ポイント
アップグレードインストール中に異常が発生すると、アップグレードインストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。このため、アップグレードインストール前の状態に戻す場合は、システムをバックアップすることを推奨します。
アップグレードインストール中に異常が発生し、アップグレードインストール前の状態に戻す場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。
以下の手順で、旧バージョンレベルの運用環境をバックアップしてください。
以下の情報を、手動で退避します。
性能監視
旧バージョンレベルで性能監視を実施していた場合は、旧バージョンレベルのWebコンソールにおいて性能監視に関する以下の情報を参照して、旧バージョンレベルの設定内容を記録してください。
性能情報を取得する間隔(秒)
性能監視対象(ETERNUS ディスクアレイの場合だけ。最小 LUN_V、最大 LUN_V)
VMware vCenter Serverの構成情報
旧バージョンレベルでVMware vCenter Serverを登録していた場合は、以下の手順で旧バージョンレベルの設定情報を記録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (VMware)]をクリックします。
VMwareのEnd to Endビューの一覧が、メインペインに表示されます。
メインペインに表示されたVMware vCenter ServerのIPアドレスおよびポート番号を記録します。
Brocade seriesに対するリモート通報機能(REMCS)の設定
旧バージョンレベルでBrocade seriesのリモート通報機能(REMCS)を利用していた場合は、以下の定義ファイルを任意の場所に退避してください。
/etc/opt/FJSVssmgr/current/eventmail/remcs/remcsmail.conf
/etc/opt/FJSVssmgr/current/eventmail/remcs/remcsproduct.conf
旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をバックアップします。
バックアップに必要な容量は、「A.7 旧バージョンレベルのバックアップに必要な容量」を参照してください。
作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM メディアパック (Solaris版) (16.9以降) マネージャープログラム (2/2)」または「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Linux 64bit版) (16.9以降) マネージャープログラム (2/2)」を、DVDドライブに挿入します。
DVD媒体をマウントします。
Solaris環境でのマウント例
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。
Linux環境でのマウント例
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。
以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerのデーモンを停止します。
# /opt/FJSVesfcm/bin/stopesf.sh
以下のコマンドを実行して、旧バージョンレベルのバックアップを実施します。
backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定してください。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定してください。性能管理機能を使用していない場合、tmpDir の指定は不要です。
# <DVDマウントポイント>/Manager_unix/vuptools/esfpreinst.sh backupDir [tmpDir]
バックアップに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、コマンドを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、全角文字、日本語、空白(全角、半角)、および半角記号【 " / ` * ? \ $ [ ] , % ! { } 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
性能管理機能に関するファイルは、/var/opt配下に退避してください。/var/opt配下と異なる場所に退避する場合、退避および復元に時間がかかることがあります。
アップグレードインストールを行うサーバのディスクに、アップグレードインストールに必要な容量が空いているかを確認してください。
アップグレードインストールに必要な空き容量は、「本バージョンレベルに必要な空き容量」から「旧バージョンレベルに必要な空き容量」を引いた値です。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
旧バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、該当する旧バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムに対する排他ソフトウェアの、インストール状況を確認してください。インストールされている場合は、排他ソフトウェアのマニュアルを参照して、排他ソフトウェアをアンインストールしてください。
参照
排他ソフトウェアは、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャーの運用には、データベース領域が必要です。
アップグレードインストールを行う前に、データベース領域を見積ってください。
参照
詳細は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。
本バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャーの運用には、カーネルパラメーターのチューニングが必要です。
アップグレードインストールを行う前に、カーネルパラメーターをチューニングしてください。
参照
チューニング方法は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。
アップグレードインストールを行う前に、使用するポート番号が空いていることを確認してください。
参照
使用するポート番号は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。
