マルチパス方式は、複数のNIC(Network Interface Card)により、NIC-スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方の通信パスを"active"状態にして通信を行う)して通信を行います。
伝送路またはNICで何らかの異常を検出した場合、運用中のNICから待機中のNICに切替えを行うことで、通信を継続し、高信頼化を実現します。
マルチパス方式で、使用可能な上位プロトコルはTCP/IPのみとなります。
図1.1 マルチパス方式 Ethernet接続
以下の"表1.1 マルチパス方式機能表"に提供機能を、"表1.2 マルチパス方式サポートメディア"にマルチパス方式で使用可能なメディアについて示します。
なお、使用するメディアにEthernetを使用する場合は、"2.2 留意事項"を必ず参照してください。
使用可能な上位プロトコル | TCP/IP | |
---|---|---|
障害監視機能 | 障害監視 | 伝送路監視デーモンにより、伝送路異常およびパケット異常の監視を行い、障害検出した場合は待機NICへ切替えます。 |
切替え時間 | 約10秒 | |
検出可能な障害 | NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障 | |
障害監視開始/停止 | システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。 | |
切替え機能 | 切替え時の動作 | 運用中のNIC(通信パス)を停止("fail"状態)し、待機中のNIC(通信パス)を通信("active")状態にします。 |
切戻し動作 | 待機中"standby"パスに対してマルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)を実行することにより、切戻しできます。 | |
NIC共有化機能 | マルチパス機能で構成するNICを、他の方式または上位プロトコルで共有できません。 | |
接続(通信)可能な相手装置 | 任意 | |
DR機能、 | ESFのDR機能 | DR連携スクリプトを提供することでDR機能を実現しています。 |
SPARC EnterpriseのXSCFのDR機能 | マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)およびXSCFシェルコマンド(deleteboardコマンドまたはaddboardコマンド)によって、SPARC EnterpriseのXSCFのDR機能を実現しています。 | |
PCI Hot Plug機能 | マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)およびSolaris標準のcfgadm(1M)コマンドによって、PCI Hot Plug機能を実現しています。 |
メディア種別 | ドライバ名 | サポート可否 |
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Ethernet | bgeドライバ | × |
e1000gドライバ | × | |
nxgeドライバ | × | |
ixgbe | × | |
igb | × | |
qlge | × | |
fjgiドライバ | ○ | |
fjxge | × |