ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER 活用ガイド<コマンドリファレンス編>
FUJITSU Software

第15章 保守/システム情報採取

コマンド

機能

Solaris

Linux

備考

cfbackup(1M)

PRIMECLUSTER ノードに関するクラスタ構成情報を保存する

Solaris のみ
ノングローバルゾーンを除く

cfrestore(1M)

PRIMECLUSTER ノードで保存されたクラスタ構成情報を復元する

Solaris のみ
ノングローバルゾーンを除く

pclsnap

システム情報採取ツール

Linux のみ

cfbackup(1M)

PRIMECLUSTER ノードに関するクラスタ構成情報を保存する

◆形式

cfbackup [ -test ] [ -f ] [ n ]

◆機能説明

本コマンドは、PRIMECLUSTER を構成する各ノード単位で実行され、そのノードに存在するすべてのクラスタ構成情報を保存します。本コマンドは、すべてのノードで同時に実行する必要があります。

本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-test

本オプションは未サポートです。開発者以外は使用しないでください。

-f

本オプションを使用すると、エラーが検出された場合でも、圧縮されたアーカイブファイルが必ず作成されます。

n

バックアップおよびリストアに使用する世代番号の最小値を指定します。

◆終了ステータス

0 :正常終了
0以外:異常終了

◆備考

cfbackup(1M) および cfrestore(1M) コマンドの実行には、下記の 2つのファイルが必要です。

  • /opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイル

    このファイルは、CCBRHOME の値を指定するために必要です。CCBRHOME は、CCBR アーカイブファイルを保存するディレクトリのパス名です。デフォルトのファイルはCCBR(Cluster Configuration Backup and Restore) パッケージの一部として提供され、CCBRHOME は /var/spool/SMAW/SMAWccbr に指定されています。システム管理者はこのパス名を変更したり、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイルに必要な追加や変更を加えることができます。ただし、CCBR パッケージを再インストールすると、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイルの内容がリセットされ、パッケージのデフォルト設定に戻るため注意してください。

  • /opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen(世代番号)ファイル

    このファイルは、CCBR アーカイブの名前を決定するために使用されます。CCBR アーカイブは、CCBRHOME ディレクトリ内に置かれ、情報の保存とリストアに使用します。この世代番号とは、アーカイブ名に付加された数値の拡張子です。アーカイブ名は、hostname_ccbrN[.tar.Z] という形式になります。

    このファイルが削除されると、cfbackup または cfrestore は、世代番号 "1" を含む新しいファイルを生成します。どちらのコマンドもコマンド引数として指定された世代番号を使用し、コマンド引数が指定されていない場合は、ファイル値を使用します。cfbackup コマンドは更に、コマンド引数 n が、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen ファイルの値以上であるかどうかを確認します。ファイルの値よりも小さければ、cfbackup コマンドは、警告メッセージを生成し、ファイル値を使用して処理を続行します。

    また、実行が完了すると、cfbackup コマンドは、このファイルの世代番号の値を 1つ増やします。システム管理者は、いつでもこのファイルを更新できます。
    /opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen ファイルの値が小さい値に変更されたり、ファイルが削除されて "1" の値を持つ新しいファイルが再生成される場合には、同じ名前を持つ古いアーカイブは cfbackup によって上書きされる可能性があるため、注意が必要です。

◆関連項目

PRIMECLUSTER 動作環境ファイルのバックアップ、リストア手順については、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書 (Oracle Solaris)" を参照してください。

cfrestore(1M)

cfrestore(1M)

PRIMECLUSTER ノードで保存されたクラスタ構成情報を復元する

◆形式

cfrestore [ -test ] [ -f ] [ -p ] [ -y ] [ -M ] [ n ]

◆機能説明

本コマンドは、PRIMECLUSTER を構成する各ノード単位で実行され、それまでに保存されたすべてのクラスタ構成情報を復元します。本コマンドは、クラスタの構成に使用するすべてのノードをシングルユーザモードにして実行してください。

本コマンドは、すべてのクラスタアプリケーション、およびリソースが削除された状態で実行してください。クラスタアプリケーション、およびリソースの削除手順については、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書 (Oracle Solaris)" を参照してください。

