ページの先頭行へ戻る
Interstage Application Server V13.0.0 GlassFish 設計・構築・運用ガイド
FUJITSU Software

11.75.50 IIOP通信時の例外情報

IIOP通信でエラーが発生した場合に出力される例外情報について説明します。
出力される例外のメッセージ情報と意味を確認して対処してください。


例外

意味

BAD_CONTEXT

コンテキストオブジェクトの検索に失敗しました。

BAD_INV_ORDER

ルーチンの呼出しが正常ではありません。

BAD_OPERATION

オペレーションに誤りがあります。
注)BAD_OPERATIONに対するマイナーコード」も参照してください。

BAD_PARAM

パラメタに誤りがあります。

BAD_QOS

要求されているQOSをサポートできません。

BAD_TYPECODE

TypeCodeに誤りがあります。

CODESET_INCOMPATIBLE

コード変換ができません。

COMM_FAILURE

通信に失敗しました。
注)COMM_FAILUREに対するマイナーコード」も参照してください。

CONTEXT

コンテキストオブジェクトの検索に失敗しました。

DATA_CONVERSION

コード変換に失敗しました。

FREE_MEM

メモリが解放できません。

IMP_LIMIT

実装に関する制限です。

INITIALIZE

初期化処理が行われていません。

INTERNAL

IIOPサービスの内部エラーが発生しました。

INTF_REPOS

インターフェイスリポジトリーのアクセスでエラーが発生しました。
GlassFishでは発生しません。

INV_FLAG

フラグの指定に誤りがあります。

INV_IDENT

識別子のシンタックスが無効です。

INV_OBJREF

オブジェクトリファレンスに誤りがあります。

INV_POLICY

ポリシーが不正です。

MARSHAL

パラメタ・戻り値のマーシャリングでエラーが発生しました。
注)MARSHALに対するマイナーコード」も参照してください。

NO_IMPLEMENT

オペレーションの実装がありません。

NO_MEMORY

動的メモリの獲得に失敗しました。

NO_PERMISSION

メソッドの実行権限がありません。
また、IIOPの認証を使用する場合、GlassFish Serverクラスターの設定でHeartbeatが有効となっていないかを確認してください。

NO_RESOURCES

リソースが不足し、リクエストを実行できません。

NO_RESPONSE

リクエストに対する応答がありません。

NotFound

指定されたJNDI名に対応するサーバーアプリケーションが見つかりません。javax.naming.NameNotFoundExceptionが出力されている場合、「11.75.45 その他のjava、javaxで始まる例外情報」を参照して対処してください。

OBJ_ADAPTER

オブジェクトの実装に関するエラーです。

OBJECT_NOT_EXIST

オブジェクトが存在しません。以下のような原因が考えられます。
また、IPCOMと連携したIIOP通信の負荷分散機能を利用している場合には、配備するモジュールのGlassFish Serverのdeployment descriptorファイルにunique-id(0以外)が指定されているかを確認してください。

  • すでにremoveメソッドなどで削除されたEnterprise JavaBeansを再度呼び出している。

  • 配備解除・アプリケーションの展開解除・アプリケーションの活性状態を無効に変更のいずれかの操作が行われたEnterprise JavaBeansを呼び出している。

  • GlassFish Serverインスタンスが停止処理中のEnterprise JavaBeansを呼び出している。

  • 配備解除中もしくは再配備中のEnterprise JavaBeansを呼び出している。

PERSIST_STORE

永続的な蓄積に失敗しました。

REBIND

RebindPolicyに設定されたポリシーに反する状況が発生しました。

TIMEOUT

タイムアウトが発生しました。

TRANSIENT

一時的なエラーです。

UNKNOWN

IIOPサービスの初期化エラーまたは未知の例外が発生しました。


BAD_OPERATIONに対するマイナーコード

BAD_OPERATIONシステム例外が発生した場合、例外情報に以下のように出力されることがあります。

org.omg.CORBA.BAD_OPERATION:   vmcid: SUN  minor code: 232  completed: No

出力される例外のvmcidおよびminor codeの値と意味を確認して対処してください。

vmcid

minor code

意味

原因・対処方法

SUN

232
246

サーバーアプリケーションが実装していないリモートインターフェイスのメソッド呼出しが行われました。

クライアントアプリケーションとサーバーアプリケーションで使用しているリモートインターフェイスが一致しているかを確認してください。

259

プロパティの解析処理で、例外が発生しました。

直前に出力されたメッセージを参照して対処してください。

1204

受信したリクエストの内容に、問題が検出されました。

送信側の保持するオブジェクト参照が不正なものである可能性があります。
処理中にGlassFish Serverクラスターまたはインスタンスの再起動が行われていないか、またはJakarta EEアプリケーションから取得したものではないオブジェクト参照を使用していないかを確認してください。