DBアンセットアップを実行します。
「A.5 リポジトリの設定の解除」を参照して、旧バージョンレベルのリポジトリ用データベースをアンセットアップしてください。
Linux版バージョン15.3からのアップグレードの場合は、FJSVswsttパッケージ(SNMPトラップデーモンパッケージ)をアンインストールします。
以下のコマンドを実行して、FJSVswsttパッケージがインストールされているか確認してください。
# rpm -q FJSVswstt
FJSVswsttパッケージの情報が表示されたときは、以下のコマンドを実行して、FJSVswsttパッケージをアンインストールしてください。
# rpm -e FJSVswstt
「C.2 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 15.xのマネージャー機能のアップグレードインストール手順(Solaris版、Linux版)」を参照して、アップグレードインストールを実施してください。
参考
アップグレードインストールが異常終了した場合は、異常の原因を取り除いたあと、以下の手順で復旧してください。
本バージョンレベルをインストールしてください。
インストールが正常終了したら、「4.2.1.3 アップグレードインストール後の作業」から継続してください。
以下の手順で、旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をリストアしてください。なお、手順1~手順3がすでに実施されている場合は、手順4から実施してください。
作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM メディアパック (Solaris版) (16.9以降) マネージャープログラム (2/2)」または「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Linux 64bit版) (16.9以降) マネージャープログラム (2/2)」を、DVDドライブに挿入します。
DVD媒体をマウントします。
Solaris環境でのマウント例
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。
Linux環境でのマウント例
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。
以下のコマンドを実行して、旧バージョンレベルのリストアを実施します。
backupDir には、バックアップデータを格納したディレクトリを絶対パスで指定してください。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定してください。性能管理機能に関するファイルを退避していない場合、tmpDir の指定は不要です。
# <DVDマウントポイント>/Manager_unix/vuptools/esfpostinst.sh backupDir [tmpDir]
リストアに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、コマンドを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、全角文字、日本語、空白(全角、半角)、および半角記号【 " / ` * ? \ $ [ ] , % ! { } 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
DVD媒体をアンマウントします。
# umount <DVDマウントポイント>
DVD媒体を装置から取り出します。
SNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下のディレクトリに格納されている旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル格納ディレクトリ |
---|
/etc/opt/FJSVssmgr/current/snmpth |
ポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下の旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「ポーリングサービス設定ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル |
---|
/etc/opt/FJSVssmgr/current/polling/pollingService.xml |
Brocade seriesに対するリモート通報機能(REMCS)を利用していた場合、任意の場所に退避しておいた定義ファイル(remcsmail.confファイルおよびremcsproduct.confファイル)を以下のディレクトリに格納してください。ディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリを作成してください。
定義ファイル格納ディレクトリ |
---|
/etc/opt/FJSVssmgr/current/eventmail/remcs |
必要に応じて、SNMPトラップの設定を実施します(Linux環境だけ)。
「4.2.1.1.7 旧バージョンレベルのアンインストールの準備」の手順2でFJSVswsttパッケージがインストールされていた場合だけ、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのセットアップ」の章にある以下の箇所の手順を実施してください。
「Storage Cruiserマネージャーのセットアップ」>「SNMPトラップの設定」>「SNMPトラップ設定(Linux環境の場合)」>「ETERNUS SF SNMPトラップ監視デーモンを利用する場合」の手順4
以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerのデーモンを再起動します。
# /opt/FJSVesfcm/bin/startesf.sh
管理者権限でesfadm devconf importコマンドを実行して、旧バージョンレベルの構成情報を移行してください。esfadm devconf importコマンドを実行する前に、管理対象の装置・サーバにアクセスできる状態であることを確認してください。
# /opt/FJSVesfcm/bin/esfadm devconf import -all
esfadm devconf importコマンドを実行したあとは、esfadm devconf importstatusコマンドで[IMPORT STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。
