2.4.2 GlassFish Serverクラスターの複数プロセス構成

ここでは、以下について説明します。

GlassFish Serverクラスターの複数プロセスでの運用について

GlassFish Serverクラスターに対して複数のGlassFish Serverインスタンスを登録すると、複数のJava VMプロセスを一括で起動・停止できます。
GlassFish Serverインスタンスは、実際に生成されるJava VMプロセスと対応しているため、GlassFish Serverクラスターを起動するとGlassFish ServerインスタンスごとにJava VMプロセスが生成されます。

プロセスIDとGlassFish Serverインスタンス名

それぞれのGlassFish Serverインスタンスは異なるプロセスIDとGlassFish Serverインスタンス名を持っており、ユーザーはこれらの情報を使用して各プロセスを識別します。一方、ユーザーアプリケーションや設定情報はGlassFish Serverクラスター単位で同一のものを参照します。
GlassFish Serverクラスターを複数のインスタンスで起動したときの構成について、以下に説明します。

項目	構成	説明
プロセスID	インスタンス単位
インスタンス名	インスタンス単位
設定情報	GlassFish Serverクラスター単位	設定情報は、GlassFish Serverクラスター単位で同一の設定を参照します。ただし、プロセス間の重複ができない項目(リクエスト受付ポート番号など)は、GlassFish Serverインスタンスごとに値を設定する必要があります。プロセス間の重複ができない項目については、「8.8.1 定義時に利用できるプロパティ」を参照してください。
配備済みアプリケーション	GlassFish Serverクラスター単位	配備済みアプリケーションは、GlassFish Serverクラスター単位で同一のアプリケーションを参照します。
ログ	インスタンス単位	ログ出力ディレクトリ、およびログファイルは、GlassFish Serverインスタンスごとに作成されます。
カレントディレクトリー	インスタンス単位	カレントディレクトリーは、GlassFish Serverインスタンスごとに作成されます。

注意

GlassFish Serverクラスター運用中に設定を更新した場合、更新した内容は停止しているGlassFish Serverインスタンスに反映され、すでに起動しているGlassFish Serverインスタンスには反映されません。GlassFish Serverクラスターに属するすべてのGlassFish Serverインスタンスに対して定義内容を反映させるためには、GlassFish Serverクラスターの再起動、または、すべてのGlassFish Serverインスタンスの再起動を実施してください。

ユーザーアプリケーションからは以下のシステムプロパティによりGlassFish Serverインスタンス名を取得できます。

GlassFish Serverインスタンス名: com.sun.aas.instanceName

本機能により、GlassFish Serverクラスターを複数GlassFish Serverインスタンスで運用する際にアプリケーションからプロセスを識別できます。
例えば、業務データをログファイルに出力する場合、アプリケーションからGlassFish Serverインスタンス名を取得してファイル名に付加すると、プロセスごとに異なるファイルにデータを出力できます。

例

GlassFish Serverインスタンス名取得の実装例

String instanceName = System.getProperty("com.sun.aas.instanceName");

プロセスID保存ファイル

GlassFish Serverクラスターの起動時、GlassFish ServerインスタンスのJava VMプロセスのプロセスIDが以下のファイルに出力されます。
このファイルは、GlassFish Serverクラスターを停止した際に削除されますが、GlassFish ServerインスタンスのJava VMプロセスが異常終了した場合は、ファイルが残存します。

[運用資産格納ディレクトリー]\nodes\localhost-domain1\[GlassFish Serverインスタンス名]\config\pid

[運用資産格納ディレクトリー]/nodes/localhost-domain1/[GlassFish Serverインスタンス名]/config/pid