1405

RMI-IIOPでリモートインターフェイスを実装するスタブの呼出しに失敗しました。

アプリケーションクライアントコンテナでセキュリティーマネージャーが有効化されています。
アプリケーションクライアントコンテナでは、セキュリティーマネージャーをサポートしていないため、セキュリティーマネージャーを有効化しないでください。


BAD_OPERATIONシステム例外の詳細や対処方法については、「11.35.14 IOP01210200番台のメッセージ」も参照してください。
minor codeは、IOP01210XXXのXXXの部分に対応します。

COMM_FAILUREに対するマイナーコード

COMM_FAILUREシステム例外が発生した場合、例外情報に以下のように出力されることがあります。

org.omg.CORBA.COMM_FAILURE:   vmcid: SUN  minor code: 219 completed: Maybe

出力される例外のvmcidおよびminor codeの値と意味を確認して対処してください。

vmcid

minor code

意味

原因・対処方法

SUN

201

コネクションを作成できません。

指定したホスト名またはポート番号に誤りがないかを確認してください。
接続先のGlassFish Serverクラスターが停止していないかを確認してください。

203

コネクションが切断されたため、データの送信処理を中止しました。

何らかの原因によりコネクションが切断された可能性があります。
接続先に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

208

コネクションの切断を検出しました。

サーバーが受け付けるコネクション数の限界値を超えたためサーバーからの通信が切断された可能性があります。ORBの総接続数の値を見直してください。
接続先のJakarta EEアプリケーションやマシンがダウンしていないかを確認してください。

IIOP通信ソケットの送受信待機時間の超過等によりデータが不整合となったためコネクションが切断された可能性があります。
同時に発生しているメッセージ、接続先に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

210

接続先でメッセージを正しく受信できませんでした。

接続先で受信したデータに誤りを検出しました。
IPCOMと連携したIIOP通信の負荷分散機能を利用している場合は、IPCOMで異常を検出していないか確認してください。
また、ネットワーク環境に問題がないかを確認してください

211

データの受信処理で、データの読込みが完了できませんでした。

何らかの原因によりコネクションが切断された可能性があります。
同時に発生しているメッセージ、接続先に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

216

指定されたIPアドレスおよびポート番号への接続に失敗しました。

指定されたアドレス(IIOPリスナーのネットワークアドレスおよびポート番号)への接続に失敗しました。
ポートが使用中であるか、IPアドレスへの割り当てに失敗している可能性があります。
IIOPリスナーのネットワークアドレス(マシン名またはIPアドレス)およびIIOPリスナーのポートを確認してください。

218

accept処理で入出力例外が発生しました。

同時に出力されている入出力例外の内容から、原因を特定して対処を行ってください。

219

サーバーメソッド復帰時間に対するタイムアウトが発生しました。

サーバー側の処理が長くかかりすぎているか、サーバー側の処理がハングアップしている場合は、サーバー側の処理を見直してください。
また、com.sun.corba.ee.transport.ORBWaitForResponseTimeoutプロパティの値を見直してください。

220

コネクション接続処理中にタイムアウトが発生しました。

何らかの原因によりコネクション接続に失敗しました。
直前に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

225

ソケットへの書込み処理でタイムアウトが発生しました。

com.sun.corba.ee.transport.ORBTCPTimeoutsプロパティの値を見直してください。

227

ソケットへの書込み処理中に、予期せぬ例外が発生しました。

何らかの原因によりコネクションが切断された可能性があります。
接続先に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