また、移行対象のインポート状況の[STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。"Failed"の場合、構成情報の移行に失敗しているため、「9.2 異常発生時の対処」を参照し対処してください。
ポイント
本製品とファイバーチャネルスイッチ間の通信方法を、telnetからSSHに変更しています。対象スイッチのSSH機能が無効になっている場合は、SSH機能を有効にしてください。設定方法の詳細は、装置に付属のマニュアルを参照してください。
注意
esfadm devconf importコマンド実行時に管理対象の装置・サーバにアクセスできない状態の場合、装置の構成情報が移行されていないため、esfadm devconf importコマンドの再実行が必要です。
サーバ情報の再登録
AdvancedCopy Managerの管理対象サーバがVMゲストの場合、VMware Toolsが起動していない状態で移行すると、AdvancedCopy Managerが未使用の状態で登録されることがあります。このため、以下の作業を実施してください。
Webコンソールにログインします。
サーバ一覧画面で、登録されているサーバの機能レベルに"AdvancedCopy Manager"が表示されているか確認します。
表示されている場合は、ここで作業完了です。表示されていない場合は、手順3へ進んでください。
サーバ一覧画面で、AdvancedCopy Managerを使用するサーバのチェックボックスをチェックしたあと、アクションペインの[サーバ]の下にある[変更]をクリックします。
サーバの変更画面で、[このサーバにAdvancedCopy Managerを使用]に「はい」を選択し、[変更]ボタンをクリックします。
変更が完了したあと、サーバ一覧画面で、対象のVMゲストが存在するVMホストを選択し、アクションペインの[サーバ]の下にある[設定の再読み込み]をクリックします。
性能監視の再開
旧バージョンレベルで性能監視を実施していた場合は、「4.2.1.1.1 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順1で退避した情報を基に、性能監視を再開してください。
再開する方法は、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理指示」および「監視間隔設定」を参照してください。
注意
アップグレード前に採取していた容量に関する情報は、Dashboardに表示されません。シン・プロビジョニングプールの容量グラフ画面で参照してください。
VMware vCenter Serverの構成情報の再登録
旧バージョンレベルでVMware vCenter Serverを登録していた場合は、以下の手順でVMware vCenter Serverを再登録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (VMware)]をクリックします。
VMwareのEnd to Endビューの一覧が、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[VMware vCenterサーバ]の下にある[登録/再読み込み]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
「4.2.1.1.1 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順1で退避した情報を基に、必要な情報を入力したあと、画面右下の[確認]ボタンをクリックします。
アップグレード後に正常動作を確認できたら、「4.2.1.1.1 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順2-eで作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerでは、Symfowareを使用していません。
SymfowareがETERNUS SF Managerだけに利用されていた場合に限り、Symfowareをアンインストールしてください。
Symfowareをアンインストールする手順は、以下のとおりです。
Symfowareのアンインストーラーを起動してパッケージを削除します。
このパッケージ機能をETERNUS SF Manager以外、利用していないことを確認してから削除してください。
# /opt/symfoware/setup/symfo_remove
Symfowareのアンインストールを実行する確認メッセージが表示されます。実行する場合は"y"を、実行しない場合は"q"を入力します。
"y"を入力すると、アンインストールする機能を選択するメッセージが表示されます。"all"または"削除する番号"を入力して、アンインストールする機能を選択します。
再度アンインストールの確認メッセージが表示されます。アンインストールを実行する場合は"y"を、実行しない場合は"q"を入力します。
インストール環境のチェックを開始します。 インストール環境のチェックが終了しました。 警告:他製品が "Symfoware Server Enterprise Edition" を利用している可能性があります。 アンインストールを継続しますか? y: アンインストールを継続します q: アンインストールせずに終了します [y,q]: y "Symfoware Server Enterprise Edition"をアンインストールします。 アンインストールする機能を選択してください。 1: 基本機能(サーバ機能、クライアント機能) 複数選択する場合は","で区切ります。(例: 1,2) [all:全機能,1,q]: all 選択した機能 - 基本機能(サーバ機能、クライアント機能) 上記の機能のアンインストールを開始しますか? y: アンインストールを開始します n: 再び機能を選択します q: アンインストールせずに終了します [y,n,q]: y アンインストールを開始します。
Symfowareのアンインストールが正常に終了すると、以下のメッセージが表示されます。
"Symfoware Server Enterprise Edition"のアンインストールが正常終了しました。
FSUNiconvパッケージがインストールされている場合、FSUNiconvパッケージを削除します(Solaris環境だけ)。
このパッケージの機能をETERNUS SF Manager以外、利用していないことを確認してから削除してください。
# pkgrm FSUNiconv
続いて「4.2.3 運用再開」を実施してください。