本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-test

本オプションは未サポートです。開発者以外は使用しないでください。

-f

本オプションを使用すると、エラーが検出された場合でも、圧縮されたアーカイブファイルが必ず復元されます。

-p

本オプションを使用すると、圧縮されたアーカイブからすでに抽出された cfrestore ファイルツリーを cfrestore が使用することができます。

-y

常に YES で応答します。本オプションを指定すると、cfrestore コマンドにより確認を求められた場合、自動的に常に YES を返します。

-M

本オプションはシングルユーザモードのチェックを停止します。

n

バックアップおよびリストアに使用する世代番号を指定します。

◆終了ステータス

0 :正常終了

0以外:異常終了

◆注意事項

バックアップ採取後に RMS の構成情報を変更した状態から、構成変更前の状態に戻すようリストアを実施すると、構成情報に不整合が発生する可能性があります。正しく構成情報を復元するには、以下のコマンドを実行し、一度 RMS の構成情報を削除した後にリストアを実施してください。

# rm -rf /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/*

◆備考

cfbackup(1M) および cfrestore(1M) コマンドの実行には、下記の 2つのファイルが必要です。

  • /opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイル

    このファイルは、CCBRHOME の値を指定するために必要です。CCBRHOME は、CCBR アーカイブファイルを保存するディレクトリのパス名です。デフォルトのファイルは CCBR(Cluster Configuration Backup and Restore) パッケージの一部として提供され、CCBRHOME は /var/spool/SMAW/SMAWccbr に指定されています。システム管理者はこのパス名を変更したり、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイルに必要な追加や変更を加えることができます。ただし、CCBR パッケージを再インストールすると、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.conf ファイルの内容がリセットされ、パッケージのデフォルト設定に戻るため注意してください。

  • /opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen(世代番号)ファイル

    このファイルは、CCBR アーカイブの名前を決定するために使用されます。CCBR アーカイブは、CCBRHOME ディレクトリ内に置かれ、情報の保存とリストアに使用します。この世代番号とは、アーカイブ名に付加された数値の拡張子です。アーカイブ名は、hostname_ccbrN[.tar.Z] という形式になります。

    このファイルが削除されると、cfbackup または cfrestore は、世代番号 "1" を含む新しいファイルを生成します。どちらのコマンドもコマンド引数として指定された世代番号を使用し、コマンド引数が指定されていない場合は、ファイル値を使用します。cfbackup コマンドは更に、コマンド引数 n が、/opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen ファイルの値以上であるかどうかを確認します。ファイルの値よりも小さければ、cfbackup コマンドは、警告メッセージを生成し、ファイル値を使用して処理を続行します。

    また、実行が完了すると、cfbackup コマンドは、このファイルの世代番号の値を 1つ増やします。システム管理者は、いつでもこのファイルを更新できます。
    /opt/SMAW/ccbr/ccbr.gen ファイルの値が小さい値に変更されたり、ファイルが削除されて"1" の値を持つ新しいファイルが再生成される場合には、同じ名前を持つ古いアーカイブは cfbackup によって上書きされる可能性があるため、注意が必要です。

◆関連項目

PRIMECLUSTER 動作環境ファイルのバックアップ、リストア手順については、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書 (Oracle Solaris)" を参照してください。

cfbackup(1M)

■ pclsnap

システム情報採取ツール

◆形式

/opt/FJSVpclsnap/bin/pclsnap [-H] [-aAbhs] [-T directory ] output

◆機能説明

本コマンドは障害解析に必要なシステム情報を採取します。
本コマンドの実行中に、本コマンドの再実行は行わないでください。
本コマンドを実行すると、作業領域が存在しているディスク装置の負荷が一時的に 80~90 %程度に高くなります。ディスク負荷が運用上問題となる場合には、業務アプリケーションやシステムが使用しないディスク装置内のファイルシステムに、作業領域を設定することを推奨します。

システム管理者以外のユーザが採取できる情報は制限されています。システム管理者権限で実行することを推奨します。

◆オプション

小文字のオプションは、採取する情報のグループを指定します。省略された場合は、-bh 指定と同じです。指定可能なグループは、-H オプションで本コマンドを実行し、Usage メッセージで確認してください。

