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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.6 (マルチパス機能編)
FUJITSU Software

1.1.1 マルチパス方式

マルチパス方式は、複数のNIC(Network Interface Card)により、NIC-スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方の通信パスを"active"状態にして通信を行う)して通信を行います。
伝送路またはNICで何らかの異常を検出した場合、運用中のNICから待機中のNICに切替えを行うことで、通信を継続し、高信頼化を実現します。

マルチパス方式で、使用可能な上位プロトコルはTCP/IPのみとなります。

図1.1 マルチパス方式 Ethernet接続


以下の"表1.1 マルチパス方式機能表"に提供機能を、"表1.2 マルチパス方式サポートメディア"にマルチパス方式で使用可能なメディアについて示します。
なお、使用するメディアにEthernetを使用する場合は、"2.2 留意事項"を必ず参照してください。

表1.1 マルチパス方式機能表

使用可能な上位プロトコル

TCP/IP

障害監視機能

障害監視

伝送路監視デーモンにより、伝送路異常およびパケット異常の監視を行い、障害検出した場合は待機NICへ切替えます。

切替え時間

約10秒

検出可能な障害

NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障

障害監視開始/停止

システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。

切替え機能

切替え時の動作

運用中のNIC(通信パス)を停止("fail"状態)し、待機中のNIC(通信パス)を通信("active")状態にします。

切戻し動作

待機中"standby"パスに対してマルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)を実行することにより、切戻しできます。

NIC共有化機能

マルチパス機能で構成するNICを、他の方式または上位プロトコルで共有できません。

接続(通信)可能な相手装置

任意

DR機能、
PCI Hot Plug機能

ESFのDR機能

DR連携スクリプトを提供することでDR機能を実現しています。

SPARC EnterpriseのXSCFのDR機能

マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)およびXSCFシェルコマンド(deleteboardコマンドまたはaddboardコマンド)によって、SPARC EnterpriseのXSCFのDR機能を実現しています。

PCI Hot Plug機能

マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)およびSolaris標準のcfgadm(1M)コマンドによって、PCI Hot Plug機能を実現しています。


表1.2 マルチパス方式サポートメディア

メディア種別

ドライバ名

サポート可否

Ethernet

bgeドライバ

×

e1000gドライバ

×

nxgeドライバ

×

ixgbe

×

igb

×

qlge

×

fjgiドライバ

fjxge

×