228

データの受信処理で例外が発生しました。

同時に発生しているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

229

ソケットからの読込み処理でタイムアウトが発生しました。

com.sun.corba.ee.transport.ORBTCPTimeoutsプロパティの値を見直してください。

233

受信データサイズが最大受信バッファーサイズを超えたため、データを受信することができません。

最大メッセージ分割サイズが受信バッファーサイズより小さくなるようにチューニングを行ってください。

234

データの受信処理で、データの読込みが完了できませんでした。

何らかの原因によりコネクションが切断された可能性があります。
同時に発生しているメッセージ、接続先に通知されているメッセージを確認し、例外が発生した原因を取り除いてください。

801

キャンセルリクエストメッセージ送信時、入出力例外が発生しました。

同時に出力されている入出力例外の内容から、原因を特定して対処を行ってください。


COMM_FAILUREシステム例外の詳細や対処方法については、「11.35.6 IOP00410200番台のメッセージ」も参照してください。
minor codeは、IOP00410XXXのXXXの部分に対応します。

注意

  • IPCOMと連携したIIOP通信の負荷分散機能を利用している場合には、IIOPリスナーのネットワークアドレスの設定に仮想IPアドレスが指定されていないかを確認してください。

    この場合、仮想ホスト名を指定する必要があります。

  • IPCOMと連携した通信においては通常発生しうる例外に加え、以下のCOMM_FAILUREシステム例外が発生する場合があります。

    マイナーコード:0x464a0114, 0x464a0115, 0x464a0116, 0x464a0914, 0x464a0915, 0x464a0916出力時は「vmcid:」のあとに、「0xfffff000」の論理積の結果が出力されます。また、「minor code:」のあとに、「0x00000fff」の論理積の結果(10進数)が出力されます。

    マイナーコード:0x464a0114の場合の出力例は以下になります。

    org.omg.CORBA.COMM_FAILURE:   vmcid: 0x464a0000  minor code: 276 completed: No

    上記のマイナーコードは、IPCOMにおいて異常を検出した場合に復帰します(負荷分散対象のサーバーがすべて停止した場合や、IPCOMで通信時の異常を検出した場合など)。

    詳細については「メッセージ集」の「CORBAサービスから通知される例外情報/マイナーコード」-「CORBAサービスのマイナーコード」を参照してください。

MARSHALに対するマイナーコード

MARSHALシステム例外が発生した場合、例外情報に以下のように出力されることがあります。

org.omg.CORBA MARSHAL:   vmcid: SUN  minor code:211 completed: Maybe

出力される例外のvmcidおよびminor codeの値と意味を確認して対処してください。

vmcid

minor code

意味

原因・対処方法

SUN

211

データ受信中に例外を検出しました。

データ受信中に回線が切断された可能性があります。ネットワーク環境に誤りがないか、接続先がダウンしていないか、com.sun.corba.ee.transport.ORBTCPTimeoutsプロパティの値によるタイムアウトが発生していないかを確認してください。
送受信側で転送データに非互換が存在する可能性があります。転送データの内容、serialVersionUID変数の値を確認してください。


MARSHALシステム例外の詳細や対処方法については、「11.35.12 IOP00810200番台のメッセージ」も参照してください。
minor codeは、IOP00810XXXのXXXの部分に対応します。


注意

IIOP通信で発生した例外情報は、java、javaxで始まる例外情報に続けて、「CORBA」で始まる文字列として出力される場合があります。

以下の例では、COMM_FAILUREシステム例外が発生しており、この情報をjava.rmi.MarshalExceptionに含めてアプリケーションに通知したことを示します。

java.rmi.MarshalException:CORBA COMM_FAILURE 1398079696 Maybe

上記の例のように、「CORBA」で始まる文字列として出力された場合の確認方法を以下に説明します。

■確認方法
  1. 「CORBA」で始まる文字列に含まれる10進数「1398079696」を16進数に変換(535500D0)します。

  2. 変換した値(535500D0)の上位5桁「53550」がvmcidとなります。
    vmcidが「53550」の場合、「SUN」を表しています。

  3. 変換した値(535500D0)の下位3桁「0D0」を10進数に変換した値「208」がminor codeとなります。

  4. 「CORBA」に続いて出力される例外「COMM_FAILURE」の意味を確認し、vmcidがSUN、minor codeが208の対処を「COMM_FAILUREに対するマイナーコード」の表にて確認します。