明は、『導入ガイド』の「サイレントインストール(AdvancedCopy Managerエージェント)の復帰値」を参照してください。

インストール結果は、インストールログファイルでも確認できます。
インストールログファイルを開き、[ResponseResult]セクションの"ResultCode"を参照してください。"ResultCode"には、サイレントインストール用のコマンドの復帰値が書き込まれています。

ポイント

アップグレードインストールが異常終了した場合は、「8.2.5 AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールで異常が発生した場合の対処(Windows環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

7.3.2.4 アップグレードインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードで以下の作業を実施してください。
管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施してください。

管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、管理対象サーバ業務の環境設定ファイルを編集します。
以下のファイルを編集します。

それぞれのファイル内のVersion情報を、アップグレード後の文字列に変更します。

Version情報の記述内容

アップグレード前

アップグレード後

Version=V16.x

Version=V16.9

注意

Version行以外は、変更しないでください。

7.3.2.5 アップグレードインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでアップグレードインストールを実施してください。
アップグレード手順はプライマリノードと同じです。「7.3.2.2 アップグレードインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

ポイント

本セカンダリノードが別の管理対象サーバ業務のプライマリノードを兼ねている場合は、プライマリノードとしてアップグレードインストールを行っているため、本手順は不要です。

7.3.2.6 サイレントアップグレードインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでサイレントアップグレードインストールを実施してください。
サイレントアップグレードインストール手順はプライマリノードと同じです。「7.3.2.3 サイレントアップグレードインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

ポイント

本セカンダリノードが別の管理対象サーバ業務のプライマリノードを兼ねている場合は、プライマリノードとしてアップグレードインストールを行っているため、本手順は不要です。

7.3.2.7 アップグレードインストール後の作業(セカンダリノード)

セカンダリノードのアップグレードインストール後に必要な作業はありません。

7.3.2.8 管理対象サーバ業務の起動

以下の作業を行います。なお、本作業には、管理対象サーバでの操作に加えて、運用管理サーバとWebコンソールから実行する操作があります。

  1. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を開始します。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  2. Storage Cruiserエージェントが導入されているすべてのノードで、Storage Cruiserエージェントのサービスを開始します。
    サービスの開始方法は、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「エージェントの起動と停止」を参照してください。

  3. すべてのノードのローカル業務サービスを起動します。

    Windowsのサービス画面で、「AdvancedCopy Manager COM Service」を起動してください。

  4. データの整合性を確保するために、運用管理サーバで、stgxfwcmmodsrvコマンドを使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrvコマンドを実行してください。

    • 運用管理サーバがWindows環境の場合

      $INS_DIR\ACM\bin\stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>

      $INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。

    • 運用管理サーバがSolaris/Linux環境の場合

      /opt/FJSVswstf/bin/stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

    なお、ローカル業務を運用しているノードがある場合は、対象のノードで本手順を実施してください。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「コマンドリファレンス」を参照してください。

  5. Webコンソールで以下の操作を実施し、サーバ情報を再読込みします。

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。
      登録されているサーバの一覧が、メインペインに表示されます。

    2. メインペインで、操作対象のサーバのチェックボックスをチェックします。
      操作対象のサーバがVMゲストの場合は、そのVMゲストが存在するVMホストのチェックボックスをチェックしてください。

    3. アクションペインで、[サーバ]の下にある[設定の再読み込み]をクリックします。

ポイント

AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレード後に正常動作を確認できたら、「7.3.2.1 アップグレードインストール前の作業」の手順6-dで作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。