-H

Usage メッセージを表示します

-a

カーネルソース以外のすべての情報を採取します。

-A

すべての情報を採取します。

-b

基本ソフトウェア関連のグループ情報を採取します。

-h

高信頼性関連のグループ情報を採取します。

-s

カーネルソースを採取します。

-T

directory に作業ディレクトリ(作業領域)を指定します。
本オプションが省略された場合は、環境変数 TMPDIR に定義されているディレクトリを作業領域とします。
さらに環境変数 TMPDIR が定義されていない場合は、/tmp を作業領域として使用します。もし、-T オプションと環境変数 TMPDIR の両方を指定した場合は、-T オプションで指定したディレクトリが優先されます。

output

出力媒体の特殊ファイル名、または出力ファイル名を指定します。
出力ファイル名は絶対パスまたはカレントディレクトリからの相対パスで指定することができます。ディレクトリへの相対パスは、"./" または "../" から始める必要があります。

◆使用例

# /opt/FJSVpclsnap/bin/pclsnap -a -T /work /dev/st0
# /opt/FJSVpclsnap/bin/pclsnap -a /var/tmp/pclsnap_`uname -n`.tar.gz
# /opt/FJSVpclsnap/bin/pclsnap -h pclsnap_`uname -n`.tar.gz
# /opt/FJSVpclsnap/bin/pclsnap -h ./dir/pclsnap_`uname -n`.tar.gz

◆終了ステータス

情報採取中にエラーが発生した場合は、ファイル pclsnap.elog に診断メッセージを出力し、エラーが発生した情報を飛ばして、次の情報の処理を続けます。

以下の終了ステータスを返します。

0:正常終了

1:異常終了

2:コマンドの構文が不当の場合

3:本コマンド実行中に本コマンドを再度実行した場合

◆ファイル

作業ディレクトリ:/PCLsnap.`uname -n`/pclsnap.result

作業ディレクトリ:/PCLsnap.`uname -n`/pclsnap.elog

◆注意事項

システム管理者以外のユーザが本コマンドを実行した場合、アクセスできないファイル・ディレクトリおよびサブプロシジャの一部またはすべての情報は採取されません。

◆備考1

<情報の採取>

  • 採取する情報がファイルの場合は、作業領域にコピーします。

        cp -p ファイル名 作業ディレクトリ /PCLsnap.`uname -n`
        gzip -f ファイル名
  • 採取する情報がディレクトリの場合は、そのディレクトリ配下を tar(1) でディレクトリ名のファイルにして、作業領域に配置します。

        tar cf - 採取ディレクトリ | gzip -f \
            > 作業ディレクトリ/PCLsnap.`uname -n`/ 採取ディレクトリ名.tar.gz
  • 作業領域に、実行時のログファイルを作成します。

        pclsnap.result: 本コマンド実行時のログ(標準出力)
        pclsnap.elog  : 本コマンド実行時のログ(エラー出力)
  • 最後に tar(1) で output に出力します。

        tar czfb output 20 作業ディレクトリ /PCLsnap.`uname -n`

<採取情報の参照>

採取した情報は、tar(1) でリストアします。カレントディレクトリにディレクトリ pclsnap.node 名を作り、その配下に採取時のディレクトリツリー構造のまま配置します。

    tar xzf input

input は、採取媒体に応じた特殊ファイル名または一般ファイル名を指定してください。

採取したファイルは圧縮されていますので、gunzip(1) を用いて展開してから参照してください。また、採取した情報がディレクトリの場合は、tar(1) でアーカイブファイルになっていますので、展開して参照してください。

◆備考2

クラスタを構成する一部のノードが停止している状態で本コマンドを実行した場合、本コマンドの実行処理中に以下のメッセージが switchlog、および /var/log/messages に出力される場合がありますが、対処は不要です。

(BM, 8) Failed sending message <message> to object <object> on host <host>.

(WRP, 11) Message send failed, queue id <queueid>, process <process>, <name>, to host <node>.